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ゆゆ勝手に映画評(2022)

アンカー 1

「マザー/アンドロイド」

クロエ・グレース・モレッツ主演他。最先端AIの暴走により、アンドロイドから身を隠しながら生活しなければいけなくなった人類。妊娠9か月を迎えジョージア(クロエ・グレース・モレッツ)と、父親であるサム(アルジー・スミス)は安全地帯と呼ばれるボストンを目指し危険な旅をすることに。途中立ち寄った軍の基地で聞かされた“家族移住計画”の変化に戸惑いながら、2人は無事生き残ることができるのか?終末世界を舞台にしたSFスリラー。

6点!!結構な酷評ぶりだったので期待しないで観ましたが、期待していなかった分楽しめたというか、原作のないオリジナル作品としては十分面白いのではないでしょうか。冒頭のネタバレはしないで欲しかったですが、学生の予期せぬ妊娠で人生狂ったと思っているところに、それどころではない大番狂わせが起こる展開がシニカルで良いし、ちょっとした通信障害やハッキングで起こってしまいそうな、もう現実に存在する人型AIをテーマにしているところなど、リアルでぞっとしました。禁止コードなどではなく、人が暴走を止められるもの以外は作るべきではないのだと思います。どんなに進化したくて追求したくても、それをしてしまうのが人間の愚かさということなのだと感じました。SFに関しては私は全然読めないので、どんでん返しにも「なんてこった!」と普通にショッキングでした(^^;) クロエの演技もラストカットに向かうにつれ、どんどん表情が大人っぽくなっていき、繊細な演技が相変わらず上手いと感心しました。コメディばかりでなく、賞レースに引っかかるような人間ドラマで演技力を発揮して欲しいとあらためて思いました。下手に希望を持たせる終わり方や終わったのだか続くのだかわからないSFよりコンパクトにきちんと完結している分、キャラクターたちの未来に余韻が残り、良かったです。2022年日本未公開・NETFLIX作品。

「ビッグバグ」

エルザ・ジルベルスタイン主演他。人間があらゆるニーズや欲望の充足をAIロボットに頼る2045年。新世代のアンドロイドが人類に反旗を翻し、静かな住宅街で働く4体の家庭用ロボットは家主を守ろうと、人間たちを家に閉じ込める。突然一緒に過ごすことになった噛み合わない家族、お節介な隣人、そして野心的なセックスロボット。大きな脅威が迫っているにもかかわらず、人間たちはささいな争いに気を取られていた。「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督が描くSFダークコメディー。

7点!!昨今、AI暴走で人間が大虐殺される映画が多い中、本作は旧式AIたちが人間たちを守ろうとし、仲間になりたいと奮闘する、ホロリと泣けるB級ダークコメディーでした。モニークの見た目は怖いけど、彼女の行動に涙(;_;) やはり、どの作品を観ても思いますが、人間の知能を遥かに超えているものを動く家庭用AIにしちゃダメ。アリス(エルザ・ジルベルスタイン)はアンティークを愛する女性という設定なので、家全体が木のぬくもりに溢れていて、家電や小物もレトロフレンチな雰囲気あるものばかりで、このほどよく機会に頼り、人間味も大切にする家なら、住んでみたいなぁと憧れました。まさか、このすぐ怒る叫ぶの人間味だらけ、虫好きで他人にも虫を勧めまくるアリスがテロリストのフラグとは(驚)シニカルです(笑)機械が通りやすいように美しさや情緒の欠片もなくなってしまったフランスの街並みや、タケコプター並にだいぶ不安定な空飛ぶ車を男性たちが誇らしげに乗っている様子など、監督の皮肉が効いてるなぁと苦笑いすると同時に、明らかに使いにくい最新家電が次々とメディアに取り上げられている世の中を見ているとそうそう笑ってもいられないなと少し怖くなりました。モニークたちは「感情を理解したい」と奮闘し始める時点で、感情や心を持って動いていたけど、実際のAIが感情まで網羅してしまう日も来るのだろうか?ゴテゴテの茶番劇とブラックユーモアの中でも色々考えさせられるお話でした。2022年日本未公開・NETFLIX作品。

「エンドレス・ルーーープ」

 

タープシー・パンヌ主演他。ギャングの金を失くしたダメ彼氏(タヒル・バシン)をタイムリミットまでに救うため、サヴィ(タープシー・パンヌ)は必死に走り出す!だが、サヴィはバッドエンドだらけの奇妙なループにはまってしまう。果たして、サヴィはループを抜け出しダメ彼氏を救うことができるのか!?インド発ノンストップ・ラン・コメディー。

2点!!タープシー・パンヌ3回目。勢いのある女優さんなのかな?と思い、期待して観たのですが、今作は若者向けでダラダラとスナック片手に観るのがちょうど良いゆるコメディでした。メインストーリーの他に2つサブストーリーが同時進行していて、それが何度目かの回帰で上手く絡みだしてからは、もし監督が若手ならば上手いなぁとセンスを感じましたが、けっこう小者たちの小競り合いの話なので命がかかっているのにしょうもなく見えてしまうのが残念賞でした(^^;) やっとバッドエンドを抜け出したサヴィがまさか自ら堕ちにいく選択には唖然。この男にしてこの女ありだわ、てかだからダメンズを選んじゃったのかと2時間強を返してーと思いました。そして、インド人大好きな一発逆転ドリームな展開ってゆう。私はどちらかというとアンハッピーエンドだったり、ものすごい意外性ある終わり方が好きなので、結局王道にいくのねって冷めかけたところでまた軽く落ちるっていう。七転び八起きな、ずっと走っていて選曲も良いのにテンポ感はイマイチなインド映画には珍しい、でも実はこういう若者向け映画がインドにもゴロゴロあるのかなと感じさせられる作品でした。2022年日本未公開・NETFLIX作品。

「マリリンの瞳は黒かった」

ステファノ・アコルシ、ミリアム・レオーネ主演他。精神科の施設で出会い、食によってつながった2人。あふれだす創造性から生まれた架空のレストランが現実となった今、必要なのは心を癒すレシピ。心もお腹も満たされるヒューマン・サクセス・ストーリー。

2点!!コメディなのかと思って観ましたが、笑える場面はそんなになくて、問題を抱えた人々がレストラン経営という療法?を通して自信を取り戻していく姿を追った日常系ドラマ。イタリア男はイケメンじゃなくてもオジサンでも美女と恋に落ちれるのか・・・いいなぁ(爆)個人的にはディエゴもクララも他人に対して一生消えない傷を負わせているのに自分が傷ついている、上手く生きられないということにしか考えが及んでいないので、そうじゃないだろと思ってしまいましたが、自分をケアし終わってからでも罪と向き合って欲しいなと感じました。強いだけの人じゃなく弱さを知った人間はそれ以前よりさらに人間としての魅力が増すと思っていますが、結局は過去の自分と向き合えるかどうかにかかっている気がします。精神科で料理療法は難易度は高いですが、上手く回ればどんな療法より効果が期待できそうだとも思いました。美味しいものを前にして毒づける人はそう多くないですしね。でも、ヒューマンドラマに寄り過ぎて美味しそうな料理描写が全くなかったので期待していた分、そこは残念でした。2022年日本未公開・NETFLIX作品。

「その瞳に映るのは」

 

ファニー・ボールネダル出演他。第二次世界大戦下のコペンハーゲン。大勢の子供たちがいる学校が誤爆されるという悲劇により、住民たちの運命が交錯する。実話に基づく映画。

10点!!二次大戦下のイギリス軍によるデンマークの学校への誤爆事件“カルタゴ作戦”の映画化だそうです。もう言葉が出ない、胸が押しつぶされる。戦時中のデンマークの立ち位置って微妙だったんだよなとか思いながら観ていましたが、子どもたちには何で爆撃されなきゃならないのかも死ななきゃならないのかも関係ないしわからないですもんね・・・。コペンハーゲンに幼い親族がいるので余計に、もし今誤爆されたら?もし自分の子どもだったら?と親目線で考えざるを得ません。3つのストーリーの群像劇で、大人、子ども、ドイツ寄り、デンマーク寄りなど様々な立場から描かれているのにすっきりとまとまっていて非常にわかりやすい構成なので、この事件を知らない方にはぜひオススメしたいです。

「君と一緒に過ごした夏」

エマ・パサロウ主演他。大学入学前の夏、真面目なオーデン(エマ・パサロウ)は謎めいた青年イーライ(ベルモント・カメリ)と出会う。彼と過ごす夏の夜、オーデンは自由気ままな10代としてたくさんの“初めて”に挑戦していく。サラ・デッセンのベストセラーYA小説を映画化した青春ラブストーリー。

6点!!観る前は、よくある高校最後のキラキラ恋物語かなと思っていましたが、ちょうど良いバランスで問題を抱えたステップファミリーや主人公自身の幼少期のトラウマと向き合うエピソードが描かれており、それが物語の世界観や音楽とマッチしていて、観ていて心地良いです。主人公たちが長々と自分語りを始めないのが押しつけがましくなくて爽やかな余韻を残す理由かも知れません。でもよくある話といえばそうなので、これを本で読むのは退屈そうだけど、映像にするとやっぱり夜の海やドライブインシアター、ビーチパーティーなどキラキラしてて、夏!恋!海サイコー!!となるので(笑)、映像化は正解なのだと思います。ちょっと元気が欲しい時に気軽に観られる成長痛って素晴らしい(笑)、ドライブインシアターで観たい作品です。2022年劇場未公開・NetFlix作品。

「女子高生に殺されたい」

田中圭主演他。僕は殺されるために、この学校に赴任してきた。女子高生に殺されたいがために高校教師になった男・東山春人(田中圭)。人気教師として日常を送りながらも“理想的な殺された方”の実現のため、9年間も密かに綿密に、“これしかない完璧な計画”を練ってきた。彼の理想の条件は二つ。「完全犯罪であること」「全力で殺されること」。条件を満たす唯一無二の女子高生を標的に、練り上げたシナリオに沿って、真帆(南沙良)、あおい(河合優実)、京子(莉子)、愛佳(茅島みずき)というタイプの違う4人にアプローチしていく・・・。「待ってたんだよ。君が17歳になるのを―」あなたの常識が崩壊する、究極のアンモラル・スリラー。

5点!!原作は読んだはずなのに結末が思い出せないです。でも、原作とは違う殺され方だったはず。田中圭「東京大学物語」から「女子高生に殺されたい」にたどり着いたか(^^;) 田中圭の危うさのバランスが絶妙で、ともするとやりすぎコメディーになってしまうところをシリアスを保っていて、引き込まれました。南沙良はどんどん可愛くなっているし、まだ集団だと埋もれちゃう感じが否めないけど、こういう映画でじっくり焦点があたると光りますね。普通じゃなくてそれが犯罪に引っかかるような性癖や願望を持っている人って、病気じゃないから治せないし、直そうとするとアイデンティティ崩壊にも繋がっちゃうし、一生、願いは叶わず、普通の幸せを手に入れることも出来ず、騙しだまし生きていくしかないのは、相当辛いことだと思いました。ただ女子高生に殺されたいならまだ簡単だったのに、全力抵抗した上で負けて殺されたいって超難しい(笑)2022年公開。

「パイレーツ:失われた王家の秘宝」

カン・ハヌル主演他。高麗随一を自称する剣の使い手で義賊のムチ(カン・ハヌル)と海賊のリーダー・ヘラン(ハン・ヒョジュ)は、海に消えた王家の秘宝の存在を知り、航海に向かう。しかしその先で待っていたのは、荒れ狂う海と謎の手がかりと、目的のためなら手段を選ばない強敵だった。アクション、コメディ、ロマンスが詰まった韓国発海賊アドベンチャー大作。

7点!!ソン・イェジンの方が好みなのでイェジンver.の方が観たかったなぁとハン・ヒョジュの演技がソン・イェジンと被っているような気がして仕方なかったです(>_<) リメイクでもなく続編というなら女海賊は違うタイプの女優さんにしたら良かったのに。カン・ハヌルは正統派美形なのに三枚目を演じさせるといつも超格好悪くて、今回も脇役オジサンだと思ったらカン・ハヌルだった(□△□)!! 「推奴」の脚本家の方だったので、アクション楽しみにしてたら、やっぱりド派手なアクションとそうきたかー!!と驚かせてくれる演出が多くて、内容はただのどんちゃん騒ぎなのにストーリーが進むたびに高揚感と達成感が凄くて、活劇ってこういうことをいうんだよな~と単純に楽しめてスカッとしました(^^) 朝鮮史を全く知らないわけじゃないので、え?李成桂が逆賊?崔瑩将軍逃げたことになってるの?とか「??」なシーンは海の中やクジラも相まってもはやファンタジーだったけど、アクション、アドベンチャー、ラブ、コメディ、ファンタジーまで織り込むとはさすがてんこ盛り大国の韓国映画だなと笑いながら楽しめました(ペンギンw) そこそこ面白かったので、パイレーツ1に遡って観てみたいと思います。2022年日本未公開・Netflix公開作品。

「ちょっと思い出しただけ」

池松壮亮、伊藤沙莉主演他。”ある1日”だけで遡る、ふたりの6年間。照明スタッフの照生(池松壮亮)と、タクシードライバーの葉(伊藤沙莉)。物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日・・・。コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を覚えて生きている。不器用な2人の2度と戻らない愛おしい日々を“ちょっと思い出しただけ”。

2点!!池松君の喋り方って紙兎ロペのアキラみたい(笑)いやもう、私的に近寄りたくないなという人たちのオンパレードで、「くれなずめ」もそうだったから「アズミハルコ~」は好きだけど、松居大悟監督の甘すぎる思い出たちとは価値観が合わないのかも知れないです。上映開始30分過ぎてもダラダラと内輪話が続き、ちょっといつ思い出すんだろう?と飽き始め・・・最後まで観た感想は、雰囲気映画ハンパないし、歌で映画を語ろうとしないで欲しい(爆)照生が通う理髪店の美容師、髪切りながら煙草吸う意味がわからない。もれなく切りたて、煙草臭くなるじゃん。絶対行かない。葉と絡む煙草LINEの男もウザイ。絶対何も始まらないやつだし、この二人で喫煙者のイメージをますます悪くしている。葉、致命傷レベルに足怪我している彼氏にタクシー追いかけては無茶ぶり過ぎるし、それを期待して泣くのは悲劇のヒロイン過ぎる。でも、照生の「は?」が無理なのは分かる。てゆうか、二人の会話が隣にいて会話が聞こえてきたら鳥肌立ちそうに甘い台詞のオンパレード。え?芸能関係じゃなく酔ってなくてそんな甘いの言います?あ。芸能関係だからか?最後に葉、別れた男の誕生日にひっそりケーキ買うの怖いです。しかも今彼がいて(爆)総じてわかり味ゼロ過ぎる人たちの思い出話だった。2022年公開。

「危険な関係」

パオラ・ロカテッリ主演他。恋人と婚約までしているセレーヌ(パオラ・ロカテッリ)は、真実の愛を信じてる。でも引っ越し先で出会った魅力的なサーフチャンピオンのトリスタン(シモン・レロール)がどうしても気になるが、自分の動向が元映画スターでInstagramの女王であるヴァネッサとトリスタンの賭けの対象になっているとは気づいておらず・・・。真面目な女子高校生が転校先で魅力的なサーファーの男子に心を奪われていく姿を描いたフランス発の青春ラブストーリー。

8点!!イケメンが女子と寝れるか賭けをして~という設定はもう何百回と繰り返されているが、本作は高級リゾート地ビアリッツ、サーフィン、高校生のSNS事情、古典劇とラップとバラエティに富んだ材料を凝ったディティールで魅せていて、ごちゃ混ぜなのに美しい構図の作品となっています。何といっても主演の二人、パオラ・ロカテッリとシモン・レロールがとても魅力的で、パオラはファニーフェイスがとても可愛らしく超小顔、小柄な見た目で、本作が映画初出演で主演のようだけど、ハリウッドでも絶対成功するし、これから注目していきたいネクストブレイクな存在。シモン・レロールは歌手でラップがめちゃめちゃ上手くてディズニー顔負けの王子様フェイスで、嫌なことしてるのに全部帳消しにしちゃうくらいのイケメンぶり(笑)しかも二人とも物語が進むにつれ、どんどん素敵な顔になっていき、なんだただの美男美女か状態に(爆)シモンもディズニー・ミュージカルに出てほしいなぁ。フランスの正統派イケメン、破壊力強すぎ。劇中の楽曲も良くて、ビアリッツの美しい景色と相乗効果でテンション上がります。脇役たちもそれぞれキャラがしっかり立っており、海外ドラマの感じでちゃんと生きており、それがインスタ事情というライトでチャラいテーマを地に足のついたリアルな青春として成り立たせています。まだまだ旅行に行けない今、夏休みもバカ騒ぎ出来ない今、気軽にトリップしてハッピーになれるオススメ映画です(^^) 2022年日本未公開・NETFLIX作品。

「パープル・ハート」

ソフィア・カーソン、ニコラス・ガリツィン主演他。音楽で成功することを夢見る女性キャシー(ソフィア・カーソン)と出兵を控える海兵隊員ルーク(ニコラス・ガリツィン)。愛のない打算的な結婚をすることにした2人だったが、ある悲劇をきっかけに偽装は本物へと変わり始める―。次世代スター共演でおくるロマンティックなラブストーリー。

5点!!リアル王子ことニコラス・ガリツィンとソフィア・カーソンという美男美女に眼福。でもニコラスは短髪より王子様カットの方がカッコイイからそこだけ残念。展開は特に意外性もなく読めてしまうけれど、ソフィアの歌声は相変わらず鳥肌もので惹き込まれるし、移民問題、若すぎる軍人問題などアメリカが抱える現代の問題を上手く織り込んでいたと思います。女性としてはキャシーの結婚に対しての現実的な考え方や「結婚なんて愛を敵に変えてしまう意味のない協定」という台詞が耳に痛かったです(^^;) パープル・ハートという軍賞も初めて聞きました。アメリカ人は治らない致命的な怪我を負ってこれを貰って本当に嬉しいのかな?展開が読める分、後半2度ほど寝落ちしたので、若干マイナス点です。2022年日本未公開・NETFLIX公開作品。

「ある夜、彼女は明け方を想う」

黒島結菜主演他。大学院生の彼女(黒島結菜)は、留学先のアメリカで社会人の夫(若葉竜也)と出会い、帰国後、結婚する。だが、就活の時期が迫り、彼女の就職先の内定が決まったタイミングで、夫の海外赴任が決まってしまう。彼女が仕事を選んだことで夫とは険悪になり、夫はニューヨークへ行き、別居婚状態に。そんな中、友人の代打で行った退屈な飲み会で、<彼女>は<僕>に出会ってしまう・・・。「明け方の若者たち」で<僕>が一目惚れする<彼女>の知られざる“秘密”を描いたアナザーストーリー。

6点!!「明け方の若者たち」が面白かったので、その流れでスピンオフ。どっちも大事なんですよね~(^^;)でも、暴力はアウト。それだけで完全アウト。 夫といる時の彼女の表情の方が可愛かった。彼といる時は大人の綺麗さで、夫といる時は恋をする女の子の可愛さ。誰と一緒にいるかで表情や雰囲気って変わるんだなぁと思った。明大前の歩道橋は個人的に思い出深く、大学時代を思い出した。2022年劇場未公開作品。

「余命10年」

小松奈々、坂口健太郎主演他。君と出会って、この世界が愛おしくなった。数万人に一人という不治の病で余命が10年であることを知った二十歳の茉莉(小松奈々)。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけはしないと心に決めて生きていた。そんなとき、同窓会で再会したのは、かつて同級生だった和人(坂口健太郎)。別々の人生を歩んでいた二人は、この出会いをきっかけに急接近することに―。もう会ってはいけないと思いながら、自らが病に侵されていることを隠して、どこにでもいる男女のように和人と楽しい時を重ねてしまう茉莉。―「これ以上カズくんといたら、死ぬのが怖くなる」思い出の数が増えるたびに失われていく残された時間。二人が最後に選んだ道とは・・・?限りある時間、限りない愛。抱きしめたいほど、大切な10年がある。かけがえのない今日を生きる、すべての人へ。

10点!!原作未読です。闘病ものは苦手なのですが、キャストと藤井道人監督だったので鑑賞。10年って言い方アレですが、ちょうど良い時間ですよね。ずっと激痛だとしたらありえないロングスパンですが、やりたいことを全部やって終活する時間としては足りないけれどちょうど良い。人生の価値を感じながら、生きたいと願えるほど幸福な時間を過ごせるのは、誰もが経験できることではないと感じます。ただ、リアルな話、そのスパンで治療環境、家族、金銭問題をキープできるかといえば、それは一部に人たちにしか出来ないわけで。そういう意味では茉莉は本当に幸運な人生を送れていたと思いました。お金のことや近すぎる関係の家族以外で、恋というのはとても良いエッセンスになるし、生きる気力が湧いてきます。そういう恋が手元にあることも運が良い。誰とどこでどんな時間を過ごすか、誰もが死が遠い世界の話ではなくなった今、タイムリーに感情移入できる作品です。2022年公開。

「愛なのに」

瀬戸康史主演他。真っ直ぐで厄介で、否定できないこの想い。古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、昔のバイト仲間、一花(さとうほなみ)のことが忘れられない。その古本屋には、女子高生・岬(河合優実)が通い、多田に一途に求婚してくる。一方、亮介(中島歩)と婚約中の一花。結婚式の準備に追われる彼女は、亮介とウェディングプランナーの美樹(向里祐香)が男女の関係になっていることを知らずにいて・・・。女子高生の求婚、憧れの女性の結婚―。古本屋店主・多田浩司の受難と真っ直ぐで厄介な愛情の日々。

5点!!好かれてるって残酷になれるんだな。でもならないことだって出来る。自分次第だけど、残酷にならないようにセーブするのは難しい。人間には色んな欲があって、愛には色々な欲が絡みついてるから。今泉監督ってちょっと残念な感じの女性が好きですよね(爆)結構、大惨事な話を描いているのに、小さな物語風にまとめているのが面白いです。「下手」って言われて、怒らないで「下手かなぁ?どうしたらいいかな?」と聞ける男性は愚かで可愛いと思う。結婚ってなんですべてが合格点に到達していないと壊れちゃうみたいに思われてるだろう?確かに不満点があれば壊れやすいのだけど、人間の自分ではない異性に対する欲は果てしなく、その隙を突かれるタイミングは果てしなく山積みだからだろうか。あと、「気持ち悪いです」なんて初対面で言ってくる人の方が気持ち悪いよと思ってしまった。なんてことを考えてしまう作品でした。2022年公開。

「流浪の月」

広瀬すず、松坂桃李主演他。女児誘拐事件。その真実は、二人だけのもの。帰れない事情を抱えた少女・更紗(広瀬すず)と、彼女を家に招き入れた孤独な大学生・文(松坂桃李)。居場所を見つけた幸せを噛みしめたその夏の終わり、文は「誘拐犯」、更紗は「被害女児」となった。15年後。偶然の再会を遂げたふたり。それぞれの隣には現在の恋人、亮(横浜流星)と谷(多部未華子)がいた。世界の片隅で生きるふたりの物語が、息が止まるほどの感動と深い共鳴であなたを包む。本屋大賞受賞の傑作小説×監督:李相日が描く、愛より切ない物語。

8点!!原作は話題になっていた頃に読みましたが、あまり印象に残っていません。印象に残っていない原作でも李監督なので重厚に仕上げてくるだろうなと楽しみにしていました。もう、最初から最後まで主演二人の息苦しさビシビシの演技合戦が凄まじいです。何なら横浜流星も一皮も二皮も剥けてる鬼気迫る演技です。広瀬すずは李作品で再び日本アカデミーを獲りにいっている印象ですが、役柄上、松坂桃李の方が賞レースに近い印象。更紗がうなされている時の表情が、広瀬すずか白鳥玉希か見分けつかないくらい重なってみえて驚きました。文の病気の表現はかなりわかりにくくて、原作読んでないと勘違いしてしまうのではないかなと感じました。二人の場合は(ある意味)一線を超えてしまったのだけど、超える場面が「パラサイト」を彷彿とさせるシーン(橋=車)で撮影監督がポン・ジュノとよく組んでいるホン・ギョンピョと聞いて納得。今の世の中、雨の中に一人ぼっちの子どもを見つけても助けられないんですよ。助けたら警察呼ばれちゃうからハラハラしながら微妙な距離感で見守るしかない(>_<)  文の部屋は原作でイメージしていたのより広くて、ワンルームじゃなったっけ?と思いました。亮が絵に描いたようなモラハラでイケメンが演じるとより無理って嫌悪感がありました。幼い頃に虐待されていた女性はモラハラ傾向のある異性に惹かれてしまう。帰属願望というか、最初はモラ男のことを「頼れる」「ああ、もう大丈夫だ」と勘違いしてしまうんです。「頼れる身内のいない人間は逃げるなんて出来ない」というリアルな台詞が耳に痛かったです(;_;) 原作よりはレベルを上げてきているけれど、文と更紗以外はよくいる人々の話なので、目新しいものではなく。どうなんだろう?仕上げてきてはいるけれど、全体評価しにくい作品です。2022年公開。

「ウェディング・ハイ」

篠原涼子主演他。クセ者ぞろいの結婚式、一体どうなる!?結婚式、それは新郎新婦にとって人生最大のイベント!プランナーの中越(篠原涼子)に支えられ、新郎・彰人(中村倫也)と新婦・遥(関水渚)も幸せな式を迎える、はずだった・・・。しかし、スピーチに人生を懸ける上司・財津(高橋克実)をはじめ、クセ者参列者たちの熱すぎる想いが大暴走!式はとんでもない方向へ・・・!?中越は披露宴スタッフと共に数々の問題を解決しようと奔走するが、さらに新婦の元カレ・裕也(岩田剛典)や、謎の男・澤田(向井理)も現れて・・・。果たして“絶対にNOと言わない”ウェディングプランナーは全ての難題をクリアし、2人に最高の結婚式を贈ることが出来るのか―!?笑いの鬼才・バカリズムが仕掛ける、爆笑ウェディング・エンタテインメント!

3点!!バカリズム脚本は説明的であまり面白くないと思っていましたが、大九明子監督なので観てみました。やっぱり、すべてのキャラクターの思考がバカリズム一辺倒でバラエティに欠けます。色んな人が集まる結婚式の面白さを描いている筈なのに、誰もかれも考えることが一緒っていう2時間は結構苦痛です(>_<) 前作「地獄の花園」もそんな感じだったので、面白くないわけではないけれど、もうバカリズム作品はお金を出しては観ません。ただ、結婚式っていいなと思わせてくるものはありました。自身の結婚式を思い出させられました。余興コラボ、一気に本格的&豪華になって良いですね。一瞬で終わるキャンドルサービスも素敵。新婦的には披露宴は結構キツイし、リスクが増えるからあまり歩き回りたくないはずだし。ちなみに、式場側の無理な注文は、必ず、客ではなく新郎新婦の許可を取って欲しいです。だって友人の一生に一度の場で客は断れないし、後で必ず新郎新婦が平謝りする羽目になるから(>_<) 実際、毎日、ウェディング・ハイになり過ぎて、何がやり過ぎかどうかわからなくなっているのは、プランナースタッフの方だと思うし(爆)ご祝儀なくなっちゃう問題は警備何とかならないんですかね。何百万がなくなるとかありえないのに結構起きてるし(最終的に見つかっても一時的にどこにあるかわからなくなる問題)受付に警備スタッフ2名くらい配置すればいい話だと思うんだけど・・・。岩田&向井の裏ストーリーも下品な方向にいってしまってるのが結婚式にそぐわなくて好きじゃないです。あと、宮尾俊太郎さんが変わり過ぎてて宮尾さんだって気づかなかった。格好良かったのにどうしちゃったの?(涙)2022年公開。

「ナイトメア・アリー」

ブラッドリー・クーパー主演他。ショービジネスでの成功を夢見る野心溢れる青年スタン(ブラッドリー・クーパー)がたどり着いたのは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座。そこで読心術の技を身につけたスタンは、人を惹きつける才能と天性のカリスマ性を武器にトップの興行師となるが、その先には想像もつかない闇が待ち受けていた。ギレルモ・デル・トロが創り上げた、世界で最も美しく最も魅惑的な悪夢の小路にようこそ。そこであなたを待ち受けるのは、過去・未来にわたって唯一無二の映像体験!

4点!!相変わらずショッキングな結末へと転がり堕ちていくなぁ(^^;) デル・トロの凄いところは、気づいた時にはそのバッドエンドしかありえない袋小路に追い込まれてるところですよね。でも、中盤までどの方向にストーリーが向かっているのかわからなくて、2度寝落ちしました。途切れ途切れな感じでテンポ感に欠けるので、ファンじゃないと観られないかも。リリス(ケイト・ブランシェット)はなぜスタンに絡むのか?モリー(ルーニ・マーラ)は途中退場状態になってしまうのか?謎だらけのまま泳がされてる感覚はじっくり本を読むのと似てる気がします。デル・トロ作品は「パンズ・ラビリンス」みたいにバッドエンドだけど完璧な名作というのもあるけれど、これは途中で結末読めちゃうし、リピートしようとは思わないかなぁ。ちょっと、全体的に演者の年齢層高すぎるし(爆)2022年公開。

「13人の命」

ヴィゴ・モーテンセン主演他。2018年6月23日、タイの森林公園内にあるタムルアン洞窟に地元のサッカーチームの少年とコーチ計13人は遊びで入っていく。しかし、時期外れの豪雨が突然降り始め、洞窟内はあっという間に水没してしまい、少年たちは途中で取り残されて出れなくなってしまう。世界中が固唾を飲んで見守り、多くのボランティアが現場に駆けつける中、ベテラン水中洞窟ダイバーが動き出す。世界が見守った実話を基にした巨匠ロン・ハワード監督最新作。

8点!!ロン・ハワードは合う作品と合わない作品があるので迷いましたが、観る機会があったのでトライした結果、正解でした(^^) 東南アジアで洞窟に閉じ込められる子供たちというのはそう珍しくないので、このタイの事件もこんなニュースあったような?というくらいの記憶でした。この救出劇には日本人も結構関わっているのに、日本メディアは海外に目を向けなさすぎるんですよね。だから、日本人はどんどん内側からしか判断出来ないことになっていく・・・(>_<) ヴィゴ・モーテンセンとコリン・ファレル、おじいちゃんじゃん!ってことを抜かせば、もう完全にミッション・イン・ポッシブルな救出をやり遂げた胸アツな1本。子ども、親、ダイバー、トップ陣営、それぞれの想いも浅すぎず深すぎず、ちゃんと響くように描かれていて、全体的なバランスが見事な作品でした。発見された子どもたちが発した言葉たちと最後のクリス(トム・ベイトマン)の言葉に涙腺決壊。やっぱり、「海猿」とか本作とか、人智が及ばない場面での人間が起こす奇跡はドラマティックです。閉所恐怖症の人は大スクリーンでは止めた方が良いくらい、終始、ハラハラドキドキですが、久々にがっちり映画!という作品を観られて満足です(^^)2022年劇場未公開作品。Amazonオリジナル映画。

「雪道」

キム・セロン、キム・ヒャンギ主演他。1944年、日本統治下の朝鮮。忠清南道の小さな村・江景に2人の少女が暮らしていた。母や弟と貧しい生活を送るチョンブン(キム・ヒャンギ)、そして裕福な地主の家に育ったヨンエ(キム・セロン)は共に15歳。ある日、ヨンエは女子勤労挺身隊に選抜され、日本の工場に行くことを決める。そんなヨンエを羨ましく思っていたチョンブンも日本行きを誘われる。ところが、チョンブンに声を掛けたのは悪徳ブローカーだった。さらに、ヨンエの日本行きも嘘だったことが明らかに。間もなく、中国の牡丹江にある日本軍の慰安所に連行された2人は、悲惨な日々を送ることに。“獣のように生きるのは嫌!”と自殺を試みるヨンエを止めるチョンブン。互いに慰め合いながら耐えて生き抜く2人に、やがて脱出のチャンスが訪れるが・・・。第二次世界大戦末期、「日本軍慰安婦」として過酷な運命を共に耐え抜いた二人の少女の友情ドラマ。

9点!!このネームバリューで日本未公開のまま終わるかと懸念していましたが、一部地域限定で公開されたようです。慰安婦問題は日本も韓国もそれこそ世界中で起こった人による悲劇の犯罪だけど、そのひとりひとりの人生を忘れてはいけないと思いました。被害者本人の辛さは勿論のこと、母親、兄弟、父親、関わる皆が生涯癒えることのない、言葉にならない辛さを抱えて生きることになってしまう。人が起こした悲劇は必ず止められるはずなのに、いまだに同じことが繰り返されている。世界に男性がいなければ違った?女性が同じようになるだけか?キム・ヒャンギはキム・セロンと並ぶと同じ歳なのに9歳くらいにしか見えないけれど(^^;)、ラストの二人の名演はエモーショナルとテクニカルを使いこなしてて、見事でした(^^) キム・セロン、このまま消えちゃうには惜しい存在なので(今も抜群に上手い)、しれっと復活して欲しいな。ドラマの再編成だけど、綺麗にまとまっているし、観やすいので、ぜひ。2022年公開。

「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー」

山田涼介主演他。国家錬金術師ばかりを狙った連続殺人事件が起きる中央(セントラル)を訪れたエド(山田涼介)とアル(声:水石亜飛夢)。犯人は正体不明ながら、額に十字傷を持つことから“傷の男(スカー)”(新田真剣佑)と呼ばれていた。兄弟も命を狙われ応戦するものの、圧倒的な強さの前に機械鎧(オートメイル)を破壊され、絶体絶命となる。果たして二人はこの危機を乗り越え、元の身体を取り戻すことができるのだろうか。隠されたこの国の秘密と“約束の日”、そしてエドとアルの父親の過去。幾重にも重なる謎と真実が解き明かされ、物語は圧巻のフィナーレへ。最後に兄弟が出した答えとは・・・?原作の最終話まで描き切った“完結編”―伝説は二部作で完結する。

4点!!原作読んでます。実写版ハガレン、ビジュアルは完璧なのだけど、演技が学芸会なんですよね~。冒頭のおじさん錬金術師の台詞からもう聞き取れない(;_;) 真剣佑も声低いから中々聞き取りづらい。しかも序盤「ジョジョ~」と同じテンション(^^;) 演技は学芸会でもこのキャストと内容なのでアクションには期待していましたが(ほぼそれ目当て)、海外作品と比べて破壊の仕方がショボいし、アクションもなんかゆるふわっとしてる?(山田vsランファン黒島)アルは分かるにしてもどうしてエドまで逃げ足めっちゃ遅いの?鎧つけてても速く走れないとめっちゃ弱そうじゃない?どうしてそんなに筋肉ついてない身体でエドに再チャレンジしたの?(汗)そして、めっちゃ豪華なちょい役の山田裕貴より分かりにくい映画界のカメレオン深水元基。ハボック少尉ですよ、皆さん見つけられましたか?(笑)ラストのエンヴィー(本郷奏多)ももっと大きくても良かったじゃん。なんでこう小まとめにケチるの?日本映画って。本作はお祭り映画だし、映画は映像なのだから、原作超えの迫力ドンと来いだし、皆それを期待して映画館に行くんだよー(>_<)なんかけなしまくっている気もしますが、原作ラストまで一気に駆け抜けるようなので、内容は詰め詰めで、元々マイナス評価からのスタートだったので、中々楽しめました。過去にも書いた気がしますが、原作は大人になってから初めて泣いたアニメなので、唯一演技の上手いアル(爆)とのやりとりにホロリとさせられましたし、いちいちヒューズ(佐藤隆太)が生きていることに感動してしまう(^^;)。後半は錬金術使っても良いからアクションの精度ももっと高めて欲しいです。意外と前編が良かったので、後編観ると思います。2022年公開。

「雨を告げる漂流団地」

声:田村睦心主演他。夏よ終わらないで。まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐(声:田中睦心)と夏芽(声:瀬戸麻沙美)。小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽ(声:村瀬歩)の存在について聞かされる。すると、突然不思議な現象に巻き込まれ―気づくとそこは、あたり一面の大海原。航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?果たして元の世界へ戻れるのか?ひと夏の別れの旅がはじまる―。

2点!!オリジナル作品なのかな?前作「ペンギン・ハイウェイ」が森見作品でしっかり考察出来る内容だったのに比べて、本作の中盤までどこかで幾度となく見たことのある漂流生活が繰り広げられているだけで相当眠たくなりました。しかも、アニメだから違和感ないと思っているのか、それ落ちたら即死だなとか水泳選手じゃないとこの距離は戻ってこれないよなとか、そんなに語尾伸ばして叫ぶ奴いないだろとかアニメゆえの不自然さが悪目立ち。いやいや、観覧車に団地は引っ張れないでしょう(爆)それもこれも「ペンギン~」で成功したスタジオコロリドというプラスイメージからのスタートだったから余計にがっかりです。小学6年にしては幼すぎるレイナの我儘っぷりとか、この手の作品に必ず出てくるキャラだけにうんざりでした。設定、4年生くらいにした方が良かったのでは・・・。子どもたちがやっと生死を意識し始めてからは結構グッとくるシーンもありましたが、現象の考察ができない甘い作りが気になって、現実に引き戻されちゃうというか。お化けは主説はおーなるほど(笑)と思いました(^^;) 主、自分なんでここにいるんだろう?って思い続ける設定辛くないですか?(爆)ひと夏感は満載で映像も大スクリーン向けで良かったですが、もう少し幅広い年齢層が楽しめるように作って欲しかったです。2022年公開。

「少女バーディ 大人への階段」

ベラ・ラムジー主演他。13世紀イギリス。聡明で冒険好きな少女バーディことレディ・キャサリン(ベラ・ラムジー)。ストーンブリッジの貧しい領主、ロロ卿(アンドリュー・スコット)の末っ子であるバーディは、経済的困窮を救ってくれる裕福な男性と結婚させられそうになるが、ありとあらゆる手を使い、求婚者を追い払おうとし、両親と対立していくが・・・。年頃になれば政略結婚することが当たり前だった時代、少女バーディの視点で描かれる今なお続く差別にユーモアをもって立ち向かうティーンズ・コメディ。


1点!!Amazonオリジナルは良作が多いし、本作のメガホンをとったレナ・ダナム監督もファンが多いようなので(私は初見です)期待したのですが、何というか、中世のとても受動的な子どもの日常の、まさに日記だなぁって(^^;) 演技やコメディ路線の笑いも特に面白かったところはなく、主人公の可愛らしさで保たせたいところだけれど、特に可愛くないし、好みでもない(爆)イギリス中世の貴族の十代女子って誰も考えることは同じで、暇だから不満が生まれるし、そんなこと考えていられるんでしょって思ってしまうところがある・・・。まぁ、花嫁修業や家庭を支える以外何もするなと言われているから、そうなってしまっていて、それを差別と言われればそうなのですが・・・。チャレンジ精神を初めから摘まれるとこうもつまらない人間になってしまうものなのかと反面教師にはなる映画です。2時間ないのに長く感じたので、1時間くらいのショートムービーで良かったかなと思います。2022年劇場未公開・Amazonプライムビデオ公開作品。

「JOGI ー街が炎に包まれた日ー」

ディルジット・ドゥサンジ主演他。1984年、インド・デリーでインドの首相インディラ・ガンディーが暗殺された。その実行犯がシーク教徒だったことから反シークを掲げる人々が暴動を起こし、大規模虐殺を始めてしまう。高まる緊張の中、それぞれ異なる宗教を信仰する3人の友人たちは、数百人の命を救うため、共に崇高かつ危険な闘いに身を投じていく。本国インドでも長年タブーとされてきた1984年のシーク虐殺をを描いたヒューマンドラマ。

9点!!公開前から気になっていましたが、なかなか批評サイトにタイトルすら登録されず情報がなかったので、先送りにしてました。情報解禁され出したので鑑賞。1984年は私が生まれたばかりくらいなので、この事件をタイムリーには知らないけれど、シーク教はインドでメインのヒンドゥー教から派生した少数派ですね。派生したということは意見が割れたから派生したわけだし、でも本作では、シーク教徒が議員リストに何名もいる状況なので、少数派だから迫害されっぱなしというわけではないみたい。そんな知識しかない状態で鑑賞(^^;) でも全く問題なしで、エンタメを得意としているアリ・アッバス・ザファル監督作なので、宗教どうこうよりも人間同士の感情のやりとりがメインなので、そこはやはり上手くて胸アツな展開が何度もあり、インド映画では珍しい2時間に盛り沢山で収めているテンポ感もとても良い。信仰心に大事な髪を切るシーンひとつとっても、それがどれだけジョギ(ディルジット・ドゥサンジ)の心の核を傷つけるのかすごく伝わってきたし、違う宗教の親友もその痛みを分かち泣いているのを観て、やっぱり宗教の前に人なんだよ!と人類愛を信じたくなりました。4人目のフィクサーがまた最高で、「えっここで恋愛話始めちゃう!?」と一瞬呆れるのだけど、これがまた泣けるのよ。口髭のイケオジたちだけあって四銃士に見えました(笑)悪徳政治家はもう日本の官僚にしか見えなかった(爆)駄目だ、世界が全体的に汚職され過ぎている。朝、出かけて、昼、こんなんなる?とか一瞬思うけど、恐らくその前からインドの歴史上、一触即発の状態が続いていたのだと思いますし、戦争も起きないと思ってたらもう始まってたが歴史上、いまだ繰り返されることが証明されちゃいましたしね。普通、これだけ大きな虐殺をテーマにしているとそれだけで成り立ってしまうところに、恋愛、家族、友情、政治すべてを盛り込み、VIVA人類愛に昇華させてしまう極上エンタメです。2022年日本未公開・NETFLIX公開作品。

「スクール・フォー・グッド・アンド・イービル」

ソフィア・アン・カルーソ主演他。どんな物語にも光と影がある。親友のソフィー(ソフィア・アン・カルーソ)とアガサ(ソフィア・ワイリー)が誘拐され連れてこられたのは、おとぎ話の世界の善悪のバランスを保つため、主人公と悪役を育成する魔法学院。プリンセスに憧れるソフィーは過去にシンデレラや白雪姫が通っていたヒーロー&ヒロインの学校に、不吉でダークなものに惹かれるアガサは悪役の学校に入学しようとするが、それぞれ希望しない方の学校へ入れられてしまう。そこで、2人の友情の絆が試されていく。「シンプル・フェイバー」「ラスト・クリスマス」のポール・フェイグ監督と豪華俳優陣でおくるファンタジー・アドベンチャー。

10点!!ユニバーサルで頓挫してネトフリが買い取ったけれど、今年の目玉ファンタジーのひとつと言われているし、劇場公開を目指すべきだった作品。ネトフリは有料サブスクだから劇場公開すると顧客が減ってしまう部分もあると思うけれど、このままだと尻つぼみになるのは目に見えているし、Amazonスタジオが成功しているので、劇場同時公開すれば良かったと感じました。ソフィー役のソフィア・アン・カルーソは冒頭、寝起きなのにメイクばっちりでしかもメール乗り悪くてノイズだった。中盤以降、ちゃんと綺麗なメイクが出来ていたし、童顔だからあんなにばっちりメイクしない方が良かった。アーサー王とかフック船長とか物語キャラの子どもが沢山出てくるので、「ディセンダント」とか好きな方にはオススメです。主人公だけでなく、サブキャラにいたるまで多面的に描かれていて、善悪では割り切れない人間の複雑さや魅力を感じさせるシーンが多くあるので、悪役にも感情移入できるのが良くて、物語に深みを与えています。序盤は反面教師的に、後半はストレートに善と悪について考えさせられる構成になっているので、老若男女問わず楽しめます。ファッションもゴテゴテしてるけど可愛い。人種の多様性を意識したキャスティングも魔法界のゴチャゴチャ感とマッチしていて、良かった。パーフェクトな作品ではあったけれど、付け加えるならば、ソフィア・アン・カルーソは舞台女優で歌が抜群に上手いので、ミュージカルで観てみたかった。これまでのファンタジー映画やドラマの既視感はあるものの、ちゃんとオリジナルな個性もあり、原作を読みたくなったし、2時間強があっという間で続編が楽しみです♪2022年劇場未公開・NETFLIX公開作品。

「鋼の錬金術師 最後の錬成」

山田涼介主演他。国家中枢には、国民の魂と引き換えに完全な存在になろうと企てる最大の敵―ホムンクルスたちの生みの親“お父様”が潜んでいた―。エド(山田涼介)とアル(声:水石亜飛夢)の兄弟と、軍の暗部に向かうマスタングたち、そして賢者の石を求めるシンからの来訪者は、共闘し、この陰謀を阻止できるのか?そして全ての鍵を握るエドとアルの父親の正体とは>彼が語る“約束の日”とは一体何なのか?残された時間はあとわずか―求め続けた身体と引き換えに兄弟が出した最後の答えとは?兄弟が歩んできた長い旅路の結末がここに。原作を愛するキャスト・スタッフ陣が圧倒的なスケールで描き切る、堂々の“完結編”。


3点!!原作読んでます。がしかし、何故かアニメ劇場版の「シャンバラを征く者」が強く印象に残っていて、原作ラスト忘れたまま、鑑賞。概ね、合ってるっぽいです。前編はスカーを中心にシンプルに描いていたのに比べて後編は新たな登場人物が次々と出てくる上に(しかも重要)、今なんで戦ってるのかわからないくらい混戦してるので、原作読んでない方はサッパリついてこられないと思います。映画にするなら、何となくでも良いので初見さんも楽しめるように作って欲しいです。1作目から大根を埋めるために大根を大量投入していた本作ですが、ディーン・フジオカだけちょっと上手くなったような、なってないような?(爆)1作目と比べると訳わかんないけど見ごたえは増したと思います。シン国キャスト陣が良かったです。ながら観していたわりにポイントではちゃんと泣けたので、原作よく出来てるんだなぁと(爆)ラストが主役だから仕方ないけど大根2人で終わったのがかなりマイナス。怖いもの観たさで観る方はどうぞ。2022年公開。

「グッド・ナース」

ジェシカ・チャンステイン主演他。命を脅かす心臓病を抱える心優しいシングルマザーのエイミー(ジェシカ・チャスティン)は、看護師として、ICUのきわめて多忙かつ過酷な夜勤で肉体的にも精神的にも限界を迎えていた。しかしある日、そんな彼女の部署に、思いやりがあり、親身になってくれる同僚のチャーリー(エディ・レッドメイン)が配属されたことで、エイミーの生活に一筋の光が。病院での?い夜を共に過ごすうちに、2人は固い絆で結ばれた親友同士になり、エイミーは久しぶりに自分と幼い娘たちの未来に心から希望を持てるようになる。ところが、患者の不審死が相次いだことをきっかけに、チャーリーを第一容疑者とした捜査が開始。エイミーは、自らの命と子供たちの安全を危険にさらしながら、真実を突き止めることを迫られる―。アメリカ史に残るシリアルキラーと対峙することになった看護師の実話を基にしたサスペンス。

8点!!ホラーじゃないのにまじで怖い。ストーリーとしては実話もので某アンビリー〇ボーによく出てくる類の犯罪ものなのだが、エディの持ち味である“異質さ”が「HICK」の時の数万倍恐怖を感じさせる形で体現されている。ジェシカもまた、追い詰められる役柄を演じることが多いが、これまでは特殊な職業のタフな女性を演じることが多かったのに対し、本作ではごく普通の生活に追い詰められまくりな母親役ということもあり、追い詰められ方が同じ母親として分かり味が深過ぎて、ここまで追い込まれている彼女の演技を観たことがなかったほどだ。なので、ストーリーはありがち(犯罪的にはアメリカ史に残るレベルでありがちではない)だけど、二人の演技バトルをじっくり観る感じ。実話好きな方や二人のどちらかを好きな方なら楽しめると思います。理由が明かされない、理解出来ないものってそれだけで怖さ倍増ですよね。怖すぎて二度と観たくない「殺人の追憶」と同ジャンルな怖さがありました。チャーリーが犯罪に走った理由を本作の中で探したけれど(実際、明白にはされていない)、尊厳死、母親の死、子どもを残して死ぬこと、辺りがキーポイントなのかな?でも、それさえも本人が理由を明かさない限り、永遠に実際のところはわからない。せめて、精神疾患の病名が何てついたのか知りたかったです。人格障害なのか?と疑ってしまうような裏表だったので。てゆうか、アメリカはここまで自殺未遂や軽犯罪の逮捕歴があり、重篤な精神疾患を抱えている人が命を扱う職に就ける国なの?そっちの方がアンビリーバボーなんですけど。スルーしたのが1~2件の病院じゃないからね。最後のテロップで医療事故や犯罪を一般層が認めさせるのってどこの国でもとてつもなく妨害されるし、難しいことなのだなと絶望しました。エディが「ジュピター」並みの異質さでソン・ガンホ並みの急ギアの入れ方してくるので、ホラー苦手な方はスルーした方が良いかも知れません(汗)2022年公開。

「ベイビー・ブローカー」

ソン・ガンホ主演他。赤ちゃんを高く売る。それだけのはずだった。古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、<赤ちゃんポスト>がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が<赤ちゃんポスト>に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊がいないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳に呆れるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ペ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが・・・。「万引き家族」是枝裕和×「パラサイト 半地下の家族」ソン・ガンホほか豪華競演でおくる<赤ちゃんポスト>で出会った彼らの、特別な旅物語。第75回カンヌ国際映画祭エキュメニカル審査員賞、主演男優賞W受賞作。

6点!!「万引き家族」韓国版みたいな。フランス映画では大御所に配慮し過ぎたせいか大失敗してた是枝監督ですが、韓国映画では同じアジアで共通する部分も多く、俳優陣がクセの強いタイプではなかったため、ある程度成功していると言えるでしょう。でも、近年の是枝作品にあるズドーンとした重さやエグさはなく、ソン・ガンホがいつもみたいに急にギア全開にすることもなく(するポイントはあった)、どこかぼんやりした作品になってしまったのも事実で、それが韓国で評判が悪かった一因だと感じました。サンヒョンの急展開と結末がめっちゃわかりにくいんです。あそこをもう少し踏み込んで見せちゃった方が良かった気がします。これでソン・ガンホは主演男優賞を獲れたのが意外でした。ギア踏み込んでないのにって・・・(爆)イ・ジウンは本作の為にダイエットしたのか?というくらい痩せてて、元々病的に細くそのまま出ても問題ないくらいだったので、心配になりました(^^;) あと冒頭、「救ってあげたいんです」とホラを吹くサンヒョンを見る赤ん坊の目が明らかに「胡散臭えな」って顔で笑ってしまいました。何ていうかサンヒョンの件もそうですが、闇を残した作品で、執行猶予がついた人間が養父母になれるのか?ヤクザを殺したソヨンは狙われ続けるのではないか?とか危険な火種を残したまま、ほんわりと終わってしまったのが気になりました。眠くなるわけでもズドーンとのしかかるわけでもない曖昧な問題提起作品です。2022年公開。

「聖なる証」

フローレンス・ピュー主演他。時は大飢饉から13年後の1862年。ナイチンゲールの教育を受けたイギリス人看護師のリブ・ライト (フローレンス・ピュー) は、アイルランドはミッドランズ地方の敬虔なコミュニティに呼ばれ、15日間かけて同胞の一人を観察するよう依頼される。その人物とは、4ヵ月もの間食べていないにもかかわらず、天の恵みにより奇跡的に生かされているという11歳の少女、アナ・オドネル (キーラ・ロード・キャシディ)。アナの健康状態が急激に悪化するなか、リブは真実を暴こうと決意するが、信じることをやめようとしない村人たちの厚い信仰が立ちはだかる―。19世紀に起きた4か月食事を取らない“奇跡の少女”の実話を基にしたサイコスリラー。「ルーム」のエマ・ドナヒュー脚本作品。


4点!!冒頭から意味深な構成で入り口が小難しいことになっている。理解出来るだろうか?とずっと気になってしまうけれど、あまり気にしないで観た方が良いです。1860年代、看護師はまさしくナイチンゲールの活躍あって「白衣の天使」と呼ばれていた頃だけれど、舞台となるアイルランドの片田舎などでは、修道女が看護師の役割を担っている。看護師が求められるものが科学的医療より精神的癒しの割合が大きいと一般層が認識している雰囲気。それがどっぷり宗教方面に引っ張られてしまっていたのがこの事件。つまり、観ながら謎解き感覚で「点滴じゃない?」なんて科学的な回答を予想したりしたけれど、そんなわけもなく、やっぱりあっち方面で。キリスト教徒が隠す罪ってこれ一択なのかしら?(^^;) 善も悪も何事においても、どちらかに傾倒し過ぎるとコインの表裏があっさりひっくり返ってしまう。裏になった人々はひっくり返っていることに気が付かない。本作の最後もIN,OUTが、自分の力で外へ出たつもりでも新たな物語へと移動しただけに過ぎないことを示唆している。私たち人間が見るものはすべて“信じる”という錯覚に過ぎないという結論に落ち着いているけれど、哲学方面に持っていきたいなら、もう少し深く掘り下げて欲しかったし、そうじゃないと少し考えてすぐ忘れる類の作品になってしまうと残念に感じた。2022年劇場未公開・NETFLIX公開作品。

「バイオレンスアクション」

橋本環奈主演他。バイトで殺し屋、やってます。ピンクボブのゆるふわガール、菊野ケイ(橋本環奈)は日商簿記試験2級合格を目指し専門学校に通いながら、アルバイトをする日常を送っている。ただし、そのバイト先は殺し屋で、ケイは指名ナンバーワインの実力を持つ超凄腕のヒットガールだったのだ!!そんなゆるふわ最強ヒットガール・菊野ケイに史上最悪の依頼が舞い込んでくる―。ゆるふわ専門学生の過激な日常、今日もバイトで殺し屋!!新時代の<強カワ>ヒロイン、爆誕!

3点!!「おっさんずラブ」「極主夫道」の監督作なので大怪我するでも飛びぬけて面白いでもなく安全運転出来ていたと思います。アクションシーンは「銀魂」みたいな感じで体重差やどうしてもパワー負けしちゃう俳優同士でもキレが良いようにみえるカメラワークで既視感あるけど、本作には合っていました。でも、全然話題になってる感じしなかったけど、これ続編作る体の終わり方してた・・・(^^;) 橋本環奈の単独主演作は酷いものが多いけれど、これは可愛さに頼りながらも、さくっと楽しめます。ケイの背景が全く明かされずに終わってしまったけれど(爆)2022年公開。

「ハウ」

田中圭主演他。ずっと一緒だと思ってた―。婚約者にあっさりフラれ、人生最悪な時を迎えていた市役所職員・赤西民夫(田中圭)。横浜で一人空虚な日々を送る彼は、上司からの勧めで、飼い主に捨てられて保護犬になってしまった真っ白な大型犬を飼うことになってしまう。犬はワンと鳴けず「ハウッ」というかすれた声しか出せない。とびっきり人懐っこいこの犬を、民夫は“ハウ”と名付け、1人と1匹の優しくて温かい日々が始まった。民夫にとって最初は戸惑うことも多かったハウとの暮らしだったが、何をするにもいつも一緒な“ふたり”の絆は次第に深まり、いつしかかけがえのない存在となっていった。ハウと民夫の最高に幸せな時間はずっと続くと思っていたのだが・・・。かつてない優しいラストに、温かな感動が待っている。ワンと鳴けない犬・ハウと、ちょっぴり気弱な青年・民夫の絆が紡ぐ、至福の感動作。

4点!!実話じゃないので、かなりリアリティに欠ける話でなんで映画化しようと思ったのだろう?とは思いましたし、このラストは一生懸命の末にハウ何やってんのよってなりました(^^;) いやいや、君は民夫を目指してたんじゃないの?って。犬連れて立ち入り禁止区域に入っちゃうのも、犬が危険だから絶対ダメなのに。行方不明になる犬の飼い主のパターンって絶対あるよねと思いました。でも今、自身がペットが命綱状態な状況なので、感情移入はしたし、普通に泣いた。私も不注意極めてる飼い主の自覚があるから、丁寧に丁寧に大切に大切に同じ時間を出来るだけ長く過ごしたいと思いました。2022年公開。

「ブルー・バイユー」

ジャスティン・チョン主演他。家族と共に暮らしたい。ただ、それだけ。韓国で生まれ、3歳の時に養子としてアメリカに連れてこられたアントニオ(ジャスティン・チョン)は、シングルマザーのキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、娘のジェシーと3人で貧しいながらも幸せに暮らしていた。ある時、些細なことで警官とトラブルを起こし逮捕されたアントニオは、30年以上前の養父母による手続きの不備で移民局へ連行され、国外追放命令を受けてしまう。下手をすると強制送還されて二度と戻れない危機に瀕し、2人は裁判を起こして異議を申し立てようとするが、最低でも費用が5千ドルかかることがわかり途方に暮れる。家族と決して離れたくないアントニオはある決心をする。アメリカの移民政策で生じた法律の“すき間”に落とされてしまった彼は、愛する家族との暮らしを守れるのか?2021年カンヌ国際映画祭に出品され、8分間におよぶスタンディングオベーションで喝采を浴びた、愛と感動の物語。

9点!!市民権を持たない養子って何?養子はぬいぐるみじゃないのよ?抜け穴どころか制度として崩壊してない?被害者はすぐに救済されるべきだし、その国の人間は自分には関係ないで済ませていい問題ではない。大切にしてきた、当たり前にあった場所を奪われる苦しみは想像を絶します。どこの国でも法は弱者を守るようには出来ていない。いつだって弱者をどん底に突き落とすのは、本来なら守ってくれるべき法なのだ。"窃盗“はただの“窃盗”であり、その前に「追い詰められた〜」などの品詞はつかないのだ。湖での美しく悲しいシーンが彼の歩んできたやるせなく力強い人生を物語っており、彼の人生すべての感情の渦に呑み込まれた。ラストシーンは、言葉はなくとも娘への溢れんばかりの愛に涙が止まらなかった。前半でのアントニオ一家がとても素敵な家族だったから余計に。ジェシーの限界まで呑み込んで溢れた想いにさらに涙腺決壊。こんなに悲しいことある?恐らくアントニオは韓国語を話せないし、そもそも韓国では戸籍があるの?養子で除籍されてるのでは?アメリカの荒波に揉まれてきた彼がもっと荒波に揉まれ続けると思うと、やりきれない。「どうか家族と再会してと幸せに」と願うけれど、あのまま転がり落ちることだって有りうる。人生の善と幸福は殆どの場合、比例しないのだ。色んな人たちの少しづつの悪意が彼を追いやったのなら、彼らはのうのうと生きるのではなく責任を取るべきだ。アリシア・ヴィキャンデルが出てるって知らなかったから、彼女が出る作品は良作が多く、彼女も常識より感情を優先するエモーショナルな役を演じることが多いので、もっと早く気づいて観れば良かったです。2022年公開。

「ゴヤの名画と優しい泥棒」

ジム・ブロードメント主演他。公爵さん、お借りします。世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードメント)。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送BBCの受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にももう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは―?ナショナル・ギャラリーで起きた、ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件。これは、イギリス中を巻き込んだ嘘のような感動の実話。

4点!!BBCって公共放送だったんですね。で、受診料取られない為に受信機外すとか、どこの国も同じようなことやってるなぁ(^^;) 公開当時から結構期待してて楽しみにしていたのですが、結局、身代金要求するところまでいってないし、イギリス中が拍手喝采するほどの展開にはなっていないので、結構眠たくて途中で寝落ち。国民性の違いなのかな?“優しい嘘”も「そうだったのか!」と後出しの感動を得るようなものでもなく・・・。私にはハマらなかったです。2022年公開。

「マイスモールランド」

嵐莉菜主演他。ここに居たいと願うことは罪ですか?埼玉に住む17歳のクルド人サーリャ(嵐莉菜)。少し前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。だが、在留資格を失ったことから、当たり前の生活が奪われてしまう。彼女が日本に居たいと望むことは“罪”なのだろうか―。是枝裕和監督率いる「分福」の新鋭・川和田恵真監督が描く“日本の今”。

4点!!難民認定問題に関しては日本だけが厳しいわけじゃなくて、日本と同じようなクリア条件の国は多い気がします。他の国は大きいから、それで弾かれてしまっても目立たないってだけで、同じような人は世界中にいて。ただ、管理局の環境の悪さは酷いと思う。日本は元々、狭いゆえに排他的で鎖国をしていたような国で難民認定自体、数が圧倒的に少ないという歴史を知った上で彼らは来ているのでしょうか?「先進国で平和~」くらいの感覚で来てはいないかな?あと、どんな法律にも抜け穴はあって、今回サーリャ一家はその抜け穴を使うことにしたのですが、他にも養子になるとかそういうことはダメって言われちゃうのかな?クルド人自治区は例えばイラクとかシリアとか他の国の人がズカズカ入ってきて、クルド人を不当逮捕出来てしまう状況なのかな?(そこは無知ですみません)国を持たない民族は大抵一度は悲劇に見舞われているから、世界は反対しているようだけど、国として独立して、きちんと土地が与えられることは、必須だと思います。自国の領土が減るとか、人の命の問題の前ではどうでもいいことなので。望むことは罪じゃないし、未成年の立場でどんどん居場所が失われていくのは耐えがたいことだと思いますが、何が何でもという命がけで取りに行く感じには見えなかったです。そこまでさせるなよってことなんでしょうけど。同じ日本人同士でさえ、何が何でも取りに行くスタイルじゃないと自分の居場所を確保するのが難しい時代なので。日本が法改正なしに難民規制を緩めたら、遅かれ早かれトランプさんみたいな政治家が台頭すると思う・・・(爆)2022年公開。

「QALA/カラ」

トリプティ・ディムリ主演他。1940年代インド。ガンジーが活躍していた時代に生まれた音楽一家の一人娘カラ(トリプティ・ディムリ)はやがて才能あふれる女性歌手へと成長し、目標にしていたゴールデンレコード賞を受賞しする。受賞インタビューに答える最中、カラは自らの過去のトラウマを思い返していた。暗い過去を抱えつつもスターへの階段を駆け上がったカラは、華やかな世界とは裏腹に、成功への重圧、母との複雑な関係、そして大きな不安に人知れず苦しんでいく。「ブーブル」で幻想的な世界観と男尊女卑のリアルを表現したアンヴィダー・ダット監督最新作。

4点!!「ブーブル」に続き、イヤミスじゃないけど鬱映画。インド映画では鬱映画をあまり観たことがなかったので、ダット監督の幻想的だけど鬱な世界観は独創的だと思います。ただ、物語の入り口は「どうなるんだろう?」という問題提起がはっきりあって、面白い材料が散りばめられているのだけど、そこからの展開が「まぁそうなるよね」というありがちな転がり方から、抜け出せていないんですよね。なので、入り口でワクワクした分、残念だし勿体ないなぁという気分で終わってしまう(>_<) あと1940年代というのが、本国の人じゃないと「ガンジー」しかヒントがなくてわからなすぎる。現代でも続いてるボリウッドの問題なら現代で描いても良かったのではないかと感じました。毒親と子の関係や状態はとてもリアルに描けていて、観ていて苦しくなりました。最後にメッセージが出たけど、一応、警鐘映画なのかな?毒親ってこういうのをたまたま観ても「可哀相に」とか完全に他人事で学ばないんですよね・・・残念なことに。救いのない鬱映画~~。2022年劇場未公開・NETFLIX作品。

「ホリック xxxHOLiC」

神木隆之介、柴咲コウ主演他。願いをかなえるには、代償が必要。さあ、あなたの願いは?人の心の闇に寄り憑く“アヤカシ”が視える孤独な高校生・四月一日<わたぬき>(神木隆之介)。その能力を捨て普通の生活を送りたいと願う四月一日は、ある日、一羽の蝶に導かれ、不思議な【ミセ】にたどり着く。妖しく美しい女主人・侑子<ゆうこ>(柴咲コウ)は、彼の願いを叶えるかわりに、“いちばん大切なもの”を差し出すよう囁く。同級生の百目鬼<どうめき>(松村北斗)やひまわり(玉城ティナ)と日々を過ごし、“大切なもの”を探す四月一日に“アヤカシ”を操る女蜘蛛(吉岡里帆)らの魔の手が伸びる。世界を闇に堕とそうとする彼らとの戦いに、侑子や仲間たちと共に挑んだ四月一日の運命は―?!妖しく美しい、新体感ビジュアルファンタジー。累計1400万部超!CLAMPの伝説的大ヒットコミック、初の実写映画化。


1点!!原作はチラ見したことがあるようなないような。CLAMPは人気が高いけど、ストーリーというよりは世界観重視で中二病的な感じがして好みではないです。でも蜷川実花とは合っていると思う(爆)それでも、世界観重視な原作を蜷川実花が撮ることで、悪い意味であざとすぎるし、中身の無さが前面に出てしまっている気がします。まぁ、10年前にやるか、舞台でやって欲しかったよね。邦画の制作陣の新たな若手キャストを見つけようとしない悪癖も全面に出ちゃってました。なんせ、2時間弱でキャラ同士が出会って別れちゃうし、会話の中に仲良くなっていく件りもほぼなしで進むので、ハグさえ大げさに見えちゃうし、共感性ゼロでした(爆)弓引くシーンはいきなりブロマンスになったのかと思ったし(爆)相変わらず映像だけでお腹いっぱい。流れよりシーン重視で作るからもはや静止画で良い(爆)2022年公開。

「死刑にいたる病」

阿部サダヲ主演他。史上最悪の連続殺人鬼からの依頼は、たった1件の冤罪証明だった―ある大学生・雅也(岡田健史)のもとに届いた一通の手紙。それは世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村(はいむら)(阿部サダヲ)からだった。「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」。過去に地元のパン屋で店主をしていた頃には信頼を寄せていた榛村の願いを聞き入れ、 事件を独自に調べ始めた雅也。しかし、そこには想像を超える残酷な事件の真相があった―。観る者すべてが翻弄される驚愕のサイコサスペンス。白石和彌監督の新たなマスターピース誕生!

8点!!原作未読です。冒頭からああ、これ白石監督だったと思い出させるエグさ。阿部サダヲ怖っ!!彼の狂気に一気に飲み込まれます。岩田さんも岡田健史も表情や雰囲気からしていつもより格段に上手いし、阿部サダヲは毎回自分超えしてくる俳優だけど、どんな演出したら前述の二人が揃ってこんなに上手くなるのか気になりました。原作を読んでいないので、二転三転な展開には普通に驚かされたけど、雅也の衝撃に対するリアクションが速すぎて少し不自然に感じました。てか、雅也は何学部なの?どうしてここまで事件整理出来ちゃうの?岩田さんも自白しちゃうの?え、それはつまらないと思ってしまったけれど、そこから驚愕の猟奇さに繋がるのが秀逸。刑務所の中からも彼のサイコパスを満たす犯罪行為をずっと続けてたってことですよね(怖)イヤミスだけど、阿部サダヲが怖すぎてホラーに近いです。眠れなくなりそう(>_<) 2022年公開。

「手」

福永朱梨主演他。おじさんの写真を撮っては、コレクションするのが趣味のさわ子(福永朱梨)。これまで付き合ってきた男性はいつも年上ばかりなのに、父とはなんだか上手く話せずギクシャクしていた。そんな時、同年代の同僚・森(金子大地」との距離が縮まっていくにつれ、さわ子の心にも徐々に変化が訪れる。山崎ナオコーラ原作短編を実写化したロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」の第1弾作品。

10点!!2022年締めの一作にピッタリ。ロマンポルノリブート第一弾と比べものにもならないくらい良い出来で、気合が入り過ぎてなくてリアルな焦りとゆったりした時間が流れている。何よりセックスシーンの不自然さゼロで、エロより感情を持っていかれるのが沼。この感じ、超デジャブです(爆)父親と上手くいっていない娘がファザコンはあるあるですよね。そして当然おじさんは同世代より居心地の良い空間作りに長けてるからますます沼るっていう・・・。津田寛治さんに口説かれたい(爆)金子大地のがっつり恋愛系演技の破壊力もやっぱハンパないです。ナオコーラさんだし、ロマンポルノというより女性のためのR18文学に近くて、男性陣の言動に萌えまくり(鼻血)。「男の肩越しに広がる世界が好きだ。一人では見られない景色をしている」という台詞も分かりみが深すぎた。パパが勝手におじコレ見ちゃうところ、そういうところなんだよ、最初に距離感間違えるのが大抵、親。必ずしも子どもが歩み寄ってきてくれると思うなよと年の瀬に言いたい。2022年公開。

「メタモルフォーゼの縁側」

芦田愛菜、宮本信子主演他。女子高生と老婦人。ふたりをつないだのは、ボーイズ・ラブ。佐山うらら(芦田愛菜)、17歳。みんなみたいにキラキラできない女子高生。唯一の楽しみは、毎日こっそりBL漫画を読むこと。もうひとりの主人公・市野井雪(宮本信子)、75歳。夫に先立たれ、人生の終わりがちらつく今日この頃。ある日、ふたりは同じ本屋にいた。うららはレジでバイト。その目の前に出された一冊のBL漫画。顔を上げるとそこにいたのは雪だった。雪はBLの意味さえ知らず、きれいな表紙に惹かれ思わず手に取っただけ。初めての世界に驚きつつも、男子たちの恋物語にすっかり魅了され、老いた身体にときめきがよみがえる。続きが読みたい。雪は新刊を求め、再び本屋に向かうのだった・・・。こうして出会ったうららと雪。好きなものを語り合える「友達」が出来た。そして、ふたりはある挑戦を決意。それは創作漫画の即売会「コミティア」への出展。歳の差58歳、うららと雪の挑戦がはじまった。そしてそれは、あるメタモルフォーゼ(=変身)をもたらしていくことになる―。

5点!!2022年は色々追い込まれ過ぎて殆ど映画を観られなかったのですが、皆のベスト10にランクインしまくっていたので鑑賞。原作未読です。岡田惠和×宮本信子×芦田愛菜は「阪急電車」以来のタッグなので、とりあえず芦田愛菜ちゃん、良いお嬢さんになったなぁと(笑)内容はほっこり日常系です。BLもだけど、歴史上、一度でもタブー扱いされたことがあるものは、それがたとえ本能的で絶対になくならないものであってもタブーのままなのだろうか?タブーを語れるからこその高揚感もあるのだろうか?と考えながら観ていました。男女の恋愛は普通に皆、話すけれど、それもタブーになったら語りたくて語りたくてたまらなくなるのだろうか。でも、書道でキャラ名を書いちゃうのは相当ハマってるなと苦笑。小学生みたい(笑)漫画ってありえない組み合わせの恋愛でも何でもありで、しかも共感出来ちゃうからすごいコンテンツだなとあたらめて思う。感情描写は岡田さんなので丁寧に表現されていたけれど、正直ここまで高評価なのはよくわからなかったので、もう少し深堀りしても良かったかなと感じました。あとうららちゃんの画ももう少し上手くて良かったと思う(爆)2022年公開。

「神は見返りを求める」

ムロツヨシ、岸井ゆきの主演他。主人公・イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)は、合コンで底辺YouTuberゆりちゃん(岸井ゆきの)に出会う。田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、まるで「神」の様に見返りを求めず、ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。登録者数がなかなか増えないながらも前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていく。そんなある日、ゆりちゃんは、田母神の同僚・梅川(若葉竜也)の紹介で、人気YouTuberチョレイ・カビゴン(吉村界人・淡梨)と知り合い、彼らとの“体当たり系”コラボ動画により、突然バズってしまう。イケメンデザイナー・村上アレン(柳俊太郎)とも知り合い、瞬く間に人気YouTuberの仲間入りをしたゆりちゃん。一方、田母神は一生懸命手伝ってくれるが、動画の作りがダサい。良い人だけど、センスがない・・・。恋が始まる予感が一転、物語は“豹変”する―!この関係を、あなたは笑いますか?怖いですか?それとも、切ないですか?𠮷田恵輔監督最新作の見返りを求める男と恩を仇で返す女の心温まりづらいラブストーリー。

6点!!YouTuberにロックオンするところが𠮷田監督らしくてすごく好き(笑)使用済みナプキン、頭につけるセンスもニヤニヤしちゃう(笑)𠮷田監督は女の子を可愛く撮る天才だが、岸井ゆきのもいつもより何倍も可愛い。やっぱりずっと笑顔の子は可愛く見えるのだなと見習いたくなりました。その子がどんどん嫌な子になっていくのが悲しかったです。欲がある人って人を斬り捨てる前提で動いてるのかな?だとしたら、目的地に到着した時、表面上じゃない中身のある友人はどれくらい残っているのだろう。田母神みたいな大人は必要だと思う。じゃないと困窮している若者が世界は酷いものだと思ってしまいそう。彼はゴールじゃないかも知れないけれど、通過点には絶対居て欲しい人だと思った。日本人の恩を返す精神は巡り巡って世界を良くして自分に返ってきてくれるはずだから。だから、二人の結末は切なくて悲しかった。2022年公開。

「マイ・ブロークン・マリコ」

永野芽郁主演他。勝手に逝った、あんたのために。ある日、ブラック企業勤めのシイノトモヨ(永野芽郁)を襲った衝撃的な事件。それは、親友のイカガワマリコ(奈緒)がマンションから転落死したという報せだった。彼女の死を受け入れられないまま茫然自失するシイノだったが、大切なダチの遺骨が毒親の手に渡ったと知り、居ても立っても居られないまま行動を開始。包丁を片手に単身“敵地”に乗り込み、マリコの遺骨を奪取する。幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けた親友に自分ができることはないのか・・・。シイノがたどり着いた答えは、学生時代にマリコが行きたがっていた海へと彼女の遺骨を連れていくことだった。道中で出会った男・マキオ(窪田正孝)も巻き込み、最初で最後の“二人旅”がいま、始まる。連載開始直後からトレンド入り連発。大反響を呼んだ衝撃コミックをタナダユキ監督が映画化。

10点!!1時間半なくて体感はもっとスピーディで完璧な短編観ているみたいだった。永野芽郁の表情も奈緒の表情もこれまで観たことない顔であどけなくてすごく良かったです。シイノの想いもマリコの想いも痛烈で切なくて、叫んでいるのはうるさいのに、その叫びが胸に突き刺さった。誰かを強烈に思う力の強さを見せつけられたし、マリコへの想い以外何もないというくらい特化した作品だった。誰かを救出するって結構強引でも良いのかも知れないと思ったし、強引でないと本当に救いたい時に手遅れになったりするんじゃないかな。私にも親友が3人もいるけれど、たとえば私が今死んでも、大人だし良識もある人たちばかりだから、シイノみたいに暴走してはくれないんじゃないかな。暴走が合ってるか間違っているかは別として、ここまで捨て身に想ってもらえたなら、それはとても幸せなことだと思う。マリコが望んでた愛って多分そういうことだし、マリコも「ありがとう」って言っている気がした。2022年公開。


「リコリス・ピザ」

クーパー・ホフマン主演他。目が眩むほどまぶしくても、君から目をそらすことができなかった。1970年代、ハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。高校生のゲイリー・ヴァレンタイン(クーパー・ホフマン)は子役として活躍していた。アラナ・ケイン(アラナ・ハイム)は将来が見えぬまま、カメラマンアシスタントをしていた。ゲイリーは、高校の写真撮影のためにカメラマンアシスタントとしてやってきたアラナに一目惚れする。「君と出会うのは運命なんだよ」強引なゲイリーの誘いが功を奏し、食事をするふたり。「僕はショーマンだ。天職だ」将来になんの迷いもなく、自信満々のゲイリー。将来の夢は?何が好き?・・・ゲイリーの言葉にアラナは「分からない」と力なく答える。それでも、ふたりの距離は徐々に近づいていく。誰もが“あの頃の気持ち”と“映画の楽しさ”を思い出す!第94回アカデミー賞3部門ノミネート!天才ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作!

2点!!リコリス・ピザ(レコード屋さん)出てこないやん(爆)というツッコミは置いておいて、15歳がいかにして25歳を落とすまでの話。正直、美男美女が一人も出てこないし、勝手にやってくれというような、楽しそうな青春だったが、この話がアカデミー賞はじめ多くの賞レースで好評を得ているらしい。15歳はあざとい。だって、どれだけ喧嘩をしても本当の意味で放っておくことが出来ない。分が悪すぎる。アラナは15歳なんて相手にしないとあしらいつつも、最強15歳ゲイリーの言動に振り回され、嫉妬するまでになってしまう。そして、未来に希望と野望しかない15歳に影響されて人生をトライし始める。これはとても良い影響、関係性だと思った。全体的に言葉遊びが多く、展開に脈絡がないようで自然で(人生はそんなものだ)、70年代に流行ったウォーターベッドや政治問題などが散りばめられたザ・雰囲気映画だった。並んで寝たベッドでアラナのお腹にドキドキするシーンがグレタ・カーウィグっぽいと思った。あとブラッドリー・クーパーの贅沢な無駄遣い(^^;)本作は全体が好きか嫌いかで評価が決まる作品だが、当時のアメリカ文化に詳しくないせいもあって、私はハマらなかったです。2022年公開。

「LAMB ラム」

ノオミ・ラパス主演他。禁断が産まれる。羊から生まれたのは、羊ではない“何か”―山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァル(ヒルミル・スナイル・グズナソン)とマリア(ノオミ・ラパス)。ある日、二人が羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子供を亡くしていた二人は、“アダ”と名付けた存在を育てることにする。奇跡がもたらした“アダ”との家族生活は大きな幸せをもたらすのだが、やがて彼らを破滅へと導いていく―。世界が騒然、そして絶賛!禁断のネイチャー・スリラー。

4点!!荘厳な映像美の中、ノオミ・ラパス演じるマリアの激情とアダという存在の異質さが際立っています。アダの破滅を呼び込むかも知れない異質さが、最後まで物語の緊張感を保っています。羊の何だかものあり気だけど感情の読めない表情をしていて、こちらの写し鏡みたい。羊の母子の結びつきは強いので、母羊からアダを完全に取り上げるシーンはとても悲しかったです。もうこの時点で天罰に遭っても仕方ないっていう。人間の欲深さが恐ろしい。人間はさも当然のように他動物から子を奪うけれど、感情のある動物なら、悲しくて辛いのはどの動物でも同じです。自分たちだけを別格扱いする人間への警鐘だと感じました。数千年にわたり、奪い続けた人間にはどんな罰が待っているのだろう?オリジナル脚本ではあるけれど、とても寓話的かつシンプルで胸を突かれました。ただし、とても静かな作品なので眠い時に観たら寝ます(^^;) 2022年公開。

「ハケンアニメ!」

吉岡里帆、中村倫也主演他。己を超えろ。覇権を掴め。連続アニメ「サウンドバック 奏の石」で夢の監督デビューが決定した斎藤瞳(吉岡里帆)。だが、気合が空回りして制作現場には早くも暗雲が・・・。瞳を大抜擢してくれたはずのプロデューサー・行城理(柄本佑)は、ビジネス最優先で瞳にとって最大のストレスメーカー。「なんて分かってくれないの!」だけど日本中に最高をアニメを届けたい!そんなワケで持った大奮闘中。最大のライバルは「運命戦線リデルライト」。瞳も憧れる天才・王子千晴(中村倫也)の復帰作だ。王子復活に懸けるのはその才能に惚れ抜いたプロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)・・・しかし、彼女の王子の超ワガママ、気まぐれに振り回され「お前、ほんっとーに、ふざけんな!」と、大大悪戦苦闘中だった。瞳は一筋縄じゃいかないスタッフや声優たちも巻き込んで、熱い“想い”をぶつけ合いながら「ハケン=覇権」を争う戦いを繰り広げる!その勝負の行方は!?アニメの仕事人たちを待つのは栄冠か?果たして、瞳の想いは人々の胸に刺さるのか?直木賞&本屋大賞受賞作家、辻村深月の大人気小説を映画化。アニメ業界で闘う者たちを描いた、熱血エンタテインメント!

3点!!原作未読です。吉岡里帆ってガテン系の頑張り屋です!というのを自身のキャラとして前面に押し出しているから、そのままのキャラを演じてもどこか冷めた目で見てしまいます。下手ではないのにノイズが入っている感覚。クドカン作品とかだとイイ味出しているので、これはプロデュースする側の問題な気がしますが、このことが皮肉にも本作の内容と重なる部分があり、どんなに作品自体が良くてもプロデューサーや関わる人間によって結果が大きく変わってしまうという。しかも、アニメはドラマと違い量産しやすいから、視聴率1%の差で席を奪われてしまう。アニメとはいえ、もはや芸術の域に達しているものも多いのに、一般層の支持に左右されまくりなところは大変だし、面白い世界だと思いました。テンポ感がドラマのワンクール観させられている感じで、王道ラインから外れず、劇的な展開もないのは残念。王子と瞳の絡みが少ないからかも。それと、瞳が王子を目指すのではなく、超えようと思った理由が弱いからかも。辻村さんの原作はただのお仕事モノではなく胸アツなのかな?辻村さんがこういう作品書くイメージなかったので、逆に興味湧きました。2022年公開。

「ヘルドッグス」

岡田准一主演他。狂犬よ、のし上がれ―愛する人を殺されたトラウマを抱え、正義も感情も捨て復讐にのみ生きる元警官・兼高(岡田准一)。そこに目をつけた警察は“関東最大のヤクザ組織へ潜入”という危険なミッションを強要する。潜入にきっかけは、組織の中で最もイカれたサイコボーイ室岡(坂口健太郎)への接触だった。警察のデータ分析によるとその男との相性は98%―。最高最強の狂犬コンビが組織をのし上がる、究極のノンストップ・クライム・エンタテインメント!

5点!!原作未読の原田眞人監督作。「孤狼の血」もそうだけど、ファンがついてるVシネじゃないシネコンでやるヤクザ映画って誰をターゲットにしているの?と思っていて。今回も賞レースに絡んできているから観ましたけど、興味そのものはない。「新宿スワン」とかヤクザ役に色気のある俳優さんが起用されている場合は、それ目的で観るけど、本作はそうじゃないし。あえて言うなら、坂口健太郎が松坂桃李のように殻を破れるか?だけ注目してたけど、いつもの坂口健太郎でした・・・。でも、この類の作品では珍しく、それぞれの結末がどうなるのか?みたいなワクワク感はあって、本当に綺麗にまとまって終わっているところは高評価です。ただ、やはり岡田准一が現代劇だとまだジャニーズのキラキラ感が出ちゃってる。消そうと頑張ってるのはわかるけど、ジャニーズ出じゃない他の俳優さんとはやはり違ってて。あと岡田&坂口コンビの会話がぼそぼそ言っててかなり聴きづらいです。賞レースを考えなかったら、一生通らない作品でした。2022年公開。

「ザ・メニュー」

アニャ・テイラー=ジョイ主演他。死ぬほど素敵な夜(ディナー)へようこそ。世界で最も予約の取れないレストラン、ホーソン。全てを美食のために捧げるこのレストランのチケットを獲得したのは、著名料理評論家、人気映画俳優、エンジェル投資家など、選び抜かれたゲストたち。天才的なセンスとカリスマ性に満ちた伝説のシェフ(レイフ・ファインズ)が振る舞うのは、芸術的なまでに美しく、完璧なコース料理の数々。しかしそこには想像もできないサプライズと、思いもかけない結末が添えられていた・・・。絶海に浮かぶ孤島の高級レストランにて、伝説のカリスマシェフがもてなす極上のスリルに満ちた、驚愕のフルコース・サスペンス。


5点!!色んな意味で「注文の多い料理店」なお話。シェフの言動が本来、彼がシェフとして披露したいものとすべて真逆なんですよね。アートっぽい世界観も相まって本当に“迷い込んだ”ように感じたけど、最高!というには1、2手足りない。奪う⇔奪われる、完璧⇔いびつ、完成⇔無に帰すという、歪んだ食物連鎖の果てにあるものとは?シェフの描く食物連鎖を前にして、奪う者が奪われる者となり、仮死したように皆動けなくなるのが、動物界の生態系を観ているようでした。心理描写が興味深いけれど、好みが分かれる作品だと感じました。で、最後にこれディズニー配給なのか!っていう驚き(笑)2022年公開。

「ビリーバーズ」

磯村勇斗主演他。汚れた俗世よ、さようなら。とある孤島で生活する二人の男と一人の女。ニコニコ人生センターという宗教的な団体に所属している3人は、オペレーター(磯村勇斗)、副議長(北村優衣)、議長(宇野祥平)と互いに呼び合い、無人島での共同生活を送っていた。瞑想、昨晩見た夢の報告、テレパシーの実験、といったメールで送られてくる不可解な指令“孤島のプログラム”を実行し、時折届けられる僅かな食糧でギリギリの生活を保つ日々。これらは俗世の汚れを浄化し、“安住の地”へ出発するための修行なのだ。だが、そんな日々のほんの僅かなほころびから、3人は徐々に互いの本能と欲望を暴き出してゆき・・・。孤島で鬩ぎ合う、淫らな夢と極限の現実、その向こう側に見えたものとは―。山本直樹の同名漫画を実写映画化。

4点!!原作未読です。普通と達観(狂気)の狭間に居て、常に狂気に手を引っ張られている状態なのだなぁと感じました。だから集団になればなるほど、危険度も上がっていくシステム。屁理屈というか、考え方次第でどんな行いをも正当化させてしまう、自分が軽蔑していたことさえも崇高なものだと思い込んでしまう、ヘンテコで恐ろしいものがカルトというヤツで。そして、グラついている人の精神を最も簡単に折りやすいのが性なのだろう。よくこんな、ひとつ崩れたら全部が崩れちゃうような危ういバランスのもとに成り立っているものが、「宗教」として広く何十年何百年もなくならずにいるものだ。何もない場所でただ祈りや考えることだけをして生きるのは恐ろしい苦痛だけど、誰かに引っ張ってもらって、何も考えずにそこに向かっていくことが幸せだと信じる人生は恐ろしく楽だとも思う。俗世間はもっと色んな辛い目や辛いことをしないと生きてはいけないから。息をするだけでお金がかかるってやつ。でも映画自体は飛びぬけて面白い展開になるわけでもなく、突き抜けたヤバイ感じもなく、今2~3歩足りないかなという印象。磯村くんの少年っぽさと細い身体が変にエロティックにならず、純粋さが出ていて、物足りないけど、映画に合っていたと思った。2022年公開。

「恋は光」

神尾楓珠主演他。恋を解く。“恋する女性が光って視える”特異な体質を持つ大学生・西条(神尾楓珠)。恋愛とは無縁の学生生活を送っていたある日、「恋というものを知りたい」と言う文学少女・東雲(平祐奈)と出会い一目惚れ、“恋の定義”を語り合う交換日記を始めることに。そんな2人の様子は、西条にずっと片思いをしている幼なじみの北代(西野七瀬)の心をざわつかせる。さらに、他人の恋人を略奪してばかりの宿木(馬場ふみか)は、西条を北代の彼氏と勘違いし、猛アプローチを開始。いつの間にか4人で“恋とはなんぞや?”を考えはじめ、やがて不思議な四角関係に・・・。数千年もの間、人類誰しもが悩んできた「恋」を、果たして彼らは解くことができるのか?そして、それぞれの恋の行方は―?恋の光が視える男と恋する3人の女が導く“恋の定義”とは?リアルとファンタジーが入り混じる、文科系哲学恋愛映画。

5点!!原作未読です。高評価が多いし、映画祭でも賞を獲っていたので、追いかけ鑑賞。冒頭から人の日記に赤ペン入れるとか漫画の世界にしかないだろって突っ込んでたけど、これ漫画か(^^;) あと、美術館で好きだの嫌いだの話してたら、皆気になって結末まで聞くしかないやつ(笑)学芸員さんに「デートしてもいいけど告白はご遠慮ください」ってカットインして欲しかった。まとめると、これもまた恋、ひとつのフォーマットに当てはめられるものではないのが、恋なのではないでしょうか。てか、そもそもこれもまた恋という答えに落ち着くと、恋愛が1対1じゃなくなる気がします。西条がそれを証明しちゃってるし。好きには色んな形や想いがある。ちなみに私にとっての恋は、独占欲が近い気がする。ちゃんと付き合っていても独占欲が湧かない相手もいたし、付き合ってなくても独占欲が出ちゃって困った経験もある。ペットに対しても独占欲を日々感じている。自分だけを見て欲しい、他人に渡したくないもの。それを相手に伝えたりはしないけれど。そんなにグイグイ深堀りしているわけではないのでティーン向け映画ですが、観やすかったと思います。平祐奈の浮世離れした役の上手さもとても良かったです。2022年公開。

「ノイズ」

藤原竜也、松山ケンイチ主演他。殺した。埋めた。バレたら終わり。広い海にぽつりと浮かぶ、猪狩島。世間から見捨てられ過疎化が進む中で、この島が突然、注目される。島の復興を願う泉圭太(藤原竜也)が生産に成功した色鮮やかな“黒イチジク”がSNSで大人気となり、国からの交付金5億円が内定したのだ。復興のきざしが見え始めたある日、圭太、彼の幼なじみの田辺純(松山ケンイチ)、島の新米警察官の守屋真一郎(神木隆之介)は、島に突如現れた不気味な男(渡辺大知)を誤って殺してしまう・・・。「人を殺したんだぞ。島も家族も俺達も終わりだよ」「・・・無かったことにしませんか?」島の復興と家族の生活を守るため、3人は死体を隠すことを決意する。ところがその男は、出所したばかりの元受刑者のサイコキラーで、彼の足取りを追う刑事(永瀬正敏)が島を訪れる―。映画「デスノート」から15年―かつての究極のライバルが、今度は殺人の共犯者に!死体がバレたら、全てが終わる―新感覚サスペンス!

5点!!原作は序盤だけ読んでます。原作設定変えたんですね。てか海に投げれば良かったんじゃ・・・。ただひたすらに転がり堕ちる意外性ゼロの話かと思いきや、最後にどんでん返しが!!人間怖~村社会怖~。町長が実在の暴力議員を揶揄しているようで少しやりすぎな気がして引いてしまいました。久々に怖い余貴美子さんでした(爆)村の隠ぺい数えたら絶対に片手じゃ収まりきらないと思う。政治以外に「忖度」という言葉を悪い意味で使うのにふさわしいのが村だと思う(失礼)。藤原くんの映画って起こっている出来事は大きいのに盛り上がりに欠ける、意外性なく進んでいくので、常にもったいない映画になってしまっている気がします。廣木監督がある程度のところまで作品の質をあげているけれど、ネームバリューが大きな俳優ばかり集めたことで、逆に村社会の怖さが薄まってしまっている。松山ケンイチは最後、めっちゃぞっとしたし、やはり上手い役者さんだなとあらためて感じました。2022年公開。

「ドント・ウォーリー・ダーリン」

フローレンス・ピュー主演他。<現実>か<悪夢>か。幸せな日常が<混沌の世界>へ変貌していく―完璧な生活が保証された街で、アリス(フローレンス・ピュー)は愛する夫ジャック(ハリー・スタイルズ)と平穏な日々を送っていた。そんなある日、隣人が赤い服の男達に連れ去られるのを目撃する。それ以降、彼女の周りで頻繁に不気味な出来事が起きるようになる。次第に精神が乱れ、周囲からもおかしくなったと心配されるアリスだったが、あることをきっかけにこの街に疑問を持ち始める。一度踏み入れたら逃れられない極限のユートピアスリラー。

4点!!「トゥルーマンショー」的な。より現実に近づけていこうとしている仮想空間が最悪な男尊女卑夫たちに悪用されたら?というようなお話です。ジャック「働きたくないんだ!」って叫んでましたよね。働きたくないのに妻には貞淑な妻らしさを求めるんだ?超自己中(爆)ちゃんと愛されていたのにね。やっぱり、男性は尊敬されたい、頼られたい、妻より上の立場、収入でいたいというのが根底にあるんですかね。種明かしがされるまではフローレンス・ピューの魅力一択で保たせてる感じで変化なくつまらないです。伏線も仕掛けも結末を知らないとかなりわかりにくい形でただ“奇妙”に描かれているだけですし。なんかこの男尊女卑のマインドコントロール的なのって今もカルト宗教の世界では当たり前に行われているので、やろうと思ったら可能だし、抜けるのは相当難易度が高いというのを現実に知ってしまっているので、ただのSFでは片づけられない怖さがありました。でも、面白いかと言われたら微妙。2022年公開。

「ニューオーダー」

ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド主演他。夢に見た結婚パーティー。マリアン(ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド)にとって、その日は人生最良の一日になるはずだった。裕福な家庭に生まれ育った彼女を祝うために豪邸に集うのは、着飾った政財界の名士たち。一方、マリアン宅からほど近い通りでは、広がり続ける貧富の格差に対する抗議運動が、今まさに暴動と化していた。その勢いは爆発的に広がり、遂にはマリアンの家に暴徒が押し寄せてくる。華やかな宴は一転、殺戮と略奪の地獄絵図が繰り広げられる。そして運良く難を逃れたマリアンを待ち受けていたのは、軍部により武力鎮圧と戒厳令だった。電話や通信網は遮断され、ついさっきまで存在していたはずの法と秩序は崩壊、日常が悪夢に変わる。だが、“最悪”はまだ始まったばかりだ。メキシコの冷徹なる俊英ミシェル・フランコ監督最新作。世界が嫌悪し、刮目した、今そこにある“最悪”を描くディストピア・スリラー。第77回ヴェネチア国際映画祭審査員賞他2冠受賞作品。

10点!!これまで興味のあるジャンルではなかったので、今回が初めましてのミシェル・フランコ監督。スパッと切れ味良すぎなバッドエンドです。序盤、妊婦さんのお腹が撃たれて涙が出そうになったけど、その後も酷い惨劇。いちいちズシンズシン響くのは、私たちの生きる現実がもうこの世界の延長線上にあってディストピア化していることに気づいているからだ。劇中と同じく政府は国民を救う気ゼロで、何なら隠ぺいした政府に成り代わった新政府もまた隠ぺいを繰り返すのみ。少数の政府官僚関係者が甘い汁を吸う為に、多くの国民は愛する人を失い地獄を生き続ける羽目になる。マリアンや彼女を助けようと無理してくれた使用人親子のような善良な人々ばかりが犠牲になるのは見ていられなかったです。とても面白くパーフェクトな作品なのだが、起きている出来事が辛過ぎて86分が長く感じました。あの、デモって目的を成し遂げる為にやってるんですよね?それだけでも大変なのに、人はそれ以上に無駄に何かを壊したり暴れまわる気力・体力があるものなのでしょうか?それ以外に力使うところが多いはずだからそこで消費する意味がわからない。暴徒化することで目的達成は早まるの?残り11分になっても何も解決する兆しすらなくて、ハラハラしたし、救いを求めている自分がいました。メンタル強めの時に観ることをオススメします。2022年公開。

「PLAN75」

倍賞千恵子主演他。生きていることが罪ですか?―<PLAN75>それは、75歳から自らの生死を選択できる制度。果たして、是か、非か。少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの璃子(河合優実)は、このシステムの存在に疑問を抱いていく・・・。<PLAN75>に翻弄される人々が、最後に見出した答えとは?第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品作。

8点!!鳴り物入りのスーパールーキー早川千絵監督作を初見。冒頭からゴリゴリの海外映画祭狙いのオンパレードで今の国内視点と大幅にズレ、海外から観た日本になっていて、ちょっと引きました。元々の監督の持ち味かも知れないけど、そうではなく寄せていて、それを感じさせてしまうのなら違うと思う。静かに淡々と進むので結構中だるみしていて、その中に黒沢清監督っぽい演出があったり。日常の中でジワジワと死が近づいてきて、何かがきっかけとなり生きることを諦めてしまう怖さがそこには在りました。私は戦後の厳しい時代を生き抜き、この国を支え押し上げてきた高齢層の方々(私の祖父母世代)を尊敬しているし、感謝しています。だから、国が主体となって彼らに「生きるのに肩身が狭い」なんて思わせたら絶対駄目です。そんなに泣きそうになる。前向きな自死というのはあるかも知れないけれど、これは違う。幸せだって思いこまなきゃ壊れちゃうから自発的に思い込み催眠にかかっているだけ。それを自分の意思だと彼らは言う。こんなんじゃ気づいたら戦場にいたなんてことになりかねないし、諦めは美徳じゃないです。ただ、本当に死にたい人にとっては、いつでも苦しまずに死ねる手段があるというのは救いだとも同時に感じた。でも、どうしても死にたいと願う安楽死と政治の中で「皆で死ねば怖くない」と発破かけられ迷いながら列に並ぶ推奨死は全然違う。そしてここにも貧富の差が。安楽死は今の世界ではお金持ちでないと出来ない。逆に推奨死はお金が沢山あったら選ばないと思った。なんだら延命にだってめっちゃお金をかけると思う。75歳で誰もが死ぬなら、若い頃からの生き方すらガラリと変わってくる。そういう意味では死は本当に神の領域なのだと思ったし、いつ死ぬかわからない、いつまで大切な人たちといられるかわからないからこそ、人は生きることにすがりつき、必死であればあるほど人生は輝きだすのだ。そして、瑤子(河合優実)の動揺に、何が起きているのか、何をしているのか、その実態を知るには、当事者、関係者としてその場に立つこと以外、本当に意味で相手を理解し、思いやることは難しいとあらためて気づかされました。まだ幼さが残る20代の子にこんなことさせたら駄目だよ(>_<) ラスト、PLAN75の実態のリアルさと登場人物たちの運命が自然に綺麗に交錯するのが見事だった。倍賞千恵子さんとミチの人生が重なり合い、彼女の凛とした美しさから彼女が歩んできた人生の片鱗が垣間見え、匠の名演でした。早川監督が注目されてるのもよくわかりました。このクオリティーなら次作も観てみたいです。2022年公開。

「さかなのこ」

のん主演他。ずっと大好き。それだけで人生はミラクル。おさかなが大好きな小学生・ミー坊(のん)は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、信じて応援し続ける母親に背中を押されながらミー坊はのびのびと大きくなった。高校生になり相変わらずお魚のに夢中なミー坊は、まるで何かの主人公のようにいつの間にかみんなの中心にいたが、卒業後は、お魚の仕事をしたくてもなかなかうまくいかず悩んでいた・・・。そんな時もお魚への「好き」を貫き続けるミー坊は、たくさんの出会いと優しさに導かれ、ミー坊だけの道へ飛び込んでいく。映画になった、さかなクンの驚きの人生。笑顔も涙もキラキラ光る、宝物のような感動作がついに誕生。

2点!!賞レースに絡んできているので鑑賞。さかなくん、勉強出来ないんだとかキャバ行くんだとか酔って絡むんだとか、さかなくんに関する知識は増えるけども、それ以上はないかなぁ。でも教育的には良い素材で、魚が好きでも水族館でちゃんと働けないとか、夢と現実の違いとか小学生にはオススメです。さかなくんの家はお金余裕なさそうだったけど、お母さんはそれでも「好きなことだけしてればいい」ってさかなくんが50歳過ぎてフリーターのままでも言う覚悟があったのかな?実話なので、先を見据えているとは思えない(夢が叶うって信じてた?)発言は疑問が残りました。タコの体験はトラウマ過ぎる(笑)もっと歯を削りたいワンダーな水槽ってなんだよ(笑)何気に柳楽優弥、磯村勇斗、夏帆など脇が豪華です。のんは本作で日本アカデミー賞にノミネートしたけど、彼女のキャラとは全く違う役を演じた方がこれからに繋がると思う。さかなくんを痛くなく演じられるのはのんしかいない気もするが・・・(^^;) 2022年公開。


「線は、僕を描く」

横浜流星主演他。涙をぬぐい、心を描け―大学生の青山霜介(横浜流星)はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。白と黒だけで表現された【水墨画】が霜介の前に色鮮やかに拡がる。深い悲しみに包まれていた霜介の世界が、変わる。巨匠・篠田湖山(三浦友和)に声をかけられ【水墨画】を学び始める霜介。【水墨画】は筆先から生み出す「線」のみで描かれる芸術。描くのは「命」。霜介は初めての【水墨画】に戸惑いながらもその世界に魅了されていく。水墨画と出会い、止まっていた時間が動き出す―。「ちはやふる」の制作陣営が新たに挑む、“水墨画”の世界。青春映画の金字塔、再び。

10点!!原作未読です。冒頭の劇伴が「ちはやふる」っぽくて、同じキャスト(清原果那)も出てるし、同ジャンルなので音楽の系統変えて差別化を図った方が良いのでは?と思ったけど、中盤以降の追い上げが全部心に刺さって何だかんだで満点。「ちはやふる」もそうだけど、ワクワクするような驚きが用意されていて、全世代が楽しめるようなキャスティング配置、テーマになっている。今の水墨画作家さんってパフォーマンスありきなのかな?原作を読んでおらず、思い入れゼロなのに、霜介が家族のことを吐露するシーンで痛みが伝わってきて気づいたら涙が零れてた。小泉監督はアオハル的な必死さとか未熟ゆえの後悔とかをストレートに嫌味なく観客に届けるのがとても上手い。勿論、主演の横浜流星の演技力が格段に上がっているからというのもある。2022年は「流浪の月」も含め、彼にとってターニングポイントだったのでは?と勝手に思う。「3月のライオン」も大友監督ではなく小泉監督が撮っていたら、もっとワクワクしたエモーショナルなものになったかもと残念に思ってしまった。実力派が揃う中、細田佳央太だけが変な癖と演技力の足りなさで足を引っ張っていた。小泉作品は、青春王道ど真ん中でキラキラしてるけど、キラキラが雨音のように憂いと重みを帯びているから、ティーンじゃなくなった大人の心にもちゃんと沁みて、心地良く世界観に浸れるところが好き。最初に劇伴を指摘してしまったけれど、yamaの挿入歌「Lost」とトンネルを抜けていくシーンがとても良くて、観ている途中なのに、検索かけてしまった。それから、霜介が千瑛(清原果那)の椿を見て涙した理由が分かり号泣。はー、私にもまだ青春映画で泣ける心があって良かった(笑)庭の真ん中にある椿のツリー、明けてく朝日の温かさ、日本の身近な美しさが詰まっていて、水墨画×青春×最旬若手俳優の競演でモダンジャパニズムな世界観を発信出来ていたので、こういう作品を海外配給して欲しいなぁと思う。106分で綺麗にまとめているのも凄いし、NetFlixでいいから世界中の人に観てもらいたい。2022年公開。

「シン・ウルトラマン」

斎藤工主演他。空想と浪漫。そして、友情。次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣大作のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室専従班】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。班長・田村(西島秀俊)、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)、非粒子物理学者・滝明久(有岡大貴)、汎用生物学者・船縁由美(早見あかり)が選ばれ、任務に当たっていた。禍威獣の危機が迫る中、大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。禍特対には、巨人対策のために分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、神永とバディを組むことに。浅見にyる報告書に書かれていたのは・・・【ウルトラマン(仮称)、正体不明】。「ウルトラマン」の企画・発想の原点に立ち還りながら、現代日本を舞台に、未だ誰も見たことのない“ウルトラマン”が初めて降着した世界を描く、感動と興奮のエンターテインメント大作。

3点!!正直、ウルトラマンに全く興味が持てないが賞レースに絡んできているので、サクッと観てみた。日本にしかカイジュウ出ないのかーいというツッコミから、誰がカイジュウ呼んでたのか明らかになって、さらに何で世界じゃなく日本だけをターゲットにしたんかーいというツッコミに変わった(^^;) 町が人間に攻撃によりめっちゃ破壊されてて引いた。エヴァとかみたいに出来るだけ被害を少なくしようという発想はないの?家や町が壊されて泣いている子どもとか絶望している高齢者の顔が浮かんで全然盛り上がれなかった。ストーリーもつまらなくはないけれど、ウルトラマンのネームバリューに甘えた面白みのない展開でファン以外あまり楽しめないと思う。定番のテーマ曲とピコピコタイマーの制約のない&たまにコテンパンに倒されちゃうこともあるウルトラマンじゃないと楽しくないです。タイムリミットがあるからこそのハラハラが感じられなかった(タイムリミットはあるが何分か言及しなかった)。イケボな俳優を揃えたのは、アニメとドラマの中間にある特撮だからかしら?途中、何度もトミー・リー・ジョーンズ出てこないかなと期待したけど出てこなかった(爆)有岡くんが有岡くんらし過ぎて笑った。彼は風間くんと同じでジャニーズっぽくないから名脇役になれる可能性を秘めていると思う。クライマックスのワームホールみたいなところからいきなり白黒レトロになったの何で(笑)特撮詳しくないのでわからないけど、日本でやるなら世界から支持されているストップモーションでやってこそだと思うのだけど・・・。CGでは世界のカイジュウと同じなっちゃうし、日本凄いってならないと思うんだけど、違うのかな?「シン・ゴジラ」が詰め込み過ぎで早口でわけわからないことになってたから、本作は日本映画らしい余白があって良かったと思う。2022年公開。

「グリーン・ナイト」

デヴ・パテル主演他。怪物と戦う者はみずからも怪物とならぬように心せよ。すべてはクリスマスの首切りゲームから始まった。アーサー王の甥として、怠惰な日々をおくるサー・ガウェイン(デヴ・パテル)。彼はまだ正式な騎士ではなく、語られる英雄譚もない。クリスマスの日。円卓の騎士たちが集う王の宴に異様な風貌の緑の騎士が現れ、“遊び事”と称した首切りゲームを提案する。その挑発にのったガウェインは、彼の首を一振りで斬り落とす。しかし、緑の騎士は転がる首を堂々と自身の手で拾い上げると、馬で走り去るのだった。―1年後、ガウェインは約束を果たすべく、未知なる世界へと旅立つ・・・生きている者、死んでいる者、そして人間ですらない者たちが現れ、ガウェインを緑の騎士のもとへと導いてゆく。J・R・R・トールキンを魅了した中世文学の最高傑作をデヴィッド・ロウリー監督が映像化。A24史上、最も美しく、最も壮大なダーク・ファンタジー。

1点!!デヴ・パテルとアリシア・ヴィキャンデルにハズレなしと思っていたし、評価も高かったので観てみましたが、ハズレだった~高評価ってことは皆は面白いと思っているようなので個人的にハズレ。神話?から面白みを全部はぎ取った感じで、まじでデヴ・パテルとアリシア以外観るところなかったし、長かった。神話自体は嫌いではないので、これなら普通に絵巻物とか見ながら解説聞いていた方がよほど印象に残ったと思う。監督は原典から引っぱってきたのか?それともトールキンの訳書に寄せたのか?トールキンに寄せたのだとしたら、そもそもトールキンを楽しめない私は観るべきではなかったのだと思う。大体、ガウェインのキャラ設定が円卓で挙手するまでに定まっていないから「ぐうたらしてるセレブの子がやる気出してみたらやばいのに巻き込まれた→でもまた時が来るまでぐうたらしてる?→どうやら騎士道精神はがっちりあるようだ」みたいな感じでブレブレなんですよね。しかも騎士道精神あると思ったら逃げちゃうの?ってなるし(騎士なら心の中だけでもアウト)。ちなみに私、A24ともそんなに相性良くないです。好きな映画もあるけれど。本作、インド映画で歌ありダンスありでやったら面白くなると思うんだけどなーパテルはそのままで。インド映画は神話もハチャメチャエンタメに仕上げてくれるけど、ハリウッドは壮大と言う名のかしこまったつまらないものにしてしまう。本作がその典型だと思いました。2022年公開。

「KAPPEI カッペイ」

伊藤英明主演他。最強なのに、やることない。キェェェェイ!世界は滅亡・・・しなかった。1999年7月、ノストラダムスが予言したこの時、世界は荒廃し、秩序は乱れ、暴力が支配する恐怖の時代が訪れる。そんな来るべき世紀末に備え、人類を救うべく己を鍛え上げる強き漢たちがいた。しかし、時は2022年・・・。世界滅亡の時は一向に訪れない中、厳しい修行に耐え、強力無比な殺人拳を会得した弟子たちを集め、師範は気まずそうに言い放った。「解散っ」これは、時代に全く必要とされず、世界の救世主になれなかった強く優しき漢の物語である。強すぎる哀しき救世主の遅すぎた青春、爆発!!

1点!!予想外の展開は何も起こらないユルい「勇者ヨシヒコ」みたいな感じだったので、暇な時に何度かに分けて観た。映画に対してそういうことはあまりしない方なので、そうしてもいいやというくらいの作品。戦士役俳優たちの肉体美以外、見どころがない。てか、その肉体美すら普段の彼らの鍛え方と比べると緩くてちょっとぷよぷよしてるので全体的にひたすら残念。どの層に向けて作ったのかわからない。個人的には大貫勇輔さんのダンスをもっと観たかったのと西畑大吾くんはジャニーズに所属する必要ないくらい上手い役者さんなので彼の無駄遣い感ハンパなかったです。2022年公開。

「西部戦線異状なし」

フェリックス・カメラー主演他。第一次世界大戦下のヨーロッパ。17歳のドイツ兵パウル(フェリックス・カメラー)は、祖国のために戦おうと、意気揚々と西部戦線へ赴く。しかし、その高揚感と使命感は、凄惨な現実を前に打ち砕かれる。ともに志願した仲間たちと最前線で命をかけて戦ううち、パウルは次第に絶望と恐怖に飲み込まれていく。1930年に映画化されたエリッヒ・マリア・レマルクの同小説を製作総指揮ダニエル・ブリュール×監督エドワード・ベルガーで再映画化。第95回アカデミー賞9部門ノミネート、国際長編映画賞他4部門受賞作。

6点!!元版は観たことがないです。主人公役のフェリックス・カメラー、これが映画初出演だなんて凄い。内容が内容だけに迫真の演技。前線で泥試合状態の戦争ものの中でもわかりやすく、ただただ戦争の悲惨さ、非情さを伝えていて、2時間半近くあっても間延びしていないのは見事だと思う。観ていて、ドイツ人の勤勉さ、特攻主義、人より名誉を重んじる性質は日本人のそれと似ていて、同盟国になったのはある意味当然だったんだなと感じた。すべてにおいて間違っているけれど。おかしいと言えず、おかしくなっていくのが戦争なんですね・・・。戦場の行く前の主人公たちは戦争を何だと思っていたのだろう?殺すけど殺されないとでも?それとも殺す覚悟すらしないまま行ったのだろうか?なぜ、まだ見ぬ戦場に希望を見出したのだろう?この後、急速に力をつけていくヒトラーを支持していた人々のように最初は甘い言葉や餌に釣られて中身をよく知らないうちにいけると思ってしまった?気づいた時には手遅れだったのは、主人公を観て十分伝わってきたけれど。停戦15分前に特攻とかないわー皆違うだろって思っただろうに実行されてしまう空気の恐ろしさ。無駄死にってこういうことを言うんだなという代表作な気がする。2022年公開。

「シャドウ・イン・クラウド」

クロエ・グレース・モレッツ主演他。頼れるのは、私だけ。第二次世界大戦中の1943年。空軍の女性大尉モード・ギャレット(クロエ・グレース・モレッツ)が、フールズ・エランド号と命名されたB-17爆撃機に乗り込んだ。上官からの密命を帯びたモードの任務は、極秘の最高機密をニュージーランドからサモアへ運ぶこと。オール男性の乗組員たちから卑猥な言葉を浴びせられながらも、ひたむきにミッションを遂行しようとするモードだったが、銃座の窓から機の右翼にまとわりつく大空の魔物グレムリンを目撃。やがてグレムリンに機器を破壊され、日本軍のゼロ戦の奇襲も受けたフールズ・エランド号は、制御不能のパニックに陥っていく。はたしてモードは、この絶体絶命の危機を生き抜くことができるのか。そしてある重大な秘密を隠し持つ彼女が、この機に乗った本当の理由とは・・・?孤軍奮闘する女性パイロットの極限サバイバルを描く、高度2500メートルのジェットライド・サスペンス・アクション。トロント国際映画祭観客賞受賞作。

7点!!クロエ目当て。クロエは微妙な作品に出ることも多いけれど、これはB級最高のハチャメチャムービー♪ クロエはハチャメチャの中で生き生きする女優だし、トロントやサンダンスが似合う作品。ギャレットの長い独壇場はゼロ戦もグレムリンも襲ってこないし長いよってなったけど、その後は最後までノンストップアクション。M:Iのトムばりのアクションを披露するクロエは、トムみたいにリアルスタントじゃないとわかっているが、充分ハラハラしちゃう展開でした(^^) ゼロ戦から見て、敵機の外に女性とグレムリンいるし、意味わかんない光景だっただろうに、よく撃ち続けたなっていう(笑)戦時中のグレムリン伝説?は聞いたことがあるが、赤ちゃんを連れ去ろうとしたのもイタズラ?グレムリンが一体だけでめっちゃ頑張ってて、しかも表情豊かで人間味あるキャラだったので、ギャレットにボコボコに殺られててちょっと可哀相になってしまいました(^^;) そんな最強ギャレットが逃げてきた原因の主、どんだけ強いのよっていう(汗)最後、ギャレットが見つめる先にあるのは?展開と角度からいって仲間になれた兵士たち?めっちゃ気になるー。あと、ディズニーチャンネルのニック・ロビンソンとかテイラー・ジョン・スミス、フィンチ役のジョー・ウィロコフスキー、ドーン役のイケオジ、ベネディクト・ウォールなどイケメン大量発生!演じている役の性格がイマイチなので伝わりにくいけれど、次世代イケメン集合してます。戦争、社会風刺、モンスターパニックのバランスが良く、もう1回リピしたいなと思ったくらい何も考えずに楽しめてスカッと出来る作品です☆2022年公開。

「もっと超越した所へ。」

前田敦子主演他。恋愛間違えがちデザイナー(前田敦子)×ヒモストリーマー(菊池風磨)、彼氏に染まるギャル(伊藤万理華)×ノリで生きるフリーター(オカモトレイジ)、シングルマザー風俗嬢(黒川芽以)×常連の落ちぶれた俳優(三浦貴大)、子役上がりのタレント(趣里)×あざと可愛いボンボン(千葉雄大)。それなりに幸せな日々を送る4組のカップルに訪れた、別れの危機・・・。それぞれの“本音”と“過去の秘密”が明らかになる時、物語は予想外の方向へと疾走していく!このクライマックス、もはや事件!彼女たちが、<超越した所。>で見つけた自分だけのハッピーエンドとは?

1点!!ごめん、彼女たちの一度目の結論のどこに後悔要素があるのかさっぱりわからない。クズは次のクズと分かってスカッとして終わりかと思ったら、めっちゃアウトな展開へ。蜷川幸雄のシェークスピア舞台に突然、和織り込んできて台無しにするみたいなぶっ壊し方だった。舞台でやればいいよ。映画はこういうのは基本が超面白くないと許してもらえないと思う(「サマーフィルムにのって」みたいな)。千葉くんが演じた役は少なくとも自分の弱さと向き合えてるから、そんなにクズじゃないと思ったけど、この結末だと、女は男を妥協認定しちゃってるしその妥協は相手にも伝わる、それを受け止め、成長できるほどこの男たちは強くもなければ向上心もない。結果、調子に乗った妥協分子に捨てられる坂道まっしぐらだと思った。ヒモOKという女性はある意味、超越しているとは思うが、そんな彼女たちにもアウトラインがあるわけで。クズはアウトラインいっぱい持ってるよ~(怖)この作品から何を学べばいいのだろう?本編がこんなだからエンドロールさえ嫌だった。何?コロナ禍の映像業界応援映画とかなわけ?そうならわかるけど。伊藤万理華は作品によって全然顔が違うので、第二のあっちゃんならぬ川栄李奈方面に期待できると思う。好きじゃないドロッとした作品だった。誰か口直しください。2022年公開。

「ブレット・トレイン」

ブラッド・ピット主演他。「最悪が止まらなねぇ。」全車両、殺し屋だらけ―連結していく10人の因縁―東京発の超高速列車に乗り合わせた10人の殺し屋たち。しかし、それは偶然ではなく、すべてある人物によって仕組まれた罠だった。終着駅の京都に近づくについれ、繋がっていく10人の過去、そして因縁。物語の最後、明らかになる衝撃の真実とは―?累計300万部突破の伊坂幸太郎の大ヒット小説“殺し屋シリーズ”の第二弾「マリアビートル」をハリウッドで映画化。

3点!!伊坂幸太郎は苦手なので原作未読です。「ジョン・ウィック」「デッドプール」シリーズの監督作って感じ(^^;) くだらないと観るのを辞めるには伏線が細かく張り巡らされているし、出演者も演出も雑で豪華(爆)でも、流し見一択です(笑)冒頭、マシ・オカ、久しぶりだなと思いつつ、新幹線にあるのはファーストクラスじゃなくてグリーン車だよって教えてあげてよと思いながら観てた(^^;)もはや、日本でもどこでもない無国籍な感じで、新幹線の車内広すぎるし、邦画は「GANTZ」「るろうに剣心」とか狭い車内アクションで優れた作品が結構あるので、それを見習って新幹線題材にするなら、ちゃんと生かして欲しかったです。当たり前だけど、リアリティはゼロ。新幹線事故ってほぼほぼ助かる人いないんだよね、なのに殆ど助かってるっていう(爆)てか、新幹線の座席買い占めたって言ってたのに、初めの方、乗客たくさんいたの何なの。ライアン・レイノルズ再登場するかと思ったらしないし。あと、クライマックスの選曲センス(笑)展開というよりセンスに笑う映画なのかな?しかも第二弾から映画化しちゃったから、しれっとマリアが知ったような顔で出てくるけど、あんた誰よ?ってなって終わるし。ハリウッドの美味しいところだけ映像化しちゃおう悪癖が出まくった作品です。2022年公開。

「コンフィデンスマンJP 英雄編」

長澤まさみ主演他。英雄はいつだって嘘をつく。“英雄”と謳われた詐欺師<三代目ツチノコ>が死んだ。その元で腕を磨いた過去を持つダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)。当代随一の腕を持つコンフィデンスマンによって密かに受け継がれる<ツチノコ>の称号をかけ、3人の真剣勝負がはじまる。舞台は世界中のセレブが集まる世界遺産の都市<マルタ島・ヴァレッタ>。狙うは、莫大な財を成し引退したスペイン人の元マフィアが所有する、幻の古代ギリシャ彫刻<踊るビーナス>。それぞれの方法でオサカナに近づく3人だったが、そこに警察さらにはインターポールの捜査の手が迫っていた・・・。果たして最後に笑うのは誰なのか!?まったく先の読めない史上最大の騙し合いが始まる!!そして、本当の<英雄>、最後の<真実>とは!?コンフィデンスマン誕生の秘密に迫る物語。

1点!!苦手なシリーズではあるのですが、これまで観てきちゃってるので一応鑑賞。やっぱりこれまでの作品の焼き回しになっちゃってて前作を上回る面白さは皆無。脇役の詐欺師たちもドラマ編から顔ぶれが変わらないから、時々、登場するレア感すらない。観客に甘えてるシリーズだなぁと毎回思います。攻めてない。あと、なぜかこのシリーズの時だけ長澤まさみが丸いのはわざと?他で体重しっかり絞って綺麗な時もあるのに、ダー子が贅沢三昧で美味しいもの食べてて太ってるっていう設定なのか?変装もするし、一応世界展開しているシリーズでもあるので、普通に痩せてた方が綺麗で良いと思う。ダラダラと流し見でした。2022年公開。

「母性」

戸田恵梨香、永野芽郁主演他。母の愛が、私を壊した。女子高生が遺体で発見された。その真相は不明。事件はなぜ起きたのか?普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。愛せない母(戸田恵梨香)と、愛されたい娘(永野芽郁)。同じ時・同じ出来事を回想しているなずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく・・・。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」―2つの告白で事件は180度逆転し、やがて衝撃の結末へ。母性に狂わされたのは母か?娘か?物語は、すべてを目撃する観客=【あなたの証言】で完成する。累計発行部数100万部突破の湊かなえの衝撃的問題作、ついに映画化。

8点!!原作読んでます。戸田恵梨香がちゃんと永野芽郁の母親に見えるのが凄い。流石の演技力。監督:廣木隆一×脚本:堀泉杏(「ナラタージュ」)×原作:湊かなえという最強過ぎる布陣。あと主題歌のJUJUがトドメ!エンドロールでJUJUの「花」が流れ出したら、二人の愛を想って切なくて悲しくて胸が潰れそうな余韻でいっぱいになった。確かに愛なのに、育み方、伝え方でこんなに悲しいものになってしまうんだ。でも、原作そんなに印象に残ってないんですよね。やはり廣木監督の描き方が絶妙ということか。二人の、特に母親の愛が歪んでいて、でも母娘で愛し合っていたかったら、その歪みを抱えて最後まで生きるしかない。「与えたい愛」と「与えられたい愛」の形や表現が食い違うことって実はよく起こりますよね。母性って皆が最初から備わっていたら、悲しい事件なんて起きないはずだし、子育ての中には母性を遥かに凌駕する悲しみや絶望も起こる。母で娘で女で。同じ悩める母親として、上手く言葉に言い表せないけど、すごく刺さったし、ずっと考えさせられるような作品でした。2022年公開。

「夜、鳥たちが啼く」

山田裕貴、松本まりか主演他。夏の終わり、ふたつ屋根の下。歩きだせない二人。若くして小説家デビューするも、その後は鳴かず飛ばず、同棲中だった恋人にも去られ、鬱屈とした日々を送る慎一(山田裕貴)。そんな彼のもとに、友人の元妻・裕子(松本まりか)が、幼い息子アキラを連れて引っ越してくる。慎一が恋人と暮らしていた一軒家を、離婚し行き場を失った2人に提供し、自身は離れのプレハブで寝起きするという、いびつな「半同居」生活。自分自身への苛立ちから身勝手に他者を傷つけてきた慎一は、そんな自らの無様な姿を、夜ごと終わりのない物語へと綴ってゆく。一方の裕子はアキラが眠りにつくと、行きずりの出会いを求めて夜の街へと出かけてゆく。親として人として強くあらねばと言う思いと、埋めがたい孤独との間でバランスを保とうと彼女もまた苦しんでいた。お互い深入りしないように距離を保ちながら、3人で過ごす表面的には穏やかな日々を重ねてゆく。だが2人とも、未だに前に進む一歩を踏み出せずにいた。そしてある夜・・・。原作:佐藤泰志×監督:城定秀夫が描く、ささやかな希望の物語。

4点!!佐藤泰志原作の映画ととことん相性が悪いのでスルーするつもりでしたが、山田裕貴は恋愛ものだととても良いので、彼目当てで鑑賞。でも、ダラダラした感じで、いつもの佐藤作品よりはテンポ良かったけど、結論出ないなぁと(^^;) 彼氏の先輩後輩や友人とくっつくとかないわ~しかも元妻の前であのふてぶてしい態度もないわ~。過去描写では結構同情するキャラだったのに、一気にひっくり返るってゆう。前に経験した喪失が大きすぎると次にまた失うのはもう耐えられないだろうと思う。でも不確かな関係を続けるのもいつ失うのかわからないからそれも怖い。孤独もまた耐えられない。自分が生きられる実質的な場所、精神的な場所がいくつかあれば違うのだと思うけれど。なれ合いの関係、傷のなめ合いの関係性でも互いに思いやっていれば本物になるのだろうか?不安は消えるのだろうか?女性は相手が踏み込んできてくれるのを待ってたりします、多分。あと期待してたエロさはそんなでもなかった(同世代だと金子大地の方がエロかった(爆))。2022年公開。

「アフター・ヤン」

コリン・ファレル主演他。ありがとう、お兄ちゃん。“テクノ”と呼ばれる人型ロボットが、一般家庭にまで普及した近未来。茶葉の販売店を営むジェイク(コリン・ファレル)、妻のカイラ(ジョディ・ターナー=スミス)、中国系の幼い養女ミカ(マイア・エマ・チャンドラウィジャヤ)は、慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかしロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)が突然の故障で動かなくなり、ヤンを本当の兄のように慕っていたミカはふさぎ込んでしまう。修理の手段を模索するジェイクは、ヤンの体内に一日ごとに数秒間の動画を撮影できる特殊なパーツが組み込まれていることを発見。そのメモリバンクに保存された映像には、ジェイクの家族に向けられたヤンの温かなまなざし、そしてヤンがめぐり合った素性不明の若い女性(ヘイリー・ルー・リチャードソン)の姿が記録されていた・・・。AIロボットのヤンが動かなくなった。そのメモリには、ヤンだけのまなざしと、ある秘密が残されていた―。近未来を舞台に映像表現の粋を尽くす、切なく美しい物語。

6点!!喪失とそれを受け入れるまでの物語でした。期待値高かったので、ずっと静かで穏やかな波に揺られているかのような感じで、寝落ちしそうになりましたけど。“喪失”は丁寧に描かれているなと。喪失は喪失したことを知り、その人や物の知らない面を見たり聞いたりしながら、失ったことを理解していくのだと思いました。受け入れるにはまた何年もかかったり、もしかしたら一生受け入れられないかも知れない。でもそれは幸せだった証拠なわけで。私は生命体だけでなく、物にも同じくらい喪失の悲しみを感じるタイプなので、AIも人間もその辺にある靴やバッグも変わらず悲しい。でも一方通行な愛ではなかった分だけ、悲しみは減らせるのだと感じた。AIが幸せは感じないけど悲しみや感傷は感じるのだとしたら、これだけ大きな穴を人の中に残していくのだとしたら、共存って出来るのかな?ペットと同じで出来る人と出来ない人がいて、万人に受け入れられるのは難しいのではないかなと感じました。それにしても大型映画対応になってしまった坂本龍一とミニシアター系の岩井俊二色の音楽は才能がぶつかり合うな(^^;)そして人種が大渋滞。上手くいえないし、眠かったけど、切なさの余韻が凄い。2022年公開。 

「奈落のマイホーム」

キム・ソンギュン主演他。11年越しの夢の我が家が1分で地下500mに沈む。平凡なサラリーマンのドンウォン(キム・ソンギュン)は、11年間の節約生活を経て、ソウルにマンションを購入。家族とともに引っ越してきた。同僚を招き、“引っ越しパーティー”を開くが、大雨で巨大陥没穴<シンクホール>が発生。マンション全体と住人たちを飲み込んでしまう。ドンウォンは反りの合わない隣人マンス(チャ・スンウォン)、そして不幸にもこのマンションを訪れていた同僚たちと共に、地下500mへと落下。さらに大雨が降り始め、穴はどんどん水で満たされていく・・・!嗚呼、夢のマイホーム、彼らの運命はいかに!?一瞬にして日常を一変させた巨大陥没穴。普通の人々が突如巻き込まれた、あり得なそうで、あり得る決死のサバイバル劇!【都市直下型】ディザスター・パニックムービー上陸!

10点!!「ザ・タワー」の監督と「テロ、ライブ」のVFXチームによる新作。「ザ・タワー」より映像は「テロ、ライブ」寄りの迫力と緊張感が続き、コメディ多めだけどちゃんと調和していて面白かったです。ALLハッピーエンドで終わらないのが韓国映画なので、家を買ったばかりなので他人事じゃないなと思ったし(隣接市が大規模シンクホール中)、だからあのハッピーエンドっぽいラストには違和感があったかな(^^;)本当に一瞬の判断が命を分けるんだなと悲しくなってしまいました。ナム・ダルムも20歳か~ヨ・ジングになれる俳優で、順調に格好良くなっていっているので見かけるたびに楽しみになります(^^) 沈むのはマイホームだけど落ちるのは一家じゃないってところが肝ですね。普通にこれほどの規模じゃなくてもシンクホーとか家が崩れるとかが起きて、大切な存在を救えなかったらと思うと怖くて堪らなかったです。大規模修繕の必要性を痛感させられる作品(お金ないとか言ってる場合じゃないんだよ~涙)2022年公開。

「わたしは最悪。」

レナーテ・レインスヴェ主演他。人生は選択―時々、運命。アート系に才能のきらめきを見せながら、決定的な道が見つからず、いまだ人生の脇役のような気分のユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)。そんな彼女に漫画家として成功した年上の恋人アクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)は、妻や母といったポジションを勧めてくる。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィン(ハーバート・ノードラム)に出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ人生の主役に躍り出ようとするのだが・・・。“最悪”な本音が“最高”の共感を呼び、世界が絶賛!新時代を生きるすべての人に贈る、恋と成長の物語。第94回アカデミー賞ノミネート、第74回カンヌ国際映画祭女優賞受賞作品。

 

6点!!日本でも軒並み高評価だったので観てみました。ナルシストで承認欲求高めのどこにでもいるアラサー女子の恋の徒然。彼氏がどんどん格好悪くなっていくのだが・・・最初の一瞬で消えた彼氏が一番格好良かった(爆)ユリヤは優秀だからこそ、手が届きそうな道が多く、もっと上もっと上と悪循環に陥っている気がしました。常に先を覗き込もうとしていて、今現在自分が持っているもの、相手の顔をちゃんと見ていない。かと言って“最悪”な本音というほどのぶっ飛び具合もない安全運転の普通の大人になりかけ女子。男性もだけど、自分たちが大人だと思う大人になれるのって何歳なんだろう?いつになったら自分の中から幸せを紡ぎだせるのだろう?確かに、ユリヤを寺島しのぶくらいの年齢の女優が演じたら、愚かしくみえるのかも知れない。ということは、私自身は彼女くらいの年齢になれば自分が思っている大人になれると思っているということだ。でもきっと、その年齢になっても成長はしていても大人にはなれていない。きっと、幾つかの幸せな思い出と傷が増えているだけだ。傷でも思い出でもなく幸せを手にしていたいのが本音なんですけど・・・(爆)過去に手放してしまった幸せはもう二度と手に入らない。自分で精一杯で飽きっぽいから子どもなんていらない、恋人がいても他に両想いの相手が出来てしまうのは最悪なことではないけれど、その人生をマシに、マシから幸せにと足掻くのは人間の性なのではないだろうか。そう思うと、本作は現実的過ぎてとても悲しく切なく、結構な鬱映画でした(爆)2022年公開。

「デリシュ!」

グレゴリー・ガドゥボワ主演他。世界初の“レストラン”開業の秘密、教えます。1789年、革命直前のフランス。誇り高い宮廷料理人のマンスロン(グレゴリー・ガドゥボワ)は、自慢の創作料理「デリシュ」にジャガイモを使ったことが貴族たちの反感を買い、主人である傲慢な公爵に解任され、息子と共に実家に戻ることに。もう料理はしないと決めたが、ある日彼の側で料理を学びたいという女性ルイーズ(イザベル・カレ)が訪ねてくる。はじめは不審がっていたマンスロンだったが、彼女の真っ直ぐな想いに触れるうちに料理への情熱を取り戻し、ついにふたりは世界で初めて一般人のために開かれたレストランを営むことになる。店はたちまち評判となり、公爵にその存在を知られてしまう・・・。1789年、フランス革命前夜。自らの表現を信じた料理人が起こしたもうひとつの革命があった。先が見えない2022年秋、美味しくて華やかな映画が誕生した。

5点!!フランス革命前後のフランス史が好きです。なので、フランスにレストランが普及したのは革命直後からだったはずなので、きっかけとか時系列がずれているので、フィクションなのかな?何にせよ、望まずとも革命直前に公爵家を離れられることになった二人はその時点で運が味方していたってことですね。ジャガイモの花を貴族が胸元に飾るとかもあったなぁと。「シェフ!」みたいなハッピー食テロ映画を期待していましたが、そこはやっぱり中世フランス。暗くてジメジメしてておしとやかです(^^;) デリシュは美味しそうだったけど、他の料理は貴族向けのは見た目が凄いけど味が全然伝わってこないし、画面が暗いので、寄りで料理が香り立つ感じとかもっと美味しそうに伝えて欲しかったです。イザベル・カレは結構な年齢だと思うけど、少女性や気品を感じさせる演技で美しい女優さんだなぁと思いました。ストーリーはトントン進んで観やすいけど、意外性はゼロだし、もう少し面白みを持たせても良かったと感じました。2022年公開。

「でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード」

ダービー・キャンプ主演他。愛情の分だけでっかくなっちゃった!?僕のなまえはクリフォードといいます。まだ右も左もわからない子犬なんですけど、エミリー(ダービー・キャンプ)から注がれた愛情のせいで、朝起きたらでっかくなっちゃってたんです!それだけでも大問題なんですが、なぜか大会社の社長さんが僕をさらおうとするんです・・・。しかもかなり手荒く。でも、エミリーやおじさんのケイシー(ジャック・ホワイトホール)、友達のオーウェンや変わり者の近所の人たちも僕を守るためにガンバってくれるんだ!さて、これからどうなっちゃうんでしょうか、僕。アメリカの児童文学作家ノーマン・ブリッドウェルが1963年から発表し始めた児童文学作品を原作に、映画史上最もでっかくて赤い子犬が、現代のニューヨーク・マンハッタンを舞台にスクリーンで大騒ぎ!2022年は、笑顔も幸せもでっかくなっちゃう!

5点!!家族で観たい癒され動物映画。赤毛というには虐待レベルで真っ赤過ぎるので違和感半端ないですが、楽しいし、泣けるお話でした。でも、愛で大きくなる犬(これからもでかくなっちゃう)、アパートで買おうとする少女、大きいせいで物や人に意図せず怪我をさせてしまう犬を子ども故の無邪気さで突破させようとするストーリーは児童文学らしい無理があります。犬自身が小さくなりたいと願ってしまう環境に置こうとすること自体、可哀相だなぁと。いやいや、魔法使い、少女の家はお金持ちってわけじゃないんだから、小さく戻してあげてよって思いました。そっちじゃないよっていう(涙)どんな大きさのどの動物を飼えるかって環境で全然変わってきますし、無理させると可哀相なのは動物ですからね(あと怪我させられる他人)。でもまぁ、子ども向けとしては情緒豊かで良い作品だと思います。2022年公開。

 

 

「決戦は日曜日」

窪田正孝、宮沢りえ主演他。私に清き一票を・・・入れないでください!とある地方都市。谷村勉(窪田正孝)は、この地に強い地盤を持ち当選を続ける衆議院議員・川島昌平の私設秘書。秘書として経験も積み中堅となり、仕事に熱い想いはないが暮らしていくには満足な仕事と思っていた。ところがある日、川島が病に倒れてしまう。そんなタイミングで衆議院が解散。川島の後継候補として白羽の矢が立ったのは、川島の娘・有美(宮沢りえ)。自由奔放、世間知らず。だけど謎の熱意だけはある有美に振り回される日々。でもまあ、父・川島の地盤は盤石。よほどのことがない限り当選は確実・・・だったのだが―。「東京ウィンドオーケストラ」の坂下雄一郎監督のオリジナル脚本作に豪華キャスト集結!ユーモアと皮肉に満ちた新時代ポリティカルコメディ!

2点!!選挙ものって対象年齢層が高く俳優陣も年配が多いせいか、古い笑いのつまらないもので溢れているというイメージがあります。ドラマだとそれなりに拡げられるけど、映画だと時間が限られているから古典芸能になりがち。今回も安心安全運転のクスッと笑いが持ち味の坂下監督がメガホンを取っちゃったことで、最後まで規定ラインを超えないお話にまとまってしまっていました。途中何度も寝落ちしそうになった。タイムリーな感じでいくならもっとブラックに有り得ないだろということをリアルに感じさせる展開にもっていかないと、リアルな政治の話題の方がよほどハチャメチャでブラックなので、まだこんなことやってるの?というぬるさしか感じられなかったです。宮沢りえと窪田正孝がやることで締まってはいたけれどそれだけ。2022年公開。

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「あのこと」

アナマリア・ヴァルトロメイ主演他。あなたは<彼女>を、体感する。60年代中絶が違法だったフランス、大学生アンヌは予期せぬ妊娠に狼狽するも、夢と学位のために独りたたかう―。アンヌ(アナマリア・ヴァルトロメイ)の毎日は輝いていた。貧しい労働者階級に生まれたが、飛びぬけた知性と努力で大学に進学し、未来を約束する学位にも手が届こうとしていた。ところが、大切な試験を前に妊娠が発覚し、狼狽する。中絶は重罪。アンヌはあらゆる解決策に挑むのだが・・・。ヴェネチア国際映画祭審査員全員一致で金獅子賞受賞!世界が息を呑んだ衝撃の映画体験。

9点!!「ヴィオレッタ」の子だ~順調にキャリア積んでいる上にめっちゃ美人さんになってる(゚д゚)! これ原作者の体験が基になってるんですよね。最初はアンヌは一年休学は考えなかったのかな?舞台は60年代ってだけで正確な年号は明らかにされてないけど、海挟んで隣国イギリスは60年代後半に中絶OKになってるけど、渡英は考えなかったのかな?(フランスは70年代半ば)情報を得る手段が殆どないから入ってこなかった?でも、禁止にされてることって戦時中の秘密結社もそうだけど、必要なことって秘密裏に共有されていくはずなんだけどな・・・友人が中絶方法を探すだけでも重罪になったの?とか考えながら観ていたけれど、ストーリーが進むにつれ、どうして女性だけがこんな思いをしなければならないのだろう?という思いが加速度的に強くなり、もう“事件”直前には「中絶が重罪なら相手男性は去勢ってことにすればいいのに」とまで思ってました。これを「OMG!」みたいなテンションで観ている男性がいたならふざけんなって思う。インタビューで「映画を観た男性が卒倒した」って書いてあったけど、女性は卒倒している暇さえ許されないんんだよって怒りを覚えた。産んでから母性があるとかないとかの前に妊娠すると中絶しにくいようにホルモンで「堕ろしたらいけない」って強烈な母性に襲われるんですよ。加えて、ひとつの命を生かすか殺すかの決断を迫られる。それを二十歳そこそこの子が誰にも頼れずに、頼っても拒否されてというのはもう彼女の苦しみを考えたらやりきれないです。へその緒を自分で切れないシーンがあるけれど、当たり前だし、身体は回復しても後で反動で心ボロッボロになったのではないかとアンヌの行く末が本当に心配になりました。もう二度と男性と関わりたくないって思っても全然不思議じゃないです。無事、試験も受けて最悪な体験も乗り越えたなら、女性って本当に異次元の強さを持っているなと感じます。でも、時代が無理やり強くさせたものだから、本来ならそうじゃなくても良いはずとも思う。でも、同じ女性でも経験してない同級生とか他の女性には「愚かだなー」とかも思われてるんだろうな。妊娠すること出産することの半端ないハードさを知っている身としてはラストの衝撃度と余韻は凄まじいです。アンヌは試験を受けるまでに回復してたけど、私の方が回復出来そうにない(>_<)「仕方なかった」とか、そんな風に通り過ぎて良い作品じゃないと思うから。・・・男性のどんな感想を聞いても「じゃあ、経験してみろよ」って思ってしまう気がします(爆)久々に過呼吸になりかけた(なった)作品。2022年公開。

「ある男」

妻夫木聡、安藤サクラ主演他。愛したはずの夫は、まったくの別人でした―弁護士の城戸(妻夫木聡)は、依頼者の里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫「大祐」(窪田正孝)の身元調査という奇妙な依頼を受ける。里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と結婚。新たに生まれてきた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日彼が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。愛したはずの夫は、名前もわからないまったくの別人だったのだ・・・。「大祐」として生きた「ある男」は、いったい誰だったのか。「ある男」の正体を追い、“真実”に近づくにつれて、いつしか城戸の心に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく―。なぜその男は、別人として生きたのか。弁護士・城戸がその真実に辿り着いたとき、必ず涙する。日本映画史に残る「愛」と「過去」をめぐる珠玉の感動ヒューマンミステリー誕生。

8点!!「嘘を愛する女」と入り口は同じだけど、中身の濃さが全然違う、色々な人々の人生が交錯していく重厚なミステリーでした。この世に数多ある苦しみの中でも自分のアイデンティティである名前ごと変えてしまいたいという苦しみは別格だと思った。どこへ行っても自分の名前による苦しみが付きまとってくる、追いつかれてしまう、今ある幸せを一瞬で壊してしまうという現実は、何もかもが無意味で全ての気力を奪っていく病巣のよう。でも窪田さんが演じた男性は、人の道を外れることなく、名前を変えてでも真っ当な幸せを掴もうと努力し続けた相当な頑張り屋さんだと思う。そんな彼の最期が、幸せの中に在って本当に良かった。それで人生の大半の苦しみが消えるわけじゃないけれど、人生の中に幸せを感じられる時があるのとないのとでは全然違うから。城戸や大祐が「ある男」に共鳴したように、人に言えない苦しい過去を背負いながら生きている人は、そこら中にいると思う。私もそうだし。言えないわけじゃないけれど、言った瞬間、自分に対する態度が変わってしまうのがわかるから、黙るしかないよねってなる。でも、それはとても苦しい。苦しみや悲しみを大切な人たちと共有できないのはとても孤独で苦しくて怖いこと。早く心から健康的に生きられるようになりたい。柄本一族は同作品で競演していても、毎回それを吹き飛ばすだけの怪演を魅せてくれるから凄い。本当に映画一族なんだなと思う。窪田さんと妻夫木さんも素晴らしかった。彼らの演技力で相当質が上がっていた。上手く言葉に出来ない余韻が凄い・・・。2022年公開。

「ザリガニの鳴くところ」

デイジー・エドガー=ジョーンズ主演他。真相は、初恋の中に沈む。湿地帯で発見された青年の変死体。容疑者は“そこ”に暮らす少女。ノースカロライナ州の湿地帯。そこで発見されたのは、裕福な家庭で育ち、将来を期待されていた青年の変死体だった。容疑をかけられたのは、“ザリガニが鳴く”といわれる湿地帯に暮らす無垢な少女カイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)。6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、花、草木、貝、鳥―湿地の自然から生きるすべを学び、ひとり生き抜いてきたカイア。そんな彼女の世界に、迷い込んだ心優しきひとりの青年(テイラー・ジョン・スミス)。彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める・・・。全世界1500万部突破のミステリー。

5点!!かなり高評価な原作・作品だったので期待してしまっていましたが、私はこの手の話にあまり感情移入出来ないの忘れてました(>_<) よく出来たハーレクインロマンスみたいな。でも湿地の映像は美しく音も癒したっぷりで、カイアを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズも雰囲気のある美人さんで、目は癒されました。テイトが戻ってこなかった理由、戻れない理由があって欲しかったです。じゃないとよくある運命的な恋に振られ、傷心のところをダメンズに拾われ人生真っ逆さまっていう典型沈みパターンに(涙)もっと情緒揺さぶられたかった~惜しい期待ハズレな作品。2022年公開。

「秘密の森のその向こう」

ジョセフィーヌ・サンス主演他。それは、8歳のママだった―祖母(マルゴ・アバスカル)が他界し、その悲しみに耐えかねた母(ニナ・ミュリス)が姿を消した日、8歳のネリー(ジョセフィーヌ・サンス)は、かつて母が遊んでいたもりを探索するうちに、自分と同じ年の少女(ガブリエル・サンス)と出会う。母の名前「マリオン」を名乗るその少女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家”だった。喪失と痛みを抱えた娘と母が、時空を超えて出会うことで見つけるものとは?時空を超えた、少女の出会いが浮き彫りにする女の深淵。「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督、その才能に再び世界が絶賛!娘・母・祖母、さん世代をつなぐ<喪失>と<癒し>の物語。

4点!!サンス姉妹が双子じゃないかっていうくらいそっくり(^^;)家族を想い合う純粋な気持ちが詰まった作品。ストーリーは童話のようにシンプルですが、心配し、少し不安を感じながらも、相手の心を想う優しい切なさの余韻が心地良いです。世の中全部の家族がこうだったらいいのにな。2022年公開。

「ラーゲリより愛を込めて」

二宮和也主演他。帰国を、信じて。第二次大戦後の1945年。そこは零下40度の厳冬の世界・シベリア。わずかな食料で過酷な労働が続く日々。死に逝く者が続出する地獄の強制収容所(ラーゲリ)に、その男・山本旗男(二宮和也)は居た。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」絶望する捕虜たちに、山本は訴え続けた―。山本はどんな劣悪な環境にあっても分け隔てなく皆を励ました。そんな彼の仲間想いの行動と信念は、凍っていた日本人捕虜たちの心を次第に溶かしていく。山本はいかなる時も日本にいる妻(北川景子)や4人の子どもと一緒に過ごす日々が訪れることを信じていた。終戦から8年が経ち、山本に妻からの葉書が届く。厳しい検問を潜り抜けたその葉書には「あなたの帰りを待っています」と。たった一人で子どもたちを育てている妻を想い、山本は涙を流さずにはいられなかった。誰もがダモイの日が近づいていると感じていたが、その頃には、彼の体は病魔に侵されていた・・・。運命に翻弄され再会を願い続けた2人―11年に及ぶ“愛の実話”。

8点!!二宮さんの演技が苦手なので避けていましたが、瀬々監督だったので観てみました。実話だという前提ありきだと普通に何度も泣けます。真っ新な善人は戦中戦後は生き残れないよなぁと思ってしまいました。本作の妻のようにその真相を知っても「そういう人だから」と許せる人もいるだろうけど、「それでも帰ってきて欲しかった」という願いを叶える為に、一直線に突き進む原(安田顕)や相沢(桐谷健太)のような人も、その想いを知ってしまえば絶対に否定は出来ない。あらためて人が人の心を諦めるような戦争は絶対起こしてはならないと感じました。もう起きちゃってるけど(涙)生き残るのに最も強い武器は人を想う気持ちの強さなのでしょうね。それは私も日々感じています。会いたい人、守りたい人がいない人間は自暴自棄になるし脆い。5年、10年と会えない年月が続いても会えると信じ合える相手がいるのはそれだけで人生の素晴らしいギフトです。大切な人の大切さにあらためて気づかされる作品です。2022年公開。

「ケイコ 目を澄ませて」

岸井ゆきの主演他。不安と勇気は背中あわせ。震える足で前に進む、彼女の瞳に映るもの―。嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコ(岸井ゆきの)は、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。「一度、お休みしたいです」と書きとめた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す―。16ミリフィルムから溢れ出す、街を漂う匂い、降り注ぐ光の粒、ケイコの心が軋む音。世界の映画祭で絶賛された、観る者の心をつかんで離さない、感覚を研ぎ澄ます映画体験。

3点!!淡々と静かに岸井ゆきのの演技力に懸けている作品。でも、岸井ゆきののこういう表情は他作品でも観たことがあるので、彼女は通常運転で演出で彼女の良さを最大限生かしている感じがした。手話に字幕がつかないシーンに気づいてからは、こちらも観ることに集中させられましたし、そういう演出の上手さが映画好きにウケそう。ケイコはもし、話せても話せなくても、お喋りな子ではないんだろうなと思った。感情を相手に伝えることや泣くことが得意ではなく、一人で抱え込んだものをボクシングで昇華させてるのだろうと感じた。つまり、相手ありきではなく、自分にとって必要なコミュニケーション手段がボクシングだったという。そんな彼女にとって話さなくても拳と拳でわかりあえるマインドのボクシングジムは心地良い場所だったに違いない。ケイコの父親が出てこないので、会長のこともお父さんみたいに思ってたんだろうなと。不安や戸惑いが解決できないまま、放り出されることとか、こちらが納得する前に物事が進んで終わってしまうこととか、大人になるとそういう場面は多くなるけれど、人生の大事なシーンで感情が宙ぶらりんになってしまうと、すごいキツイし、ダメージを負ったまま、ずるずると生き続けなければいけない地獄が待っているから怖い。そういうことを怖いと感じながらも、失わない為に走り出せるケイコは強い女性だなと思った。2022年公開。

「マチルダ・ザ・ミュージカル」

アリーシャ・ウィアー主演他。人生の物語を変えられるのは、わたしだけ。5歳のマチルダ(アリーシャ・ウィアー)は、図書館にある難解な本も全部読みつくしてしまうほど、高い知能と豊かな想像力を持った少女。しかし両親はそんなマチルダに関心を全く示さず、家庭は辛い場所だった。ある日、学校へ通わないマチルダを心配した教師陣が家庭訪問をする。マチルダは、そこで教師のハニー先生(ラシャーナ・リンチ)に出会い、翌日、二人は学校で再会する。ハニー先生はすぐにマチルダが「天才」である事に気づき、その才能を伸ばしたいと願う。しかし学校は、校長であるミス・トランチブル(エマ・トンプソン)が恐怖で子どもたちを支配する『監獄』のような場所だった。マチルダは自らが持つ不思議な力を駆使して、子どもたちを苦しめる大人たちに仕返しを試みる。自身も苦しい子ども時代を過ごしたハニー先生は、マチルダの良き理解者となり、いつしか二人の絆は固いものになっていくが・・・。「チャーリーとチョコレート工場」のロアルド・ダール原作文学によるブロードウェイの大ヒット作を映画化したファミリー・ミュージカル。

9点!!これも大画面で観たかったやつだ~・・・(>_<) ストーリーの外枠はよくあるものだけど、古ミュージカルに近いくらい歌って踊っていて、どちらもレベルがとても高い。マチルダ役のアリーシャ・ウィアーが可愛くて歌も上手くて、子どもたちのダンスがキレッキレで歌詞も早口で歌っているに近いくらいハイテンポで格好良かったです♪そして、外枠をブチ破って(チャリチョコの2冊目がそんな感じw)予想外のジャンルまで織り込んできて、最後までテンポよく飽きずに楽しめました(^^) エマ・トンプソン、本当に何でも出来るなぁ(笑)でも、アニー的な舞台でこういういきなりハリポタ的要素をぶち込んで観客は置いてけぼりにならないのだろうか?あと、マチルダを見守っているキッチンカーのお姉さんの「仕返しをしてはいけない」が後々ブーメランとして飛んでくるのかと思いきや、全く飛んでこなくて仕返ししまくりだった(爆)あの含みなんだったの?(^^;) 学校って超閉鎖的な独裁だからね~入ってみないと全然わからないよね。てか、日本では小さい子の足を持ってぐるぐる回す遊び、小さい頃わりと経験している人が多いような気がするのですが、あれは海外だと虐待なのかーとやっぱり日本の体の張り方の無茶ぶりも再実感させられました。夏休みに舞台でも映画でも親子で観たら実のある作品です。2022年日本未公開・NETFLIX作品。

「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」

トム・ホランド主演他。さようなら、親愛なる隣人―全ての運命が集結する。親愛なる隣人として、NYを守り続けてきたスパイダーマン。しかしミステリオ(ジェイク・ギレンホール)によって世界中にその正体を明かされてしまったピーター・パーカー(トム・ホランド)。マルチバースの扉が開かれ、過去の「スパイダーマン」シリーズのヴィラン達が、襲い掛かる―。ピーターがスパイダーマンだという記憶を世界から消す為に、危険な呪文を唱えたドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。その結果、このユニバースに、ドック・オク、グリーン・ゴブリン、エレクトロ、サンドマン、リザードといった強敵たちを呼び寄せてしまう。マルチバースが現実のものとなってしまったのだ。彼らがこのユニバースに同時に存在することだけでも既に危険な状況に。ストレンジは、ピーター、MJ(ゼンデイヤ)、ネッド(ジェイコブ・バタロン)に協力を求め、彼らを各々のユニバースに戻そうと試みるが、次々とスパイダーマンに襲い掛かるヴィラン達。その脅威は、恋人のMJ、親友のネッド、さらにはメイ叔母さん(マリサ・トメイ)にまで。最大の危機に晒されたピーター。このユニバースを守り、愛する人達を守る為に、彼に突き付けられる<選択>とは―?シリーズ最終章。全ての運命を見届けろ。

10点!!もう2の内容忘れてる・・・ミステリオってヴィランだったんだっけ?本作は3シリーズをリアルタイムで観てきた私世代にはある意味アベンジャーズより豪華!だってあれだけソニーと揉めて辞めたのにすごい時間経ってるのに3スパイダーだけじゃなくヴィランズまで誰も死なずに再集結出来るなんて凄い!(爆)ウィリアム・デフォーとアルフレッド・モリーナ辺りヤバイかと思ってたけど、デフォー意外と若いのね(爆)スパイダーシリーズって基本、ダークテイストですよね。いつも誰かの死がつきまとうし、ヴィランの過去は完全に被害者じゃんってことが多い。トムホ版は3コンビの明るさでだいぶフォローされてるけど、今回は最終章だけあって結構重たかったです(でも4あるっぽい)。同時にトムホの演技の幅も広がっていて、こういう表情も出来るんだ~と重たいシーン観ながら思ってました。ピーターが高校生だから、ホーガン(ジョン・ファヴロー)やDr.ストレンジが身を挺して守ろうとしているのもグッときたし、アンドリュー・ガーフィールド版スパイダーが同じ状況でMJを救うシーンは普通に泣きました。ヴィランも含め、これまでの彼らの悲劇が浄化されるお祭り映画になっている。でも、それだと他世界の現実を変えちゃってるからマルチバース歪みまくりじゃない?と頭の中、??になったり。トムホ版より前のスパイダーシリーズって男性向けというか、敵味方構造もキャラクターも戦いの原因もシンプル過ぎて感情移入出来なかったんですよね。でも、トムホ版は“普通の高校生”という設定にこだわっていて、恋愛も青春も成長もとても感情豊かに描かれていて、ほっこりするし、応援したくなります。まぁ、要はトムホ&ゼンデイヤカップル可愛すぎってことなんですけど。しかし、3でこれだけお祭りしちゃって、4でこれを超えられるのか?(汗)でも、それだけ本作は企画の段階からファンの期待値余裕で超えてきた作品でした。Amazing!!!もう「No way home」って副題自体、悲し過ぎ!って余韻に浸りまくりです。 2022年公開。

「キングダム2 遥かなる大地へ」

山崎賢人主演他。夢の続きがはじまる―これが天下の大将軍への第一歩だ―新たなる戦いの舞台は、決戦の地・蛇甘平原。「秦」国へと侵攻した隣国「魏」を迎え撃つべく、国王えい政(吉沢亮)の号令のもと行軍。信(山崎賢人)は歩兵として戦地へと赴き初陣に臨む。初めて目の前にする本物の戦場で、運命をともにする新たな仲間との出会い。そして、絶望の戦場でたちはだかる強大な敵。信は亡き友・漂(吉沢亮)と交わした「天下の大将軍になる」という宿願を果たすため、さらなる過酷な戦いへと身を投じていく―。前作を凌駕するスケールへとパワーアップし、「キングダム」がスクリーンに帰ってくる。命をたぎらせ、生きろ。

7点!!佐藤監督って必ず合格ラインには仕上げてくるのですが、予想より遥かに良くなってるということは殆どなくて、本作の1も2も良くなっているとしたらキャストに助けられてるなと感じました。原作読んでないとわからない表現も多かったけど(なんで羌カイはめっちゃ息切れるの?持久力ない問題?持病?とかw)、清野さん演じる羌カイの剣舞はめっちゃ格好良かったですし、山崎さんのアクションもいつもの佐藤監督のワイヤーガンガン使ってる風にはあまり感じなくてちゃんと身体が速度や高さに乗れてて凄いなぁと見ごたえがありました。ただ、韓国時代劇見過ぎてるせいか(笑)、こういうキャラと展開、戦場バトルは結構ありがちで、渋川さん演じる縛虎申の命懸けの一撃みたいな心震える場面があともうひとつくらい欲しかったです。そして、本作においてはえい政と河了貂がほぼ出る意味ない感じになってますが、そこは出すなら出すでもうちょっと何とかならなかったのか?これはあと何作続くんだろう?原作読んでないから、終わりが見えない・・・。2022年公開。

「渇水」

生田斗真主演他。渇いた世界に、希望の雨は降るのか―。日照り続きの夏、市の水道局に勤める岩切俊作(生田斗真)は、来る日も来る日も水道料金を滞納する過程を訪ね、水道を停めて回っていた。県内全域で給水制限が発令する中、岩切は二人きりで家に取り残されていた幼い姉妹と出会う。蒸発した父、帰らなくなった母親。困窮家庭にとって最後のライフラインである“水”を停めるのか否か。葛藤を抱えながらも岩切は規則に従い停水を執り行うが・・・。普遍的な生の哀しみを描いた芥川賞候補作が、30年の時を経て白石和彌監督により映画化。給水制限の夏、一件の【停水執行】が波乱に満ちた人間模様を紡ぎだし現代社会に真の絆を問う珠玉のヒューマンドラマ。

4点!!テーマもテーマだし白石監督だし抉ってくるのかなと期待していましたが、そうでもなく、意外と爽やかな感じ?ハッピーエンドはあるにはあるけど、爽やか系珍しい気がする。市の職員って気持ちが擦り切れていく部署が多すぎる気がする。役所はその国の各都市の中心だから、それって国が最悪ってこと他ならない。一般市民も破綻したりキツイけど、公務員もこういうので心が病んで人生止まるってことも少なくなくて、どちらも国の被害者だと感じました。ひとつひとつのことに何も感じない人間にはなりたくないなと。常に相手の生活や気持ちを想像できる人でありたいなと思いました。渇水とお金がないのってどちらもカラカラと表現するし、似ている気がします。今の日本の飢餓状態は異常で隣の人を助ける余裕もなくて、でも他の国もそう見えなくてもそうかも知れなくて、今ある法システムから何から何までひっくり返すか作り直せるなら作り直したい。でなくて助けても助けても、頑張って助かり続けても終わりが来なくて犠牲者が出る。そんな国に住んでるんだなぁと抉るまでいかないけど、余韻的には割と絶望ゾーンな作品かも。2022年公開。

「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」

ベネディクト・カンバーバッチ主演他。無限の可能性が存在する―禁断の世界<マルチバース>が開かれる。元天才外科医でアベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。彼の前に、今いる現実とは異なる世界へと通じる禁断の扉が現れる。その先に広がっていたのは、無限の可能性が存在する、“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールド―。この謎と狂気に満ちた世界からの新たな脅威が人類に迫る中、最凶の魔術を操る敵がストレンジの前に立ちはだかる。それは、邪悪な姿をした“もう一人の自分”だった・・・。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のその後を舞台に、マーベル史上最も予測不能で壮大な戦いを描いた、監督:サム・ライミ(「スパイダーマン」シリーズ)×マーベル・スタジオがおくるファンタジック・アクション超大作の幕が開く。

6点!!イルミナティきたーーここでやっと「X-MEN」と繋がった(もう一生繋がらないと思ってた)。ディズニープラス観てないと話が全然繋がらなくなるのはまじで止めて欲しいです。大体、想像で補足出来たけど、「ワンダヴィジョン」のワンダ(エリザベス・オルセン)に何があったの?久々のドクター・ストレンジ単独作だったけれど、他作品のストレンジはアイアンマン的立ち位置の頭脳派の大人なのに単独作だと一気に「何もかもの選択を間違えたストレンジャー」だってことすっかり忘れてたから最初は違和感がありました(^^;) サム・ライミは本格的にマーベルシリーズに復帰するのかな。そうだったら、本作もそうだけど、けっこうダークテイストな傾向になってきそう。マルチバースがSFで苦手というのもあるんだろうけど、ドクター・ストレンジシリーズは共感ポイントが薄いんですよね。だから「へえ~そうなんだ~」くらいの景色観になってしまう(爆)でも、ワンダの悲しみは共感出来ました。現実が悪夢のようで幸せに手が届くなら、ズルしてでも現実に目を瞑ってでもそっちの人生を生きたいと願ってしまう気持ち。誰かの犠牲がつきものの卑怯って言われる方法だけど、人間は卑怯は生き物だから、それに縋るしかないほど心が壊れる現実は存在するから、ワンダの行動はとても人間らしいと思いました。それが幸せなのか?と問われると、分からないけれど。常に悲しみが付きまとう感じ、サム・ライミらしい(^^;) レイチェル・マクアダムスは肌のコンディション最悪だったけど(しかも結婚式なのに)、なんで?(爆)なんか、登場人物だけ懐かしキャラ大集合で豪華だったけど、暗くて評価しにくい作品でした。2022年公開。

「すずめの戸締まり」

声:原菜乃華主演他。行ってきます。九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(声:原菜乃華)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年(声:松村北斗)に出会う。彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ、古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが・・・。やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。―星と、夕陽と、朝の空と。迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった―。不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締りの旅”がはじまる。

8点!!原菜乃華、声も可愛い。新海監督、女優枠から抜擢するとよく見るとめっちゃ可愛い原石系女優ばかり使うよね(笑)新海作品のベタ過ぎるコメディパートで笑ったことはないのですが、草太の「体が動く!椅子に馴染んできたんだ!」には笑ってしまった。椅子とロードムービーも新海作品としては意表をついていて(湯浅さん辺りなら驚かないけど)、序盤から良いカウンターパンチをもらった。でも友情出演みたいな感じで、これまでの新海ファミリーをキャストに入れていくと結果的にキャラ大渋滞でごちゃごちゃしちゃうから、そこは良くない。「行ってきます」「行ってらっしゃい」を言えるあり余る幸福。「お帰りなさい」が言えなくなった後悔を、すごく絶妙な塩梅で伝えていました。ダイジン(声:山根あん)は子どもで人柱の役目を果たしてきた神様なのかな?だとしたら、痩せきった体ですずめの前に現れ、あの選択をしたダイジンはあまりに切ない。クライマックスのダイジンに泣かされました。誰かの犠牲の上、悲しみの上に成り立っている世界。天災は“天の災い”というだけあり、そういう力をダイレクトに感じたことがある方も少なくないのではないでしょうか。だからこそ、それの前では無力だと感じる人が多いのだと思います。「人の心の重さが後戸を閉めている」―でも、人は弱いから、時と共に記憶を薄らぎながらでないと生きていけない人もいる。辛い記憶であってもそれを自分の核として生きる力に変える人もいる。よく「忘れてはいけない」と言うけれど、私はどちらも正しいのだと感じました。一生は短いんだよ。時間なんて全然足りない。躊躇ったり後悔している暇なんてない・・・と本作を観てあらためて思ったけれど、現実は日々、すり減り忙殺されていく(;_;) これはリピるほどに余韻が深まる作品だわ。毎回思うけれど、これだけの規模のエンタメ作品であっても大きな結晶の塊のような純粋さをキープ出来る新海さんはやはり凄い。エンドクレジット、全部「新海誠」じゃなくなって良かったねって観る度に減っていく「新海誠」を観て思う(笑)でも、あの頃の職人技みたいな精密で美しい作品もまた観たいな。大型エンタメと順番こに作って欲しいです。あ~沁み入る。余韻で鼻がツンとしてきました(笑)2022年公開。

「月の満ち欠け」

大泉洋主演他。生まれ変わっても、あなたに逢いたい―仕事も家庭も順調だった小山内堅(大泉洋)の日常は、愛する妻・梢(柴咲コウ)と娘・瑠璃のふたりを不慮の事故で同時に失ったことで一変。深い悲しみに沈む小山内のもとに、三角哲彦と名乗る男(目黒蓮)が訪ねてくる。事故に遭った日、小山内の娘が面識のないはずの自分に会いに来ようとしていたこと、そして彼女は、かつて自分が狂おしいほど愛した“瑠璃”という女性(有村架純)の生まれ変わりだったのではないか、と告げる。【愛し合っていた一組の夫婦】と、【許されざる恋に落ちた恋人たち】。全く関係がないように思われたふたつの物語が、数十年の時を経てつながっていく。それは「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という強い想いが起こした、あまりにも切なすぎる愛の奇跡だった―。愛する気持ちが時を超えて奇跡を起こす、数奇で壮大なラブストーリー。佐藤正午による第157回直木賞受賞の感涙のベストセラー小説、待望の実写映画化。

5点!!原作未読です。もし、前世の記憶を持ち、生まれ変わった人々が意図的に過去の相手に近づいてきたら、複雑で修正不可能な事態を招くかも知れない。だから「生まれ変わり」って聞くとロマンティックというよりはゾッとする怖さを感じる。つまり、“奇跡”程度の稀さで良いのだと思う。本作でも結果的に二次被害を生んでしまっているし。そして、後悔を残している正木(田中圭)も前世の記憶を持ったまま、生まれ変わるのだろうか?やっぱり怖すぎるだろう・・・(汗)この手の話は苦手なので廣木監督×有村架純じゃなければ観ていなかったと思います。廣木監督が撮る有村架純は深みが出てきてもはや貫禄すら感じます(笑)目黒蓮は似たようなキャラのドラマと過去映画と随分顔違う・・・最初、年齢に合わせて特殊メイクしたのかと思ったほど。彼は格好つけないと格好良くないのか?ザ・普通の素朴青年過ぎた(爆)大人チームのキャストが苦手、テーマも苦手な割には泣けた。素直に涙活したかった気分だったからかな。90年代の雰囲気も凄い好みだった~。2022年公開。

「ソー ラブ&サンダー」

クリス・ヘムズワース主演他。“ソー”サプライズな神バトル。「アベンジャーズ/エンドゲーム」の激闘後、ソー(クリス・ヘムズワース)は多くの仲間を失い、戦いを避けるようにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと宇宙を旅していた。自分探しの中の彼に突如、全宇宙の神の抹殺を誓う“神殺し”のゴア(クリスチャン・ベール)が襲いかかる。だがその時、新たな“マイティ・ソー”に姿を変えた元恋人ジェーン(ナタリー・ポートマン)が現れた!そしてその手には、最強のハンマー<ムジョルニア>が・・・!?2人のソーによる破壊力2倍のロック・バトル・アドベンチャーを体感せよ!アベンジャーズの愛すべき破天荒な雷神ソーの盛大なる集大成!

5点!!タイカ監督のソーシリーズは回を増すごとに軽妙な笑いを優先し、ふざけ過ぎて全体がダレてしまっています。「GOG」シリーズを同じダルさ。でも、全裸のソーは全然アリ(笑)いきなりセクシー過ぎて完全にノックアウトです(爆)前作みたいにハルクという主役級キャラがもう一人いれば何とかなってたけど、今回のようにソーだけだと内容極薄になりがちなので、ややこしくしてくれるロキが恋しいです。クリスのチャーミングさとセクシーさのみで保ってる映画かなぁ(^^;) ・・・クリスの腕の中で死にたい(爆)ナタリー・ポートマンは年々顔つきが険しくなり、ソーメイクだと悪魔みたいになっちゃってる。ソー、3部作で終わりじゃないかもなんですね。スパイダーマンもそうみたいだし、イタズラに引き延ばす最近のディズニーの傾向は作品の質を下げる結果にも繋がるから考えた方が良いと思う。ゼウスが不意打ちでもやられキャラなことにびっくりしました(^^;) 2022年公開。

「RRR」

ラーム・チャラン、NTR Jr.主演他。友情か?使命か?舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム(NTR Jr.)。大義のため英国政府の警察となるラーマ(ラーム・チャラン)熱い思いを胸に秘めた男達が運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。彼らが選ぶのは、友情か?使命か?最高濃度の映画体験を全身で浴びろ!「バーフバリ」シリーズを超えて創造神S.S.ラージャマウリの新たな伝説が幕を開ける!

10点!!ボリウッドの財力をあらためて実感(笑)イギリスから独立した関係でルーツをイギリス人にもつ俳優が沢山いるのかな?100億近くかけてちゃんと回収してるのが凄いです。冒頭の音楽からもうちょっと面白いです。話題の”ナートゥ”はクセ強すぎ。踊る二人の顔も面白すぎ(笑)え、エドワード(エドワード・ソネンブリック)踊っちゃうの?え、泊まったら負けのダンスなの?とか前半はコメディ色強くて微笑ましい感じが楽しいです。ビームとラーマが互いの正体を知り対峙してからはガチの復讐劇。信念か愛か―みたいな。てか、ビームが邸宅襲撃する時の登場の仕方、ズル過ぎない?(笑)インド映画ってあらためてツッコミながら観る映画だなぁと思った(笑)ラージャマウリ監督は自身の作品がやり過ぎだと気づいてるみたいなので、まぁいいか(^^;) 応援上映に最適です(笑)今回は「バーフバリ」シリーズとは違い、古典ではないので(主人公二人は実在の革命家)、展開がどう転がっていくか読めなくて、笑ったりアガったり切なくなったりONG!!となったり感情が忙しかったです(^^) ラーム・チャランの体重は超重そうなのに、彼を肩車したまま、あれだけのアクションをこなして魅せる2人に度肝を抜かれました。見張り台に登る辺りからもはや曲芸みたいになってる(笑)確かに本作がヒットした理由は納得です。神話に絡んでないわかりやすい構図とマーベルヒーローもびっくりなアクションシーンが楽しいので、インターバル挟むくらい長いインド映画でも最後まで飽きずに観ていられます。てか主演二人の笑顔がキラッキラ(笑)エンドロールはシータ役のアーリア・バットの笑顔も超可愛くて、革命もの、復讐劇とは思えないハッピーエンド感にこちらまで笑顔になりました(^^)2022年公開。

「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」

エディ・レッドメイン主演他。「ハリー・ポッター」では明かされなかった最大の謎、解禁。主人公ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、ホグワーツ魔法魔術学校の卒業生。シャイでおっちょこちょいな、愛すべき魔法動物学者。魔法動物を守るため世界中を旅する彼がいつも持ち歩いているのは、中が無限に広がる不思議なトランク。その中にはありとあらゆるユニークな魔法動物たちが・・・!ある日、ダンブルドア先生(ジュード・ロウ)に呼ばれたニュートは、魔法使いの仲間たち、そしてなんとマグル(!)と寄せ集めのデコボコチームを結成!人間界を支配しようと企む黒い魔法使い・グリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)に立ち向かう。しかし、実はダンブルドアには驚くべき作戦があった!?すべてが予想外な、究極の戦いがついに始まる―。「ハリー・ポッター」の世界とつながり、期待と興奮は最高潮に!この春いよいよ、世界待望の“ファンタビ新シーズン”がやってくる!

9点!!わ~これ、原作がJ.K.ローリングの頭の中にしかない上に細かい設定まですべて決められているから、ついていくの大変!!原作の世界観に慣れていない人だと「そんな細かい設定どこにあったっけ?」となるだろうし、よくわからない関係性に見えてしまう部分もあったと思う。でも今作では、2ではほぼ死んでた魔法動物学者と魔法動物設定がちゃんと息を吹き返しており、エディと魔法動物の可愛さが全面に出ていて萌えた(*^^*)  麒麟の赤ちゃんも可愛いし、ネクタイについた金飾りを引っ張るニフラーが叫びそうに可愛い(笑)ニフラーとボウトラックルのすれ違いも何度もリピしちゃうくらい可愛い(*>▽<*)  本作から配役チェンジとなったマッツ・ミケルセンのグリンデルバルドは、正体を知らなかったら、優しげで憂いのある微笑みにダンブルドア同様、ノックアウトされてしまいそう。繊細で危うげに美しく、ザ・悪役だったジョニー・デップとはまた違った魅力がある。私はミケルセンの方が二人の関係上、合っていると感じた。ファンにとってはより濃密になり、プレゼントのような作品だっただけに、続編未定になってしまっているのは、とても残念。打ち切りだけは避けて欲しいです(切実)。2022年公開。

「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」

レティーシャ・ライト主演他。想いは、受け継がれる。偉大な王であり、ヒーローであるティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)を失ったワカンダ王国。哀しみに打ちひしがれる中、謎の海底国からの脅威が迫る。王国と世界を揺るがすこの危機に、残された者たちはどう立ち向かうのか。そして、ティ・チャラの遺志を継ぐ、新たなブラックパンサーは現れるのか?絶対的な存在を失いながらも、未来への道を切りひらく者たちの戦いを描いたドラマティック・アクション超大作を目撃せよ。第95回アカデミー賞7部門ノミネート3部門受賞、第80回ゴールデングローブ賞受賞作。

6点!!ヒーローもので初めて主要な賞レースを獲ったということで観てみました。チャドウィック・ボーズマンの死後の物語をどう展開していくかも気になりましたし。でも元々、シュリが2代目ブラックパンサーなのは決まっていたことなので、構成の大幅変更は必要だったけど前倒しということなのかな。賞レースを獲れた理由はあまりわかりませんでした。アフリカ問題とリアルリンクしているのは1作目からだったし、海底国も「アクアマン」と被っているし、何より、シュリの復讐心にワカンダ軍が従っちゃうっていうのが・・・力を持たないものは歩み寄りを試みるけれど、力を持ってしまうと相手を倒すという選択肢が生まれてしまう、その典型で、あまりにこれまでのブラックパンサーと思想が違うと感じました。それがシュリなんでしょうけど(シュリ自体は可愛いから好き)。次作を観るかどうかはユニバースの展開と本シリーズ単体のストーリー次第かな。2022年公開。

「パリ13区」

ルーシー・チャン、マキタ・サンバ主演他。つながるのは簡単なのに愛し合うのはむずかしい。コールセンターで働くエミリー(ルーシー・チャン)と高校教師のカミーユ(マキタ・サンバ)。32歳で大学に復帰したノラ(ノエミ・メルラン)、そしてポルノ女優のアンバー・スウィート’(ジェニー・ベス)。都市に生きるミレニアル世代の若者たちが織りなす、孤独や不安、愛やセックスにまつわる人間模様。洗練されたモノクロームで映し出す、誰も見たことのなかったパリを舞台に描かれる迷いながらも何かを求め続ける大人たちの恋愛物語。第47回セザール賞5部門ノミネート、第74回カンヌ国際映画祭正式出品、第27回リュミエール賞3部門ノミネート作。

3点!!フランス人が愛と性をどれだけ大切にしているかが賞レースの結果なんかを見てもよくわかる作品。でも「ディーパン~」の監督と相性悪いですよね、私。良くもなく悪くもなくに感じてしまう。キャストが好みじゃないと寝ちゃう的な。大人なBARとかで流してたらカップル成立率上がりそうな(笑)愛は掴もうとすれば逃げて逃げようとしたら追いかけてきてみたいな本質とサクサク恋愛を展開したい世代と重なり合い、重すぎず軽すぎずな関係を求める人たちには刺さると思いました。あとはモノクロだけど光彩の使い方が綺麗で、登場人物たちがとても生き生きと綺麗に見えるのが素敵でした。とりあえず、こういうの好きそうって人に薦めておけば外しにくい作品でした(私はそうではない)。2022年公開。

「夜明けの夫婦」

鄭亜美、泉拓磨出演他。この国のホンネは、どこへ行ったんだろう。子供を作りたいのか作りたくないのか、作れないのか作らないのか―とある夫婦と息子夫婦の二世帯住宅の家庭。どこにでもある、しかし極めてデリケートな問題。どこにでもあるが、実はこの国の最も重要な問題。この問題にしっかり取り組まなければならないのに、コロナ禍など他の問題が夫婦に押し寄せる。大胆でいて壮大なラストに向けて突き進む、18歳以上が楽しめる、純粋社会派深刻喜劇。

4点!!またもや山内作品。ジャンルとしては苦コメディだそうですが、シニカルな笑いは全然なくて、でもどこかずれていて、切実さもある、リアルなのかな?不思議な作品でした。妊娠・出産ってホルモンバランスの問題があるからなのか、周囲からのプレッシャーがあってもなくても、多くの女性が自分が生み出したプレッシャーに負けてしまって、人間関係まで壊れてしまうのはよく聞きます。世の中ではそのことに対し「気遣う」しか解決方法がないみたいに扱われてるけど、そんなプレッシャーの中で妊娠・出産と向き合っても良いことはないし、きちんとカウンセリングなり、社会構造から変えていかなければ、少子化は止まらないと感じました。サラ(鄭亜美)の幸極薄キャラは嫁で同居してたらちょっと気になっちゃうと思うけど(爆)夫婦二人なら何の問題もなくずっと平和なのに、夫婦という最小コミュニティは社会という最大コミュニティと直結している。価値観ってやつも結婚するまでに散々確認し合っているはずなのに、蓋を開けてみたら数十年経ってからでも相手との価値観に違いに驚くことが何度も発生する。そんな時、私は「過去に何か見落としがあったのではないか?」と探ってしまうが、私たちの感情など待ってはくれない日々の生活、社会の中で、見落としを解決することが出来るのか?本作で描かれる夫婦は愛の言葉を発しない。家族だからこそ、愛の言葉だけで殆どの問題を乗り越えられる力になることもあるのに、追い詰められて視野が狭くなってしまっている。コロナ禍の袋小路の息苦しさとちょうど重なって描かれていて良かったです。いつものシニカルな山内作品が好きだけど、これはこれでしっかり問題を描けているのでR18だけど、学生の教材にしても良いのではないかな。2022年公開。

「リベンジ・スワップ」

カミラ・メンデス、マヤ・ホーク主演他。ドレア(カミラ・メンデス)は名門・私立ローズヒル高校でスクールカーストのトップに君臨する女王。ある日、学校一の人気者である彼氏のマックス(オースティン・エイブラムス)に頼まれ、プライベートな動画を撮影して送信。翌日、マックスにだけ見せたはずの動画が流出し、全校生徒に見られたドレアの学校での地位は地に落ちてしまう。やりきれない気持ちを抱えたドレアは、サマースクールで内気な転校生エレノア(マヤ・ホーク)と出会う。エレノアも信頼していた人物に裏切られた過去があり、その人物はローズヒル高校に通っているのだという。ドレアは互いの復讐相手に顔が知られていないことを利用して、復讐相手を「交換(スワップ)」し復讐することを思いつく・・・。ティーンズドラマの人気俳優たちが集結した学園痛快復讐劇。

3点!!ライトに観れるけど展開が二転三転していくので、ボッーとしていると置いていかれる(^^;) スクールカーストの友情の軽さよ・・・。そしてマウントの取り方が酷い。いじめた方って本当に覚えてないのかな?ギクッとなるけど知らない振りしてるんじゃなくて、覚えてないなら脳内が異常だと思う・・・。“昨日の敵は今日の友”みたいな展開だけど、ドロドロしているのにサッパリしているってもう本当に読めなくてこの輪の中には入りたくない(怖)The Daily Beastの「2020年代を代表する青春映画の傑作”と評されたようだが、つまらなくはないが、ずば抜けて面白いわけではない。キャストに興味があれば観てもいいかな(カミラ・メンデス可愛い)。2022年劇場未公開・NETFLIX公開作品。

「恋人はアンバー」

フィン・オシェイ、ローラ・ペティクルー主演他。期間限定で“恋人”のフリ!?1995年、同性愛が違法ではなくなってから2年後のアイルランド。いまだ差別・偏見が根強い田舎町で、自身がゲイだと認められない高校生・エディ(フィン・オシェイ)とレズビアンであることを隠しているクラスメイトのアンバー(ローラ・ペティクルー)。家族や同級生に気づかれずに平穏に卒業を迎えるため、2人は“ニセモノの恋人”を演じることに!性格も趣味も全く違う2人だったが、ぶつかりあいながらも悩みや夢、秘密を打ち明けるうちに、唯一本当の自分をさらけ出せる、かけがえのない存在になっていく。しかし、一緒に訪れた都会・ダブリンで特別な出会いを果たし、新しい世界に触れた2人は、理想的だったこの関係にも終わりが近づいていることに気づいてしまい・・・。ふたりだから、自分に出会えた―。アイルランドが恋に落ちた、青春映画の傑作!


10点!!同性愛が法的にOKになって2年後が舞台なので、あの高校の人の恋愛に首突っ込む酷さはそこまで誇張表現なわけではない気が下。恐らく皆、疑心暗鬼になっていて、友人同士で「あなたはそうじゃないよね?」と確認し合い怯えていたのだと思った。でも、そこで吊し上げられる方はたまったものじゃないわけで。自分の性が曖昧な多感な時期に、他人に自分の性を決めつけられるなんて最悪だし。まだ分からなくて非難されたくなくて足掻いている時期なのに。男らしい女らしいで職業選択まで“選択”することすら出来ないなんて一生お先真っ暗なわけで、カミングアウトが怖くなるのも当然だと思った。舞台は1995年だけど、今も閉塞感ある土地だと人々の反応はさほど変わっていない気がした。アジア圏は特に。そんな田舎町の中でエディとアンバーが少しずつ自分を出せるようになり、自然体な笑顔を取り戻していく様はとても眩しかった。怯えて進めないエディも決意を固めて進もうとしているアンバーもどちらもぎゅっーて抱きしめてあげたい。キラキラ輝く瞳も涙が溢れそうな瞳もどちらも宝石のように美しく、「青春の瞬間」が沢山あった。一見の価値ありの素敵な作品。2022年公開。

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