
ゆゆの勝手に映画評(2016)
「フランス組曲」
ミシェル・ウィリアムズ主演他。アウシュヴィッツに散った作家が残した一つのトランク。そこには、命を削って書き続けた“愛の物語”が眠っていた―1940年6月。ドイツ軍の爆撃にさらされ、パリは無防備都市となった。フランス中部の町ビュシーにパリからの避難民が到着した頃、独仏休戦協定が結ばれ、フランスはドイツの支配下に置かれる。結婚して3年、戦地に行った夫を待つリュシル(ミシェル・ウィリアムズ)は、厳格な義母(クリスティン・スコット・トーマス)と大きな屋敷で窮屈な生活を送っていた。その屋敷に、ドイツ軍の中尉ブルーノ(マティアス・スーナールツ)が滞在することになる。心すさむ占領下の生活で、ピアノと音楽への愛を共有する2人は、いつしか互いの存在だけが心のよりどころになっていく。それは同時に、狭い世界に生きる従順な女性だったリュシルが、より広い世界へと目を向ける転機にもなっていくのだった。1940年、ドイツ占領下のフランス、愛と使命に翻弄された男女の物語。60年の時を経てよみがえった世界的大ベストセラーの映画化。
6点!!うーん、ミシェル・ウィリアムズは、いつまでお嬢さん的立ち位置でいるつもりなのでしょう(*_*) 今回は、アンニュイな人妻お嬢さんでした。ビシッと迫力のあるクリスティン・スコット・トーマスとの対比が、良かったです。完全に女性目線での戦争を描いているので、リュシルたち、田舎町の女性にとっては、戦争も、義母との確執も、毎日のきつい農作業も、全部同じ出来事なんです。それでも、村に人を殺した人間が銃を持ってうろついたり、家族の大事なものや、家を取られたりする中で、徐々に、戦争が占める割合が大きくなっていって、同時に、困った事に、家に滞在するドイツ兵ブルーノが心を占める割合も、比例するように大きくなって・・・というお話でした。それでも、そのままなし崩しに愛に溺れるわけではなく、敵や鬼に見えても、本当はそうではなくて、人と人として心を通わす事の出来る存在なのだと理解し、互いに、思いやろうとする姿が、丁寧に描かれています。最初は、冷たい搾取人に見えた義母や、余裕がなくリュシルたちに敵対心を見せていた農民が、人間らしい感情を見せ、行動する姿には、心を打たれました。違う考えや人種に見えても、一人一人向き合えば、思いやり、心を通わす事が出来るのだと、そうして交わした時間や想いは一生ものだと、ただ愛し合うだけではない二人を観て、争いの無意味さを、ヒシヒシと感じる作品でした。2016年公開。
「世界から猫が消えたなら」
佐藤健主演他。僕は生きるために消すことを決めた―30歳郵便局員(佐藤健)、余命あとわずかな僕の前に、僕と同じ姿をした悪魔が現れ、大切なものと引き換えに1日の命を与えるという。何かを得るためには何かを失わなくてはならない。失われていく世界のなかで僕はかつての恋人(宮崎あおい)に再会する。かつて愛し、別れた時を思い出していく。電話、映画、時計・・・僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。そして人生にとって最後の日。僕はある決断をする。世界は愛で溢れていた―本屋大賞ノミネートの感動作が、待望の映画化!
6点!!原作読んでます。原作は、スラスラ読める短編に近い作品で、ちょっとイイお話です。映画は、全体的に静かで、クライマックスに向けて、徐々に感情を高めていくタイプ作品でした。佐藤くんが、グルグル考えるシーンが長くて、ありきたりの連続で、寝そうになってしまいました(>_<) どんどんモノと共に、自分を取り巻く過去が消えていく事で、命と世界のモノゴト、どちらが大事?とか、消えていく中で見えてくる主人公の心や願いに、当たり前なのだけど大切な事に気づかされるお話でした。あおいちゃんが叫ぶシーンとか、奥田さんの素敵なパパっぷりとか、親友の濱田くんが主人公の為に、最後の映画を探し回るシーンとか、胸にくる場面は、沢山あったので、後々良かったなぁとジワジワ来そうです。小林さんの音楽がまた反則で、あれだけで映画の評価がグンと引き上げられました。早くも今年の主題歌No.1候補になりました(*^¬^*) 日常に溢れる素敵さに気付きたい方に、お薦めな作品です。2016年公開。
「ブリッジ・オブ・スパイ」
トム・ハンクス主演他。世界が戦争勃発の恐怖に怯える中、平和の鍵を握っていたのは、ひとりの普通の男だった―。舞台は、アメリカ合衆国と旧ソビエト連邦が世界を二分して対立し、一触即発の冷戦状態にあった1950~60年代。ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)は、保険の分野で実直にキャリアを積み重ねてきた弁護士だった。ソ連のスパイの弁護を引き受けたことをきっかけに、世界の平和を左右する重大な任務を委ねられる。それは、ソ連のスパイと、ソ連に捕らえられたアメリカ人スパイの交換を成し遂げることだった・・・。監督スピルバーグ×脚本コーエン兄弟が贈る、真実に基づく奇跡の物語。
5点!!スピルバーグ×コーエン兄弟ということで、下手したら爆睡かもなと思っていましたが、大丈夫でした。コーエン兄弟の脚本らしく、シリアスな場面での、真面目にとった言動や行動が、クスリと笑えちゃったりするのが、緊迫した空気の中でフッと力が抜けて、良かったです。リアルな、笑ってはいけない~みたいな(笑)その他は、淡々と二時間半も交渉を進めるのみで、真摯に取り組んで、ソ連の弁護人とも、人間同士の信頼関係を築いていっているのは、伝わってくるのですが、何せ長過ぎます!(>_<) 二時間でスピーディーに纏められたと思います。間延びし過ぎて、全然ハラハラ出来なかったです。「杉原千畝」でも思ったのですが、交渉とは、本当にその場その場の判断が肝で命懸けで、頭フル回転なんだなと、感じました。なので、ラスト、全てを終えて、自宅に帰り、妻に見せた姿には、お仕事頑張ったお父さんそのもので、すごく人間らしくて、彼を愛おしく思えました(^_^)ドノヴァンが、帰りに目にした東ベルリンの作りかけの壁の様子や、当時のブルックリンの街並みなど、これから世の中はどうなっていくのだろうかという不安と混沌が、よく描かれていて、何となく現代に通じるメッセージなんだろうなと思えて、良かったです。2016年公開。
「パディントン」
ヒュー・ボネヴィル出演他。全世界で300億円超えのスーパーヒットを記録。世代も国籍も超えて世界中の人々に、笑顔とハッピーを届けたのは、ちょっと野生で、とっても紳士的なクマだった!ジャングルから家を探しにロンドンにやってきたパディントン(声:ベン・ウィショー)。礼儀正しくてエレガントな彼だけど、そのボディは、モフモフの毛が覆われた野生のクマ。慣れない都会暮らしに大騒動を巻き起こしながらも、やがて、家よりも素敵なものに気が付いていく・・・“見れば納得!”愛すべき小さなクマの笑いと冒険の感動ストーリー!!
9点!!なんて美味しそうなオレンジ・マーマレード!!パディントン・ファミリーが住むペルーのお家は、まさに理想のツリーハウスで、そこに住むファミリーも、驚くほど愛らしくて、本当に童話の世界に迷い込んだ様な出来で、冒頭一分で、あっという間に彼らの虜になってしまいました(*´∇`*) なので、始まって数分での伯父さんの死には、呆然。もう、愛し始めていたので、ショックが大きかったです(;_;) そんなに簡単にロンドンに行けるんかい!というツッコミは置いておいて、ロンドンに着いてからパディントンがお世話になるブラウン家も、ドールハウスみたいで、カラフル&レトロで素敵で、ゼンマイ仕掛けで動く器械たちも、パディントンでなくとも、夢中になってしまうものばかりで、1シーン1シーンに、心の中で感嘆を上げていました(*^▽^*) パディントンが起こすハプニングは、動物だったら~という予定調和なものばかりなのに、その反応が、少し予想の斜め上をいっているので、ずっとクスクス笑ってました。パディントン以外の登場人物たちも、皆、街ゆく人まで コミカルで、特に、こんなコミカルなニコール・キッドマンは観たことない!というくらい、ニコールが面白くて、美人が真顔で、コントみたいな事をすると笑えるんだって、新発見でした(笑)ヒュー・ボォネヴィル演じるパパも、イイ味出てました(笑)完全に子ども心に戻って観ていたので、クライマックスは、本当にハラハラドキドキで、もう駄目だ!というところでは、劇場中がひとつになって、「あぁ~!」と声を上げていました(*゜Q゜*) 現実の酷しさとファンタジーの素敵さが、上手い具合にマッチしていて、大人も子どもも楽しめる作品となっています♪2016年公開。
「信長協奏曲」
小栗旬主演他。安土城の完成と天下統一を目前にしたサブロー(小栗旬)は、ふと手にした教科書で織田信長は間もなく死ぬ運命にあることを知る。その運命に戸惑い、苦悩するサブローだったが、帰蝶(柴咲コウ)や家臣たちの力強い支えのもと、運命に抗い、この時代で生き抜くことを誓うのだった。そして、愛する帰蝶との結婚式を計画するサブロー。場所は京都・本願寺―。果たしてサブローは織田信長の歴史を変え、彼の望む平和な国を築くことができるのか!?1582年、本能寺で彼を待ち受けるものとは―?遂に”サブロー信長”による、笑って泣ける冒険活劇が劇場版で最終章を迎えます!
3点!!ドラマ観てたので、観ました。観ましたけど!出遅れた感ハンパないです。時間開き過ぎでしょ(`Δ´)信長のハイライトなんて、本能寺からなのだから、開き過ぎな上に、ハイライトまで一時間以上も費やしていたのは、怠いの一言でした。「平和を作る。」と繰り返しながら、史実をサラッーとこなしてるだけなんですもの(>_<) めっちゃ足掻くとか、そうきたか、みたいな展開は、一切無しです。家臣たちも、史実上、重要な動きをした人たちばかりなのに、ワチャワチャしてるだけで、何だか解らな過ぎでした。てゆうか、古田新太さんの役の人、なんで死ぬ事まで伝えて、本能寺って伝えないの?( ; ゜Д゜) クライマックスになっても、平和を作るーしか言わなくて、他にないのかと思いました。小栗くんと山田くんが出揃っていたので、期待し過ぎていました。時代劇のタイムスリップもののラストとしては、ベターなところに収まったなという感想です。2016年公開。
「白鯨との闘い」
クリス・ヘムズワース主演他。1819年、一等航海士オーウェン(クリス・ヘムズワース)は、21人の仲間たちと捕鯨船エセックス号に乗り、太平洋を目指した。妻とまだ見ぬ子に「必ず帰る」と誓って。しかし、彼らを待ち受けていたのは巨大な白鯨。死闘の末、船を大破された彼らにさらなる試練が待ち受ける・・・。伝説の白鯨との死闘。生き延びる為に、男たちが下した“究極の決断”とは―。名著「白鯨」の、隠され続けてきた衝撃の実話。
8点!!う~ん、結構グロかったです(^_^;) これ確か、3Dあるんですよね(>_<) 小説「白鯨」は未読ですが、小説の映像化ではなくて、作者のH・メルヴィルが、「白鯨」を書くに至るまでに聞いた話を基にしたもので、「白鯨」は、フィクションではなく、実話だったというお話です(@_@) 雰囲気的には、ラッセル・クロウの「マスター・アンド・コマンダー」に似てると思いましたが、こちらの方が、それぞれのキャラクターがはっきりしていて、展開もサクサク進むし、何といっても映像がダイナミックで、凄い迫力でした。作品の中で、「ホメロスの叙情詩のようだ。」という言葉がありましたが、本当にそうで、人間のテリトリー外の海で、そこをテリトリーにしている、しかも、海上生物で最大の鯨に闘いを挑むとは、人間は、なんて野蛮で、愚かしい生き物なのだろうと思いました。しかし、愚かしいからこそ、こういう、人の心を震わす歴史が生まれるのだろうとも思いました。話のメインで描かれているチェイスとポラード(ベンジャミン・ウォーカー)は、初めは全く対称的で、チェイスは、ヒーローのように描かれていて、ポラードは、海を何も知らない無知なお坊っちゃん船長という感じでしたが、航海の中で、二人のバランスが、段々釣り合いが取れてきて、生きるか死ぬかの場面と最後に、ポラードが見せた男気には、感動しました。それとは逆に、白鯨と目を合わせたチェイスは、動けなくなったりして、海の神と目を合わせた彼は、そこに何を見たのか?鯨が、あんなにしつこく長い距離を追って追撃してくるなんて、そんな事が本当にあるのだろうか?と、神話みたいな話だなと思いました。あとは、あれだけの地獄を生き抜いて、家族の元に戻れたとして、あんな風に家族に微笑みかけることが、果たして出来るのだろうか?と疑問にも思いました。出来るとしたら、どれだけハートが強いんだよと、理解不能でした。しかし、クリス・ヘムズワースは、大きくて、筋肉ムキムキなので、毎回同じ様な役ばかりですね(>_<) 食糧がなくて、やつれていく様も、他の乗組員と比べると、まだムキムキだよ?と突っ込んでしまいました(^_^;) 2016年公開。
「ビューティー・インサイド」
ハン・ヒョジュ主演他。家具デザイナーのウジン(パク・ソジュン)は18歳のときから目覚めると心以外の姿、性別、国籍等の全てが変わるようになてしまった。男、女、老人、子ども、外国人・・・。人に会う仕事ができないため、才能とインターネットを活かして活躍している。そんな彼の“病気”のことを知っているのは母(ムン・スク)と親友(イ・ドンフィ)だけ。ある日、アンティーク家具専門店で働く美しいイス(ハン・ヒョジュ)に出会い、一目で恋に落ちてしまう。彼女に会いたい一心で、毎日初めてきた客のようにお店に通う。彼女に告白する“見た目”になる日を待って、ついにデートに誘い、ふたりはロマンティックな3日間を過ごす。しかし、同じ姿でいるため3日間徹夜をしたウジンは、うっかり電車で寝てしまい起きると全く別の顔に・・・。ウジンはイスに真実を話すことができるのか?イスは、毎日姿が変わるウジンの愛を受け止めることはできるのか?史上初1人123人が演じる誰も観たことのないファンタジーラブロマンス映画。
6点!!外見に囚われる事無く、人の内面だけを愛せるかという究極の問いを、ファンタジーとリアルをバランス良く、織り交ぜて描いた、今までに有りそうで無かった作品です。日常の光景で、毎日主人公の姿が変わるのを、パッパッとテンポ良く見せていくのは、何かのCMみたいでした。(CMなどを多く手掛けているぺク監督)ウジンの魔法をかけられたかの現象を、イスに告白する様子と、イスの反応が、実際、多分こういう反応になるよなという感じのリアルさで、ファンタジーなのだけど、現実的な問題として、このカップルに降りかかってくるのが、何とも不思議な空気感を醸し出していました。中盤以降は、視点がイスに変わって、毎日、初対面の人(ウジンだけど。)に身体に触れられることに嫌悪感を抱かないようにしようしようと頑張り過ぎて、適応障害を起こし倒れてしまったり、毎日違う男を連れてるので、ビッチ扱いされてしまう様子や、ウジンが、そんな彼女の気持ちに気付かずに両思いに浮かれる姿が描かれていて、起こりうる問題をきちんと描いているので、リアルな恋愛も のとして、結末がどうなるのか、先が気になって楽しめました(^_^) 結婚は?子どもは持てるのか?彼や夫の顔を思い出す事が出来ない一生って、どんな苦難が待ち受けてるのだろう?と、イスの気持ちがすごく解りました。でも、韓国映画によくある涙腺決壊みたいな展開を期待していたのですが、そこまで、強く感情移入する事は出来なくて、それを期待していたので、もう少しエモーショナルに描いて欲しかったです。韓国ドラマや映画には、必ず物語を軽くしてくれるおどけた友人が登場しますが、今回も、サンベクがそうで、こんな親友がいたら、救われるよなと温かい気持ちになりました(^^) 沢山俳優さんたちが出てましたが、パク・シネくらいしかわからず、解かったらもっと楽しめたのにという思いと、本国の人が観たら、かなり豪華な映画なんだろうなと思いました。ヒロインのハン・ヒョジュは、ずっと観てられるくらい少女と大人の女性の魅力を併せ持った美人さんでした。結婚という制度についても考えさせられ、ウジンたちには、難関ですが、ウジンたちにこそ、必須な制度だなぁと、この制度の必要性について、考えさせられたのが、意外な収穫でした(*゜Q゜*) 2016年公開。
「オデッセイ」
マット・デイモン主演他。70億人が彼の還りを待っている。火星での有人探査の最中、事故により宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)は1人で火星に取り残される。すべての状況が<生存不可能>を示す中、彼は知恵と精神力、創意工夫を駆使して、4年後の救出まで生き延びるためのサバイバルを開始する。一方地球では、NASAをはじめ世界中の人々が彼を生還させるためのミッションを開始する。本年度のアカデミー賞の大本命。巨匠リドリー・スコット×マット・デイモンの初タッグ作品。
9点!!3D・字幕版鑑賞です。個人的にオスカー、大本命だと思っている「オデッセイ」を観てきました。ストーリー設定が、既に大成功なので、高得点です。クライマックスの少ししか宇宙遊泳のシーンはないので、マットのファンの方以外は、2Dで十分だと思います。この映画の驚くべきところは、マット演じるマークのスーパーポジティブさ、ユーモアを毎日言う余裕が、最後の日まで続く事と、彼の精神力の強さです。冒頭から、いきなり、マークの体に棒が突き刺さってしまい、麻酔なし自己手術で抜く&縫わなきゃならなくなりますが、マークはとても冷静に対処し、涙も最後の時まで、見せません。「サプラ~イズ!」なんて、独りになったばかりでビデオに残せる事が、既に凄いのですが、音楽を聴いたり、一つ一つやらねばならない事をこなしていけば、道は開けると信じ、最後まで冷静に着実に行動する、その強さは、一体どこから来てるのだろうと思いました。宇宙飛行士は、頭の良さだけでなく、人間性、相当な精神力の強さも求められると聞きますが、他の人もそうなのでしょうか(?_?) 世の女性に理想の男性像を訊くと、よく「無人島でも生きていける人」という答えが返ってきますが、そういう点では、マークは、カッコ良過ぎる!パーフェクトマンだと言えるでしょう。ビデオに向かってはにかむマットは、おじさんになっても、相変わらずキュートですしね(^_^) 全体を通して、絶望より、明るい希望的な空気を醸し出している作品ではありますが、広い火星の地を見つめるマークの後ろ姿や、表情に、強い孤独や恐怖、ストレスが感じ取れて、ストーリー設定だけでなく、マット・デイモンのしっかりした演技で支えられている映画だと思いました。マークを助ける上で、動いた宇宙産業に関わる色んな職種の人たちを観ることがが出来たのは、面白かったです。理系用語ばかりで、言ってることは半分くらいしか解らなかったですが(爆)でも、理系音痴な私でも、半分は解ったという事は、かなり分かりやすく作られている作品なのだと思います。あとは、宇宙に行くまでも、行ってからも、命を預けあっているからこそ生まれる、チームの絆の強さに、感動しました(*^¬^*) 一見、賭けに見える手段でも、短い時間で計算と確率を割り出して、諦めない彼等の姿は、天才たちという感じで、格好良かったです。宇宙でジャガイモ栽培がすんなり出来たのは、マークが植物学者だったからなんですねー。もし、残されたのが違う人だったら、女性だったらと考えてしまいますが、その辺りは、物語故のラッキーだったということで、面白かったから、まぁいいか。2016年公開。
「ブラック・スキャンダル」
ジョニー・デップ主演他。1975年、サウスボストンでアメリカの正義の根幹を揺るがす史上最悪の汚職事件が起きた。マフィア浄化に取り組むFBI捜査官のコノリー(ジョエル・エドガートン)は、イタリア系マフィアと抗争を繰り広げるギャングのボス、バルジャー(ジョニー・デップ)に敵の情報を売るよう話を持ち掛ける。FBIと密約を交わし、情報屋の立場を悪用して敵対する組織を壊滅に追いやるバルジャー。出世欲の強いコノリーと名声を望む政治家のビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)もまた、彼と手を組み、権力の座を駆け上がっていく―。そう彼らは同じ街で育った幼馴染だったのだ。悪の象徴であるバルジャーにより徐々に取り込まれていくFBI、思惑とは別の欲望の歯車が狂い始める―。やがて地元紙のスクープで彼らの悪事が明らかになった時、彼らに訪れる衝撃の結末とは。ギャング、FBI、政治家が手を組んだ、アメリカ市場最悪の汚職事件=スキャンダルがいま暴かれる!全米を震撼させた禁断の“密約”を描いたクライム・サスペンス。
4点!!ジョニー・デップは、メークで本人に似せているのか、全くジョニデに見えませんでしたw(゜o゜)w 街全体が、マフィアと、彼等と手を組んだ警察で皆ズブズブだなんて、日本では考えられない事です。彼等の一人のベネディクト・カンバーバッチ演じるビリーが、マサチューセッツ大の総長まで上り詰めるなんて、どうなってるんだ、アメリカ!恐すぎます((((;゜Д゜))) 外国のマフィアって、マフィアとチンピラがごっちゃになっているので、関係図がかなりわかりにくくて、殺しの場面があっても、その人が誰で、何故殺されなければならなかったのかわからない場面が、何度かありました。日本のヤクザみたいに、「○○組の○○だ!」って、仁義通してくれれば分かり易いのにと思いながら観てました(笑)ストーリー自体は、警察に捕まったバルジャーの関係者たちが、司法取引をしていく回想録で、特に感情が動く話でも面白い話でも無かったですが、テンポが良かったので、寝ないで観れました。バルジャーのミスは、彼とビリーとコノリーの三人だけをWIN-WINにしようとし、他はどうでもいいと好き勝手やり過ぎた事だと思いました。余りに自分以外の人の感情を無視し過ぎていて、根っからの犯罪者って皆こういう感じなのかなと思ってしまいました。環境が人を駄目にするの負のスパイラルから抜け出す方法を、アメリカも日本も、もっと真剣に考えるべきだと強く考えてしまう作品でした。2016年公開。
「エージェント・ウルトラ」
ジェシー・アイゼンバーグ主演他。コンビニ男が覚醒!?CIAのNo.1エージェントだった!マイク・パウエル(ジェシー・アイゼンバーグはバイト中にレジでスーパーヒーローのサルを主人公にした自作漫画を描きながら、のらりくらりと過ごすダメ男。一念発起で同棲中の恋人・フィービー(クリステン・スチュワート)にプロポーズを演出しようと旅行を計画するが、飛行機に乗る直前にパニック発作を起こしてしまい、飛行機に乗ることすら出来ない。ある日、マイクは店番中に謎の暗号を告げられる。気が付くと、スプーン1本で2人の暴漢を刺殺していた。彼はCIAの極秘マインドコントロール・トレーニングを受けた最強エージェントだったのだ!覚醒したマイクは、極秘計画の封印を目論むCIA幹部に命を狙われる。人質に取られたフィービーを救い、見事プロポーズをキメることが出来るのか?覚醒した最強のダメ男が、世界を救う!・・・かと思いきや、映画史上最悪でサイコーのプロポーズ!おバカでキュートなラブ&アクションムービー!
5点!!オタクがチェックのネルシャツを着て、バイト生活で漫画書くのが生き甲斐なんて、テンプレート過ぎて、オタクに失礼です(>_<) ワケわからない内から、気持ちいいくらいのドンパチ合戦&大爆破の連続の中、マイクが次々と敵を倒していくのが、観ていてスカッとしました。ジェシー・アイゼンバーグの雑なアクションが、予想していたより凄くて、格好良かったです(^_^) クリステンは、途中ゾンビみたいに見えて、痩せすぎで怖かったです((;゜Д゜)) スカッと系の映画を観たのも、久し振りです。バタバタと人を殺しながらも、状況が読めず、KYでマヌケな発言をするマイクと、それに冷静にツッコむフィービーが、いつもこうなんだろうなぁって出来上がってて、クスリと笑ってしまいました。もう、どう見ても日常には戻れないという状況なのに、「家に帰ってベッドで寝て麻薬吸いたい。」とか言っちゃうマイクのキャラクターが良かったです。ただ、マイクの元々の性格と、フィービーとの馴れ初めが描かれていなかったので、逆説的な描き方をするなら、そこも見せて欲しかったです。CIAの幹部たちも、過去に何かあったような(恋愛的な?)空気を醸し出していたので、気になりました。あと、スプーンで殺せるという相手を、ホームセンターに呼び出しちゃ駄目だよ(^_^;) マヌケ合戦みたいでした。そんなとこが、B級の良さなのかな?CIA vs. CIAで、町一つ爆破してもいいなんて、アメリカは相変わらず、大義名分破壊主義だなと思いながら観てました。2016年公開。
「偉大なるマルグリット」
カトリーヌ・フロ主演他。“伝説の音痴”と呼ばれた実在の歌姫から生まれた、愛と情熱の人生オペラ!1920年フランス。貴族の邸宅ではサロン音楽会が華やかに開かれていた。参加した新聞記者は主役のマルグリット夫人(カトリーヌ・フロ)の歌声に唖然とする。彼女は絶望的なほど音痴だったのだ!しかし、儀礼的な貴族たちの拍手喝采を受け、本人だけが気づいていなかった。マルグリットはパリで念願のリサイタルを開く夢を実行しようと、夫がなんとか止めようとするのを聞かずに特訓を開始する・・・。本国フランスでは大ヒット1位を記録し100万人を動員したドラマティックな物語を、数々の壮麗なオペラ楽曲と共にお届けいたします!
7点!!5幕構成になっていて、ショートオペラを観ている様でした。20年代フランスの富裕層の世界観は、全く見慣れないものでしたが(チャップリンの全盛期?)、聞き慣れたオペラの楽曲が流れてきたので、映画の世界に入り込めました(^_^) この時代は、家の中でリサイタルとかしてたのかーと、一時、優雅な気分に浸れました。マルグリットの歌声は、聞き慣れないものでしたが、聴くに堪えないタイプの音痴ではなくて、楽しく歌ってるのが、こちらまで伝わってきて、笑顔になれちゃうような歌声でした(*^¬^*) 笑えるシーンは、もう確実に笑わせようというカットやアングルを仕掛けてくるので、素直に笑いました。純真無垢で、人の言うことを素直に信じて、いつも楽しそうな彼女を守ってあげたいと、彼女に会う人々が、皆思うのが、よく解りました。彼女が歌う理由は、クライマックスを待たずして明白だったので、驚きなどはありませんでしたが、愛を求めて歌う彼女の声が、届いてほしい人に届かない、愛を得るって、難しいなと思いました。あと、歌を扱う作品は、クライマックスに向かって盛り上がっていくものだと思いますが、今作はそれがあまりなかったので、途中で眠くなってしまったのと、クライマックスで、感情が盛り上がり足りなくて、残念でした。マルグリットを演じたカトリーヌ・フロも素晴らしかったですが、他の女優さんたち(歌手?)の歌声も、素晴らしくて、歌い手と観客が一体になるあの感じを、優雅に感じることの出来る作品でした。2016年公開。
「X-ミッション」
ルーク・ブレイシー主演他。若きFBI捜査官ジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシー)に、超一流アスリートチームに潜入せよとのミッションが下される。エクストリーム・スポーツのカリスマ、ボーディ(エドガー・ラミレス)が率いるこの集団には、重大な疑惑がかけられていた。その天才的なスポーツ・スキルを駆使し、前代未聞の方法で次々と犯罪に手を染めているというのだ。自らも元アスリートであるユタは、ボーディに度胸と才能を認められ、チームに招き入れされることに成功する。しかしながら、命を危険に晒しながら共に行動するうちに、ユタは、ボーディの究極の信念に心が奪われていく。果たして、ユタはFBI捜査官として決定的な証拠を掴み、彼らを捕らえることができるのか?そして、明かされる、彼らの本当の目的とは―!?史上初!世界のトップアスリートがノーCGで繰り広げる、前代未聞の最強MG(マジガチ)アクションムービー!
6点!!元々エクストリーム・スポーツの世界で、それなりに有名だった主人公ユタが、親友の死をきっかけに足を洗い、真逆の規律に厳しいFBIに入ってみたら、元同業?を追うハメになったというお話です。監督が、「ワイルド・スピード」のエリクソン・コアで、脚本が、「ソルト」とかの方だったので、何故彼等はエクストリーム・スポーツをするのか?を映画仕立てにしただけだったら、どうしようと心配していましたが、予想に反して、面白かったです(*^^*) 映像は、勿論凄くて、波の中を滑る映像とか初めて観ましたし、ハラハラする緊迫感は、他とは段違いでした。2D鑑賞なのに、足元がない不安定な感覚に、ヒヤッとしました(>_<)‘8つの試練’というのが、ストーリーのキーになっていて、ああいうスポーツは、何処までやるかを判断する場面は幾つもあって、一瞬のミスというわけではないのだなと分かりました。ボーディの信念も、他人を傷付ける事になる前に何度も立ち止まれる場面はあったのに、あんなに凄いスキルを犯罪に使ってしまうなんて、残念だなと思いました。クライマックスの崖崩れの中のバイク逃亡シーンが、特に凄かったです。あんなの出来る人がいるんだ・・・ってw(*゜Q゜*)w 驚きの展開はないけれど、驚きの映像は沢山あるので、女性でも楽しめますので、是非ご覧ください(^_^) 2016年公開。
「家族はつらいよ」
橋爪功主演他。ここは、東京郊外に暮らす三世代同居の平田一家。モーレツサラリーマンだった時期を終えて、今はすっかり隠居生活を送っている平田家の主・周造(橋爪功)はいつものように靴下を脱ぎ捨てながら、ふと寝室に飾られたバラの花瓶を見て、「その花どうした?」と尋ねる。すると、妻・富子(吉行和子)曰く、今日は自分の誕生日で花は仲間から貰ったものだと言う。妻の誕生日をすっかり忘れていた周造だったが、たまには妻の誕生日のプレゼントでもしてやろうかと欲しいものを聞いてみる。「あら、いいの?」と富子が机から持ち出してきたのは・・・まさかの「離婚届」!唖然と凍り付く周造。突如、宣告を受けた周造にはお構いなしに、富子は冷静に部屋を出ていくのだった。こうして、平田家の“離婚騒動”は幕を開けた・・・。「男はつらいよ」から20年。山田洋次が贈る、待望の喜劇!
5点!!脚本はいつも通り、平松恵美子さんとの共同脚本です。古き善き日本のホームコメディーでした。「男はつらいよ」シリーズは、きちんと観たことがないので、山田監督の初コメディー体験でしたが、私の中では、クドカン>三谷さん>山田監督になりますかね。全て予定調和な出来事と笑いの中で、安心して笑っていられる感じでした。劇場は、中高年の方ばかりでしたが、皆、登場人物が、怒ったり、転んだり、椅子から落ちたりする度に大笑いしてました。皆さん、これを期待していて、山田監督が、それに応えたのだなあと思いました。しかし、それ以上のものは無いです。人は、誰かに迷惑をかけ、かけられ、自分という存在を、成り立たせているわけですが、「迷惑をかけている」という事を、絶対に忘れてはいけません。感謝の言葉も、伝えなければ無いのと同じです。日本人の不器用ですからは、ただの甘えです。平田家の皆は、家族だからと言って甘え過ぎです。あんな甘えた事を言える家族が、あんなに沢山いることに感謝すべきです。あと、この作品も、「東京家族」も、現代の話だと思うのですが、どうして皆が皆、服装が昭和なんでしょう?台詞だけでなく、服装まで、山田監督は譲らなかったのだろうか?と、疑問に思ってしまいました。「東京家族」の橋爪父は、素敵だなぁと思いましたが、今回の橋爪父は、嫌だなあと思いました。父親世代の嫌なとこを凝縮してたからかな(笑) 熟年離婚は、他人事でなくて、身近に起こっている出来事ですが、あの人じゃないですが、こんなに長い間頑張って連れ添ったのだから、離婚じゃなくて、卒業ということで、前向きな感じにしてもいいのかななんて思いながら観てました。2016年公開。
「俳優 亀岡拓次」
安田顕主演他。亀岡拓次(安田顕)、37歳独身。職業は脇役メインの俳優。泥棒、チンピラ、ホームレス・・・演じた役は数知れず。“最強の脇役”ぶりで仕事が途切れることはないが、プライベートは一人お酒を楽しむ地味な生活。そんなカメタクがロケ先で出会った居酒屋の女将・安曇(麻生久美子)に恋をして・・・。世界的巨匠からもオーディションの声がかかり、人生に大きな転機が訪れるのか・・・?“最強の脇役”の不器用で愛すべき恋と人生。笑って心温まる奇想天外エンタテイメント!!
5点!!TEAM NACS.の中で安顕さんが一番好きです。大泉さんと同じ年なのに、あの枯れた色気が好き(笑)今作は、「ウルトラミラクルラブストーリー」と違って、きちんと展開を追っていく感じなので、観やすかったです。麻生さんを、愛おしそうに可愛らしく撮るカメラワークは、前より増してました(^_^) 安田さんが、「よくわからない!」となったり、そう言われて横浜監督も落ち込んだりしながらの試行錯誤の撮影だったみたいですが、出来上がった作品は、安顕さんなのか亀岡さんなのか、境界線がわからなくなる塩梅が絶妙でした。麻生さんと夢の中で踊るシーンがあるのですが、麻生さんはファンタジックで美しいのに、安顕さんは、現実感がバシバシ出ていて、綺麗でもなくて(笑)、その差が、リアルで面白かったです。リアルなんですよね。亀岡さんが、本当にいそう、いや、いる!って思えるんです。そして、俳優さんだからなのか、撮影から離れた日常も、非日常的な偶然が起こったりして、クスリと笑える場面が、沢山ありました(*^¬^*) 撮影シーンだと、染谷くんのちょっと怒り&ウンザリ加減と、安顕さんたちのグダグダっぷりが、笑えました。安顕さんの作品は、「SPEC」のお医者さんが一番好きだったのですが、今作は、安顕さん=亀岡さんの魅力が余すことなく出てる作品だと思います。ただ、亀岡さんの日常を描いたもので、劇的な展開はないので、安田さんが好きな方には◎という感じです。2016年公開。
「キャロル」
ケイト・ブランシェット主演他。このうえなく美しく、このうえもなく不幸なひと、キャロル。あなたが私を変えた。1952年、ニューヨーク。高級百貨店でアルバイトをするテレーズ(ルーニ・マーラ)は、クリスマスで賑わう売り場で、そのひとを見た。鮮やかな金髪。艶めいた赤い唇。真っ白な肌。ゆったりした毛皮のコート。そのひともすぐにテレーズを見た。彼女の名はキャロル。このうえなく美しいそのひとにテレーズは憧れた。しかし、美しさに隠された本当の姿を知ったとき、テレーズの憧れは思いもよらなかった感情へと変わってゆく・・・。あなたはすぐに私の視線に気づいた―映画史に記録される出会いの瞬間。心揺さぶる愛の名作。
5点!!豪華絢爛&ミステリアスな美女・キャロルと天使のように可愛らしく、ハンサムウーマンな一面も持つテレーズが、恋に落ち、結ばれるまでの物語です。すごくシンプルで自然な流れのラブストーリーなのですが、運命的な出会いとか、一瞬で恋に~とかじゃなくて、彼女たちのそれまでの人生から、全てが繋がっているのが良いです。なので、キャロルの家を出た後、泣いてしまうテレーズの気持ちとか、乙女心だなぁって、すごくよく解りました。ただ、時代背景や高圧的なキャロルの夫など、障害はあるものの、シンプルなストーリーなので、二人が結ばれた辺りが山場で、そこからはある程度予想出来るので、眠たくて仕方ありませんでした。ルーニ・マーラの当時の若者のファッションと、ラブシーンの一糸纏わぬ姿は、数ある女優さんの中でも、トップクラスで天使!美し過ぎでした(*^¬^*) 「ドラゴン・タトゥー」シリーズは強烈でしたが、こういうナチュラルなルーニ・マーラを嫌いな女性はいないんじゃないかなと思いました。でも、映画としては、もう少し盛り上がって欲しかったです。2016年公開。
「エヴェレスト 神々の山嶺」
岡田准一主演他。ネパール・カトマンドゥで“山岳史上最大の謎”を秘める古いカメラを発見した山岳カメラマンの深町(岡田准一)は、孤高の天才クライマー・羽生(阿部寛)に偶然出会う。登攀史上初の挑戦に取り憑かれた彼の過去を調べるうち、その生き様にのみ込まれていく深町。そして羽生の人生に翻弄されながらも、彼を愛し続ける涼子(尾野真千子)と出会う・・・。超えろ!限界の、その先へー“前人未踏”の挑戦に臨む、男たちの熱き想い。命を削って挑む先に、あるものとは?邦画初となる標高約5200Mでの撮影に命懸けで挑んだ、映画そのものが前人未踏の領域へと達する、心揺さぶる感動のスペクタクル超大作!
4点!!演技は、二人ともアカデミーものでした。特に、阿部さん、凄かったです。体型も日本人離れしているので、本当に岡田くんを背負って登ってしまいそうな、普通のクライマーとは、一線を画す存在として、君臨していました。ただ、ストーリーとしてはどうかな?二人が、山に魅了されて離れられなくなっているバックボーンが全く描かれていないので、物語に深みが無かったです。主人公の深町は、最初は、撮る!だったのに、それが、登る!に変わって、山にアタックする度に心折れてるし、挙げ句、クライマーズ・ハイでおかしくなり、最後は精神世界みたいな話になっちゃってて、彼は一体何がしたいのだろうと、全然感情移入出来ませんでした。羽生と涼子の関係も、言葉でしか説明されないので、尾野さんが幾ら上手くても、二人がどういう風に愛を深めていったか全然見えてこなかったですし、涼子が、登るという行動にまで出る理由としては、全然足りない感じがしました。涼子の存在は無くても、話として成立してしまいますし、高尾山に行くような感じで、登るといって、数ヵ月のトレーニングも無しに登れるわけないと思うのですが・・・(-_-;) 山を巡る人々の話というよりは、エヴェレストの凄さを伝えたいみたいな映画でした。でも、山の映し方も、ドーン・バーンみたいな感じで、工夫が見られず、肝心なシーンは、ホワイトアウトでごまかすし、古い映画みたいで綺麗でないし、もっと上手く撮れる人いるのになぁ、やっぱりお金なかったのかなぁとか、思いながら観てました。山のシーンは、調べてみたらやっぱり映画の方ではなくて、山岳カメラマンの方でした。アルピニストの方たちの感想を聞きたいです。2016年公開。
「セーラー服と機関銃 -卒業-」
橋本環奈主演他。18歳、高校三年生の星泉(橋本環奈)には、弱小ヤクザ・目高組の組長という驚きの過去があった。いまでは、組は解散、シャッター商店街の中で「メダカカフェ」を経営し、「組長」改め「店長」として、普通の女子高生の日々を送っていたのだけれど、泉が通う高校で同級生の変死事件が発生。そこから彼女の周囲に再び不穏な空気が漂い始めて・・・。卒業間近の女子高生がなぜか・・・ヤクザの組長!?気分爽快!超絶☆快感エンターテイメント!!
4点!!正直、「セーラー服と機関銃」のPVを観た時は、余り上手くなくない?と思いましたが、音楽番組でのパフォーマンスと劇中では、アイドル降臨という感じで、薬師丸さんの顔すらよぎりました。ストーリーは、狂気に満ちた安藤さんと熱情に駆られた長谷川さん、このお二人が引っ張っていった感じでした。私は安藤さんが好きなので、お二人の役が逆だったらもっとときめくのにと思いながら観てました(笑)橋本環奈は、アップになると「流石に美少女だなぁ。」と何度も思いましたが、威勢良く乗り込むだけで何もしてないっていう(爆)そして、声が低いので、泣き叫ぶシーンも掠れちゃって、感情が伝わりにくい感じになっちゃってて、勿体なかったです。最大の見せ場の機関銃すら、すっごい消化不良な撃ち方で、歴代の星泉たちと比べると、なんか色々制約があるのかも知れないですけど、つまらないぶっ放し方でした(T_T) 入れ忘れたから足しましたみたいな「カイカン」の入れ方も、あれなら、冒頭のだけで良かったのにと、何がしたいんだか、作り手が、混乱してる風な出来でした。2016年公開。
「ちはやふる 【上の句】」
広瀬すず主演他。“競技かるた”に懸ける千早たちの泣きたくなるほど熱く切ない、この想い。「もう一度会いたい」―幼なじみの綾瀬千早(広瀬すず)、真島太一(野村周平)、綿谷新(真剣祐)の3人は、新に教わった「競技かるた」でいつも一緒に遊んでいた。新の競技かるたにかける情熱に、千早は夢を持つことの大切さを教わるが、そんな矢先に新は家の事情で遠くへ引っ越してしまう。高校生になった千早は、新に会いたい一心で「競技かるた部」創設を決意し、高校で再会した太一とともに部員集めに奔走。なんとか5人の部員を集めて競技かるた部を立ち上げた千早は、全国大会を目指して練習に励み、東京都予選に臨む。千早の新への気持ちを知りながら、かるた部の部長となった太一。彼もまた、新に勝たなければ前に進むことが出来ない。千早、太一、新、そし瑞沢高校かるた部の、まぶしいほどに一途な想いと情熱が交錯する、熱い夏がくる。“競技かるた”に懸ける少女の<情熱・夢・恋>を感動の二部作で描く、青春映画の新たな金字塔の誕生です!
8点!!原作の大ファンです。タイトルバックとエンドロールが、和風で可愛くてテンション上がりました♪「ちはやふる」は“競技かるた”の話です。なので、どうしても、ハイライトは試合になってしまうので、前編は、試合以外に取られる時間が長くて、間延びしてしまっている印象を受けました。千早たちの小学生時代から描かなければならないので、二時間弱でどうまとめるのか心配してましたが、そこは、間に上手くエピソードを差し込んで、まとめてるなと思いました(^_^) でも、原作ファンとしては、千早たちが動いてるだけで感動~(*´∇`*) すずちゃんの千早、超絶可愛いです!新の福井弁めっちゃ萌え♪メガネ男子最高!意外とベビーフェイスなのね♪太一は、野村くんが演じることによって、パーフェクトマンでない人間臭い、太一の陰の部分が上手く出ていて、逆に良かったと思います。試合シーンは、結果はわかっているのに、あの張りつめた音のない空気にドキドキしましたし、前編は机くん(森永悠希)!机くんハイライトです!ドン底に落ちても、引き上げてくれる仲間がいる心強さ!眩しすぎる青春に、涙ダバダバです(;▽;) 子役時代から活躍している森永くん、矢本くんたちがしっかりした演技で脇を固めているので、皆の個性がしっかり立っていて良かったです。それに、やはり、五人が同時に札を抜くシーンは圧巻です。皆、札を取るのが、速い速い!漫画の速さを再現するのは、難しい筈なのに、それ以上の出来で、上映後はお客さんも拍手喝采でした(*^¬^*) 新と詩暢ちゃん(松岡茉優)と出番は、後編待ちの様なので、後編は、前編以上の青春に期待です!早く観たいです(*^▽^*) 主題歌のPerfumeの「FLASH」も最高に合ってます。 2016年公開。
「女が眠る時」
西島秀俊主演他。妻の綾(小山田サユリ)とバカンスを過ごすため、美しい海辺に佇むリゾートホテルに訪れた小説家の健二(西島秀俊)は、処女作のヒット以来良き題材に恵まれず自らの才能に苦悩していた。滞在初日、彼はプールサイドで初老の男が、若く美しい女の身体に表情ひとつ変えず、細部に至るまで丹念に日焼け止めクリームを塗っている様子に目を奪われる。初老の男は佐原(ビートたけし)、若い女は美樹(忽那汐里)という名前だと知る。異様な雰囲気を醸し出す親子ほど年の離れた2人のことを時間が経つにつれ、脳裏から離れなくなっていく。健二の執着は、彼らの姿を追い求め、次第には部屋を覗くまでに…。ほんの好奇心から始まった行為は常軌を逸した行動へと変化していき、予期し得なかった衝撃の結末へと突き進んでいく。覗き観たのは、“狂気”か“愛”か。日本を代表する豪華な演技派俳優陣が集結。背徳的で官能的な映像美で描く、深淵なる魅惑のミステリー。
4点!!オゾン監督の「スイミング・プール」みたいな、作家である清水が見ているのが、現実か幻影かわからないまま、物語が進みます。登場人物たちも、語りたそうなのに多くを語らないので、佐原と美樹の関係性やその存在の意味すら、あやふやで掴めなくて、ついつい意味を探しながら観てしまいました。人物がぼやけているのに対して、全体に渡って、水の匂いが香り立つ作品でした。プールの塩素の臭いとか、雨が降るときの水臭いのとか、窓を開けた時にブワッと香る海風の香りとか、五感が刺激されるのが、わかりました。きっかけになった佐原と美樹という存在は、居たかも知れないですけど、後は清水の創作フィクションなんですよね、多分。女が寝てる姿からここまで創造出来ちゃうなんて、作家の頭の中は大変だなと(爆)忽那汐里の少女性と口紅一本引いただけでガラリと女の顔に変わる存在感が、とても良かったです。野生の猫が籠に入れられて逃げられないみたいな、どうにも出来ないもどかしさや悔しさが、表情や全身からバシバシ伝わってきました。彼女は、歪んだ顔の時の方が美しさが際立ちますね。ウェイン・ワン監督ですけど、邦画扱いなんですよね。早くも今年のアカデミー賞に入ってきそうな演技でした。でも、こういう映画は苦手です。全部頭の中の話でした!みたいに言われちゃうと、どう観たらいいのか困ってしまいます( ̄~ ̄;) テーマ曲の中森明菜の「FIXER」が、劇中では使われていないのですが、映画の雰囲気にとても合ってる名曲なので、聴いてみて欲しいです。2016年公開。
「アーロと少年」
初めて、誰かを守りたかった―弱虫で、父親に甘えてばかりだったアーロは、激しい嵐で最愛の父親を亡くして、川に流されて見知らぬ土地で目覚める。そんな迷子のアーロを救ってくれたのは、人間の少年スポットだった。言葉も通じないのに、アーロを小さい体で一生懸命に守ってくれるスポット。最初は反発しながらも、やがてアーロはスポットに少しずつ心を開いてゆく。そうしてふたりは、アーロの家族が待つ家を目指し冒険の旅を始めるが、彼らの行く手には想像を絶する大自然の脅威や敵が待ち受けていた。力を合わせて困難を乗り越えていくアーロとスポット―。いつしかふたりは、言葉を超えた心で通じ合う、人生初の友だちになっていく。だが、運命は、そんなふたりを引き裂こうとした―。地球が隕石の衝突を逃れ、恐竜たちが絶滅することなく進化した“もしも”の世界を舞台に、恐竜なのに怖がりのアーロと、体は小さくても怖いもの知らずの少年スポットの奇跡の友情を描く感動のアドベンチャー・ファンタジー。
5点!!日本語吹替鑑賞です。てか、吹替しかやってない。ここはママズシアターかってくらい煩くて、ドッと疲れました。もうやだ(T_T) 全編、大自然が舞台なので、ストーリーよりも、草の一本一本や河や雄大な景色の壮大さに見とれてしまいました。これは、景色を楽しむ映画なのかな?と(^_^;) ストーリーは、獅子は子を崖から落とすが如く、アーロの急速成長物語なのですが、登場人物が少ないので、全体的にコンパクトな印象です。アーロとスポットの友情模様や動きも、「トイ・ストーリー」や「ライオン・キング」で観た感じで新鮮味が無かったです。アーロ父が亡くなっちゃうのを、予告で公開しちゃってたのが、良くなかったと思います。知らないでみれば、驚きとそれからの不安や冒険を、もう少し楽しめたと思いました。子ども目線で、恐ろしい事や大変な事がいっぱいで、頑張って乗り越える物語です。2016年公開。
「僕だけがいない街」
藤原竜也主演他。売れない漫画家の藤沼悟(藤原竜也)は、アルバイトのピザ屋で配達中に何度も同じ時間が巻き戻る<リバイバル>という現象が起きる。周囲の違和感を察知した悟は、交差点に暴走するトラックから小学生をが助けるが、その代償として自分がはねられてしまう。病院に付き添ってくれたのはバイト仲間の愛梨(有村架純)。数日後、誘拐未遂を目撃した悟の母・佐知子(石田ゆり子)が何者かに殺害され、愛梨も命を狙われる。警察から容疑者と疑われた悟が逮捕される寸前、またしても<リバイバル>―巻き戻った先は18年前、同級生の雛月加代(鈴木梨央)が被害者となった連続誘拐殺人事件の起こる直前だった。果たして、悟は事件を未然に防ぎ、大切な人を救うことが出来るのか?「このマンガがすごい!」3年連続ランクイン、「マンガ大賞」2年連続ランクインの<時間逆行ミステリー>の傑作、ついに実写化!
3点!!原作未読です。一巻読んで怖くてリタリアしました(>_<)今回、藤原くん絶叫してないです!叫ばないでも成立出来るんじゃん(爆)原作は、まだ終わってないんですよね。映画の結末は、釈然としないものでした。「僕だけがいない~」の意味が、この結末じゃ意味ないと思ってしまいました。中盤くらいまで、藤原くん主演というよりは、加代を演じた鈴木梨央の演技が上手過ぎて、圧倒されてました。いつも上手いけど、今回は、神憑って上手かったです。一方、悟の子ども時代は、中川翼くんでしたが、中身は大人な筈なのに、醸し出す雰囲気は子どもそのもので、計画も幼稚だし、中身が大人故のあべこべな行動などが余りなくて、設定を生かしきれていない気がしました。全体的に、伏線と伏線の繋ぎが上手くいってなくて間延びしてる印象でしたし、どこからテコ入れしたらいいかわからないですけど、大々的に売れてる漫画で、大型公開する作品としては、面白さが足りなかったです。漫画を読んでいない人は、回収されずわからないまま終わるところが多過ぎましたし、漫画読んでる人は、全然納得いかない感じになってるのではないかと心配になりました(>_<)2016年公開。
「リリーのすべて」
エディ・レッドメイン主演他。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は肖像画家のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、デンマークで充実の日々を送っていたが、ある日、妻に頼まれて女性モデルの代役をしたことを機に、自分の内側に潜む女性の存在に気づく。それがどういうことなのかもわからないまま、“リリー”という女性として過ごす時間が増え、心と身体が一致しない状況に苦悩するアイナー。一方のゲルダは夫の変化に戸惑いながらも、いつしか“リリー”こそアイナーの本当の姿であると理解していく。今から80年以上も前にそれまでの自分と決別するために命がけで未知の手術に挑み、ひとりの女性としての人生を獲得した“リリー・エルベ”の驚くべき軌跡。人を愛するとは―今世紀を代表する鮮烈な愛の名作が誕生!
10点!!初めは、この二人は、男女の枠を超えて愛し合ってるのかなと思いましたが、それは違って、やはり、男と女で、女と女で、それでも、互いを理解し、傷付けまいと、必要とする姿は、美しく、胸が切り裂かれそうに切ないものでした。人はよく、「心と身体がバラバラになりそうだ」という表現を使いますが、それを四六時中感じてるのが、リリーだと思います。それが、どれだけ生きるのに辛いことかと思うと・・・涙です(;_;) スクリーンから伝わってくるのは、希望と絶望、過去と未来、恐れと悲しみ、切なさ、嬉しさが、始終、混在していて、その全部を受け止めようとすると、胸がギュッーと、絞られる感じでした(>_<) エディ・レッドメインは、凄いです!憑依型の俳優さんなのかな?というくらい、リリーが降臨してました。三人の人格を同時に宿しているのだとしたら、凄過ぎる才能です(*゜Q゜*) アイナーとリリーは、“繊細”という言葉が擬人化したのではないかというくらい繊細そのもので、対するゲルダは、しなやかで強い女性だけれども、流石に、一人で受け止めるには大き過ぎる出来事に、潰されないよう流されないよう、必死に踏ん張る姿が、強く描かれていて、これは、リリーの物語であると同時に、ゲルダの物語でもあるのだと、ひしひしと感じました。それくらい、アリシア・ヴィキャンデルの演技も、素晴らしかったです。愛する夫と同志を失ってなお、愛を求め、与えようとする女性を、繊細に強く演じていました。「コードネームU.N.C.L.E.」で観た、ただの可愛らしい女の子はそこになく、こんなに複雑な演技を出来る女優さんだと知らなかったので、これから、大注目だと思いました(*^▽^*) 本作を観る前に、“リリー・エルベ”の事を調べてから観てしまったのですが、知らないで観た方が、楽しめると思います。知っていても、ラストは、涙を堪え切れなかったです。素晴らしい真実の愛の物語でした。2016年公開。
「最愛の子」
ヴィッキー・チャオ主演他。どうか神様、私にあの子を返してください。中国・深�祁の街なかで、ある日突然姿を消した3歳の息子ポンポン。両親は必至で探すが、その消息はつかめない。 3年後、ついに両親は深�祁から遠く離れた農村に暮らす息子を見つけ出す。だが、6歳になった彼は実の親のことを何一つ覚えておらず“最愛の母”との別れを嘆き悲しむのだった。そして、育ての親である誘拐犯の妻もまた、子を奪われた母として、わが子を探しに深�祁へと向かう―。愛する我が子を、その愛を、親は取り戻すことができるのだろうか?年間20万人もの子どもが行方不明になるという中国で実際に起こった誘拐事件を基に、親たちの至上の愛を描くヒューマン・ミステリー。
10点!!えー!まぢか!そこで切っちゃう!?という、ある意味、完璧過ぎるぶった切り方で、心情的には、あと1~2手先まで描いてくれると落ち着くのですが、という終わり方でした(^_^;) 実在の事件を基にしている事と、中国の人身売買事情もリアルに映し出していて、我が子を探すメッセージを録画する際に「もし、この子を買った方がいたら、桃アレルギーなので食べさせないで下さい。」と、父親が懇願する場面があるのですが、そんなに身近に人身売買という危険があるなんて、日本に居たら、わかりにくい感情だなと思いました。逆に言うと、日本で同じ事が起きたら殺されてる可能性の方が高いけど、中国だと、生きて他で暮らしている可能性と半々くらい?なのかな?臓器売買の問題などもあるので、闇はもっと深いと思いますが(>_<) 中国の映画は、感情の乗せ方が本当に上手くて、「あの時のあれさえしなければ~」と母親が泣き崩れる気持ちや、再び、湿った温かで柔らかな手を握る事が出来た時の、抑えきれない感情の高ぶりなど、同じ母親の一人として、物凄く良く理解りました。私も、子どもをおつかいに出す時に、「遠過ぎたかな?何かあったらどうしよう?やめれば良かったかな?」と毎回、祈るような気持ちなので。この事件に関しては、実の両親も、犯人の妻も、息子とその義理の妹も、皆、被害者で、犯人の妻が、被害者の会の中にいる息子に走り寄ってしまうシーンがあるのですが、心情的に、相容れない人たちですよね。ヴィッキー・チャオの演技が良くて、子どもが産めない体で、夫の浮気相手の子を育てさせられ、やっと互いに愛情を持てたと思ったら、取り上げられ、逮捕され、世間に罵倒されという一人の女性の苛酷過ぎる運命を、「それでも私は母親だ」と、子を思う女性として、力強く演じていて、素晴らしかったです。そして、「八日目の蝉」ではないですが、きっと、皆が皆、苦しい思いを抱えたまま、一生を過ごす事になるのは、やりきれないなと思いました。少しでも、彼らの人生に、光や傷を癒してくれる人との関係があればと願っていたので、エンドロールで、モデルとなった実際の彼らが上手く交流している姿に、切ないけれど、少しだけホッとしました。2016年公開。
「暗殺教室 ―卒業編―」
山田涼介主演他。1年後の地球破壊を宣言するも、なぜか椚ケ丘中学校の落ちこぼれクラス3年E組の担任教師となった謎のタコ型超生物・通称、殺せんせー(二宮和也)。潮田渚ほか3年E組の生徒たちは地球を救うため、マッハ20の超速度で動き回るその超生物の暗殺を政府から託されているのであった。2学期を迎え、残された暗殺の時間もあと半年。慌ただしい学園祭が終わり、束の間の安息が訪れたE組。そんな彼らの前に一人の暗殺者が正体を現す。それはE組の一員である茅野カエデ。彼女は隠し持っていた黒い触手を殺せんせーに向けながら言い放つ。「雪村あぐりの妹。そう言ったらわかるでしょ?」茅野の正体に衝撃を受ける生徒たち。殺せんせーはついに自分の過去を語り出した。殺せんせーの驚愕の過去を知り、クラスの分裂を引き起こしてしまうE組。果たして選択すべきは、「暗殺」は「救済」か。迫るタイムリミットの中で渚たち生徒が導き出した答えとは?地球の命運は?桜が舞う別れの季節。驚き、笑えて、涙する「暗殺教室」最後の授業が始まります!
5点!!前作が小中学生向けだったので、今作も、ふんわりした感じなのかなと、余り期待していませんでしたが、予想に反して、かなりドラマティックでした。クライマックスに向けてどんどん盛り上がって、爆発ドーン!やクラス一丸となったアクションシーンなど、見せ場もしっかりしていて、見終わった後は、清々しいカタルシスが得られる作品に仕上がっていました。渚と茅野のキスシーンは、やっぱりなと、角度で見せないように撮っていて、茅野の驚いた表情も見えないし、インパクトにも欠けていたので、山田くんも、そろそろ、アイドルだから路線を卒業した方が良いと思いました。あと、茅野のシーンで思ったのですが、殺せんせーにしても、強い恨みや悲しみ、怒りといった感情表現が弱くて、迫力に欠けました。二宮さんと桐谷美玲が出てるシーンは、そこだけ違う作品のように完成度が高くて、全体の仕上がりがグッと大人っぽくなって、とても良かったです。予告編にあった、全てが終わって、渚が卒業証書を見つめるシーンがカットされていて、あれで、殺せんせーから、各々の生徒にメッセージがあったなら、大人でも泣けたかもなのに~何故カットした!?って残念に思いました(>_<) 2016年公開。
「リップヴァンウィンクルの花嫁」
黒木華主演他。「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」 声の小さな皆川七海(黒木華)は、派遣教員の仕事を早々にクビになり、SNSで手に入れた結婚も、夫(地曵豪)に浮気され、逆に浮気の濡れ衣を着せられ、家を追い出されてしまう。行き場をなくした七海は、月に100万円稼げるというメイドのバイトを引き受ける。あるじのいない大きな屋敷で待っていたのは、破天荒で自由なもうひとりのメイド、里中真白(Cocco)。ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出すが・・・。 岩井俊二が描く現代の?(ゆめ)と希望と愛の物語。
8点!!3時間15分もあります!そんなにあるなら、分けて新作二本観たかった!と、初めは思いましたが、三時間みっちり、七海と彼女を取り巻く人間たちを描く事で、濃密な時間を堪能出来ました(^_^) ネット社会の怖さと、そこからリアルに繋がる温かさの両方に、七海は、落とされたり救われたりして、実際は、救われる事なんて、殆どないのだろうけど、そこは、岩井ファンタジーの、こうあって欲しいなという優しさを感じました。家主のいないくたびれたお屋敷に住む二人のメイドの女の子という設定も、岩井さんの頭の中で思い描いてる世界を、垣間見てるようでした。黒木華ちゃん演じる七海が、ボロボロになって、不思議の国に迷い込んだアリスで、Coccoはイメージ的に、溺れかけた人魚なのかな。で、アリスが、人魚を救う的なお話でした。岩井作品には、異質な雰囲気を放つ綾野剛とCoocoでしたが、彼等が登場すると物語が動き出すといった具合で、すごく良いスパイスになっていました。綾野剛は、りりぃさんのお家のシーンとか、どんどん演技が上手くなってるなぁと感心しました(*^^*) 黒木華も、演技派ですが、可愛いという認識は無かったのですが、岩井マジックで、迷子になって泣いてるシーンとか、本当に可愛らしくて、七海はその気になればモテるのだろうなぁとか思って観てました。優しさはお金になるけど、お金で優しさは買えないといったような事が頭に浮かぶ哲学的な現代ファンタジー映画です。2016年公開。
「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」
ベン・アフレック、ヘンリー・カビル主演他。クリプトン星人の正体を隠し、昼は生真面目な新聞記者として生きる心優しい男、クラーク・ケント(ヘンリー・カビル)。危険が迫った局面では、スーパーマンとして地球の平和の為に戦ってきたが、その超人的なパワーは、皮肉にも、人類の平和を守ると同時に街を破壊し、甚大な被害を出してしまう。世の非難が集中し、“正義の味方”であったはずの彼の心は、やがて悪に染まる―。大富豪にして華やかなプレイボーイの側面を持ちながらも、闇夜で正義を果たしてきた男、ブルース・ウェイン(ベン・アフレック)。この事態を受け、バットマンは、スーパーマンを倒すことのできる唯一の切り札として、人類の希望を背負い、戦いの表舞台に立つことになる。人類の希望は、バットマンに託された。この戦い―勝つのはどっちだ!?
3点!!戦うまでに一時間半もかかってますよっ!(>_<) しかも、話が枝分かれ過ぎて、ワケわからないことに(>_<) 要は、バットマンがスーパーマンの街破壊が困るって話なのだから、シンプルにバチバチぶつかればいいのに、二人とも過去振り返り過ぎ&自分鬱に入り過ぎで、一時間も使っちゃってます(>_<) 展開が進まないから眠い眠い(T_T) 特に、バットマンの過去の両親の件りは、これまで散々描いてきてるので、そこで時間は使わないで、フラッシュバックくらいに収めて欲しかったです。やっと戦い始めても、戦い方が、今まで何度も観たもので、目新しさの欠片も無くて、二度も落ちてしまいました(>_<) しかも、起きてもまだ戦ってるっていう(@_@) なんで、ヒーローたちは、相手の考えを初めに聞かずに戦い始めちゃうんですかね?そりゃ、街も壊れますよ(-_-;) そして、いきなりのワンダーウーマン登場。二人も言ってましたが、誰???です。100年ぶりくらいの登場のようですが、何故このタイミングで出てこようと思ったのでしょう?キャットウーマンとかは?話がとっ散らかっ ていて、説明もなく、魅せる気もない感じだったので、余り映画を観たという感じじゃなくて、ただ疲れただけでした(._.)_ 2016年公開。
「モヒカン故郷に帰る」
松田龍平主演他。バカヤローー!だけど、ありがとう。家族が集まれば最高で最強。7年ぶりに故郷へ帰ったモヒカン息子・永吉(松田龍平)。家族が揃ったかと思えば、元気だった親父(柄本明)がまさかのガン!?父の願いを叶えるため、永吉と家族が繰り広げるドタバタを描く、笑って泣ける現代版究極のホームドラマ。この春日本に元気を届けます!
5点!!カルメンがモヒカンになりました(笑)「戸鼻島」という架空の島を舞台にした、人生の締めくくり方と不器用だけれど温かい家族の触れ合いを描いたハートフルコメディーです。ぶっきらぼうだけど、心から心配で、何かしてあげたいけど、上手く出来なくてという日本人特有の家族の有り様が、沖田監督の緩さと優しさ溢れる感じで描かれていて、良いです◎「死」をテーマにしていて、笑いも取るのは、難しいと思いますが、役者さんが、柄本さん、松田さん、もたいまさこさんなど、玄人ばかりなので、間とリアクションが絶妙で、切ないけれど可笑しい、泣き笑いしてしまう素敵な作品に仕上がっていました(*^¬^*) 柄本さんは、やっぱりガッツリ2時間観ると、凄い俳優さんですね。樹木希林さんと同じで国宝級です。前田あっちゃんは、もりもり食べるシーンが相変わらず良いです。あんなに口に入れてて台詞言えるのが凄いです(笑) あとは、吹奏楽部の清水さん(笑) 私は寝たきりで、痛いのも嫌という気持ちもわかるので、柄本さんが苦しそうにしてる時の家族の対応とか、担架で搬送するのに、ビショビショになるのとか、「あれ、辛いんだよね」と苦笑いで観てました(^_^;) 親が亡くなるのは、避けられない事だからこそ、オロオロしてしまってもいいから、こういう家族の繋がりの中で、それらを受け入れられたら、それはそれで、幸せな形なのだろうなと思える作品でした(^_^) 2016年公開。
「ルーム ROOM」
ブリー・ラーソン主演他。閉じ込められた,【部屋】で暮らす、ママ(ブリー・ラーソン)とジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。体操をして、TVを見て、ケーキを焼いて、楽しい時間が過ぎていく。しかし、この部屋が、ふたりの世界の全てだった。ジャックが5歳になった時、母は【部屋】しか知らない息子に本当の世界を見せることを決意する。奪われた人生を取り戻すために、何より〈部屋〉しか知らない息子に、〈本当の世界〉をみせるために―。息も出来ないサスペンスフルな脱出劇、思わず漏れる嗚咽―だが、そこから予測出来る顛末は、全て見事に裏切られる。ラストの瞬間まで怒涛のように押し寄せる、心を射抜く台詞と、己を見失うほど感情をかき乱す登場人物たちの選択―生涯忘れらない劇的な体験をあなたに―アカデミー賞主演女優賞受賞作品。
10点!!冒頭、画面に二人が登場した瞬間からラストまで、一瞬足りとも目を離せない、ドリンク飲む為に目線を外す事すら出来なかったです。「ショート・ターム」の時は、それほど感じなかったのに、ブリーとジェイコブくんの圧倒的な魅力と存在感に惹き付けられ、この二人の親子ペア以外有り得ないと思ってしまう位、二人がピタッとハマッていました。前半は、狭い部屋の中で、ジョイとジャックが常に魂を剥き出しにして向き合っているので、二人の感情が、突き刺さるくらいストレートに伝わってきて、何度も涙が溢れました。逃げ場がない、慰める手段も限られてる、願いは叶わないという空間の中で、ジョイがジャックを守り育て上げ、分別を教えるのに、どれほど大変な事だったか、混在した気持ちが混ざり合い、苦しくなりました。歯痛や治せない怪我の痛みを堪えながら、我が子に笑顔で接する事がどれだけ大変なことか!(>_<) 救出劇も、かつてないほどの緊迫感とハラハラで、ジャックの恐怖と驚きと勇気を一緒に体験してるみたいでした。正直、もう駄目かと思いました(^_^;) お巡りさんさすがです!現実世界に戻ってきてからも、ジョイは心が壊れる寸前なのに、ジャックの前では、絶対泣かないんです。母は強しと言いますが、ジョイだって、17歳から時が止まっている普通の女の子なのに、命懸けで子を守るとはこういう事かと、見せ付けられました。部屋の中では、ジェイに守られていたジャックが、現実世界に出てからは、壊れそうなジェイを救う存在となり、ジャック自身もジェイを守ろうと頑張る姿に、胸を打たれました。二時間弱が本当にあっという間で、画面がエンドロールに切り替わる時、もっともっと二人の喜び、悲しみ、驚きを一緒に経験していたいのに、時間が足りな過ぎる!と叫びたかったです。深い余韻と、ジョイとジャック親子の勇気と経験が、自分の心に永遠に刻まれる体験型ムービーでした。ブリーだけでなく、ジェイコブくんもアカデミーものの名演でした!(*^▽^*)2016年公開。
「花、香る歌」
スジ(miss A)主演他。1867年、朝鮮時代末期。母を亡くした少女チェソン(スジ)は、偶然にも村で耳にした【パンソリ】で唄われていた悲運なヒロインに自らの人生を重ねて感銘し、唄い手になることを決意する。当時は、女性が唄うことは禁じられていたが、あきらめきれないチェソンは性別を偽り大家ジェヒョ(リュ・スンリョン)のもとで修業を積む。ある日、時の権力者・興宣大院君(キム・ナムギル)が主催した宴に危険を冒して臨むが・・・伝統芸能【パンソリ】初の女流唄い手。波乱の人生を送ったひとりの女性の真実の物語。
9点!!「建築学概論」で、miss Aのスジちゃんのファンになったので、観てきました。百済の時代に民衆が圧政と貧困に苦しめられていた事も、「パンソリ」という伝統芸能がある事も、学生時代に教科書で習った程度しか知りませんでしたが、歌に込められた想いが切な過ぎます(;_;) 後から余韻で胸が締め付けられ鼻がツンとなりました。初のパンソリの学校を築いた師匠に当たるジェヒョや時の権力者に対して、チェソンがどんどん果敢に挑んでいくので、「そんなに強気で大丈夫なの?」とハラハラし、唄と根性で周囲を魅了し、のし上がっていく姿は、一歩間違えば殺されるこの時代に、凄い女性が居たものだと、感心しました。それでも、スジちゃんが演じるチェソンは、笑顔がとびきり可愛くて、そのギャップにヤラれました(*^▽^*) 愛を知らなかったチェソンは、厳しい修行を重ねる中で、唄を通して愛とは何なのかを知り、師匠のジェヒョに対して、尊敬の念と愛慕う気持ちを込めて唄います。師匠も、そんなチェソンに厳しくも親の様な大きな愛を持って見守ります。そんな二人と同じ学友たちが、優勝できなかったら打ち首という、まさに命を懸けた舞台に挑むのですが、スジちゃんの歌声がまた見事で!師匠と目線を交わしながら歌い上げた「春香歌」は、素晴らしかったです(*^¬^*) そして、成功して初の女流唄い手として歩み始めるのかと思いきや、まさかの天から地へ落とされるような展開!韓国映画、ドラマティック過ぎるだろ!と思いましたが、実話なんですよね(;_;)耳に残るパンソリの緩やかで力強い音楽と、どんどん変わるストーリー展開にラストまで釘付けでした。あー切ない( ´△`) スジちゃんの新たな魅力にまたハマッていくのでした。2016年公開。
「蜜のあわれ」
二階堂ふみ主演他。自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛嬌のある顔が愛くるしい赤子(二階堂ふみ)は、共に暮らす老作家(大杉漣)を「おじさま」と呼んで、かなりきわどいエロティックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっ付けて一緒に眠る。しかしなにやら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが違う。普通の人間には彼女の正体がわからず、野良猫には正体がバレてしまう。 そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾ひれをひらひらさせる真っ赤な金魚だったのです・・・。 そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へと蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。 老作家の友人・芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りの男(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて・・・。老作家のおじさまと金魚の少女の秘めた恋―室生犀星の幻想文学を映画化。
6点!!高校生の頃、大杉漣さんがあちらこちらの映画に出ているのを見つけるのが好きで、友人と競っていました。久々にがっつり大杉さんを観ましたけど、強味と渋味と枯れ感が、やっぱい良いです(*>▽<*) おじさまの書く小説は、全て自分の内側から生み出しているもので、赤子もその一人なんですね。自分が生み出した存在なのに、どんどん自分から離れて、思ってもみない方へ行ってしまう。おじさま以外の登場人物が皆、空想上の存在なのが、かえっておじさまという人間の欲深さや生への執着、この世での足掻きを浮き彫りにしていて、これは赤子がストーリーテラーのおじさまの物語なのだと思いました。ふみちゃんが演じる赤子は、冒頭の太もものアップから、お尻とか、すごい肉感的な色っぽさを醸し出していました。撮る側も撮られる側も、色っぽさとは何ぞやかを解ってる映像でした。最初から最後まで人間でないものを演じているので、初めは舞台みたいで慣れませんでしたが、赤子の膨れっ面や口をパクパクさせる仕草がとても可愛らしくて、ずっと観ていたいなぁと思っていました(*^¬^*) 家族がいても(娘が同居している)孤独を感じていて、赤子を生み出してなお、一人ぼっちになってしまう、人間の老いとは、そんなに寂しい、孤独なものなのかと、何だか切なくなってしまうファンタジー映画でした。2016年公開。
「アイ アム ア ヒーロー」
大泉洋主演他。ようこそ。絶叫のZQNゾキュンパニックへ。鈴木英雄(大泉洋)35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女とは破局寸前。そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる・・・。徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の「異形」の姿。一瞬にして世界は崩壊し、姿を変えて行く。謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体『ZQN(ゾキュン)』で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・藪(長澤まさみ)と共に生き残りを賭けた極限のサバイバルが始まった・・・。果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか!?誰も味わった事のない“新感覚エンタテイメント”絶叫と衝撃のZQN(ゾキュン)パニック”を是非!大きなスクリーンで体感して下さい!でも・・・ひとりでは<危険>です!
8点!!やっぱり日本のホラーは凄かった!です((((;゜Д゜))) ゾキュン怖すぎ。バリエーションも豊富でグロくて、劇場からギャーワ゛ァー!って叫び声が上がっていました。あと、笑い声も。大泉さんがそこに居るだけでしっかり笑いを取っていくので、凄いです(^_^;) 英雄は、ヘタレで脳内シュミレーションばかりして動けない男性なのですが、大泉さんが演じるとヘタレな中にも一本芯が通っているのが、良かったと思います。有村さんの比呂美も、普通の可愛くて守ってあげたくなる女子高生で、あんな事言われたら、英雄でなくても、キュンと来ちゃうよと思いました。韓国の道路やアウトレットモールを使ったバトルシーンや派手な車の横転も、スピード感と迫力があって、まさに体感型のお化け屋敷にいるみたいで、超楽しかったです(*^▽^*) これからが本当のスタートというところで終わってしまうので、えーそりゃないよ!と思ってしまいました(>_<) 薮ことつぐみとの関係は始まってすらいないところです(;_;) 続編があるといいなと思いますが、ないとしたら原作読めってことですか?(>_<) せめてもう少し先まででいいからキリの良いところまで描いて欲しかったです!それだけが残念、あとは完璧な体感型パニックホラームービーです☆ワーキャー言ってきてください♪ 2016年公開。
「ズートピア」
声:上戸彩主演他。動物たちの“楽園”ズートピアで、ウサギとして初の警察官になったジュディ(声:上戸彩)。でも、ひとつだけ問題が・・・。警察官になるのは通常、クマやカバのように大きくてタフな動物たちで、小さく可愛らしすぎる彼女は半人前扱いなのだ。だが、ついにジュディも捜査に参加するチャンスが!ただし、与えられた時間はたった48時間。失敗したらクビで、彼女の夢も消えてしまう・・・。頼みの綱は、事件の手がかりを握る詐欺師のキツネのニックだけ。最も相棒にふさわしくない二人は、互いにダマしダマされながら、ある行方不明事件の捜査を開始。だが、その事件の背後にはズートピアを狙う陰謀が隠されていた・・・。タイムリミットは48時間―「あきらめない。何があっても・・・」“夢を信じる”あなたにエールを贈る、ディズニー映画最新作。
7点!!ピクサーではありません。今までディズニー・ピクサーが沢山描いてきた生まれが違う者同士の友情と映画「トゥモローランド」みたいな未来都市と映画「あらしのよるに」のような関係性など、色々な要素を詰め込んだ地味に良く出来た作品です。テロや難民問題などに加えて、私たちが普通に暮らす所もワールドワイドになってきている今、肉食動物と草食動物という分りやすい違いを主人公たちに当てはめて、人種や肌の色、髪の色が違っても互いに理解し合って共存していけるんだよという事をテーマにしている作品で、何気に深いです。ジュディとニックもこれといって特徴がないですし(ニックなんか「キツネと猟犬」と区別がつかない(^_^;))、ストーリー展開も意外性はないですが、単純な分、台詞が真っ直ぐ心に届きますし、ディズニーってこういう「人に優しく」みたいな温かい作品を作ってたなぁと、ほっこりした気持ちになれました(^_^) ジュディとニック以外の動物は、その性格を生かした場面や笑いがあったのですが、ジュディとニックは、主人公なのに、ウサギとキツネというのが生かしきれていなくて、これなら、他のキャラク ターと入れ替えても成立してしまうと思ってしまったのが、勿体なかったです。地味で、ディズニー作品の中でNo.1には上がらないかも知れませんが、子どもに見せたいなと思える長く愛されるウォルト・ディズニーらしい作品です。2016年公開。
「64-ロクヨン-前編」
佐藤浩市主演他。犯人はまだ昭和にいる。わずか7日間で幕を閉じた昭和64年。その7日間の間に発生した未解決の少女誘拐殺人事件、通称「ロクヨン」。主人公・三上義信(佐藤浩市)は、警察という組織の中で生きる個人としての葛藤を背負い込みながら、広報官として常にマスコミからの外圧にも晒されている。さらには父親として、娘の家出失踪という家族の問題も抱えながら。そんな三上が、「ロクヨン」事件の真相に辿り着いた先に見たものとは―日本映画界最高峰の超豪華オールスターキャストが集結!究極のミステリーが感動の人間ドラマとして、ついに映画化!
9点!!原作は未読です。男の人がたくさん出てくる小説は読み辛いので、こういう作品は映像化待ちです(^_^;) ゴゥンゴゥンという不吉な機械音と共に映画が始まり、ロクヨン事件の被害者の遺体発見と、主人公・三上夫婦が、家出中で行方不明の娘を探す為に行方不明少女の遺体が見つかる度に、祈る思いで遺体と対面する姿が描かれます。その二つを冒頭に据えた事でこの映画の軸が「我が子を失うとはどういうことか。」だというのが、強烈に脳裏に残り、終始、物語全体に重くのし掛かる作りになっているのが、素晴らしかったです。表立ったストーリーは、ロクヨン事件やその他の事件、そして、ロクヨン模倣事件へと次々起こっていく問題たちに、三上が元刑事部の人間、現警務部長として、上と記者クラブの間に板挟みになりながらも、何の為に動くか、自分の道とは何かを明確にしていくお話です。ベテランオールスターな俳優陣なので、誰が誰なのか分からなくなるという事がなく、皆さん熱のこもった演技をぶつけ合っているので、女性でも観易く、とても重厚なストーリーに仕上がっていると思います。個人的には、同じ横山さんの原作で映画「クライマーズ・ハイ」の時に、当時無名ながら、夢に出る程戦慄な演技をされていた滝藤さんが、今回、重要なポストで出演されていて、何だか感慨深いなぁと思いながら観てました(^_^) 広報って警察以外ですと、明るくクリーンな窓口というイメージですが、警察の広報は、こんなに出勤したくなくなる程ドロドロしてるのだぁと初めて知りました。テンポは、もう少しトントンいければなとは思いましたが、たくさんいる登場人物の思いをきちんと理解しながら観るには、この速さが妥当なのかな?ラストに、後編の見所があり、凄い盛り上がる感じに見せていましたが、期待して良いのかな?前編面白かったから期待しちゃいますよ。それにしても、俳優陣の演技が素晴らしかったです!特に、若手だと窪田くん、あんな少ない登場時間でベテラン勢に負けない印象を残していて凄いです。映画好きな方には是非観ていただきたい作品です。2016年公開。
「ちはやふる【下の句】」
広瀬すず主演他。幼馴染の綾瀬千早(広瀬すず)と太一(野村周平)と演じる新(真剣祐)は、“競技かるた”の仲間。高校生になった千早は太一と共に「競技かるた部」を立ち上げます。家の事情で引っ越した新たにもう一度会いたい、「強くなったな。」と言われたい一心からでした。しかし、全国大会を目指す千早たちに新たな試練が訪れます。かるた界最強クイーンの若宮詩暢(松岡茉優)。彼女は、“競技かるた”と孤独に向き合い、「団体戦なんてお遊びだって言わしたるわ。」と千早の前に立ちはだかります。詩暢に勝ちたい気持ちが強くなり、団体戦に身が入らない千早。さらに、ショックな出来事が千早を襲います。新が“競技かるた”を辞めたというのです。幼馴染3人の恋と友情はどうなってしまうのか?団体戦の行方は?全てに情熱を懸けた青春の結末とは?「このマンガがすごい!」に5年連続ランクインした超人気コミックの実写映画化!“競技かるた”にかけた熱い青春ムービー、遂に完結です!
9点!!映画の面白さとしては、前編よりは劣りしましたが、原作の再現率はパーフェクトだったので、私的には大満足です♪(*^▽^*) 序盤で新に再会した千早の感情の込め方が絶妙で、こちらまで泣きそうになってしまいました。前編と比べると、試合シーンが少なく人間ドラマがメインなので、派手ではないですが、それぞれの人物の仲間やかるたへの思いを、しっかり描けていたような気がします。しかし全国大会の結果をスルーしたのは、途中で流れを止めない為だとしても思いきった事をしたなぁと。観客はモヤモヤしないのだろうか?と心配になってしまいました(^_^;) 後編から参戦した松岡茉優の詩暢ちゃんが最高にハマり役過ぎて、一人で全員を食ってしまう勢いとオーラがありました(*゜Q゜*) テンションの上げ方と戦闘力が上がって薄く微笑むのが、詩暢ちゃんだ!凄い!リアル詩暢ちゃんだとこうなるんだ!と興奮してしまいましたε=(ノ≧∇≦)ノ 反対に新は後編も出番が少なく、試合シーンも、太一とのライバルシーンも物足りなさ過ぎて、真剣祐くんは、キャストの中で一番、競技かるたが上手くなったそうなのに、高校生の青春は部活動だけじゃなくて恋もあるのに、消化不良でした。早くも続編が決定したそうなので、そこに期待ですかね。前回にも増してエンドロールがピクサーみたいにお洒落で可愛かったです♪2016年公開。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」
クリス・エヴァンス主演他。友情が、友情を引き裂く―数々の危機を救ってきた“アベンジャーズ”が、国連の管理下に置かれることを巡り、激しく対立するアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr.)とキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)。さらに、ウィーンで起こった壮絶なテロ事件の犯人として、キャプテン・アメリカの旧友バッキー(セバスチャン・スタン)が指名手配されたのを機に、アベンジャーズのメンバーが大きな決断を迫られる。過去を共に共有した無二の親友か、未来を共にする仲間たちとの友情か―ふたつの絆で揺れるキャプテン・アメリカがある決断をしたとき、世界を揺るがす“禁断の戦い”が幕を開ける。
10点!!ダニエル・ブリュールが出てるじゃないですか~!!(*´∇`*) イケメン、ジモ大佐。レギュラーにならないかなぁと願いましたが、ガッチリ敵でしたね。味方だったら良かったのに(;_;)あと、ヴィジョンがポール・ベタニーだって、今更気付いて驚くっていう(爆)アベンジャーズキャラクターのシリーズは、冒頭からクライマックス並のアクションシーンを見せるのが、恒例になってきましたね。冒頭は、スカヨハのブラック・ウィドウがめっちゃ格好良くて、シリーズを重ねるごとに、CGだけでなく、俳優陣に求められるアクションスキルもどんどんハードになっていて、それをこなせているのが凄いなぁと感心してしまいました。今回は、マーベルヒーロー総当たり戦が見所なのですが、私は、戦うということに対するそれぞれのキャラクターの考え方や家族や友人など背景が描かれていたので、今までのシリーズの中で、かなり見応えがあったと思います。戦ってる間にも、アベンジャーズの表情や会話の中にそれが見え隠れしていて、ニヤリとしてしまったりじーんと感動出来たりして、とても良かったです。勿論、総当たりしたらどっちが強いのだろう?という好奇心もしっかり満たされるド派手なアクションシーンもお祭りみたいで面白かったです。正直、「キャプテン・アメリカ2」の内容を忘れていたので、ちんぷんかんぷんな所も多かったですが、きちんとアベンジャーズシリーズから各キャラクターシリーズ(今回は「キャプテン・アメリカ」)にフィードバックされていて、この内容を受けて他のシリーズがこれからどうなっていくのかますます楽しみになる作品でした(*^^*) 2016年公開。
「テラフォーマーズ」
伊藤英明主演他。21世紀、人口爆発を迎えた人類が選択した火星移住計画。人類はコケと“ある生物”を送ることで火星と地球化させようとした。それから500年。計画の仕上げのために火星へ送り込まれた隊員15人のミッションは、その生物の駆除。ところが、“ある生物”は人型に異常進化した凶暴な驚愕生物<テラフォーマー>へと姿を変え、隊員たちに次々と襲いかかる。絶体絶命な状況のなか、彼らの身体に秘策が仕込まれていたことが明かされる。昆虫のDNAによって虫の姿に“変異”し、超人的なパワーを発揮できるのだ。騙されたことに怒りながらも、どう猛すぎる力を与えられた小町小吉(伊藤英明)のもと立ち上がる隊員たち。ついに人類対テラフォーマーの壮絶な戦いが始まる。だが、その裏で、もうひとつの陰謀が着々と進んでいた―。火星に送り込まれた何も知らない15人の日本人。変異した人間が、最悪の敵か、生き残るのはどっちだ!?
3点!!三池さんだという事を忘れていましたΣ( ̄ロ ̄lll) これ、R指定じゃないですか。ゴキブリ、キモ過ぎます。人型なのにカサカサした動きはゴキブリそのもので、もう少しリアルに作られていたら吐いてたかも(汗)逆にいえばゴキブリの出来が今一つだったのと、人物やストーリー設定が雑過ぎて緊迫感欠けるというか、技が飛び出すたびにコントかと思いました(爆)その程度で戦えないだろうと思ったらやっぱりっていう(>_<) 隊員の虫DNAの説明がいちいち間に入るので、流れが止まってしまってましたし、アクション映画じゃなくて理科の授業を観ている気分になりました。計画なしの雑な特攻精神とか漫画から脱却出来てない描写とか、久々にB級日本映画観たなぁと苦笑いでした(^_^;) 隊員たち全員に必死になる理由があるようなのに、見せ方が中途半端過ぎて、応援も感情移入も出来ませんでした。小池栄子さんとか良い演技をしていた俳優陣も多かったのに残念でした。あれですかね、三池さんは、ストーリーはどうでも良くてグロテスクで残虐な描写さえ描ければ満足なのかな?とまで思ってしまいました(失礼)同時期公開中の「アイアムアヒーロー」の出来の良さとどうしても比較してしまいました(>_<) とりあえず、予想以上に虫だらけでものすっっごい鳥肌が立つので、虫が嫌いな人は観ない方がいいです。2016年公開。
「フィフス・ウェイブ」
クロエ・グレース・モレッツ主演他。「私は人類最後の一人なのかもしれない。」知的生命体<アザーズ>は人間に姿を変え我々人類に攻撃を開始した。ある日、地球から400km上空を巨大な未確認飛行物体が周回し始めた。そして、人類は彼らを<アザーズ>と呼んだ。アメリカ、オハイオ州。ニュースでこの衝撃的事実を知った女子高生のキャシー(クロエ・グレース・モレッツ)の平穏な日常は、この日を境に崩れ去って行った。10日後、最初の攻撃が始まったのだ。圧倒的知能を持つ生命体<アザーズ>により4度にわたる攻撃を受け、人類の99%が死滅。壊滅状態となった地球で、生き残ったキャシーは、人間と見分けがつかない<アザーズ>への恐怖に支配されながらも、第5の波を止めるべく彼らの秘密を探り始めるが―。人類を滅亡に導く最後のWAVEとは?正体不明の敵<アザーズ>vs人類の壮絶な戦いを描いたディザスター・ミステリー大作。
7点!!クロエは純真無垢なファニーフェイスなので、何かに翻弄される役が似合いますね。運命に翻弄されるお姫様とか似合いそう(^^) クロエが「NO~!!」ってなってるだけで冒頭から結構感情移入して泣きそうになってしまいました。日本の俳優さんには多いですけど、ハリウッドで涙を誘える女優さんは貴重です(^_^) クロエが必死に守ろうとする弟のサムもおめめクリクリでお人形さんみたいに可愛くて、この子の為なら命張れると思いました。映画は「トライライト」シリーズの作者であるステファニー・メイヤーの「ザ・ホスト」みたいなお話で、人間の脳内に寄生したアザーズとのサバイバルバトルとロマンティック・ラブストーリーが丁度良いバランスです。女性ならエヴァン(アレックス・ロー)とベン(ニック・ロビンソン)、どちらが良いかな?と楽しみながら観られると思います(私はエヴァン派)地震や津波の映像も意外と迫力があり、やはり津波の映像は、まだゾクッとしてしまいます(>_<) 自分の家から程近い場所に津波が来てバキバキ木が倒れてるのに自宅は何の損傷もなかったり、地割れが起きるほどの地震の中、弟含めダッシュ出来たり、探知機外したら速攻で撃たれるのでは?など突っ込みどころは幾つかありますが、まさかのキャシーとベンの二つの時間軸で二つのラブストーリーが同時進行するとは思ってなく予想外だったので、楽しめました(*^¬^*) クロエがどんどん可愛く成長しているのも楽しめる、女性向け&デート向けな作品です。2016年公開。
「ヒーローマニア -生活-」
東出昌大主演他。サラリーマンをリストラされ、さっぱりうだつの上がらない中津(東出昌大)は、コンビニでバイトするフリーター。ある時出会った、謎の身体能力を誇るニート・土志田(窪田正孝)、情報収集力抜群の女子高生・カオリ(小松菜奈)、昼は定年間近のサラリーマン、夜は"若者殴り魔"の日下(片岡鶴太郎)と町を守る自警団を結成し、社会が裁ききれない小さな悪を天誅と称し、高いところから吊り下げて晒す行為を始める。それはやがて、市民の賛同を得るようになり、自警団は巨大な組織に成長。日下がスカウトしたホームレス宇野(船越英一郎)を社長とし、低料金の警備サービスを提供する会社<ともしび総合警備保障>として操業を始めるが・・・。アクション×友情×コメディ×ミュージック×変態=ヒーローマニア。オモシロすぎるエンターテイメント映画が誕生。
5点!!「ヒーローマニア -生活-」って、タイトルそのままの意味合いだったんですね。色んなヒーローの真似事をしながらヒーローと日常生活を両立させて、ヒーローの会社まで作っちゃうっていう。冒頭のアクションシーンは、窪田くんの動きが凄くて格好良かったです。オマージュというか、もはやパクりなシーンが立て続けにあったので、笑ってしまいました(*^^*) ですが、主人公の中津は「キック・アス」よりもダメダメな人間で(ヒーロー以前に人間として。)、彼が更正したり、世の中の為に戦うという姿勢が全く見えない中、不良の“吊し上げ”をしていて、他の犯罪者とどこが違うの?と思ってしまいました。四人が絆を深める過程も二分くらいでコマ送りされてしまっていたので、後半、彼らがピンチになっても感情移入出来なくて、何か絆が深まったエピソードを見せて欲しかったです。ヒーローものなのにクライマックスに向けてダメダメさが加速していくというのは、新しかったですけど、やっぱり主人公を応援出来ないのは辛いです。主人公たちがどうしてヒエラルキーの底辺になってしまったのか、彼らの過去も掘り下げてくれたら、物語に深みが出たかも知れないと思いました。ハチャメチャさは大人向けなのですが、物語とアクションなんかはライダーみたいで子ども向けです。続編を作れる感じで終わったので、続編があったら色々深く描けるかもと期待ありです。2016年公開。
「殿、利息でござる!」
阿部サダヲ主演他。今から250年前の江戸時代、藩の重い年貢により夜逃げが相次ぐ宿場町・吉岡に住む十三郎(阿部サダヲ)は、知恵者の篤平治(瑛太)から町を救う計画を聞く。それは藩に大金を貸し付け、利息を巻き上げる「庶民が、お上から年貢を取り戻す」逆転の発想だった!3億円もの大金を水面下で集める前代未聞の頭脳戦勃発!計画がバレれば打ち首確実!強欲お奉行の嫌がらせを乗り越えて、十三郎と仲間たちはさらに必死に節約を重ね、ただ町のため、人のため、私財を投げ打ち悲願に挑む!!破産寸前、絶体絶命の大ピンチ・・・果たして彼らは町を救えるのか!?じつは“実話”な痛快歴史エンターテイメント超大作!
6点!!所収「穀田屋十三郎」に書かれていた実話なんですよね。発案してから家にある家財道具一切を売り払って、何年も何年もかかって質素倹約に耐えて、皆で3億円ものお金を出資するって、とんでもなく凄い事です(*゜Q゜*) 今は政治家が世を動かす世の中だけど、江戸時代は、宿場全体が一つの社会の様になっていて、人が人を動かす力というか、一人一人が強い願いと信念を持って命懸けで行動していたのだなぁと先人の姿に頭が下がりました。けれど、銭集め奔走するシーンばかりで女性たちや家族が家でどうやって節約していたのかや御上にバレそうになるなど計画が破綻しそうになる危ないシーンなどがなかったので、気持ち的な盛り上がりやハラハラしたりは無かったです。あんなに町中や居酒屋で話し込んだり騒いだりしてバレないとかあるのだろうか?と疑問に思ってしまいました(^^;)阿部さんが出てると笑いやそういうのをつい期待してしまいます(^^;)松田くんが悪役というのも新しくて、あの能面みたいな飄々とした顔でとんでもない事をいきなり言い出しそうなキャラクターが良かったです。話はかなり感動的な展開になるのに泣けなかったのは、やはり山あり谷あり感が足りなかったのが大きいと思います。感動して泣きたかったお話だったので、盛り上げて欲しかったです。先人たちの自分を犠牲にして周囲を救う為に戦う姿を観て、私たちも、自分一人で出来ることや周りを巻き込んで出来ることを考えるだけでなく、行動していかなければならないなと、明日への力を貰える作品です。2016年公開。
「デッドプール」
ライアン・レイノルズ主演他。クソ無責任ヒーローですけど、何か。末期ガンだったウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)が怪しい組織に改造され、不死身のパワーを身につける。しかし全身、見るも無残な姿に・・・。オレの肉体を返してくれ!愛する恋人の元へ帰りたい!変わり果てた容姿を隠して、愛する恋人ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を影で見守りながら、彼はデッドプールとなって、組織への復讐を誓う・・・。こんなヒーローを待っていた!お行儀のいい正義の味方は、もう古い!?平和のためでもなんでもない!戦う理由は自分の復讐と彼女との復縁。誰もが憧れるスーパー無責任男がついに日本上陸!
5点!!二刀流といい戦い方といい、忍者がモチーフになってるのかな?グッズ作ったらスパイダーマンかデッドプールかわからなくなりそうですね。元々ライアン・レイノルズに余り興味が無くて、更に彼が演じたウェイドがオラオラ系の肉食系で、リアルにいたら関わりたくないタイプだったので、全く応援する気が起きなかったです(-_-) R指定は正解です。ハリウッドは、マーベル、DC、ダークホースとヒーローが多過ぎるので、デッドプールの見た目も戦い方もヘルボーイやF4、スパイダーマンなど今までの様々なヒーローたちに似ていて目新しさが無かったです。アクションシーンがハイライトだと思うのですが、ヒーローものって毎回陸橋で戦うよなぁと傍観してました。笑いも、ハマれば最初から最後まで笑い通しなのでしょうけど、ハマらなかったので、間に挟まれる長い台詞に眠くなってしまいました(-_\) 「X-MEN」のキャラクターたちが大活躍で、「デッドプール」自体も続く様なので、やはり「X-MEN」を観ないとダメかと思いました。葛藤や挫折、それを乗り越えてみたいなストーリーが極薄だったので、もっと作り込めば面白くなりそうなのに勿体なく感じました。2016年公開。
「太陽」
神木隆之介主演他。21世紀初頭、原因不明のウィルスの拡散によって世界の人口は激減。数十年後・・・生き残った人類は二つに分けられた。太陽の下では生きられないが、若く健康な肉体と高い知能を有する進化した新人類〈ノクス〉。太陽の下で自由を謳歌しつつも、暮らしは貧しいままの旧人類〈キュリオ〉。二つの世界で対立しながら生きる二つの人間がどうやって融和していくのか―。太陽に愛された者と太陽を捨てた者。それぞれの未来に、何が見えるのか―。生きることはどういうことなのかを問いかけていく、劇団イキウメの傑作舞台が 待望の映画化。誰も出会ったことのない、ハイブリッド映画誕生。
10点!!二度の舞台化で有名な作品ですが、舞台は未観です。神木くん、門脇麦ちゃん、古川雄輝くんは注目している俳優さんたちなので、このキャストで観ることが出来て良かったです(^_^) ノクスの居住区が、今の東京をそのまま進化させた感じで、鉄彦(神木隆之介)たちのいるキュリオの村は、日本の凄い田舎の村か、経済制裁を10年受けているという設定から北朝鮮の貧しい農村という雰囲気でした。そう考えるとあながちSFや架空の話でもないなと思いました。世界基準で見れば、こんな風に先進国と発展途上国は未だ分断されていて、双方の個人レベルの考えが交わる事もなく、世界を知らないまま一生を終える人たちが大多数だと思うので。映画全体の輪郭は曖昧なのですが、世界観が完成されていて凄い引き込まれました。舞台の間をそのまま引き継いでいるのかは解りませんが、“間”がとても良いです(*^¬^*) 台詞のない間に登場人物たちの中に渦巻いている感情がうごめいていて、俳優さん全員素晴らしかったです。特に、古舘さんと水田くんの集会所での間と、鉄彦と森繁(古川雄輝)の会話の間が良くて、素敵な演技をする方たちが結集している作品です(*^▽^*) 神木くんの鉄彦が能動的なキャラクターなので目が行きがちですが、麦ちゃんが演じた結(門脇麦)がとても良くて!あの不透明にゆらゆら揺れる眼や、心が追い付かない内に次々と過酷な運命に飲まれていく中で、結が結として生きようとする姿が切なかったです(;_;)鉄彦と森繁と結の三人のクライマックスが、運命に立ち向かっている若者たちでノクスもキュリオもない希望に見えました。村上淳さんはこういう憎悪と狂気を演じさせたら、今一番なのではないでしょうか。画面にいるだけでゾクゾクして怖かったです。完成された世界観の中で俳優の演技頼りな作品なので、舞台で違うキャストでも観てみたくなりました。2016年公開。
「神様メール」
ピリ・グロワーヌ主演他。神様はブリュッセルのアパートに家族と住んでいて、パソコンでいたずらに世界を支配している。ある日、神様の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は人間に運命に縛られずに生きてほしいと思って、神様のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送ったから、さあ大変!エアが大パニックな世界を救う旅にでると、彼女の小さくてヘンテコな奇跡は思いがけず人々のお悩みを解決していく。会社員は烏を追い北極まで大冒険、殺し屋は不死身の美女にめぐりあい、主婦(カトリーヌ・ドヌーヴ)はゴリラと恋に落ち・・・皆、それぞれの生きがいを見つけていく。しかしエアが最後に出会ったウィリーは死期が迫っていて―。小さな奇跡たちが呼び起こす、神様のパソコンから人類への[最高にハッピー]なメールとは?余命を知って大パニックな世界で、少女エアのヘンテコな奇跡が、人々のお悩み解決!最高にハッピーな結末に、欧州各国で熱狂的支持を得た痛快!ミラクル・コメディ!
6点!!エア役のピリちゃんが超絶可愛くて使える力が少しなのもキュートでした!(*>▽<*) 彼女が神様の娘でキリストの妹なら納得です(*´∇`*) 映画は発想が面白いです!天地創造から旧式のパソコンをパチパチ押して、意地悪な神様が地球をクリックしてるなんて、どこから突っ込んだらいいかわからないけど、面白いのでOKです。神様の地球の創り方が雑過ぎて笑ってしまいました(笑)エアはキリストお兄ちゃんの使徒に、自分の使徒を六人加えるべく地球に降り立つのですが、映像や音楽が綺麗でユーモアとウィットに富んだストーリー展開と少しシニカルさが、良いバランスでした。最初の使徒を余りに時間をかけてるので、このテンポだと怠いなぁと思いながら観ていて、展開が進むのに合わせて加速してくれればいいものを、そのままのゆったりテンポだったので、寝ちゃう方もいるかもです(-_-;) 寿命が知り、ケヴィンの様な行動に出る人や海に人が集まるのは、実際起こりそうだなぁと苦笑いでした。使徒が集まってもウィリーを救う力は無く、人間の無力さやそれでも願う気持ちが少しビターに描かれているのも良かったです。神様は、意地悪な神様と素敵なことを起こしてくれる神様と両方いた方が良いのかも知れないと思いました。悲しみや不幸がないと幸せの大きさにも気付けないですからね。それに不幸の法則はたった2000幾つな筈がないです(爆)あと、フィーリングで発言しちゃうキリストお兄ちゃんがかなりツボだったので、もっと活躍して欲しかったです(笑) 2016年公開。
「オオカミ少女と黒王子」
二階堂ふみ、山崎賢人主演他。ウソから始める人生最初のホンキの恋。高校1年生の篠原エリカ(二階堂ふみ)は、彼氏いない歴=年齢なのに、恋愛経験豊富な友だちに見栄を張り、彼氏がいるフリをしている嘘つきの“おおかみ少女”。友だちに疑われたエリカは、街で盗撮したイケメンを自分の彼氏だと言い張り、その場をしのぐ。ところがその彼が、同じ学校に通う学校イチのイケメン、佐田恭也(山崎賢人)だと発覚!事情を打ち明けると、彼氏のフリをしてくれるという優しい恭也に、エリカは「王子様みたい!」と大感激。しかし実はドSな面を持つ“黒王子”が出した条件は、エリカが恭也に“絶対服従”することだった!!累計460万部の大ヒット少女コミック待望の実写映画化!
6点!!原作未読です。二階堂ふみに門脇麦、菜々緒って曲者揃い過ぎて、ちゃんと少女漫画になるのか?と正直半信半疑でしたが、ちゃんと学園ラブしてました(爆)良い意味でキラキラはしていなかったですけど。しかし、脇も池田エライザ、玉城ティナと際ものな役が多い俳優さんを配置していて、どんだけだよって突っ込んでしまいました(笑)いつも男を翻弄する役柄が多いふみちゃんが、黒王子の一挙一動にオロオロするのが可愛かったです。きちんとダークカラーのストレートにしてるとやっぱり美少女なんですよね。でも、可愛すぎないところが普通の女子高生の恋愛という感じでリアリティーがあり、無理めな設定もカバー出来ていました(*^^*)v 山崎くんは特に好きな俳優さんではないのですが、これだけ少女漫画の実写化が続いているのにも関わらず、きちんと演じわけが出来ているのが凄いと思いました。恭也が何故そんなに女性嫌いなのかに触れてくれたら、物語に深みが出てもっと良くなるかなと思いました。エリカが一人でいる何でもない時に急に涙が溢れてしまうシーンや恋愛に悩んで親友に抱き締められて泣いてしまうシーンは、すごく共感出来ましたしリアルで、そういうところを丁寧に描くのが廣木監督の良さだよなぁとしみじみ観てました(^_^) でも、ストーリー展開は全部予告編で公開しちゃってて、意外性はゼロでした。ラストは、両思いになってキラキラして終わりという定番の感じではなく、理想の少女漫画というよりは現実に寄せていて、本当にこんな二人がいそうだなぁと思えて良かったと思います。2016年公開。
「スノーホワイト/氷の国」
クリス・ヘムズワース主演他。この世で一番美しく邪悪な姉妹が目覚める。「白雪姫の物語」は、壮大な物語の“序章”に過ぎなかった―。かつて、その美貌と邪悪な力で世界を闇に包んだラヴェンナ女王(シャーリーズ・セロン)は、白雪姫<スノーホワイト>とハンターのエリック(クリス・ヘムズワース)の手によって滅ぼされ、世界に平和が訪れたはずだった。だが人々は知らなかった。ラヴェンナ女王には、さらに強力な魔力を持つ“氷の女王”という妹がいた事を。そして、本当の戦いは、これから始まるのだという事を―。圧倒的な映像美と壮大なスケールで描くアクション・アドベンチャー大作。
4点!!「スノーホワイト」の続編というよりはスピンオフという感じです。一応、クリスが演じたエリックが主人公だと思いますが、女優三人の存在感が強すぎて(笑)エリックの話がメインの筈が、ラヴェンナ、フレイヤ、サラと視点がコロコロ変わるので、主体性のない物語になってしまっていました(>_<) 話があっちこっちにいって、クライマックスのラスボスも全然強くなくて、普通は続編の方がキャラクターを遊ばせられるので良くなる筈なのですが・・・キャラクターバランスが取れていなかったです。クリスは、何故か超人や天才の役が多いですが、今回のエリックは、強いは強いですが、ちゃんと人間で無茶をすれば死にそうにもなるし、恋人に対して戸惑うし、とてもチャーミングなキャラクターで好きです(*^¬^*)♪笑顔可愛いなぁ(笑)まさかのサム・クラフリン王子の再登場もご褒美感がありました。目の保養になる二人(*´∇`*) 壮大な物語のおまけ的作品です。2016年公開。
「高台家の人々」
綾瀬はるか主演他。口下手で不器用な女子・平野木絵(綾瀬はるか)は、得意の“妄想”で何かと自分の世界に入り込みがち。ある日、木絵の務めるオフィスに名門「高台家」のイケメンエリート・高台光正(斎藤工)が転勤してくる。決して交わるはずのない二人。しかし、不思議なことに光正は木絵に惹かれていく。それにはある理由が・・・。光正は人の心を読める“テレパス”だったのだ。心が読めるがゆえに人間関係に辟易していた光正にとって、木絵の奇想天外な妄想と、純粋で温かい心の声は心地良かった。順調に交際を始めたかのように見えた二人だが、“テレパス”が二人の関係を変えていくことに・・・。不器用だけど、可笑しくて、愛おしい恋の物語ー心が読める悩み多き“テレパス王子”を救ったのは、口下手な“妄想女子”。観る人みんなを幸せにするー妄想炸裂ラブコメディー!
2点!!俳優陣は皆役柄に合っていて、テレパスという面白いソースもあるのに、グダグダで最後まで盛り上がりませんでした(>_<) 綾瀬はるかが主演のイケメンと何も起こらない恋愛をするだけのドラマが大ヒットする時代なので、皆疲れていて、こういう緩い作品を求めてるんですかね?(爆)木絵と光正が出会って結ばれるまでの流れがフンワリし過ぎていて、完全にお伽話な世界観だったので、現実味が無かったです。なので、後半になって木絵が悩み出すのも、深刻な感じがしなくて、放っといても何とかなるだろとメロドラマを観ているような椅子からずり落ちそうになりながら観てました(ダルいってこと。)久々にこんなに盛り上がらない映画を観ました。水原希子ちゃんがめっちゃ細くてロングヘアが可愛いだけの作品でした(爆)2016年公開。
「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」
岩田剛典(EXILE/三代目J Soul Brothers)、高畑充希主演他。名前しか知らない、あなたを好きになってもいいですか?ある冬の夜、仕事も恋愛もうまく言っていない普通の女の子・さやか(高畑充希)の目の前に倒れていた、青年・樹(岩田剛典)。思いもよらない出会いから突然始まった二人の「半年」という期限付き同居生活。しかし彼は、自分の名前と、野草に詳しいということ以外は、謎に包まれていた。家事万能で植物オタクの樹。週末ごとに近所の土手や川原で「植物狩り」をする日々は、仕事で疲れたさやかの心を癒していくのだった。そんな毎日を通して徐々に惹かれ合っていく二人だが、樹には、さやかに伝えられないある秘密があった―。有川浩原作、泣ける度No.1。甘く切なく、最高にキュンとなる純愛映画。
5点!!原作読んでます。有川さんの作品の中でも「植物図鑑」はかなりの夢物語で、実写化は余り向いてないのではないかと言われていましたが、うん、良いんじゃないですか(*^¬^*) とんでもなく可愛いのだけど、大人になろうとしている二十代男女の等身大の恋愛が上手く描けていると思いました。高畑充希ちゃんが上手いです。社会的に必要とされていないと感じていて家に帰っても一人、長らく手作りの御飯を食べてなく「私って居る意味あるのかな。」という、さやかの心細さや切羽詰まった孤独感を、樹を引き留める必死さや朝御飯を食べた時に流れる一筋の涙と一瞬の表情だけで見事に表現していました(^^) フキ御飯とか野草のおかずを食べたくなります。時々挟まれる恋人目線なアングルは、充希ちゃんファンも岩田さんファンもノックアウト出来る感じで、三木監督のサービス精神頂きました!とあま~い時間を堪能しました(笑)でも、全体的には予告編で感じたみたいな甘さは本当に控え目で、普通の男女の恋の始まりをそのまま切り取ったような月日の流れの中に幸せと不安が混合していて、「植物図鑑」なのにちゃんとリアルな恋愛模様に仕上げていて、感心しちゃいました(^_^;) イケメン男子が落ちてるなんて事件以外有り得ないけれど、樹とさやかの姿に、恋したい~明日から頑張ろう!と活力を貰える作品です(*^▽^*) そして上映後、小学生までメロメロにしている岩田さん凄いなとそのフィーバーぶりに少し驚いてしまいました(笑)2016年公開。
「帰ってきたヒトラー」
オリヴァー・マスッチ主演他。現代に蘇ったヒトラーが人気芸人に!大衆の心を再び掴み、世界制覇!?ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、とんでもない演説を繰り返し、視聴者のドギモを抜く。自信に満ちた演説は、完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついてると話題になり、大衆の心を掴み始める。しかし、皆気づいていなかった。彼がタイムスリップしてきた<ホンモノ>で、70年前と全く変わっていないことを。ドイツで250万部以上を売り上げ、世界42か国で翻訳された<超問題作>がまさかの映画化!
8点!!ヒトラーの再現率を優先して無名の役者さんから選出したそうですが、彼の演技力が素晴らしいです!ブラックでシニカルなのだけどユーモラス!もしかしてヒトラーって大量虐殺や侵略行為諸々の悪行をしていなかったとしたら、有能な政治家として今も賛美されていたのかも!?と思ってしまうくらい、彼の‘演説の天才’の側面が発揮されていました。加えて、人としても目が離せない魅力があって、彼の一挙一動にミラクルマジックにかかったようにラストまで引き込まれてしまいました。現代やこれからの未来に、彼のような人々の心に火をつけるのが抜群に上手い人物が現れたら、正義の名において悪い歴史が繰り返されてしまうのだろうか?既に繰り返されているのではないか?とヒトラーのコミカルさに笑いながらも真剣に恐ろしく感じました。丁度今だと、アメリカのドナルド・トランプ氏みたいな感じですよね。世情を皮肉っているのと恐怖のバランスが完璧で完成度が高かったので、この作品を機に歴史の極悪人タイムスリップシリーズを観てみたいなと思いました。日本だと誰かな?と考えてもこのレベルの人物は浮かばなかったのだけれど(>_<) 言葉が世界を壊す程の力を持っているという事を突き付けられる作品です。2016年公開。
「64-ロクヨン-後編」
佐藤浩市主演他。昭和最後の年、昭和64年。その年に起きた少女誘拐殺人事件は刑事部で「ロクヨン」と呼ばれ、少女の死亡、未解決のままという県警最大の汚点として14年が過ぎ、時効が近づいていた。平成14年、主人公の三上義信(佐藤浩市)は「ロクヨン」の捜査にもあたった敏腕刑事だが警務部広報室に広報官として異動する。そして記者クラブとの確執、キャリア上司との闘い、刑事部と警務部の対立のさなか、ロクヨンをなぞるような新たな誘拐事件が発生する・・・。さらには三上が、「ロクヨン」事件の真相に辿り着いた先に見たものとは―日本映画界最高峰の超豪華オールスターキャストが集結!究極のミステリーが感動の人間ドラマとして、ついに完結。
10点!!いやあ、凄かったです。前後編ものは前編でこれでもかというくらい盛り上げ、後編は失速してしまう事が多いのですが、本作は驚きに次ぐ驚きと悲しみの波が交互にザバンザバン押し寄せてきて、終始胸が詰まり心で号泣してました(;_;) 「鬼気迫る」とはこういうことか!というベテラン役者勢の演技も凄い気迫でした。特に、滝藤さん、永瀬さん、緒形さんの演技は、まさに鬼そのもの!憎悪と狂気などが入り交じった表情に、観てる私の体までビリビリ威圧を受けてるのがわかりました(((;Д;)) 台詞が結構意味深なものが多く、原作を読んでいないと展開が早いのもあって、真の意味まで読み取ることが出来なかったのが残念です。前編は「我が子を失うとはどういうことか」を全編に感じさせるものでしたが、後編は「我が子を失った記憶と悲しみはどれだけの年月が経とうとも決して薄らぐ事はない」という事を突きつけられる作品でした。本当にエンドロールに切り替わる寸前まで、感情を揺さぶり続ける逸作です。事件ものでおじさんばかりが衝突し合う話だと思って敬遠しないで、若い方や女性にも是非観ていただきたい作品です。これは、今年の日本アカデミーの助演は本作からばかりになりそうだな!(笑)とニヤついてしまいました。2016年公開。
「クリーピー 偽りの隣人」
西島秀俊主演他。あなたは、隣に住む人が“何者”か知っていますか?犯罪心理学者の高倉(西島秀俊)は、刑事・野上(東出昌大)から6年前に起きた一家失踪事件の分析を頼まれる。しかし事件唯一の生き残りである長女・早紀(川口春奈)の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。一方、高倉が愛する妻・康子(竹内結子)と共に最近引っ越した新居の隣人は、どこか奇妙な家族だった。病弱な妻と中学生の娘・澪(藤野涼子)をもつ主人・西野(香川照之)との何気ない会話に翻弄され、困惑する高倉夫婦。そしてある日、澪が告げた言葉に、高倉は驚愕する。「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」未解決の一家失踪事件と、隣人一家の不可解な関係。2つの繋がりに気付いた時、康子の身に[深い闇]が迫っていた・・・。未解決の一家失踪事件×奇妙な隣人家族。犯罪心理学者が迷い込んだ、2つの<謎>に隠された真実とは―?
3点!!ラストに観客がどよめいていました(^_^;) 黒澤清監督らしい不可思議な不気味さと悪夢の中に漂っているような作品でした。サイコパスとマインドコントロールが主軸になっていて、心が支配された人間はこういう風になるのかと興味深くはありました。「闇金ウシジマくん」の洗脳くん編みたいでした。高倉夫婦は西野の印象を「奇妙だ。気持ち悪い。失礼な言動がある。関わらないようにしよう。」と話していたのに、どこから取り込まれてしまったのか?(かなり初めの方から?)注射器に入っていた薬物は何なのか?気になりました。サイコパスだから無秩序でしたというまとめ方ではなく事件が収束した後、彼らがどうなったかまで描いて欲しかったです。川口春菜○○とかあの後どうなったのかな?予想していたようなホラー映画の「キャー!(((;>Д<))」みたいな場面は一度くらいしかなかったので特に面白くはなかったけどホラーチャレンジとしては、良かったと思います。しかし、香川さんと同じくらい東出くんの野上の怪しげな感じは何なんでしょう(^_^;) 西島さんの作品とは相性が悪くて、「サヨナライツカ」以外面白いと思う作品に出会えなくて残念です(>_<) 2016年公開。
「夏美のホタル」
有川架純主演他。写真家になる将来の夢と、恋人の慎吾(工藤阿須加)との関係に悩んでいた夏美(有村架純)は父の形見のバイクで思い出の森へ向かう。そこで小さいな商店を営んでいる、通称・地蔵さん(光石研)とヤスばあさん(吉行和子)親子に出会い、居候することに。地蔵さんの友人、雲月(小林薫)の不遜な態度を腹立たしく思いながらも、あとを追ってやってきた慎吾も加わり、“たけ屋”での穏やかな生活を楽しんでいた。しかし、ある日、地蔵さんが別れた家族との間に埋められない溝を抱え、長い間苦しんでいることを知ってしまい・・・。父は私に何を伝えたかったのだろう。導かれるように向かったのは、父との思い出の場所だった―出会ってくれて、ありがとう。想いをつなぐ優しい物語。
5点!!有村架純ちゃんはどんな風景や設定の中にも自然に溶け込んで、彼女だけでなく作品全体まで柔らかな空気に包み込んでしまう稀有な女優さんです。今回は主演なのでそれをいつもより感じられて、その中に光石さんや小林さんなどアクの強めだけれどしっかりした役者さんたちがいて、すごくバランスが良い作品に仕上がっていました(*^¬^*) 夏美がどこまでも続く山々や田園風景の中の一本道をバイクで走る情景や、山間を流れる小川に靴まで浸って木々の間から幻想的な光が差し込むシーンなど「ああ廣木監督だなぁ、きっとこれもCGなしの自然光なのだろうなぁ」と、一時間半森林浴をしていた様で見終わったら、何だかとてもリフレッシュしていました(*´∇`*) 別の作品ですが「幸せってのはねえ、何かを諦めないと手に出来ないもの(by 樹木希林)」という言葉がぴったりな出来事が、地蔵さんや夏美と慎吾にも起こり、失ったものの大きさにその時は涙するけれど、長いスパンで見たらそれは素敵なターニングポイントになっているのかもなぁと人生に対して前向きになることが出来ました。少女のひと夏ものの映画って多いですし、その中でも本作は地味な部類に入ると思うのですが、役者さんたちがしっかりしていて、地蔵さん親子、雲月さん、夏美と慎吾の生き方がスーッと観客の心に入ってきて還元される実りのある作品です。2016年公開。
「ヒメアノ~ル」
森田剛主演他。めんどくさいから殺していい?平凡な毎日に焦りを感じながら、ビル清掃会社のパートタイマーとして働いている青年・岡田(濱田岳)。ある日、同僚の先輩である安藤(ムロツヨシ)から、密かに思いを寄せるカフェ店員・ユカ(佐津川愛実)との恋のキューピット役を頼まれた彼は、ユカのカフェで高校時代の同級生・森田(森田剛)と再会することになる。その後、岡田はユカの口から、彼女が森田らしき人物からストーキングをされていることを知らされ、不穏な気持ちを抱き始める。かつて過酷ないじめを受けていた森田は、ある事件をきっかけに、欲望のままに無抵抗な相手を殺害していく快楽殺人者になっていたのだ・・・。恋の悩みや将来への不安を抱えた、若者のありふれた日常をコミカルに描きつつ、同時進行で語られる無機質な連続殺人事件―ふたつの物語が危険に交わるとき、心を揺さぶられる極限のエンターテイメントが幕を開ける。殺人犯の深層に迫るクライマックス。あなたの心は耐えられるか?
10点!!前半と後半のカラーの違いが凄過ぎて、でもあの後半があるから前半のラブストーリーとコメディーが活きる作りになっていて、ラブ、笑い、サスペンス・スリラーを一度で堪能出来るパーフェクトな作品でした(○_○)!!四人の役者さんがまた皆年齢不詳で濃いから!(笑)ムロツヨシの全く感情がこもらない棒読みから感情が入ってく台詞回しがスゴイ良かったです。原作は未読なのですが、ムロツヨシの「ヌ!」ととか濱田くんの告白の件りとか、いちいちツボに入ってかなり笑いました(^○^) 佐津川愛美ちゃんも実はかなり肝の据わった女優さんでクセもあるし、吉田監督が撮るといつもより二割増しで可愛くなってて良かったです。あんな風にされたら誰でも落ちるわ(//笑//) 狂気を出す俳優さんはよくいますけど、森田さんは元から狂気が備わっている俳優さんで、それをどこまでも上げてくるので、すっっごい怖かったです。濱田くんも良くて、四人の本気を観て興奮と恐怖が冷めやらぬ!です(((;>Д<)) 一時間超えてからのタイトルバックと音楽は、ここからが本番だよ~と言うのが凄い伝わってきて格好良いし、ジェットコースター落ちる前のドキドキと恐怖で口から心臓出そうでした(>_<) 森田さん、昔からこういう演技上手かったですけど、舞台メインなのが勿体無いです。ジャニーズとか関係無くアカデミーいけるんじゃないかな(^_^) 因果応報な人もいたけど完全に巻き添え食った人の方が多くて、遥か昔に復讐が禁じられて本当に良かったなぁと思いました。日常に潜む恐怖を全力で見せられたので、夜道歩くのがますます怖くなりそうです(>_<) 2016年公開。
「二ツ星の料理人」
ブラッドリー・クーパー主演他。本当の最高は、ひとりじゃできない。シェフとしては最高だが、人間的には欠点だらけの二ツ星の料理人アダム(ブラッドリー・クーパー)は、問題を起こしてパリから逃げ出す、死んだと噂されて3年、復活をかけたアダムは、かつてのオーナーの息子トニー(ダニエル・ブリュール)がロンドンに開くフレンチレストランを訪ね、強引にシェフの座に就く。「三ツ星をとって世界一になる」と誓い、パリ時代の同僚ミシェル(オマール・シー)やヘッドハンティングした女性シェフのエレーヌ(シエナ・ミラー)ら才能溢れるスタッフを集めるが、初日からやりたい放題、開店早々店を危機に立たせてしまうー。人生につまづいた二ツ星シェフが、復活をかけてミシュランの三ツ星に挑む美食エンタテイメント!
6点!!ミシュランは「必ず七時半に二人組でやってくる。一人は30分前にバーにやってきて、半に席につき、コースとアラカルトを注文。ワインと水を飲む。フォークを静かに床に置きスタッフが気付くか見る。」って本当ですかね。だとしたらフレンチとイタリアンに関しては案外バレバレなのかも知れませんね(^_^;) イイ男!料理!イイ男!な映画でストーリー云々より目の保養になりました~(*´∇`*) ブラッドリー・クーパーとダニエル・ブリュールの組合せ最高!加えて、オマール・シーに新米のデヴィッドくん(サム・キーリー)も可愛くて、クーパーとダニエルのBL的な雰囲気もあって、イイ男祭りじゃないか!と一人で「うおお~*☆>!」ってなってました(爆)料理映画によく観られる“美味しそうな料理の踊るような高揚感”は本作にはなくて、過去に迷惑をかけまくってパリをトンズラしたダメダメな料理人が人としての再起、仲間と創る大切さに気付くまでのシンプルなストーリーでした。料理人って嫉妬、羨望、怨恨の世界だと聞きますが、昔の仇が返ってきて死ぬほど凹んだら昔と今の仲間が助けてくれたり、幾ら料理が最先端になっても義理人情の世界なのだなぁと観てて思いました。厨房に怒号が飛び交い、料理というよりは大工仕事みたいなシーンばかりで、実際はそうなのかも知れないですけど、美味しそうなお料理を食べたくなる豊かなシーンを加えてメリハリをつけたらずっと良くなるのになぁと惜しい作品でした。2016年公開。
「NINJYA THE MONSTER」
ディーン・フジオカ主演他。忍びは脅威だと危険視され、幕府が「忍者禁止令」を発布。もはや忍びは存在しないと思われていたその時代に、長野藩一行は、藩の救済を乞うため江戸へと向かっていた。その一行の中には、忍びであることを伏せている伝蔵(ディーン・フジオカ)がいた。道中、山へと入っていく一行は、得体の知れない「もののけ」に襲われる。駕籠の中にいた幸姫を伝蔵は救い出すが、残りの一行は全滅してしまう。江戸へたどり着かなければ藩を取り潰されてしまう幸姫(森川葵)は、その危険な「もののけ」のいる山を越え、江戸へ向かおうとするが・・・果たして伝蔵は「もののけ」から幸姫を守り、無事に山を抜けることが出来るのか―?!―松竹若手レーベルから初の海外向け作品 新たな“NINJA”の姿を描いた意欲作―『太秦ライムライト』では第18回ファンタジア国際映画祭シュバル・ノワール賞(最優秀作品賞)を受賞した落合賢。脚本は、2014年の話題作『超高速!参勤交代』を手掛けた土橋章宏によるオリジナルとなっている。
1点!!松竹が海外配給向けに作った作品の第一弾で日本では公開予定はなかったものの、ディーン・フジオカの大ブレイクによって1週間限定で劇場公開されていた作品です。連日満員で観られなかったので観ました。(私はディーンさんではなく森川葵ちゃんのファンです)遊園地のお化け屋敷に入る前のストーリービデオみたいな感じで、チープ感が凄かったです。海外向けに忍者の本当の姿を伝えたいなら(ハリウッドの忍者の勘違いぶりは凄いので。)もっとわかりやすく小道具とか使ったり戦い方に特徴を出した方が良いと思います。その辺の田舎侍相手の立ち回りに時間めっちゃかかるとか、「この忍者に任せてて大丈夫かな?」と心配になってしまいました(>_<)忍者とモンスターを戦わせたらどうなるか?というところからスタートした筈なのに戦わないし(爆)まぁ、忍者は避けられる戦いは避けるでしょうけど、それだと映画としてどうなの?と思ってしまいました(^^;)そして何も喋らない動きがない間がやたら長いです。日本の山々の景色が綺麗なわけでも不気味なわけでもない、あの間で寝てしまう方はかなり多いと思います(>_<)でもモンスターが宇宙人説は新しかったです!(爆)森川葵ちゃんはあんみつ姫みたいでした。「太秦ライムライト」も「超高速参勤交代」も良く出来た作品なのに、わざわざハリウッドのイメージに寄せるのではなく、日本人が観て素晴らしいと思える作品を作らないと海外でも伝わらないと思います。「忍たま乱太郎」とか配給した方がよっぽどいいわ(爆)2016年公開。
「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」
神木隆之介主演他。フツーの高校生・大助(神木隆之介)は、同級生のひろ美ちゃん(森川葵)のことが大好き。修学旅行中のある日、大助は不慮の事故に遭ってしまう。目覚めるとそこはーなんと地獄!!なんで俺だけ!?まだキスもしたことないのに、このまま死ぬには若すぎる!!慌てる大助を待ち受けていたのは、地獄農業高校の軽音楽部顧問で、地獄専属ロックバング・地獄図(ヘルズ)を率いる赤鬼のキラーK(長瀬智也)。キラーKによると、なんと、えんま様(古田新太)の裁きにより現世に転生するチャンスがあるという!キラーKの“鬼特訓”のもと、生き返りを賭けた、大助の地獄巡りが幕を明ける!!!迫りくる地獄の責め苦の数々が、笑いの責め苦となって観る者すべてに襲いかかる、世界初!【超絶地獄】コメディが誕生!!
7点!!クドカンの「かっこいい人が皆地獄に堕ちるって思ったら、死ぬのが怖くなくなるんじゃないか。長瀬くんが鬼で地獄でバンドやってたらいいなと思った。」という発想から本作が作られたそうです。その期待にバッチリ答えているのが長瀬くん演じるキラーKの登場シーンです。鬼なのに爆音でうるさいのに、めちゃめちゃ迫力満点でカッコイイです(*^▽^*) 歌も超カッコイイ!長瀬くんはやっぱりミュージシャンなんだなぁと思い出しました。対する神木くんがやたらダサいのも良いです。美形からダサい役まで完璧に演じきる振り幅はさすがです(^O^) 地獄の描写は仏教の諸説や六道の考え方に沿っていて、結構リアルでした。地獄に落ちる条件を聞いてたら、既に幾つも罪を犯していて「私、絶対地獄じゃん」と少しこれからの生き方を悔い改めたくなるくらい“生き地獄”でした(>_<) 天国の描写は、拍子抜け加減が絶妙で、荒川良々さんも好きですし、笑ってしまいました(笑)予告編での印象よりだいぶ音楽満載で完全にロックミュージカル映画だったので、クドカンの小ネタは少なめで物足りなかったかな。もっと爆笑したかったです。地獄の描写が明るくも容赦ないので小学生は泣いちゃうかもです。2016年公開。
「二重生活」
門脇麦主演他。理由なき尾行、はじめました。大学院で哲学を学ぶ平凡な学生・珠(門脇麦)。同棲しているゲームデザイナーの恋人、卓也(菅田将暉)との日々は、穏やかなものだった。ところがそんな毎日は、担当教授(リリー・フランキー)から修士論文の題材に“哲学的尾行”の実践を持ちかけられたことで一変する。それは、無作為に選んだ対象を追ういわば“理由なき尾行”。半信半疑ではじめた、隣人、石坂(長谷川博己)への尾行だったが、彼の秘密が明らかになっていくにつれ、珠は異常なほどの胸の高鳴りを感じ、やがてその禁断の行為にのめり込んでいく―。リアルなカメラワークが伝える尾行による高揚感と胸騒ぎ、そして、その果てに浮かび上がるそれぞれの二重生活の向こう側にある孤独に、気づけば日常と内面までも浸食されてゆく―これは、ひとりの女性の心の成長物語。これまでの日本映画にはない、全く新しい心理エンターテイメントの誕生である。
9点!!原作は未読です。とても良かったので、小池真理子さんの本は一冊も読んだ事はないのですが読んでみたくなりました。でも、麦ちゃんと長谷川さんのぶつかり合いが凄く良かったからかも知れません。門脇麦ちゃんは、無防備な色気と不思議さを併せ持った女優さんで、観れば観るほど目が離せなくなります(*^¬^*) 映画は、珠が対象者を追いかける目線と、その珠を追いかける私=観客の目線でストーリーが展開されていくのが、余り経験のない見方で面白かったです。冒頭の起き抜けの菅田くんの色気が凄くて、今まで菅田くんが美形だと言われているのがピンと来なかったのですが、本作で理解りました(^_^;) 同時に、無防備な人間を覗き見るという行為はこんなにも色っぽい事だったのかとドキドキしてしまいました。他者を尾行するという事は、その他者に自分を重ねてみるという事で、珠が予想していなかった石坂のトンデモ人生に、珠と一緒にハラハラドキドキしてしまいました(>_<) 尾行されていると知ってからの石坂の珠に対する敵意もビシビシと凄くて、20代前半の女の子が引き受けるには、卑怯な大人の男過ぎるし大人げないしで、怖かったです(>_<) 珠が石坂の人生にリンクしてしまう余り、自分の人生の大切なものを失ってしまうのも、既に私も珠にリンクしていたので、混乱と悲しみでグチャグチャになってしまいました。何かを失わないと何かは手に入らないというけれど、人生って酷だなぁと思いました。珠が二人目の対象者に篠原教授を選んだのは、成る程!と少し笑ってしまいました。幾ら尾行して観察しても見えないものもあるという結末には溜め息でした。人間って深くて面白い、人生って幸福の数倍、キツさがあるのかなぁと黄昏れたくなってしまう作品でした。2016年公開。
「森山中教習所」
野村周平、賀来賢人主演他。夏休み。ノーテンキな大学生・清高(野村周平)と、ネクラなヤクザの組員・轟木(賀来賢人)は高校の同級生。ある日とんでもない再会をし、同じ教習所に通うこととなる。清高は教官・サキ(麻生久美子)に恋心を抱き始め、美しくて甘酸っぱい夏休みが平穏に過ぎていくと思っていたが・・・!?少年のようにフリーダムな清高と、高校を中退しヤクザの道へ足を踏み入れた蠢木。たった一度の短い夏休みがふたりの人生を変えるのか!?変えないのか!?ノーテンキな大学生とネクラなヤクザが起こす化学反応!ちょっと“アブナイ”青春映画が誕生。
6点!!豊島監督の前作「ヒーローマニア -生活-」がハマらなかったので心配してましたが、本作はなかなか面白かったです。野村くんの清高は彼の素に近い感じで、賀来くんも、二人とも等身大な演技で観ていて気持ち良かったです(^^) お互い抱えているものがあって、それでも教習所では同級生であり、一緒に免許取得を頑張る仲間で、ひと夏を共に過ごすというよくある話なのですけど、そのひと夏が忘れられない宝物になるという感覚がとても伝わってくる作品でした。清高のバックボーンはかなり描いていたのに、轟木が何故こういう人生を選択することになったのかは余り触れられないので、そこをもう少し突っ込んで欲しかったです。「仕事辞めたいなぁ。」と何度も清高に呟いていた轟木は、今どういう気持ちでどう過ごしているのかな?と、二人が目線を合わせてすれ違うラストシーンに、夏の終わりのような切なさいっぱいの気持ちになってしまいました(>_<) あの寂しげな笑顔を見せていた轟木が上手く生きられていたらいいなと完全に轟木寄りで観てしまう私でした。2016年公開。
「シング・ストリート 未来へのうた」
フェルディア・ウォルシュ・ピーロ主演他。アカデミー賞歌曲賞を受賞した「ONCE ダブリンの街角で」と、観客の圧倒的な口コミで大ヒットした「はじまりのうた」で、世界中の数多くの人々に「私の特別な監督」と愛されているジョン・カーニー。待望の最新作にして監督の半自伝的作品が、遂に登場。舞台は再びダブリン。両親の離婚、いじめで人生どん底の少年が、バンドを組み、ストリートや海辺でPVのゲリラ撮影を重ねるうちに、切ない恋と胸を打つ友情が加速していく―。迷える若者の救世主だった、デュラン・デュラン、A-ha、ザ・クラッシュ、ザ・ジャム・・・80年代ブリティッシュ・サウンドにのせて、誰にでも覚えのある、音楽が人と人の心をつなぎ、共に運命を切り開く力をくれる瞬間を鮮やかに切り取る、青春音楽映画の傑作が誕生!
6点!!期待値は高かったのですが「はじまりのうた」は上回らなかったです。「はじまりのうた」はキーラ・ナイトレイやアダム・レヴィーンといった既にオーラのある俳優&歌手たちが出ていたのとナイトレイの歌声という意外性が良かったのですが、本作の主人公のコナーくんはまだティーンエイジャーにも満たない感じで(>_<) 上品で綺麗な顔立ちの子ですが、ほっぺた赤いし周りの子も皆幼くて、ハリー・ポッターな世界観で魔法とか使い出しそうでした(爆)私は「スタンド・バイ・ミー」くらいの子の成長ものがそんなに得意ではないのです(そのくらいの子がそのまま大きくなった感じの雰囲気でした) 歌声を聴いた時はギャップもあって「お!」となりましたが、「ハイスクール・ミュージカル」を幼くしてよりロックにした感じですかね。「はじまりのうた」の時に感じた唯一無二感が無かったです。コナーくんは監督の若い頃を投影してるのかな?コナー役のフェルディア・ウォルシュ・ピーロくんはあのまま歌い演じ続けていたらかなり良い俳優さんになりそうです。コナー家のお兄ちゃんとお姉ちゃんも美形で良かったです。兄弟の絆が強いと何でも乗り越えられる気がしますよね。ヒロインのラフィナも大人びて見えるけど精一杯背伸びしている美少女というのが良かったです。ラストの展開とか青春の極み!という感じで、全てのピースが揃ってラスト1ピースで終わるのは完璧でした。学祭感が抜けてアマプロ目指す展開の方が好きなので好みだと思いますが、観客はスタンディングオベーションしそうな勢いで拍手喝采でした。2016年公開。
「アリス・イン・ワンダーランド ~時間の旅~」
ミア・ワシコウスカ主演他。ようこそ、ワンダーランドの“はじまり”の物語へ。悲しい過去に心を奪われ、帰らぬ家族を待ち続けるマッドハッター(ジョニー・デップ)を救うため、時間をさかのぼるアリスの冒険を描くファンタジー・アドベンチャーが幕を開ける。アリスを待ち受けるのは、ワンダーランドに秘められた真実と、時間の番人<タイム>(サシャ・バロン・コーエン)との戦い―はたしてアリスは、運命に逆らい、大切な友だちのために過去を変えることができるのか??そして、ワンダーランドの運命は・・・?あのワンダーランドの仲間たしの禁断の<秘密>がついに明かされる。ティム・バートン×ジョニー・デップが贈る空前の大ヒットシリーズ第2弾!
9点!!前作は既存のストーリーにティム・バートンが手を加えて描いただけだったので、美しかったけれどストーリー展開が余りなくて寝てしまいました。けれど本作は「~Looking Glass」とついてはいるれど、ティム・バートンのオリジナルストーリーで、ハッターの家族を探す物語、白と赤の女王姉妹の確執の原因と雪解け、タイムが操る“時の世界”、そしてアリスの更なる成長物語と、てんこ盛りで時間に追われるというスピーディーなストーリー展開だったので、お腹いっぱい大満足でした(*^¬^*) ティム・バートンは苦手な監督なのですが、これは久々に宝物の様な映画になりました☆アリスの頑固さと負けん気の強さがパワーアップしていて、男顔負けの船乗りになっているという設定が良い意味で原作とかけ離れていて、素晴らしいです(*^▽^*) タイムトラベルをして出会った幼いトウィードルの双子や女王姉妹も可愛らしかったです。タイムは良い人なのに災難で可哀想でした(^_^;) 前作から殆どのキャストが続投していて、懐かしさで嬉しくなると同時に、ジョニー・デップ のハッター、白と赤の女王のアンとヘレナ・ボナム=カーターは老けたなと思いました(^_^;) ワンダーランドでも歳を取るのかな?アリスは大人になってしまったので、きっともうワンダーランドに来られる事はなく、それを知ってか知らずか、アリスとハッターたちの別れは切なかったです(;_;)エンドロールに出たアラン・リックマンへの弔辞も「もう新たな映画の中で彼に会えないんだ。」と思って、好きな俳優さんだったので鼻の奥がツンとなりました。アリスが旅を通して、様々な現実世界での問題や自分の心の中の問題を乗り越える力や考えを身に着けるという原作に通じる深いメッセージをきちんと表現出来ているので、観る年代によって感じ方が違いますし、大人から子どもまで心に響く物語に仕上がっています。ワクワク冒険アドベンチャーと切なさが詰まった夏休みにピッタリな作品です♪2016年公開。
「ファインディング・ドリー」
あなたの忘れられない<思い出>は何ですか?それは、何年たっても、どんなことがあっても、決して色あせることのない、かけがえのない宝物。カクレクマノミのニモのいちばんの親友で、何でもすぐに忘れてしまうドリーが、たったひとつ忘れられなかったもの?それは、小さな頃の<家族の思い出>でした。どうして、その思い出だけ忘れなかったのだろう?そして、ドリーの家族はいったいどこに・・・?謎に包まれた秘密を解く鍵は、海の生き物にとって、禁断の場所=<人間の世界>に隠されていました・・・。「ファインディング・ニモ」の1年後の世界を舞台に、ニモとマーリン、そしてカメのクラッシュや、個性豊かな新しい仲間たちも加わり、ドリーの家族を探す感動の冒険が始まります。この夏―宝石のような美しい世界に包まれた、<忘れられない旅>に出かけてみませんか?
9点!!日本語吹替鑑賞です。ディズニー・ピクサーの冒険ものは、本当に気持ちを上げたり下げたりが上手です。「ファインディング~」シリーズは海中が舞台だから、そこまでトンデモない展開にはならないだろうと多少斜めに観てしまったのですが、次から次へ驚くべきアイディアが出てくる出てくる!(*゜Q゜*) でも、クライマックスのハンクの件りは少し突飛過ぎるかな(^_^;) ピクサーのリアリティーある映像とストーリーではなく「アニメ」な展開になってしまっていて、少し残念でした(>_<) ドリーが自身の健忘症というコンプレックスを克服する旅でもあったので、記憶を失くす怖さがかなりリアルに描かれていて、私自身が記憶と体を明け渡していた時期を思い出してフラッシュバックしてしまいました(>_<) 記憶を失くすって、自分の根底のアイデンティティーがぐらつく事ですし、自分だけじゃなく、ドリーが周囲にしてしまうように周りまで傷付けてしまう事なので、本当に怖いし苦しいんです・・・(;_;)お子さんは自身が迷子になった時の「もう家に帰れないのでは?」という気持ちを思い出して怖くなったのではないかな?(>_<) ドリーだけでなく、他のキャラクターたちの過去やコンプレックスを乗り越える物語になっていたのは、とても良かったと思います。久しぶりに大画面で観るニモが可愛くて!テレビサイズではわからない赤ちゃんのプクプクな魚体(*´∇`*) ドリーが赤ちゃんの頃も可愛かったです。あんな可愛かったのにどうして室井さんの声に!?(笑) ピクサーの映像は海中の水泡や砂の粒など素晴らしかったです。わかってるはずなのに毎回感嘆させられてしまいます(*^▽^*) 短編上映の「ひな鳥の冒険」から映像美にウットリでした(*´-`)♪欲を言えば、やはりドリーがかなり魅力的なキャラクターなので彼女以上の魅力がある新たなキャラクターが出てこなかったのが、残念だったかな。でも、夏休み映画のトップバッターとしては最高な滑り出しになる作品でした☆ 2016年公開。
「ターザン REBORN」
アレクサンダー・スカルスガルド主演他。新しいターザンは、英国貴族。すべてを手に入れた男が再び、ジャングルへ―美しい妻と裕福な暮らしを送る英国貴族。彼はかつてジャングルに君臨した男、ターザン(アレクサンダー・スカルスガルド)。ある日、外交のためジャングルへ赴くことになる。しかし、それは彼に仕掛けられた罠で妻のジェーン(マーゴット・ロビー)はさらわれてしまう―。愛する妻を救うため彼が下した決断は、すべてを捨て、ターザンとしてジャングルに戻ること―。眠れる野生を呼び覚まし、彼は愛する妻を取り戻すことができるのか?「ハリー・ポッター」のディヴィッド・イェーツ監督が贈るこの夏、大本命のスタイリッシュ・アクション大作!!
7点!!ターザンの台詞が10くらいしかなく、どこか切なく哀しげな瞳と強靭な肉体で感情を語るのが、とてもセクシーで終始ウットリして観ていました(*´-`) 英国紳士のスーツの下に隠しきれないワイルドさを秘めているのもターザン姿も、どちらも選べないくらいセクシーです(*>▽<*) 次の「007」は彼に演じて欲しいなぁ。お話はピーターパン並みに単純で時間も短い中でテンポ良く様々な要素を詰め込んでいてとても良かったです。でも息を飲むような美しいジャングルの映像や手に汗握るハラハラドキドキとかはなくて、冒険ものにはそれがないと物足りない感がやっぱりあります( ´△`) あと女子的には、もう少しターザンとジェーンのロマンティックなシーンが欲しかったかも。それくらい美男美女でセクシーでした(しつこい(笑))動物たちの総攻撃のシーンは動物たちの特徴を生かしていて迫力満点でした。それぞれの部族が簡単に武力に屈して、ターザンが現れて立場が逆転したように「ワー!」ってなるのはどうなんでしょう?もっと自分達で頑張ろうってならないのかな?先住民への侵略って本当にあんな感じで簡単に屈しちゃうのかな?と首を傾げました。何も考えずに観てスカッと楽しめる作品です。2016年公開。
「ペット」
「ミニオンズ」のユニバーサルスタジオ最新作は誰も一度は考えたことがあるペットの秘密を描いた映画「ペット」。 犬のマックスは大好きな飼い主のケイティに愛され何不自由ない生活を送っていました。ところがある日、ケイティが大型犬デュークを保健所から連れて帰ってきてしまったのです!その日からマックスの生活は一変!互いのテリトリー争いやデュークに振り回されっぱなしの毎日の中、ある日二匹はトラブルに巻き込まれ街の中で迷子になってしまいます。果たしてマックスとデュークは無事に我が家に帰ることが出来るのでしょうか?ペットたちの笑いと感動と絆のアドベンチャー映画です。さらに「ミニオンズ」の新作短編アニメーションの同時上映。
3点!!2D吹替版鑑賞です。マックスと仲間たちが跳んだり吠えたり芸をしている時に考えてる事がリアルで、本当にペットたちはこう思って行動してるのだろうなとクスリと笑ってしまうシーンが多かったです(^_^) ケイティが留守の時に家の中に大量の動物とか、私だったら知ったら絶対に耐えられないですけど(^_^;) 映像も躍動感溢れるものが多くて、3Dで観るとアトラクションみたいで楽しそうです。ストーリー全体としては予定調和以上の事は起きず、捨て犬の問題提起などもなく、順調に仲良くなっていくマックスとデュークを観ながら眠くなっていました(∋_∈) ギジェット以外の動物たちも特色を生かして活躍させれば少しは良くなったかも知れません。あと、某アニメーション映画でも書きましたが、動物が事故とかでなく車をフルで運転するなど、絶対に有り得ないシーンを見せられると一気に冷めてしまいます。成る程!という説得力が欲しいです。おそらく皆さんの期待値の高い作品だと思いますが、ミニオンズ以上はないと思って行かれた方が良いかと思います。2016年公開。
「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」
サラ・ガドン主演他。6年間続いた戦争が正式に終わる国を挙げてのお祝いの夜。エリザベス王女(サラ・ガドン)と妹のマーガレット(ベル・パウリー)は生まれて初めてお忍びでバッキンガム宮殿をあとにする。付き添いが目を離した隙に、シャンパンに勢いづいてバスに飛び乗ったマーガレットを追いかけて街にでたエリザベス。そして人生を変える一夜が幕を開ける―。ティアラを置いた。世界が輝いた。1945年5月8日、ヨーロッパ終戦記念日。歓喜に沸くロンドンの街へ飛び出した19歳の王女エリザベス。「ローマの休日」誕生秘話とも言われる史実に基づく感動の一夜。
9点!!心がぽかぽかと、とても温かい気持ちで満たされていくお話でした(*^¬^*) エリザベスを演じたサラ・ガドンは「世界で最も美しい顔ベスト100人」にも4年連続でランクインしている女優さんですが、予告を観た時はそんなに綺麗なイメージはありませんでした。しかし、本編では、長女、姉、王女としての顔をクルクルと変化させ表情豊かに演じていて、笑顔はパッと華が咲いたようで、とても魅力的でした。当時のエリザベスが本当にこんな女性で、妹のマーガレットは対照的に純真無垢で自由奔放で、こんな姉妹なら国民だけでなく、誰でも皆好きになっちゃうと思いました♪自分の立場を窮屈に感じてはいるけれど、自らの使命を全うする覚悟はきちんと持っているところが素敵です。イギリス王室が、パパラッチにくだけた場面などを撮られても温かい目で見守られているのは、こういう所が所以なのかなと思いながら観ていました。エリザベスの目から見たイギリス国民の描写がとても丁寧に描かれていて、戦勝国の国民の活気や安堵など色んな感情が彼女の中に流れ込んでくるのを、一緒に体感しているような気持ちにさせられました。ジャック(ジャック・レイナー)のアウトローな雰囲気も魅力的で、二人の恋愛というより、人と人とが心を通わせていく様が、淡く温かな幸せな出会いをお裾分けして貰えたような感じです(*´∇`*) 心配性なママ(エミリー・ワトソン)と吃音症で頑張って演説に臨む王様なのに娘の前に現れた男に動じてしまうパパ(ルパート・エヴェレット)もキュートでした。リキュール強めのあま~いチョコレートのような掘り出し物な作品です。2016年公開。
「ルドルフとイッパイアッテナ」
声:井上真央、鈴木亮平他。大好きなリエちゃんから愛情をたっぷり受けて岐阜県で暮らしていた黒猫のルドルフ(声:井上真央)。ある日、ひょんなことから長距離トラックの荷台に迷い込んでしまい、気づいたら大都会・東京に。そこで出会ったのは、なんと人間の文字を理解するボス猫・イッパイアッテナ(声:鈴木亮平)。自分が住んでた場所がわからないルドルフは、イッパイアッテナから故郷にはもう帰れないと告げられる。そして、イッパイアッテナと一緒にノラ猫ライフを始めるのだった・・・。私たちのすぐ隣にあるけれど、見たことのない<ノラ猫の世界>。どんな時も前向きに生きようとする猫たちの、人間以上に人間味あふれる、出会いと別れの物語。児童文学の不朽の名作、ついに映画化。この夏、ノラ猫たちが日本中に熱い感動を届けます。
6点!!ルドルフの声を演じた井上真央が井上真央そのままだったので、最初は気になってしまいましたが、鈴木亮平や他の声優さんたちが上手でしたので、途中からはお話に集中することが出来ました。ハリウッドのアニメーション映画みたいに派手なアクションシーンや奇想天外なストーリーなどはありませんが、猫の目線や登場人物たちの気持ちに寄り添った丁寧な感情描写に思わず泣かされそうになりました。子ども向けだと思い観に行ったらヤバかったです(;_;) 最初は頼りなかった小さな黒猫のルドルフがどんどん成長し学んでいく姿は、人間の子どもの成長にとてもよく似ていて、お子さんたちはこの作品を観て、学ぶものが多くあるでしょうし、親御さんは、我が子にもこんな風に色々な経験に揉まれながらも真っ直ぐに強く優しい子どもに育って欲しいなぁと胸が熱くなる作品に仕上がっています。流石「ポケモン」の監督×妖怪ウォッチの脚本家!(笑)綺麗ごとだけではない世界を必死に生きる主人公たちに明日への活力を貰える夏休みにピッタリな作品です(*^▽^*) 2016年公開。
「裸足の季節」
ギュネシ・シェンソイ主演他。夢見る季節は終わりがくるから未来へと走り出す。5人姉妹の末っ子ラーレ(ギュネシ・シェンソイ)は13歳。10年前に両親を亡くし、いまは祖母の家で暮らしている。毎日を謳歌していた美しい姉妹たちは、ある日、古い慣習と封建的な思想のもと一切の外出を禁じられる。カゴの鳥となった彼女たちは、一人また一人と見知らぬ相手と結婚させられていく。そんななか、自由を取り戻すためラーレは秘かにある計画をたてる・・・。世界が祝福した新しい才能、デニズ・ガムゼ・エルギュヴァン初監督作。私の未来は私がつかむ!自由を奪われた美しき5人姉妹の甘くほろ苦い反逆の物語。
9点!!山も海も空もあんなにも広く美しい場所で生命力と美しさを溢れさせている少女たちを閉じ込めるなんて・・・虐待じゃん!o(>_<)o お祖母ちゃんは悪い人ではなく、彼女も含めて周囲の大人たちの何人かはやり過ぎだと思っているはずだけれど、慣習だからとかその道を進むのが女性の幸せだからとか心に言い訳ををして諦めてしまっています。ラーレたちも反抗してはいるものの、皆そうしてきたのだから逃げることは出来ないとどこかで諦めてしまっています。まだ13歳という幼い子どもにあんなにも強制的に‘女であること’を押しつけるなんて酷過ぎます。イスタンブールまで逃げたからといって、彼女たちが本当の意味で駆け込める場所はあるのかな?ラーレたちが来なくなっても学校も何も言わないということはそういう教育が行き届いていないということですよね(>_<) パソコンも携帯も手元にはあるけれど、自分たちが置かれている状況を調べる術は持っていないラーレたち。開かれた教育の大切さを痛感させられる作品でした。全体的に重たいテーマですが、五人姉妹は美しく確かに青春を生きていて、声を出して笑ってしまう場面もあって(エミネ叔母さん凄い(笑))、メリハリと緊張感が素晴らしくラストまで釘付けでした。あの五人姉妹は現実に存在するんだって思えるくらいキラキラとスクリーンの中で生きていました。エンドロールに切り替わったらジワジワ痛みが浸透してきて、胸が詰まって苦しいのだけれど泣けない状態がずっと続く後引く作品でした。ラーレたちはどうなるのかな?トルコの教育や女性保護の制度などを学びたくなりました。2016年公開。
「シン・ゴジラ」
長谷川博己主演。竹野内豊、石原さとみ共演他。物語の舞台は現代日本。東京湾アクアトンネルで原因不明の事故が発生。総理官邸に官僚たちが緊急招集される中、突如として巨大生物が出現。首都に上陸し、次々と街を破壊し始めます。巨大生物は神の化身を意味する「呉爾羅(ゴジラ)」と名付けられますが、正体は不明のまま。人々はパニックに陥り逃げ惑い、東京はあっという間に廃墟と化してしまいます。内閣官房副長官の矢口蘭堂を始めとした政府関係者たちは自衛隊での総攻撃を開始します。果たして矢口たちは日本を救うことができるのか!?庵野秀明督は「ゴジラ」シリーズ初のフルCGを採用。シリーズ史上最大となる118.5mの巨大で禍々しいゴジラはまさに破壊神そのもの。 庵野監督が命名した「シン・ゴジラ」のタイトルの意味は、「新」しいゴジラであり、「真」のゴジラであり、「神」のようなゴジラであり、深い意味と想いが込められています。日本を代表する映画作品として世界からも熱狂的に支持され続けている「ゴジラ」シリーズの12年ぶりの新作です。
8点!!完全にネタバレモードでいきます(汗)私はゴジラのリアルタイム世代ではないので、今作が初リアルとなります。顔アップのシーンが近過ぎるのとカメラブレが激し過ぎるので、ドッと疲れました(´Д`) オジサマ方のアップそんなに見せられてもってゆう(>_<;) そこから撮る!?みたいなアングルも多くて、合わないのかかなり酔いました(>_<) ハリウッドの「GODZILLA」はゴジラの破壊メインでしたが、日本のゴジラは、ゴジラに対して人間たちがどうするかをメインに描いているので、もし本当にこうなったらという恐怖感がリアルで良いです。しかし、子どもから大人まで一緒に楽しめるゴジラではなかったです。8割政治用語でおそらく子どもはポカーンです(*゜Q゜*) でも、お祭り感も満載で有名俳優だけでなく映画監督までワラワラ出てきたり、ゴジラの動きに日本伝統芸能の野村萬斎さんの動きを取り入れていたり(モーション・キャプチャーをされています)、そこ!?と何度も笑いそうになってしまいました。今、乗りに乗っている高橋一生さんが自由過ぎ爪跡残し過ぎで吹き出しそうでした(笑)大好きな大杉漣さんと津田寛治さんもたくさん出ていて嬉しかったです(*^▽^*) オマージュ的なシーンも多くてニヤついてしまいました。最初の形態のゴジラの目が昔の怖いお人形みたいでゾッとしました。あれ?予告のと違くない?と後退りしたのですが、変態してくれて良かったです(>_<) ゴジラ自体が破壊兵器みたいになっていて、ウルトラマーン!と叫びそうになりました。そのゴジラが倒されていく様は悲哀に満ちていて、日本のゴジラの良さは、ゴジラが日本の悲しみの象徴みたいな面も担っている事だと思いました。いきなりの電車での突撃は、幼い頃、男児が戦いごっこで電車と恐竜をドーンとやっているアレと全く同じで大人になっても変わらない男性の夢が詰まっているのだなぁと温かな目で観ていました(爆)何で皆爆笑しないで静かに観てるの?とかこれは手叩いてヒューとか言いながら観る作品じゃないの?と、一人でウズウズしながら観てたのでちょっと辛かったです(^_^;) 2016年公開。
「秘密 THE TOP SECRET」
生田斗真、岡田将生主演他。特殊脳内捜査チーム【第九】、迷宮入り事件の謎を解く!記憶に潜入せよ。被害者の【脳に残った記憶】を映像化し、迷宮入りした事件を捜査する警視庁の特別機関「第九」。室長を務める天才・薪剛(生田斗真)のもとに、新人捜査官の青木一行(岡田将生)が配属された。全ては「犯人の脳を見て、行方不明の少女を探す単純捜査」から始まった。脳内捜査を進めると、事件を根底から覆す【驚愕の真犯人】が現れる。さらに、事件は次々と連鎖し、決して触れてはならないとされる「第九」の闇、【貝沼事件】へとつながっていく。そこには、今は亡き薪の親友、元「第九」メンバー・鈴木(松坂桃李)が自分の命と引き換えにしてまで守ろうとした、絶対に知られてはならない【第九最大の秘密】が隠されていた・・・。「るろうに剣心」シリーズ大友啓史監督最新作!衝撃のミステリー・エンタテイメント超大作!
7点!!ヤバイ!これは観ちゃいけないやつだ(@ ̄□ ̄@;)!!原作は試し読みを読んで怖くて途中で閉じてしまいました。その直感を信じれば良かった・・・orz 正直、怖くて何度も目瞑っちゃって見逃したシーンがありましたし、何度も諦めて外に出ようと思いました(>_<) でも、PGですけどRはかかってないですし、前の席にいた小学生はケロッとしてましたし、ホラーが駄目な人が駄目なんだと思います。逆にいえば、ホラーが好きな方にはとても良く出来た近未来現実ホラー映画です(T_T) 脳解析のシーンがとにかく凄くて(原作を上回る描写!)気持ち悪いし、人道的に絶対アウトだろって腰が引けちゃいながら観てました。何でもありの警察vs.サイコパスの泥沼合戦なので、何人死ぬのか?どちらが勝つのか?という意味で見応えがありました。でも、絹子の状態や絹子と貝沼との繋がりが曖昧なままだったり、大元の主因の鈴木の死の意味が説得力に欠けてる気がして、描写の凄さと一緒にその辺りの説得力も、大友監督に精度をあげて欲しかったです。俳優さんの演技はビシビシ刺さる程に素晴らしく、特に生田さん、岡田さん、大森さんの演技合戦に拍手です!(*>¬<*) 絹子を演じた織田梨沙さんも上手いかわかるほどのシーンはなかったのでわかりませんが、彼らと対峙するだけの存在感を持った女優さんでどういう子なのだろう?と興味が湧きました。2時間40分もある上映時間をずっと張り詰めた緊張感を保っていたのは彼らの演技のおかげだと思いました。でも、2時間40分はちょっと長過ぎます。映画なのでそこは上手くまとめて欲しかったです。あんな結末なら余計にです(>_<) 吉川さんが昔からどうしても上手いと思えなくて、彼の猟奇さを例えば、唐沢寿明さんなんかが演じていたら、私は確実にギブアップして外に出ていたことでしょう。災い転じて福となる?かな?(^_^;) 脳を視るという将来的にありそうな設定勝ちで、人道的に無理かな?とか凶悪犯以外はドナーカードみたいなものを作って、脳を見せてもいいか駄目かを書いたものを持ち歩くようになるのかな?とか色々と想像が膨らみました。あと大友監督って蛍光ブルー好きですよね。その他のシーンも色んな陰影の青が多かったですし、今後はブルーで「大友さんの作品が始まったな。」というトレードカラーになりそうだなと思いながら観てました(^_^) 2016年公開。
「ジャングル・ブック」
ニール・セディ主演他。今、あふれ出す―生きる力。ジャングルにひとり取り残された人間の赤ん坊、モーグリ(ニール・セディ)。死を待つだけの幼き命を救ったのは、黒ヒョウのバギーラだった。彼がモーグリを母オオカミのラクシャに託した時、モーグリはジャングルの子となった。バギーラから自然の厳しさと生き抜くための知恵を教わり、ラクシャから惜しみない愛を注がれ、モーグリは幸せだった。人間への復讐心に燃える恐ろしいトラのシア・カーンが現れるまでは・・・。「人間は、ジャングルの敵だ・・・!」果たしてシア・カーンの言うように、人間であるモーグリはジャングルの“脅威”なのか?それとも、ジャングルに光をもたらす“希望”なのか?そして、モーグリを守ろうとするジャングルの仲間たちの運命は・・・?いまを生きるすべての人々に捧げる奇跡のエンターテイメント、誕生!<p<></p<>
10点!!2D・字幕版鑑賞です。ニール・セディくんや声優さんたちに惹かれたので字幕鑑賞しましたが、日本語吹き替え担当の俳優さんたちもとても魅力的な方々なので、日本語でも観たいと思いました。「ジャングル・ブック」はディズニー・ワールドの中では地味な方だと思いますが、映画はジャングルの雄大さ、人間を寄せ付けない厳しさとディズニー作品のユニークさが見事に融合していて、笑ったりハラハラしたり泣きそうになったり、喜怒哀楽の全てが刺激される逸作に仕上がっていました(*^▽^*)! 動物たちがとにかく超可愛くて!オオカミの子どもとかバルーとか身悶えしそうでしたo(*>▽<*)o 肉食動物のラクシャたちやバギーラさえも愛おしく感じられるように表情豊かに描かれていて、さすがディズニーだと思いました♪ラクシャ、バギーラ、バルー、ルーイ、シア・カーンと、モーグリと対峙するメインの動物ごとにテーマ性を持たせて描かれていたのも、まるでディズニーランドでショーを観ているかのようで楽しかったです(*^¬^*) そして、なんといってもモーグリを演じたニール・セディくんの存在感!誰もが虜になる愛され顔の中に利かん気の強さも感じさせる表情で、飛び回る飛び回る!撮影技術の凄さは勿論ですが、オールCGの中、一人で演じきった彼の演技に拍手喝采です!(*^O^*) バギーラはモーグリの守護者だと思っていたのですが、思ったよりとっても心配性な保護者で素敵でした。自分より強くて殺られてしまうかも知れない相手に、大切な者を守るため立ち向かっていくバギーラやバルーの姿には、胸が熱くなり涙が溢れそうでした。シア・カーンの痛みさえも愛おしく感じられたので、彼の孤独や考えも知りたかったです。ユニークで愛おしい動物たちと毎日刺激的にジャングルで暮らすって楽しそう!と温かくハッピーな気持ちで満たされる作品です♪エンドロールもとても素敵なので、最後まで席は立たずに観ることをオススメします。2016年公開。
「君の名は。」
声:神木隆之介、上白石萌音主演他。都心に住む男子高校生の瀧(声:神木隆之介)、そして田舎町に暮らし東京に憧れる女子高校生・三葉(声:上白石萌音)。出会うはずのない二人がある日お互いの存在を知ります。なんと夢の中で入れ替わっていた二人。夢を繰り返す内、二人の中に芽生える特別な感覚。「確かなことが一つだけある。私たちは会えば絶対すぐにわかる!」それは奇跡の序章に過ぎませんでした。出会うことのない二人が出会い、今動き出した巨大な歯車。この夏、少年と少女が経験する恋と奇跡の物語に日本中が恋をする。アニメーション映画の新時代、到来。宮崎駿、細田守に続くと言われ、世界的に注目されているアニメーション監督・新海誠最新作。
6点!!初・新海誠作品です。確かに今の日本でアニメーション監督トップ3を挙げたら彼が入ってくるかも知れないと納得の出来でした。ジブリの「となりのトトロ」「耳をすませば」みたいな世界観と細田守の「サマーウォーズ」「時をかける少女」で魅せたダイナミックさの中に、それらを全て包み込むような新海監督の持ち味の繊細な光反射の美しさと深くて濃い空や緑の色づかいがあり、上品な和菓子を頂いているようで、良い体験をしたなぁとため息をつきました。「バスタ新宿」とかスマホとか現代の最先端ツールと笑いをテンポ良く織り込んでいるのに、登場人物のリアルな感情にギリギリまで寄り添う繊細さが、不思議なアンバランスさを保っていて、これが新海監督の強みなのだなと理解りました。音楽の使い方も潔いくらいバンバン頼っていて、美しい映像と相まって、音楽のショートムービーPVのロングver.を観ている様でした。彼の世界観に上白石萌音を使ったのは大正解です。彼女の柔らかで温かい声の魅力にアニメーション界も気付いちゃったか~と嬉しくなりました(笑)妹役の谷花音ちゃんがすんなり声優レベルに上手くて、可愛いし、本当にこの子の夢が女優じゃないのが勿体ないと改めて思ってしまいました(^_^;) こういうタイムトラベルものも初めてで、予想外にパラレルな展開にそうきたかー!と引き込まれましたし、瀧と三葉の距離に、もうラストまで会えないままなのかと涙こそ出なかったものの、気付いたら切なさで胸がいっぱいになっていました(周囲の観客からは、すすり泣く音が響いていた。)“何かを探して続けている気がする。自分の居場所がここではない気がする。”という感覚は、大人になるにつれ誰もが一度は経験する感情ですが、観客として彼らを観て、彼らが永遠にその何かを再び掴むことが出来ないと知ってしまうなんて切な過ぎるじゃないか(T_T)と思っていたので、ラストに救われました。新海監督は今、所謂、普通の日本のテレビアニメーションと映画としてのアニメーションのちょうど間くらいの立ち位置にいる気がしたので、日本のアニメーションの良さを消さずに映画の完成度を高めていってもらいたいです。まだ人物描写の線の細さや横顔の不安定さなど、これから良くなる部分がたくさんあるので、これからが楽しみな監督ですね(*^¬^*) 2016年公開。
「後妻業の女」
大竹しのぶ主演他。「竹内小夜子、63歳、好きなことは読書と夜空を見上げること・・・わたし、尽くすタイプやと思います」結婚相談所主催のパーティーで可愛らしく自己紹介する小夜子(大竹しのぶ)の魅力に男たちはイチコロである。耕造(津川雅彦)もその一人。二人は惹かれ合い、結婚。幸せな夫婦生活を送っていた、はずだった―。2年後耕造は亡くなり、葬式の場で耕造の娘・朋美(尾野真知子)と尚子(長谷川京子)は、小夜子から遺言公正証書を突き付けられ、小夜子が全財産を相続する事実を言い渡される。納得のいかない朋美が調査をすると、衝撃の事実が発覚。小夜子は、後妻に入り財産を狙う“後妻業の女”だったのだ!そして、その背後には結婚相談所・所長の柏木(豊川悦司)がいた。次から次へと“後妻業”を繰り返してきた小夜子と柏木、二人を追及する朋美と裏社会の探偵・本多(永瀬正敏)、小夜子の次のターゲットでありながら彼女が本気で愛してしまった不動産王・舟山(笑福亭鶴瓶)、そして彼らを取り巻くひと癖もふた癖もある人々・・・。今、愛とお金をめぐるドラマが始まる―!!!
10点!!昨今、後妻業という生業を知り、やるかやらないかは別として「私もやりたいわ。」という女性は、男性が思っているより遥かに多くいると思います。そして、騙されてるのがわかっていても、最後に一花咲かせたい男性もまた多いです。大竹しのぶの男性ごとにキャラ変えして、しなったり、時にはツイストで相手を射止めたりする変幻自在ぶりはさすがです。タイトルコールが出る時の大竹さんの顔!爆笑です(*^▽^*) 掴みは最高で、ラストまで様々な人間の金欲と色欲と人生最後の足掻きが手を変え品を変え描かれていて、やっぱり人間って面白いなぁと飽きなかったです。ただ後妻業で男を騙していくだけの話ではなく、柏木とのパワーバランスや、竿師とか小夜子の息子や探偵など、最後に笑うのは誰か!?と状況が一変するたびに登場人物と一緒に驚いたり笑ったりしていたらあっという間に終わってしまい、隙のないストーリー、役者陣でした(*^¬^*) 小夜子の男性感がどこからああなってしまったのか?ということや、小夜子の相棒の瀬川英子(余貴美子)との関係性をもっと掘り下げて描けば物語の深みが増したと思います。人間の弱い部分と法律の隙をついた悪行なので悪いことは悪いのですが、親は最後まで大事にしなければいけないとか、今ある幸せを見渡してきちんと見つける大切さなどに気付くことが出来る作品です。それにしても、長回しの大竹さんと尾野さんのバトルシーンとか風間くんへの容赦ない蹴りとかベテラン&実力派俳優陣が集まるとやっぱスゴいな!と久々に完全に安心して笑っていられた素敵な映画時間でした(*^O^*) 2016年公開。
「ゴーストバスターズ」
クリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、レスリー・ジョーンズ主演他。ニューヨーク。コロンビア大学の素粒子物理学博士エリン・ギルバートは世界初の心霊現象の科学的立証のため、日夜研究を重ねていた。しかし、大学側に一方的に研究費を打ち切られたことをきっかけに、その知識と技術力を活かす為“幽霊退治”を行う会社「ゴーストバスターズ」を起業するが・・・。世界中を席捲した大ヒットシリーズが再起動。新生ゴーストバスターズはなんと全員が理系女子!?頼りにならない男を後目に女性たちが幽霊退治に挑みます!あのマーク!あの音楽!プロトンパック(ゴースト捕獲装置)を装着し、この夏、ゴーストたちをバスター開始!
5点!!原版のゴーストバスターズを観たことがなくて、楽しいパニックアクションムービーだと思っていたら、予想外にお化けがリアルで怖くて少しビビってしまったので、お子さんは駄目かも知れません。下ネタもあんなに露骨な言いまくるとは思わなかったので、引きました。クライマックスでN.Y.をお化けたちが支配するシーンはそこらの怪獣や突然変異系パニックムービーよりも大きくて迫力があって良かったです。理系女子たち四人が見た目も動きも地味なので、クリス・ヘムズワースが一人でキャラ勝ちしてました(笑)確かに超キュートな童顔なのに体は大きくてめちゃマッチョだと、普通の役のオーディションにことごとく落ちたというのも納得かも(^_^;) おバカな役だから際立って良かったけれど、シャツがパツパツだし神が与えたもうダヴィデ像みたいなんだもん(爆)幾ら超キュートでもあんなおバカは雇いたくないなぁと思って観てました(私はエリンみたいに観賞用に出来るほど寛容ではないです(^_^;))四人の戦い方も地味で、台詞で武器の仕組みを説明してるけど、理系じゃないので全然わからないですし、もっとわかりやすく確保→敵叫ぶみたいな方が良かったです。ホルツマン役のケイト・マッキノンは髪下ろしてメガネ外したら結構美女だと思うんだけどな。エリンとアビーの友情が主軸にあるストーリーは良かったです。私は原版を観ていないのでわかりませんでしたが、原版のキャストも出演しているそうなので、リアル世代の方は嬉しいと思います。続編があるような終わり方でしたが、とりあえず数十年ぶりにお祭り復活!という感じのスタートダッシュ的作品でした。クリスからマイナスイオンみたいなフェロモンをたくさん貰えるので女性には是非お勧めしたいです(爆)2016年公開。
「青空エール」
土屋太鳳主演他。いつだってきみの声がきこえてた。気づいた時にはもう好きになってた―ブラスバンドの応援に憧れる小野つばさ(土屋太鳳)は、吹奏楽部の名門・白翔高校に入学する。だが、トランペット初心者のつばさは全国大会を目指すレベルの高い練習についていけず、何度も挫折しそうになる。そんなつばさを勇気づけてくれる、クラスメイトで野球部員の山田大介(竹内涼真)。お互い夢に向かって励まし合う二人は、ある「約束」をかわす。いつの間にかつばさには、大介へのほのかな想いが芽生えていた。1年生の夏、野球部は地区予選の決勝まで勝ち進むが、途中出場した大介のミスで敗退。グラウンドで立ち尽くす大介のために、つばさは一人でトランペットを吹いてしまい、謹慎処分となる。心配して訪ねて来た大介への想いを抑えきれずにつばさは大介に告白するが、フラれてしまう。大介は、仲間の夢を潰してしまった自分を許せずにいた。二人は“両片想い”のままそれぞれの夢を追いかけ、そして、高校最後の夏が来る―。つばさと大介の恋の行方は?そして二人の夢のたどりつく先は?きみの隣でたくさんのはじめてを知った。夏の空に響く“両片想い”のピュアラブストーリー。
4点!!なんてピュアでシンプルなラブストーリー。学園もので、二人の間に誰一人邪魔が入らないのは久々です(*゜Q゜*) そして嫌な奴が一人も出てこない!それが青春&野球ものの特徴ですよね、なんてひねた考えを持ってしまうのですが(>_<) 竹内くんが見た目も中身も超硬派で、今時こんなに野球が似合う人いないよってくらい似合ってました。土屋太凰ちゃんとの身長さ萌えも、流石にあれだけ差があると分かる気がします(笑)上野樹里のハンサムウーマンぶりも良かったです。役者は良かったですし、上野樹里と志田未来で映画としての水準を引き上げてはいましたが、ストーリーは昔から繰り返されているのと同じで、捻りのないものでした。他の作品と違う点が一つでもあれば良かったのですが・・・。次世代の若手女優さんたちがたくさん出ていたので、彼女たちの誰が将来残るのか?夢を叶えるって映画のようにはいかないよなぁと、俳優さんたちを観に行ったような感じでした(-_-) 2016年公開。
「ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影」
タートルズの宿敵シュレッダーは、マッドサイエンティストのバクスター・ストックマン博士と、マヌケな子分ビーバップとロックステディの協力で脱獄を果たし、再びNYを恐怖に陥れようとする。タートルズたちはTVレポーターのエイプリル・オニール(ミーガン・フォックス)、そして新たな仲間、ホッケーマスクをかぶったNY市警のケイシー・ジョーンズ(スティーヴン・アメル)らとともに悪事を阻止しようとするが、彼らの前に立ちはだかるのはイノシシとサイのミュータントに変貌したビーバップ&ロックステディだった!さらには異次元からきた新たな敵、悪の帝王クランゲの世界征服の野望も加わって、戦いの舞台はNYからブラジル、そして空中戦へともつれ込む!そんな中、甲羅よりも強い絆で結ばれていたはずのタートルズに分裂の危機が・・・?!最大のピンチを迎えたタートルズは世界を、そして仲間を救えるのか―?世界最強軍団、影から参上!進化した怒涛のハイスピードアクション超大作!!
4点!!3D・日本語吹替版鑑賞です。2D吹替やってるとこ少な過ぎです(>_<) 敵とか設定とか前作から引き継ぎ過ぎだったので、忘れてて全然わからないまま観てました(爆)四人のキャラ設定すら忘れてましたが、それでも大丈夫な感じでした。戦ってるのか騒いでるのかわからないままラストまでワアワア言いながらいっちゃうので、「人間になる問題」やチームの絆などシリアスな面にもう少し比重をかけて欲しかったです。警察官がイケメンだったのでレギュラー入りするなら嬉しいです。てゆうか続くのかしら?子ども向けだし、ピンチがピンチに見えないので、途中眠くなっちゃうんですけど。笑うべきポイントは全部スルーしちゃいましたし(>_<) 3Dは飛び出していて中々良かったですが、爬虫類ばかりが飛び出すので、気持ち悪かったです(2Dで観たかった)音楽もノリノリな筈なのになぁ、ことごとく私とは合わない作品のようです(^_^;) 2016年公開。
「スーサイド・スクワッド」
ウィル・スミス、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー主演他。世界はこいつらに託されてしまった!世界崩壊の危機に、服役中の悪党たちによる特殊部隊“スーサイド・スクワッド”を結成。命令に背いたり、任務に失敗したら、自爆装置が作動する、まさにスーサイド(自殺)な状況の中、愛するジョーカー(ジャレッド・レト)のことしか頭にないハーレイ・クイーン(マーゴット・ロビー)と、正義感も団結力もない寄せ集めの10人の悪党たちは、一体どんな戦いを魅せるのか?普通のヒーロー映画の方程式が全く通用しない、掟破りの“悪党たち”が、この秋、スクリーン狭しと暴れまくる!
10点!!ヘリコプターが飛ぶたびに撃墜されるの繰り返しで死者も出て、もう乗らなきゃいいのにと思いながら観てました。(大抵のヒーローや主人公は学習能力がない。だからこそ映画が成立するのですが・・・(爆))お祭り的な作品ですが、DCのヒーローシリーズより何十倍も各キャラクターが濃くて面白かったです!(*^▽^*) 皆、悲しい過去があり哀愁たっぷりで観ていて超切なくなるのに、バットマンやスーパーマンみたいにウジウジ悩んでないで、ちゃんと自分の悲しみを受け入れてるのが素敵です(*^¬^*) その上で、皆、躊躇なく戦うし殺すのでアクションシーンもド派手で見応えがありました(*^O^*) ストーリーが進むにつれて、皆、悪人だけど世界に認められたいと願っているのがわかると、その不器用過ぎる生き様が切なくて泣けてきちゃいました(;_;)凶悪と邪悪の違いを描いているのも良かったです。しかし、「スーサイド・スクワッド」の条件が十年の減刑って・・・終身刑三回の相手に十年って・・・なんでそれで彼らがやる気が出ると思ったのかサッパリわからないです(^_^;) あのオバサン(アマンダ・ウォーラー)、色んな意味でタフ過ぎです(笑)彼らの恋愛模様もこれからどうなるのかも気になるし、「ジャスティス・リーグ」で総当たり戦とかになったら面白いなぁと思いました。(きっと強大な敵パターンなのでならないと思うけど)こういう作品を観るとピカレスク・ヒーロー&ヒロインは魅力的で伝説になるのがよくわかる!レーベル変えないで続編作ってくれるのを期待します♪ 2016年公開。
「怒り」
渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛出演他。ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には、「怒」の地文字が残されていた。犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた。千葉に現れた男・田代(松山ケンイチ)と交際を始めた愛子(宮崎あおい)。東京に現れた男・直人(綾野剛)と同居を始め、お互いの関係が深くなっていく優馬(妻夫木聡)。沖縄の無人島に現れたバックパッカーの男・田中(森山未來)と知り合う泉(広瀬すず)。ある事件をきっかけに心を閉ざした泉と彼女を救えなかったことに苦悶する同級生の辰也(佐久本宝)。泉たちを親身に支える田中であったが、無人島で暮らす彼の素性を誰も知らない。愛した人は、殺人犯だったのか?それでも、あなたを信じたい―そう願う私に信じたくない結末が突きつけられる。原作・吉田修一×監督・李相日×音楽・坂本龍一と13人の豪華俳優陣が贈る映画史に深く刻まれる衝撃のヒューマンミステリーが誕生!
8点!!原作読んでます。原作は後半に入ってからもまだ犯人を決めずに書いていたと吉田さんがおっしゃっていただけあって、全然犯人がわからず、ページを捲る手が止まらなかったのですが、本作は最初から明らかに犯人が異質で怪しすぎるだろ!というくらいわかりやすく描かれていて、これはあえてなのかな?なので、サスペンスのテンポの良さみたいなのは停滞気味に感じました。宣伝の仕方も・・・。李監督だから期待し過ぎたかな(>_<) 個人的には原作の方がよく出来ていると思いました。3つの場所で3つの人達 起こった、実際には繋がりのない出来事を「怒り」という精神的な感情の繋がりでクライマックスで見事に昇華させているのは素晴らしかったです。その「怒り」とは、自分と相手を信じることが出来なかった「怒り」、やるせなく体の奥から沸き上がり続ける「怒り」、後悔と悲しみの「怒り」です。妻夫木くんは今回はゲイの役ですが、彼の男泣きにはやっぱり泣かされてしまいました。宮崎あおいは彼女の新境地で「警察に電話した。」と泣き叫び続けるシーンは素直に凄いな、と彼女の演技の幅を見せつけられました。渡辺さんのひたすら耐える父の姿も名演でした。ラストの松ケンにも泣かされました。すずちゃんの熱量が凄くて、全身で怒りをもて余し放っているのも素晴らしかったです。彼女は作品選びが上手いですね。必ずステップアップする役柄、作品を選んで自分のモノにしていっている気がします(*^¬^*) 佐久本くんも新人とは思えない演技でした。俳優さんたちがとにかく素晴らしく感情の乗せ方が丁寧でした。今年の日本アカデミー賞は「64 ロクヨン」と本作の俳優陣で埋め尽くされそうですね(^_^;) 個人的に原作の犯人の考えが最後までわからない感じが素晴らしい!と思っていたので、本作はそれには及ばず。俳優陣に頼り過ぎていたのが良くも悪くもでした。2016年公開。
「四月は君の嘘」
広瀬すず、山崎賢人主演他。完全無欠、ヒューマンメトロノームと称された天才ピアニスト・有馬公正(山崎賢人)は、母の死を境にピアノが弾けなくなってしまう。高校2年となった4月のある日、公正は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)と渡亮太(中川大志)に誘われ、ヴァイオリニスト・宮園かをり(広瀬すず)と出会い。勝気で、自由奔放、まるで空に浮かぶ雲のように掴みどころのない性格―そんなかをりの自由で豊かで楽しげな演奏に惹かれていく公正。「友人A君。君を私の伴奏者に任命します。」かをりの強引な誘いをきっかけに公正はピアノと“母との思い出”に再び向き合い始める。しかしそんな中、公正はある時彼女の秘密を知ってしまう・・・。いったい彼女の秘密とは―?一つの嘘が奇跡を起こす、切ないラブストーリー、待望の実写映画化。優しい嘘に隠された、切ない真実を知った時、誰もがきっと涙します。
3点!!原作は一巻だけ読んでます。映画は予告編以上のことは起きなくて、演奏シーンが予想以上に多くを占めていて、クラシックに興味ない人には退屈だなぁと思いながら観てました。私は幼い頃にクラシックを聴かされ過ぎていて苦手なので、これは外したかなーと苦笑いだったのですが、例の手紙のシーンになると涙がボロボロ溢れてきて、今までの退屈だなぁと思っていたシーンたちがかけがえのない時間だと気付かされて、知らぬ間にすっかり新城マジックにハマっていたみたいでした(^_^;) 好きだからこそ言えなかったかをりの気持ちはわかるけど、あれは反則だよなぁ、泣くしかないよと思いました(>_<) いきものがかりの主題歌に乗せて今までの日々を見せていくのもズルい(笑)新城監督の感情の畳み掛け方は少女漫画の王道なのですが、ちゃんと大人にも当時の気持ちを思い出させるというか、日常の泥々が綺麗な涙で洗い流されてスッキリしました(笑)すずちゃんは熱量があるから、桜とか雪とかに映えますね。同時期の「怒り」の時と全てが違っていて、振り幅凄いなと感心しまし た。山崎くんは「orange」の時も思いましたが、受け身の名バイプレーヤーになりそう(^_^) 中川くんはキラキラしていて青春を精一杯楽しむ今回の役にあってました。石井杏奈は「ソロモン~」の時は上手いなと思ったけど、今回は観てらんないくらい下手でした(>_<) 少女漫画もので下手な子入れると全てを台無しにしかねないからごり押しじゃなくきちんとオーディションした方が良いと思います。2016年公開。
「闇金ウシジマくん Part3」
山田孝之主演他。みなさん、お金が欲しいですか?その夢はお金で買えますか?派遣の仕事で食いつなぐ真司(本郷奏多)はある日街で、撮影中のタレントのりな(白石麻衣)を見かけ、一生縁がなさそうな美人に社会の格差を実感する。「誰でも稼げる」という塾を主宰するネット長者・天生翔(浜野謙太)の広告を見て半信半疑でセミナーに出席した真司は、人生の一発逆転を狙って億単位のマネーゲームに巻き込まれていく。一方、サラリーマンの加茂(藤森慎吾)は妻がいながらキャバクラに通う日々。加茂にとってのマネーゲームは、美人キャバ嬢・花蓮(筧美和子)を落とすことだった。人生は、喰うか喰われるかのマネーゲーム。ひとつ間違えばゲームオーバー。「それでも手に入れたいものがあるんだ!」。すべてを賭けて危ない橋を渡るヤツら。彼らの行く手にトゴ(10日で5割)という違法な高金利で金を貸すアウトローの金融屋・ウシジマ(山田孝之)が立ちはだかる。これまでのシリーズでは描かれなかった金持ち(セレブ)も登場し、大金が動くダイナミックにしてゴージャスなストーリーで、彼らが欲望にからめとられてそれぞれ堕ちていく様を描く。「リスクをとって、未来を掴め!」果たして、このマネーゲームの勝者は一体誰になるのか!?
2点!!原作読んでます。Part2が若手実力派大量投入だったのと比べると今回は見応えが劣りますね(>_<) 若手注目は岸井ゆきのくらいかな?浜野さんは小物感が良かったです(笑)あと清高役の山田裕貴も意外とハマっていて良かったです。反対に白石麻衣、最上もが、筧美和子のアイドル三人は観てられないくらい下手で、白石さんは結構重要な役どころだったのでキツかったです(>_<) 内容も原作は盛り上がったエピソードのはずなのですが、ドラマでやるとダラダラしちゃうから、あえて映画にして観る価値があるようにパッケージしている感じでした(笑)今連動中のドラマに出てる中村倫也の方がよっぽど上手いし、映画を引っ張れる俳優さんなので、チェンジして欲しかったです。加茂さんのエピソードいらなかったので、原作の天生と清高のエピソードを深く掘り下げれば映画として成立したのでは?と思いました。ストーリーの流れと盛り上がりが出来てないんですよね。ファイナルは、チーム・ウシジマのアクションバリバリだしダークなエピソードなので、ウシジマくんらしいアングラな盛り上がりを期待します。それとPG12ですけどお子さんには説明出来ないシーンがバリバリあるので、子どもには観せちゃダメですよー(^^;) 2016年公開。
「真田十勇士」
中村勘九郎主演他。関ケ原の戦いから14年。天下統一を目前にした徳川家康(松平健)と、復権を狙う豊臣家の対立が深まっていた戦国の世で“天下に並ぶ者なし”の名将として、世間から尊敬を集めていた男、真田幸村(加藤雅也)。しかし実はこの幸村、その男前な容貌と、偶発的な幸運の連続によって勝ちを拾ってきただけの、気弱な<腰抜け男>だったのだ!実像と虚像の違いに悩んでいた幸村はある時、猿飛佐助(中村勘九郎)と運命的に出会う。忍者の里から飛び出してドデカいことを成し遂げようと思っていた佐助は、幸村を担いで「本物の天下一の英雄に仕立て上げようじゃないか!」と同じ抜け忍の霧隠才蔵(松坂桃李)を筆頭に一癖も二癖もある十人の男たちを集め、世にいう<真田十勇士>を誕生させる。亡き秀吉の妻・淀殿(大竹しのぶ)に呼び寄せられた幸村は、瞬く間に徳川との最終決戦の最前線に立つこととなった。戦国最後にして最大の戦い、徳川対豊臣の<大阪の陣>がついに幕を開ける!絶体絶命の戦いで、十勇士が企てた“思いもよらぬ大仕掛け”とは?徳川十二万VS十勇士、時代を変える<大逆転>がいま、始まる!!
5点!!冒頭、誰も予想出来ないであろうオープニングにあ然。そうきたかー!と驚きました(笑)キャラクターデザイン誰だろう?私は真田十勇士に誰がいるのかメインの二人以外知らなかったので、面白かったです。かなり脚色はありそうでしたけど。加藤和樹が鎌之介役で出てたのが嬉しかったです。相変わらずイケメンを持て余してるなー。真田大助役の望月歩くんが良かったです。彼は普通の少年が葛藤する役が上手いですよね。大竹しのぶの淀君はやっぱり再強!修羅場を自力で乗り切ってきたという迫力が違います。加藤雅也の幸村は、常にオロオロした目が笑えて少し可愛かったです。中村勘九郎さんの猿飛佐助は安定です。常に歌舞伎の形を決めてるのは忍者なので不自然でしたが、舞台ではカッチリ決まって格好良さそうでした。彼が小回りな動きなので、霧隠才蔵役の松坂さんにはダイナミックな動きを期待したのですが、中村さんと大島優子ちゃんの影に隠れて目立ってなかったです。飛翔シーンをもっと作って、上から爆薬とか落としていったら目立って良かったかもです。幼馴染み三人の運命の絡み合いみたいなのをもっと深く掘り下げて欲しかったです。あれだと行き当たりばったり、火垂は才蔵次第でどうにでもなる感じで話に深みがないです(>_<) 三人に加えてライダー系俳優陣も多くて、皆アクションが出来るしやっていたのに、見せ方が悪くて全然格好良く見えなかったのが本当に勿体なかったです。スローモーション使ってもいいから格好良さを重視して欲しかったです。大仕掛けを仕掛ける!と大風呂敷を広げて宣伝しているので、すっごい驚きを期待しちゃったのですが、特に大仕掛けとかはなく、想像し得る展開しか起こらなくて、歴史だからしょうがないと言われたらそれまでですけど、脚色でいいから忍者らしい仕掛けを観たかったです。消化不良m(。_。)m 2016年公開。
「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」
マーク・ライランス、ルビー・バーンヒル主演他。ロンドンの児童養護施設で暮らすソフィー(ルビー・バーンヒル)が、真夜中、眠れずに窓の外を見るとそこには見たこともない巨人が!急いで隠れるが大きな手で掴まれ、巨人の国へ連れ去られてしまう。食べられてしまうと怯えるソフィーを見て、巨人は大笑い。彼は、優しい心を持った巨人BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)だったのです。ひとりぼっちだったソフィーは、巨人にしては優しすぎる孤独なBFG(マーク・ライランス)と心を通わせ、いつしかふたりの間には身長差6メートルの“奇妙な友情”が生まれてゆく。しかし、BFGとは正反対の凶暴な巨人たちによる恐るべき計画が・・・。このままではイギリスの子供たちが危ない―。この危機を救う鍵は、何事も恐れない小さなソフィーの勇気だった・・・。ディズニー&「E.T.」のS.スピルバーグ監督が贈る新たな時代のファンタジー・アドベンチャー大作が誕生。
5点!!日本語吹替版観賞です。弱肉強食の頂点に立つ列強大国イギリスは巨人さえも倒してしまうのかとコインの表裏の裏から観ているような感じでした。巨人たちは大好物のイチゴを食べているだけなのに、人間だってイチゴ食べるのに。かなり昔の小説ですから、ストーリーはシンプル&古典的で意外性や驚きといったものはありませんでした。イギリスの夜と違う世界が舞台なので、いかに幻想的な映像を見せられるか?という点でも、同じイギリスが舞台の去年の映画「PAN」の方が格段に美しかったです。マーク・ライランスの上品でどこかトボけたおじいさんの感じとBFGの田舎者っぽい話し方のギャップは、とても素敵でした。彼が夢そのものみたいな(*^¬^*) 話し方が特徴的なキャラクターだったので、字幕で観たかったです。ソフィー役のルビー・バーンヒルはクリステン・スチュワートを子どもにした感じでエマ・ワトソンが出てきたばかりの頃のような話し方をするので、初め日本語と口が合ってないのが気になってしまいました(^_^;) イギリスって超自然的な存在の気配と歴史がいつも合わさっている感じが素敵な国ですよね。この映画こそ3Dで見せる映画だと思いましたが、そうしないでも勝負してくるディズニーは素敵です。眠くはなりませんでしたが、一旦席を外して戻っても問題ないストーリーでしたし、小学生くらいまでの邪心がない頃なら素直に楽しめたかなと苦笑いでした(^_^;) でも小学生低学年の子ども的にはすっごく怖かったらしいです(^_^;) 2016年公開。
「サウルの息子」
ルーリグ・ゲーザ主演他。最期まで<人間>であり続けるために―1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。サウルは、ハンガリー系のユダヤ人で、ゾンダーコマンドとして働いている。ゾンダーコマンドとは、ナチスが選別した、同胞であるユダヤ人の死体処理に従事する特殊部隊のことである。彼らはそこで生き延びるためには、人間としての感情を殺すしか術が無い。ある日、サウルは、ガス室で生き残った息子とおぼしき少年を発見する。少年はサウルの目の前ですぐさま殺されてしまうのだが、サウルはなんとかラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義にのっとって手厚く埋葬してやろうと、収容所内を奔走する。そんな中、ゾンダーコマンド達の間には収容所脱走計画が秘密裏に進んでいた・・・。これまでの映画で描かれた事の無いほどリアルなホロコーストの惨状と、極限状態におかれてもなお、息子を正しく埋葬することにより、最後まで人間としての尊厳を貫き通そうとした、一人のユダヤ人の二日間を描いた感動作。
5点!!この映画が作られるまで収容所内でゾンダーコマンドと呼ばれる職種があったこと、ユダヤ教では火葬では輪廻転生出来ないことを知りませんでした。最後まで四角いスクリーンが全部は観れないけど狭い穴から彼らを覗き見ているような効果を出していて、息をひそめて観ていました。時間の感覚もサウルの人間関係も配属先も、サウルの人間性さえもわからないまま話が進みます。後ろにチラチラ映る惨状がこれまでにないくらい残酷なのですが、四角いスクリーンなので観えなくて。このまま最後までいくのかなと思っていましたが、医者が「同じ背格好の子供を探して来い。」と言ったあのシーンからサウルがどうするのか?と能動的に考え動き出すしかない状況になり、膨大な量の悲しみが流れ込んできて胸が詰まりました。なんだろう、この映画。実際、最初の方は寝ちゃって2回目だったのに(爆)サウルの人生とか(誰の子でどんな状況だったのだろう?)あの女性の人生とかあそこにいる全員の恐怖と無念が一気に流れ込んでくるクライマックスで泣けないくらい苦しかったです。あと、宗教があるから救われるのかも知れないですけど、天国があるなら宗教なんかなくて関係なければいいなと思いました。2016年公開。
「コロニア」
エマ・ワトソン主演他。必ず、私が、救い出す。フライトでチリを訪れたドイツのキャビンアテンダント・レナ(エマ・ワトソン)は、現地の政情を確認するために滞在していた恋人・ダニエル(ダニエル・ブリュール)と束の間の逢瀬を楽しんでいた。しかし、突如チリ軍部によるクーデターが発生。ダニエルは反体制勢力として捕らわれてしまう。レナは、謎の施設<コロニア・ディグニダ>に彼が監禁されたことを突き止めるが、なんとそこは“教皇”と呼ばれるナチスの残党、パウル・シェーファー(ミカエル・ニクヴィスト)が軍部と結びつき、神の名の下に暴力で住人を支配する“脱出不可能”な要塞だった。誰からの強力も得られないと悟ったレナは、ダニエルを助け出すため、ひとり無謀な潜入を決心する。果たして、彼女は生きて愛する人を奪還することができるのか―。恋人を救うため、脱出不可能な恐怖組織に潜入する。1973年、チリ、史実を基にした緊迫の脱出劇。
10点!!イギリスでの初週興収がたった47ポンド(7人しか観てない)で大コケしたと報じられていましたが、エマもダニエルも素晴らしかったです!興収が必ずしも作品の出来に比例しないことを改めて証明してくれました!(*^O^*) 映画のテーマと主演二人の主義と合致してるので「真実を伝える!」という気迫が、スクリーンを通してビシビシ伝わってきました。私はエマもダニエルも大好きな俳優なので、冒頭のダニエルの裸エプロンから(鼻血出そうだった!(笑))二人のイチャイチャがsweet過ぎて「ずっと観てられる・・・(*´∇`*)」とウットリしてる場面から一転、チリの軍隊に無差別に連行されてからは、最後まで本当にスリリングで息つく暇もなかったです(´Д`) 20世紀に入るまで、ナチの残党がチリに巨大なファームを築いて、政府ともガッチリ癒着していたなんて、ナチの残党が月から攻めてきたと同じくらい現実味がなくて、でも本作は、とてもリアルに綿密な取材を重ねて描かれているので、かなりハードボイルドな作品で見応えがあります。コロニア・ディグニダのことは少しだけ調べてから観たのですが、チリのクーデターってこんなに無差別なんだとか、ピノチェト政権下の拷問施設としては、皆洗脳されてて都市から離れて隠せるし、有効だったのかなとか、百聞は一見に如かずで、観られたから考えることが出来て良かったと思える作品でした。こういう規模の汚職施設って世界にまだたくさんあるのかな?クリーンな国ですよって顔してても自分の目で確かめるまでは何も信じられないと思いました。ドイツの大使館や空港にまでナチ残党の手が伸びてるなんて現代だよ?インポッシブル過ぎるよ!((;>Д<)) 非常に難しいテーマを扱っているのに解りやすくて、初めから最後までスリリングでおぞましくて、エンタテイメントとしても上質な作品です。スッピン・エマとダニエルの美男美女ぶりはタイタニックに匹敵します!(爆)「百聞は一見に如かず」ですよ!2016年公開。
「永い言い訳」
本木雅弘主演他。妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。人気作家の津村啓(きぬがささちお)(本木雅弘)は、妻(深津絵里)が旅先で不慮の事故に遭い親友(堀内敬子)とともに亡くなったと知らせを受けるが、妻の死に涙を流すこともない。そんなある日、妻の親友の遺族―トラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子供に出会う。ふとした思いつきからその兄妹の世話を買って出た幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝きだすのだが・・・。ひとを愛することの「すばらしさと歯がゆさ」を描ききった。観る者すべての感情をかきみだす、かつてないラブストーリー。
6点!!原作は手元にあるのでこれから読みます。思っていた感じと微妙に方向性が違いました。いつものグサッて刺される感じがなくて、企画・協力に是枝さんの名前がありましたが、全体が是枝さんっぽかったです。小物の配置ややちょっとした視線の細部まで意味を持たせていたところは、西川さんっぽかったです。本木さんの得体の知れない虚像感と何を言ってもフワフワ掴みどころがない嘘な感じの中にたまに鋭く本音がこぼれるのが、幸夫という人間にぴったりでした。西川さんがあて書きしたのかと思うくらい。誰も愛さないし、愛されようとも思っていない一人の男性が、自分とは正反対の真っ直ぐで無垢な愛で溢れた家族に関わることで、愛し愛される喜びを知っていく物語でした。自分だって愛してなかったくせに、自分だけ傷つけられたみたいに思う、男って狡い。夏子やゆきのエピソードは殆ど出てこないのですが、ところかしこに二人が彼らを愛した印が残されていて、亡くなって離ればなれになっても愛は続いていくのだなと感じました。同時に、続いていくのに、双方、溢れる愛情を届けることが出来ないはがゆさと切なさも陽一と真平からギューって伝わってきました。恋人みたいに「愛して」はいないけれど、すでに自分の一部になっている伴侶を失うということを幸夫が大宮家を通してやっと気付くことが出来て良かったです。それでも、夏子からしたら、身勝手だし遅過ぎるのかも知れないですけど。今回の黒木華は可愛いverで、蒼井優みたいな危険な女の香りを放っていました。演じる巧さを隠さなくなってきたなと思いました(笑) 2016年公開。
「SCOOP!」
福山雅治主演他。かつて数々の伝説的スクープをモノにしてきた凄腕カメラマン・都城静(福山雅治)。しかし、その輝かしい業績も、現役の雑誌編集者たちにはほとんど知られていない。過去のある事件をきっかけに報道写真への情熱を失ってしまった静は、芸能スキャンダル専門のパパラッチに転身。それから何年もの間、自堕落な日々を過ごしてきたのだ。そんな彼に、再び転機が訪れる。ひょんなことから写真週刊誌「SCOOP!」に配属されたばかりのド新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とコンビを組まされる羽目になってしまったのである。案の定まったく噛み合わずケンカばかりの静と野火。ところが、この凹凸コンビが、まさかまさかの大活躍で独占スクープを連発!そしてついに、日本中が注目する重大事件が発生する・・・。1枚の写真【スキャンダル】に日本社会が騒然!?ますます過熱する写真週刊誌のスクープ合戦に挑むのは、落ちぶれパパラッチ&ド新人記者のまったく噛み合わない凹凸コンビ!?2016年最もスキャンダラスでスリリングな<捧腹絶倒><仰天必至><超ハラハラドキドキ>圧倒的エンタテイメント大作!
8点!!1985年に公開された原田眞人監督・脚本の「盗写1/250分秒 OUT OF FOCUS」のリメイクなんですね。原田監督好きですが、全然知らなかったです。本作は面白かったです!脚本良く出来過ぎ!大根版は、スキャンダル、お色気、血みどろ、予測不能なストーリーと、何でもてんこ盛りの超エンタメで、誰が観ても面白い、エッジが効いた作品になってます。大根監督はドラマ好きな層を映画に橋渡しというか、巻き込むのが上手いですよね。映画好きじゃない人が観ても「面白かったー!」と帰れるものになっていると思います。でも、それ以上のレベルに引き上げるのが毎回出来てなくて、泣ける展開なのに泣けない、心ゆさぶされるけど胸が潰れるところまでいかないのが、惜しいです(「モテキ」なんかも。)主人公の静と野火は、実際いたらどちらとも組みたくないキャラクターです(^_^;) 静は下品通り越してゲス過ぎるし(キモい親父だったら逮捕だよ(爆))、野火は「超ヤバイ」「超最低」とか意味のない言葉しか発しないっていう(┬_┬) 初めは絶対くっつきそうにない二人が、憧れ→尊敬→ほのかな恋心になりと、関係性が成長していく過程は良かったです。親子でもおかしくない二人ですが、福山さんなら実際目の前にいたら、恋愛対象になるのかな(?_?) 池松くんみたいな渇いた男の色気が凄い出てました。静と定子(吉田羊)、馬場(滝藤賢一)の仲間の絆には、胸が熱くなりました(*^▽^*) 滝藤さんが今回も素晴らしくて、彼は脇役なのにフォーカスされるシーンがあると必ず主役を食うほどの爪痕を残していきますよね。個人的には静より、馬場の方がカッコ良かったです!(*^O^*) 日本一撮られない福山と、撮られまくっても全く気にしてないふみちゃんと、撮られてしまって窮地に追い込まれている吉田羊さんが撮る側を演じてるのも、何ともパパラッチへの挑戦状のようで面白かったです(笑) スタントかも知れないけど、パパラッチを必ず振り切るという福山のドライビングテクも観ることが出来ます!2016年公開。
「世界一キライなあなたに」
サム・クラフリン、エミリー・クラーク主演他。愛するひとが、半年後に永遠の旅立ちを選ぼうとしていたら―今年、世界中で最大のヒットとなったラブストーリーが、ついに日本公開!舞台はイギリスの田舎町。主人公は26歳にして失業中、将来の展望が全く見えないルー(エミリー・クラーク)。そんな彼女を変えたのは、思いがけない恋との出会いだった。相手はお城を所有する大富豪で、2年前の事故から車椅子生活を送るウィル(サム・クラフリン)。彼を介護する6ヵ月限定の仕事にルーが採用され、はじめは反発し合っていたふたりは、次第に惹かれ合っていく・・・。しかしウィルは、6ヵ月後に自分の人生にピリオドを打とうとしていたのだった―。ルーは、ウィルに生きることの喜びを思い出させようとあれこれ連れ出すが、人生の本当の楽しみ方を教えてくれたのはウィルの方だった。外の広い世界、そして、【自分の可能性を信じること】をウィルに教わったルーは、自信に満ち溢れた女性へと変わっていく。だが、その日は近づいていた―。誰もが元気をもらえる今年世界で最もヒットしたラブストーリー!
5点!!男って顔じゃないんだなと思いながら観てました(爆)いくら隣のイケメン、サム・クラフリンでも、ムッとしてたら素敵に見えないんだなと新発見でした。逆に心が通じてからは、20キロ減量してもまだ、こんなにチャーミングなのかと驚きましたけど(゜ロ゜ノ) 尊厳死や安楽死を扱った作品を観たのは二度目です。一度は死に向き合ったことのある人なら、簡単には否定出来ない事だと思いますし、私も将来はこうやって死にたいなぁと漠然と考えてはいましたが・・・。若者同士の恋愛ものに尊厳死を絡めるのは禁じ手のような気もしないでもないような・・・。勿論、若くてもこういう状況は起こりうるわけで、理解るのですが、五年後とか、日本でも「号泣必至!」みたいな感じでこういう作品が作られるのかなぁと思ったら何だか複雑な気持ちになりました(>_<) ストーリーが面白かったらまた違ったのかも。ウィルとルーのキャラクターも恋に至るまでの過程も今までのテンプレートの焼き増しだし、ルーの奇抜なファッションも、エミリー・クラークが着ると可愛く着こなしているというよりは、森のから小人がやって来たみたいな感じで、全然恋愛モードになれませんでした(>_<) コロコロでしたけど、あれは男性的にはアリなの?私はストーリー予測が全く出来ないタイプの人間ですが、ミツバチのくだりは予測出来過ぎてちょっと引いてしまいました(^^;)でも、テーマ的にはトライしたのは素晴らしいですし、自分が心から愛し愛され心から必要とする人間が出来てなお、死にたいと思うか?という点については、後々、じわじわとボディーブローが来そうだなぁと溜息が出ちゃう作品でした(>_<)原作は未読ですが、評をチラ見した感じだともう少し内容が深くてウィルとルーの背景から描いているみたいなので読んでみます。2016年公開。
「グッドモーニングショー」
中井貴一主演他。澄田真吾(中井貴一)は、朝のワイドショー「グッドモーニングショー」のメインキャスター。かつては報道番組のエースキャスターだったが、ある現場リポートが世間から非難を浴びて以来、現場からのリポートができなくなっている。ある日、いつものように深夜3時に起床した澄田は、テレビ局に向かうが、サブキャスターの小川圭子(長澤まさみ)から二人の交際をバラすと迫られ、プロデューサー(時任三郎)からは番組の打ち切りを告げられてしまう。そんな時、都内のカフェに武器を持った男(濱田岳)が人質を取って立てこもっているという速報が飛び込む。なんと、犯人の要求は「澄田を呼べ」というものだった!澄田は番組視聴率のため、というよりも圭子の暴露を防ぐために、現場に向かう。澄田は防爆スーツにカメラとマイクを仕込ませて、銃と爆弾を持つ犯人の様子を生レポートすることに。タイムリミットは番組終了時刻。それまでに犯人を説得しなければ爆弾が・・・。武装した犯人にキャスターがマイクひとつで立ち向かうというありえない展開に、いつの間にかどのチャンネルも落ち目だったはずの澄田を映していた!日本中が注目するニュースの渦中に立たされた彼は、果たして人質を救うことが出来るのか!?前代未聞の生放送が今始まる!「踊る大捜査線」の脚本家・君塚良一が贈る、オリジナルコメディ誕生!
3点!!予想はしていましたが、濱田岳が出てくるまで中身のない軽~い会話劇がダラダラ続いていました(-_-#) 三谷映画に対抗するかのような豪華なキャスティングで、それぞれの立場で主張や意見がある風な描き方だったのに、それらは語られることはなく、ニッコリ笑っておしまいじゃ、不燃焼過ぎです(>_<) テレビに関わっているスタッフや俳優陣が観たら共感出来たり面白いのかも知れないですけど、私たち観客は業界人じゃないですから、内輪の日常を見せられても面白く描いてくれてなかったので、つまらなかったです。海外の作品だと映画「テロ,ライブ」のように人がバンバン死んでスリリングなサスペンス劇になるのですが、日本は映画「踊る大捜査線」や映画「SCOOP!」のように人は殆ど死なないので、どうしてもコメディータッチなショーになりがちですよね。どうせショーをやるならとびきり面白い会話劇や人間関係を見せてくれないと退屈で死にそうです(´~`;) 君塚さんや彼が見てきたテレビマンたちの気持ちを、澄田が代弁するような形でしたが、全部古いんですよね。今まで何度も観てきたバブル世代の焼き増しをどうだ!って見せられてもっていう(>_<) 濱田くんの理性と狂気の狭間で葛藤する演技は素晴らしかったです!目の色を変えたり動かしたり一つ一つの動作全てが緊迫感バリバリで、 彼以上に演じられる人は多分いないんじゃないかというくらい完璧。彼が出ているシーンだけは犯人が何をしでかすかわからなくて、引き込まれました。同じ報道ものなら同時期公開の「SCOOP!」のが型破りで全然良かったです。もう誰もテンプレートは求めてないです。2016年公開。
「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」
山田孝之主演他。あなたに本当の友達はいますか?まさか「ウシジマくん」で泣くなんて。映画『ザ・ファイナル』は、原作の「ヤミ金くん編」。ウシジマの現在と中学時代が交錯しながら、かつて心を許した友の前でウシジマが見せる“これまでにない顔”を描く。ウシジマとは何者なのか!?なぜ、ウシジマは過酷で日の当らない裏街道、金融の世界に入ったのか。その過去の因縁、ルーツに迫る。『ザ・ファイナル』では、ウシジマの中学の同級生・竹本(永山絢斗)、原作史上最凶キャラ・鰐戸三兄弟、過払い金請求で稼ぎまくる弁護士・都陰(八嶋智人)が、ウシジマと対峙する。何があっても動じなかったウシジマが、竹本、最大の宿敵・鰐戸一(安藤政信)、そして自ら封印した過去を前にして、ついに揺れ動くのか…。丑嶋は本当に血も涙もない人間なのか。12年の歳月を超えた因縁の最終決戦の果てにあるのは和解か、決裂か?絶望か、希望か?ついに最終決戦。
7点!!泣ける、泣けたよウジジマくん(´;ω;`) クライマックスからラストにかけて、すすり泣く音が劇場に響いていました。「Part2、3」がつまらなくて、ウジジマくんはドラマの方が良いと思っていましたが、こんな良作を作れるのなら、最初と最後だけじゃなくて真ん中も頑張ろうよ、山口監督!と思いました(>_<) 俳優陣がとにかく良かったです。間宮くんは元の美形がわからないくらい顔が変形していて迫力がありましたし、竹本は原作では、変な宗教にでも入ってるかのような怪しいオーラの人物でしたが、永山くんは竹本をリアルな人間として、話す言葉一つ一つに人と善を信じているというのが伝わってくる演技を見せてくれていました。そしてそれを受けた太賀がまた素晴らしかったです。お財布を拾うシーンは泣きそうになりました。彼はもうお父様を超えたというか名バイプレーヤーですよね(*^▽^*) ミニウジジマと柄崎を演じた狩野見恭平くんと江口祐貴くんも予想以上に良かったです。狩野見くんは話し方とか雰囲気はちゃんとウジジマなのにジャニーズの中島健人に似てる美形男子で、上手く育てば良い俳優になれそうです。ミニ柄崎のお風呂のシーンには泣かされました。個人的には、山田くんと安藤さんのガチバトルとチームウシジマのアクションが観たかったです。鰐戸一は最後にぬるいんじゃ、ラストの敵としては役不足だったと思います。「Part1」のようにストーリーの筋を二本に絞ったことでクライマックスに向けてどんどん盛り上がっていけたのは良かったです。皆、大変な事になって(特にマキタさん(>_<))、お祭り的な豪華なラスト作品なのに切ない終わり方で、今までで一番、お金の使い方について考えさせられる作品に仕上がっています。ラストのウジジマの表情が切なかったです。表情を変えないウジジマなのに顔に出せるなんて、やっぱり山田孝之は凄い役者です(*゜Q゜*) 美容オバサンたちの回収をし忘れたのが、唯一残念なくらいです。2016年公開。
「何者」
佐藤健主演他。ひとつの部屋に集まった5人の男女。大学の演劇サークルに全力投球していた拓人(佐藤健)。拓人がずっと前から片想いをしている瑞月(有村架純)。瑞月の元カレで、拓人とルームシェアをしている光太郎(菅田将暉)。拓人たちの部屋の上に住んでいる、瑞月の友達の理香(二階堂ふみ)。就活はしないと宣言する、理香と同棲中の隆良(岡田将生)。理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まる5人。それぞれが抱く思いが複雑に交錯し、徐々に人間関係が変化していく。「私、内定もらった・・・。」やがて「裏切者」」が現れたとき、これまで抑えられていた妬み、本音が露になっていく。人として誰が一番価値があるのか?そして自分はいったい「何者」なのか?いま、彼らの青春が終わり、人生が始まる―。友情、恋愛、就活、裏切り・・・。リアル過ぎる彼らの青春の行きつく先にあるものとは!?まだ誰もみたことのない超観察エンタメここに解禁!!
5点!!原作読んでます。協力がTwitter、インスタ、LINEというスマホ世代に向けた映画だなぁと思いながら観てました。ワンシチュエーション(違うけど)、ヤスタカさんの音楽、舞台との融合、達観的な先輩の言葉、若い子は好きですよね。原作同様、最後に小さなどんでん返しが用意されていて、もう答えじゃない?ってくらいあからさまなヒントが散りばめられているのですが・・・。自分ときちんと見つめ合って律しても、それで内定が取れるわけではないし、内定が取れて会社に入っても「何者」かになれるとは限らない。光太郎みたいに自分の人生の主役は自分と据えられて、人生を謳歌出来るのが理想ですけど、夢や目標が見つからない人生もたくさんある。でもだからといって、自らの闇に吸い込まれて、チャンスの光りに気付けなくなっていたら一生楽しくなれないし胸を張れないというのがわかる作品でした。瑞月が、もがきながらも必死に前を向こうとしている姿は格好良かったです。有村架純ちゃんの感情が溢れる演技は素晴らしかったです。痛いってわかってて壊れそうでも踏ん張る理香もかっこいい。拓人は、一度演劇で人の注目や称賛を経験してしまっているので、他人や言葉や状況を斜め上からシニカルに見がちですが、その鋭さから自分への批判は全て、そうだったかも知れない自分、ギンジへと向かってしまっています。原作は、理香の部屋での5人の気まずい会話のやりとりがもっとあって、そういうのをもっと見せて欲しかったです。光太郎と隆良なんか一見さんみたいな感じで描かれちゃってました。しかし、瑞月の「(本音言っちゃったから)もう部屋に行かれない。」って・・・、むしろ就活で1分も無駄に出来ない時期に本音を一言も話せない場所になんか行きたくないですけど!(爆)特に親しくもない知人くらいの人に「ツイッターで見たんだけどさー。」なんて切り出されてらストーカーかと思って怖いですけど、今の子は違うのかな?拓人と理香の対決は、理香の性格上出来ないですけど、ふみちゃんのもっとドロドロした感情を佐藤くんにぶつける演技対決が観たかったです。ラストはもう少し晴れやかでも良かったかなと思います。2016年公開。
「聲の形」
大嫌いだった。もう一度、会うまでは―ガキ大将だった小学6年生の石田将也は、転校生の少女、西宮硝子への無邪気な好奇心を持つ。「いい奴ぶってんじゃねーよ。」自分の想いを伝えられないふたりはすれ違い、分かり合えないまま、ある日硝子は転校してしまう。やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長してふたり。あの日以来、伝えたい想いを内に抱えていた将也は硝子のもとを訪れる。”俺と友達になってほしい”―硝子の願いを叶えるため、距離を置いていた同級生と再会し、止まっていた時間が少しずつ動き出す。ふたりの世界は変わっていったように見えたが―。まっすぐに「いま」と向き合う少年少女の姿を等身大に描き、全世代から共感と感動を呼んだ名作、大今良時の漫画「聲の形」を京都アニメーションが映画化。
7点!!毎日や人間関係は、些細なことの積み重ねだから、気付くとどこから正せばいいのかわからないところまで来てて、がんじがらめになって動けなくなってる。外からの助けも声も、分厚い不透明な壁に阻まれていて、どう掴んだらいいかわからない。これは、いじめに直接関わったことがある人にはハードな内容だなぁと思いました(^_^;) 上映後、泣き過ぎで立てなくなってる大人もいましたし。でも、今の若い世代でいじめに全く関わったことのない人間なんているのだろうか?答えはいないと思います。私たちの頃でさえ、なかなか複雑だったのだから・・・。今は間に挟めるツールが発達し過ぎていて、直接心を介せるまでにどれだけの努力が必要なのだろうと、殴り合ってわかり合える時代は良かったなぁって・・・(爆)いじめはする方もされる方も、心が馬鹿になっていない限り必ず傷付くから、これはハードな内容だけれど、人を傷付けることを無邪気さの延長からしてしまう小学生から観て欲しいと思いました。一人一人に考えと心があって、その表現法は皆違って、皆にその人を大切に思う人達がいるのだということを、ストレートにガツンと再確認出来ました。実際のいじめはもっとハードで地獄だし、甘いなって展開もありましたが、そうならないためにも、こういう作品は大切だと思いました。観る前は「君の名は。」の余波で大ヒットしてるのかと思ってて、多分それも本当なんでしょうけど、かなり実力勝負出来る作品です。勢いのある京都アニメーションの作品だから観ておこう~と軽い気持ちでしたが、観てみて良かったです!(*^¬^*) 2016年公開。
「デスノート Light up the NEW world」
東出昌大主演他。あの事件から10年―これですべて終わらせる。犯罪のない社会を目指し、デスノートで世界を変えようとした“キラ”こと夜神月(藤原竜也)。暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵“L”(松山ケンイチ)。天才 VS 天才の対決から10年経ったある日、世界中のネット回線がジャックされ、“キラ”によるメッセージが発信された―。「デスノートを手に入れろ―」ロシア、ウォール街そして渋谷でのデスノートによる大量殺人が行われる中、世界的私立探偵にして、“Lの正統な後継者”竜崎(池松壮亮)が加わり事件解明に当たり、地上には6が札のデスノートの存在する事が判明する。6冊のデスノートを全て手にした者が地上を制する。キラ復活を望む者、それを阻止する者たちとの究極の争奪戦の幕が切って落とされた!果たして、すべてのノートを手にするのは誰か?それぞれの譲れない“正義”が火花を散らし、今、デスノート争奪戦が幕を開ける―!
4点!!ストーリーは予定調和、予想下手な私が犯人を当てちゃうくらいグダグダでしたが、まさか大場つぐみの最新作「プラチナエンド」の要素を盛り込んでくるとは!宣伝かよって突っ込んでしまいました(^_^;) 前作が異質vs.異質だったので、今作の俗物感が半端なかったです(>_<) 池松くんは頑張ってましたけど、元々「ザ・普通」を演じさせたら頂点な俳優さんなので、菅田くんをもっと暴走させてくれないと、前作を超えるなんて到底不可能です。東出くんは下手だ下手だと言われていたので、どんなかと思って観ましたが、「中途半端な正義感があって流されやすい」と舞台挨拶で言われていたそのままの役柄だったので、悪くなかったです(*^¬^*) あとは、日本の警察を馬鹿にしてるのかというくらい警察描写が酷くて、いやいや有り得ないだろと本当に突っ込みながら、ダラダラとポップコーン片手に観るしかなかったです(セトウツミか(爆))顔隠さないで殺され過ぎだし、死亡フラグ立たせ過ぎだし、第一、日本の警察は犯罪者が身内にいたら働けないんだよ?(>_<) パラレルワールドの話なのかと思いました。登場人物の行動も一貫性がなく、キャラクターが弱いし。あと、残りの死神は?皆、勢揃いを期待したとこがあったのだと思うのですが・・・天界ではミサを守った死神の後を引き継いだのがレムでしたけど、地上で死神が砂化したらノートの死神はどうなるのでしょう?月とLの遺伝子がひとつ残ってるならたくさんあるんじゃないの?とか物語の必然性も欠けていました。リュークが手助けで動いたとこだけ良かったです。2016年公開。
「ミュージアム」
小栗旬主演他。雨の日に発生する連続殺人事件、次のターゲットは刑事の妻と子。追い詰められた彼が絶望の密室で見たものとは・・・。雨の日だけに発生する猟奇殺人事件。死体を見せることにこだわる犯人・カエル男は、自分をアーティストと呼び、犯行現場には必ず謎のメモを残す。連続する事件の関連性を捜査する刑事・沢村(小栗旬)と部下の西野(野村周平)は、次のターゲットが沢村の妻・遥(尾野真千子)であることに気づく。冷静さを失った沢村は、カエル男の罠にはまり、絶望へと追い詰められて行く。謎の“私刑”執行アーティスト・カエル男は一体誰なのか?真の目的は?あなたは最悪のラストを期待する。史上最悪の殺人アーティスト・カエル男。衝撃のノンストップ・スリラーエンターテイメント!!
5点!!ハロウィンのサプライズでカエル男の格好をした小栗くんの舞台挨拶がありました。一言話して「小栗くんだ。」とすぐに気付きましたが、皆は気付かなかったらしく、マスクを外した途端、耳をつんざく程の悲鳴が( ̄□||||!! 思わず拍手より耳を塞いでしまいました。ごめんなさい、小栗くんがまだこんなに人気があると思ってなかったです(爆) *** 原作未読です。描写がグロくて危険との注意書きがありましたが、ホラー苦手な私でも大丈夫でした。犯行の動機やそれぞれの背景はあるにはあるのですが、後半にならないと判明しないので、次々犯行が重なる中、どういう感情で観たら良いかわからなくて乗り切れなかったです。潔いといえば潔い描き方でしたが、ちょこちょこ挿入されるカエル男の過去の話に触れなさ過ぎて、行動の意図が読めないので感情が動かず(>_<) カエル男が沢田に目を止めた理由も、世の中、家庭を顧みない男性とそのせいで心を病む奥さんなんて山のようにいるのに、なぜ沢田だったのだろう?と疑問に感じました。小栗くんと妻夫木くんがなかなかガチで体当たりなアクションやバトルを繰り広げていて、見応えがあるのに暗くて観にくいのも残念でした(>_<) 処刑シーンも右に同じく。「あなたは、最悪のラストを期待する」というキャッチコピーは◎。こういうことか!とドキドキしちゃいました。華のある役者が勢揃いして、小栗くんの精神的に閉そく感で追い詰められていく演技は素晴らしかったですし、妻夫木くんも新境地を見せてくれていましたが、深く考えさせられるまでに至らない大友さんの浅い方の作品です。2016年公開。
「聖の青春」
松山ケンイチ主演他。天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、29歳にして亡くなった実在の将士・村山聖―。病と闘いながらも将棋に全人生を賭け、全力で駆け抜けた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く、感動の実話。人間の知の限界に挑戦し続けた伝説の将棋指しの人生を愛情豊かに描き出します。
6点!!十年前に藤原竜也が舞台で演じ未見ですが、今回、松山くんが演じた村山聖とはだいぶ違うのではないかと思いました。本作を観て、それくらい二人は役へのアプローチ法が違うと感じました。大崎善生の恋愛短編は幾つか読んでいますが、本作は未読です。こういう小説を書く方だとは知りませんでした。フィクションなのですが、ノンフィクション・ドキュメンタリーのような作りで、その中で、様々な人たちの想いが自然と溢れてしまったという感じが、とても良かったです。何より村山さんの羽生さんとの対戦成績にビックリ!村山さんが生きていたら羽生さんの長年の独走状態はなかったのかも知れないとリアルに感じました。村山さんは「ユニークで愛想が良くて皆に好かれていた。」と将棋界の方々は口を揃えておっしゃるそうですが、本作で描かれる村山は、ユニークではあるけれどストレートな毒舌の持ち主で異端な感じの青年でした。村山の全てを隠すことなく闘志に変えて向かう姿は、将棋に詳しくない人の心もきっと打つもので、盤を挟んで向かい合う羽生も、彼が対局したたくさんの人たちの思いを背負って指してるのだろうなと彼の想いも垣間見えて、観終わった後にジワジワ込み上げてくるものがありました。東出くん良かったですよ!(*^¬^*) 他の役者さんも皆玄人で素晴らしく、中でも弟子役の染谷くんは普段「死んだ眼俳優」と言われていますが、本作ではとても真摯な瞳をしていて、名パイプレイヤーぶりを発揮していました(^_^) マイナス点は、将棋界に詳しくない人には多くの実在の人物が誰が誰だかわからないまま話が進んでしまうことです。皆さん素晴らしい演技をされているのに勿体ないです。村山さんの生き方は破天荒で無茶ですが、私たちに必ず生きる力を与えますし、限りある時間をどう使い切るかを考えさせてくれます。エンディングの秦基博の「終わりのない空」が爽やかで清々しくて、余計ジワジワ来てしまいました。シネコンとかではなく岩波ホールやユーロスペースなどコアな単館系で上映して欲しい作品です。2016年公開。
「ミラクル・ニール」
サイモン・ペック主演他。もしも、右手を振るだけでどんな願いも叶うとしたら、あなたは何を叶えますか?遠い銀河の彼方で、宇宙人たちが地球から送られた探査機をキャッチした。彼らは地球を下等な惑星として破壊する前に、無作為に選んだ人物に全能のパワーを与え、その知性を判断しようとする。しかしその力を与えられたのは、愛犬デニス(声:ロビン・ウィリアムズ)と暮らすさえない学校教師ニール(サイモン・ペック)。自分の持つ力を知ったニールはあれこれ試してみるが、彼のテキトーさから、願いはたいてい裏目に出てしまう。それを眺める宇宙人たち。人類の運命やいかに?超ダメコンビ誕生!!イギリス中が爆笑の渦!!ミラクル・パワーで世界を救え!全人類が憧れるミラクル・パワーへの夢想を、型破りな発想と持ち前のシュールさで描き尽した英国コメディが誕生!
6点!!シュールです(笑)ドタバタ系ではなくて本当にくだらない事ばかりに力を使っては失敗して戻してというニールの毎日が前半で、愛犬デニスが話し出すのは中盤を少し過ぎてからです。それまではよくあるB級映画な感じで退屈です。やりたいことや欲しいものは?と聞かれて100個答えられない、または答えが全く浮かばない人は不幸なのだと心理士から来いた事があります。ニールも「何に使えばいいんだろう?」とデニスに聞く始末で、そんなにそれまでの生活がダメダメで満たされないものだったのかな?と心配になってしまいました。それが力を使うことで、力を使わないで何かを得たり努力する大切さに気付くという展開は素敵でした(*^^*) デニスの動きや喋りが本当に笑ってしまうほど可愛くて、ロビン・ウィリアムズが裏声使ったり猫なで声を出したりするのが面白いのに切なくて、これが最後なんて!(あのエンディングが最後なんて(爆))自分の職場と家を行き来しているだけなのに、世界中のあらゆる問題を解決したり戻したりするのは大きいことなのに小さい感じでシュールで笑えました。もう少し暴走したりダイナミックな展開になってくれても良かったかなと思います。2016年公開。
「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」
レニー・ゼルヴィガー主演他。43歳、理想は教会で素敵な結婚式を挙げて幸せになっているはずだったのに・・・。43歳になったブリジット・ジョーンズ(レニー・ゼルヴィガー)。あの感動的なラストから何があったのやら、堅物大物弁護士のマークと別れて5年。結婚は諦めていないが、相手はいない。そんな時出会ったのは、優しい実業家のジャック(パトリック・デンプシー)。しかし、その直後、元彼のマーク(コリン・ファース)と再会。なんとヨリを戻したいと告げられてしまいます。(せっかく、頑張って忘れたはずなのに、ブリジットの心はマークにも惹かれてしまいます。)まさかの三角関係に発展!さらに思わぬ出来事が!幾つになってもブリジットの恋は波乱の連続!彼女は誰と結ばれる?彼女が最後に選んだ相手とは?世界中の女性たちを笑いと共感の渦に巻き込んだ、あのとびきりチャーミングな等身大ヒロイン<ブリジット・ジョーンズ>が帰ってくる!1この秋、最高のラブコメディー。彼女の幸せを見届けよう!
10点!!おかえり!ブリジット・ジョーンズ!(*^O^*) 冒頭から声を出して笑いそうになってしまいました(*^▽^*) 初めからこんなに弾けてたっけ?というくらい、最初からブリジットが飛ばしまくりです!5秒に1回笑いの波が押し寄せる中、会ったばかりのジャックとワンナイトラブをしちゃったり、お葬式で再会したマークとも寝ちゃったり、ブリジットの快楽至上主義は、年齢と共に超加速しているようです(笑)また二人の男が、酸いも甘いも経験した大人の男の魅力が溢れて出ていてすっっごいセクシーなんですo(*>▽<*)o あれだけフェロモンがスクリーンからだだ漏れしてたらブリジットじゃなくても吸い寄せられるわ!(鼻血)ちなみに私は断然マーク派。(コリン・ファース56才なんてあのセクシーさ信じられない!!)でも寝るならどちらともお願いします!(爆)ブリジットも男にだらしないし、お酒も煙草も止められなくてダメダメヒロインな筈なのに、42歳になっても全てに全力投球で空回りして、それでもいつもポジティブで、自分に不利なことも上手く隠せなくて(笑)、この隙だらけなところが男性には「放っとけない」と思わせ、女性には超共感と幾つになっても可愛い!と好かれる理由なのですよね(*^¬^*) きっとブリジットはおばあちゃんになっても色んなことに悩みながら周りを巻き込み騒ぎを起こして可愛らしさ満点なのだろうなぁと、あったかい気持ちになりました(*´∇`*) 原作と全然違って、もはやオリジナルといっても過言ではないくらいのストーリーなのですが、happyだらけで大好きな映画になりました♪そして、まさかのダニエル!!(笑)ヒュー・グラントのテキトーさも「ブリジット・ジョーンズの日記」には欠かせないので、ああいう形でも嬉しかったです☆これぞ大人のラブコメディ!実はかなりリアルな大人女子の夢!という感じで、お肌に良いフェロモンとブリジットのポジティブ・パワーにたくさん元気を貰いました♪♪生涯で大切な一本です。2016年公開。
「溺れるナイフ」
小松菜奈、菅田将暉主演他。一生ぶん、恋をした。目が回るほど、息が止まるほど、震えるほど―。15歳の夏。都会から転校した来た人気モデルの夏芽(小松菜奈)は、神様が住むという入江で、美しい少年コウ(菅田将暉)に出会い、その激しく、自由な振る舞いに翻弄されながらも、強烈に惹かれていく。コウもまた、夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがてふたりは付き合い始める。「一緒にいれば無敵!」という予感に満たされるふたり。しかし浮雲の夏祭りの夜、全てを変える事件が起きるのだった―。失われた全能感、途切れてしまった絆。傷ついたふたりは、再び輝きを取り戻すことができるのか。未来への一歩を踏み出すために、ふたりがくだす決断とは―?気高く危うい10代の破裂しそうな恋と衝動を描いた、最旬キャストで贈る【一生に一度】のラブストーリー。
3点!!原作は二巻くらいでリタイアしました(ジョージ朝倉は好きなのにこれは面白くなかった)原作がかなり昔のものなので、大友以外の登場人物が皆昔の中二病真っしぐらなお話です。作中に映されている水面が、すべてのシーンで黒く濁っていて、彼らを呑み込もうとしているようで、印象的でした。菅田くんと小松菜奈ちゃんは旬な俳優さんだけあって、二人でも単体でも、暗闇の中で光輝いていたけれど、15歳だからこそ言える台詞、放つ熱を表現するのはやはり大人になり過ぎていました。夏芽と大友(重岡大毅)の心情は丁寧に描かれていて、夏芽の悔しさ、無力感、もがき苦しむ気持ちが、とても伝わってきて良かったです。しかし、コウとカナ(上白石萌音)は基本設定や背景すら殆ど語られず、コウが島では特別な存在で夏芽が惹かれてコウにこだわり続ける理由も、全然わからなかったです。カナなんか、もう出なくても大丈夫なくらいの扱いで、上白石ちゃんの雰囲気や、クライマックスの修羅場は良かったのに勿体無かったです。あと、水中シーンが綺麗で、描き方次第では純文学風に出来たのに、歌詞が耳に入ってきてしまうポップな曲を作中とエンドロールに使用したことで、作品全体がチープになってしまっていました。大友のカラオケフルのシーンはサービスショットなのかな?重岡くんのファンじゃないので、不必要に長く感じました。「ホットロード」や「MARS」もそうですが、原作が昔のものを今、映像化するのは難しいです( ̄~ ̄;)2016年公開。
「見えない目撃者」
ヤン・ミー主演他。3年前に事故で視覚を失ってしまった元警察官候補生のル・シャオシン(ヤン・ミー)は、乗っていたタクシーが何かにぶつかった衝撃を感じるが、運転手は犬をひいてしまったと言うだけだった。不審に感じたル・シャオシンが執拗に問いただすと、運転手は逃げてしまう。この事件と、世間を騒がせている女性失踪事件が関連していることをつかんだ警察も捜査を開始する。そして、このひき逃げ事件を偶然にも目撃し、熱血漢とともに目撃証言することで奨金をもらえることを期待している若者リン・チョン(ルハン)が現れるが、ふたりは犯人に狙われるようになり・・・。闇の中、命を狙われていく二人。“事故”の裏に潜む猟奇的な犯人の目的とは・・・?一つの事件に交錯する二つの証言。二つの証言が重なった時、本当の恐怖が姿を現す。アジアの才能が集結した中国のサスペンス・スリラー映画。
5点!!今最も面白い才能を持った俳優陣が結集した映画・・・ですが、アイドル・ルハンがいるので、完全なサスペンス・スリラーになるところをアイドルテイストなサービスショットと意味の分からない展開が無理やり織り込まれており、非常に勿体ない感じです。日本でいうとジャニーズ使うとそうなっちゃったみたいなイメージです。2時間ない作品でサスペンスなのに展開が亀並みにのろくて、最後の10分くらいで一気に方を付けるのか?と別の意味でハラハラしながら観ていましたが、クライマックスの犯人と対峙する場面になってからもこれでもかというくらいねちっこいしつこさで、何分続くのだろう・・・と思ってしまいました。主演のヤン・ミーとルハンが美男美女じゃなかったらキツかったと思います。特に、日本でもモデルをしていたヤン・ミーは蓮佛美沙子みたいな感じで知的な美人さんで演技も惹きつけられ、観飽きません。シャオシンとリン・チョンのそれぞれ違う証言を上手くかみ合わせて事件に近づいていくという展開にした方が、主人公たちが能動的になるので面白かったかなと思います。(犯人動き過ぎ。)中国の視覚障害の人たちって杖は持たないんですね。杖があったら犯人殴れちゃうから持たなかっただけかな?詳しくないので分からずモヤモヤしてました。盲導犬も飼い主残して逃げちゃうとか見えない人より足が遅いとかも有りえないのでオイッ!と突っ込みながらもオバカな犬でも犠牲になるとやっぱり悲しかったです(;_;)でも、自分が見えなくて隣に犯人がいて覗き込んでるとか怖過ぎました。クライマックスの暗闇での犯人との対峙シーンも本当にスクリーンが真っ暗な時間が長くて、映画館に一人で観に行かなくて良かったと思うくらい怖かったです(>_<)ラストのリン・チョンのどうしてそうなった?というアイドル的展開がなければ、なかなか面白い作品だったと思います(ねちっこいけど)。2016年公開。
「湯を沸かすほどの熱い愛」
宮沢りえ主演他。最高の愛を込めて、葬ります。銭湯を営む幸野家。しかし、父(オダギリ・ジョー)が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。母・双葉(宮沢りえ)は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘・安澄(杉咲花)を育てていた。そんなある日突然、余命2ヵ月という宣告を受ける。その日から彼女は「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。その母の行動は、家族からすべての秘密を撮る払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を葬ることを決意する。死にゆく母の熱い想いと、想像もつかない驚きのラストに、涙と生きる力がほとばしる家族の愛の物語。
7点!!道半ばに人が死ぬということ、生活を共にし、心が繋がった者同士を家族ということ、多くを語らずとも、双葉という女性の人生を感じられる作品でした。人は死を目の前にすると周囲や自分のそれまでの秘密が明るみになってしまうものなのかと「ぼくたちの家族」に続いて思い知りました。銭湯は日本独特の文化で、すべての家にお風呂がついてる時代になっても、銭湯には毎日お客さんがいて。そういうのが、スクリーンから伝わればいいなと思いながら観ていました。しかも、この手の作品がりりィさんの遺作だなんて、不意打ち過ぎました(;_;)元々痩せ型の宮沢りえさんが短期間で太ってまた驚くほど痩せているのが凄かったです。あの歳でそれをやるのはかなりリスキーなのに、宮沢さんはあの可愛くて綺麗なアイドルから、いつから本格女優になっていったのだろう?と考えてしまいました(私は世代的に昔を知りません)杉咲花ちゃんは背丈も見た目も演技も既に他に追随を許さない唯一無二の女優ですね。ずっと小学生~高校生役を行き来してますが(笑)、本作で、彼女の本気と度胸を観た気がします(*゜Q゜*) オダギリ・ジョーはもうずっとダメンズ役やってますよね(^_^;) たまには「SHINOBI」の時のようなカッコいいオダギリ・ジョーも観たいです。懐の深い女にはダメンズが寄ってくる定説なのでしょうか?それかダメンズといるから女のキャパがどんどん拡がるか(爆)いずれにしろ、双葉は凄いデカイ女性です。自身の母との関係もあるとは思いますが、たぶん元々デカイ!宮沢さんの母である時の双葉の顔と一人になった時の顔が全然違くて、素晴らしかったです。予想のつかないラストは本当に予想が出来なかったもので(笑)、久々にストンと納得と驚きをいただきました(お見事!)。泣きポイントは何度もあるのですが、ぐっとは来ましたが、泣きには至らず。安澄が「私なんて最下層の人間だ。」というシーンは辛かったなぁ。同じ親として子どもにそんな事を言われたらと思うと胸が潰れました(>_<) でも監督の思惑通り、心はしっかり動かされました。旅行で色んなところに行ったりしてダレそうなのにすべてのシーンが愛と愛のぶつかり合いで素敵でした(*^▽^*) 2016年公開。
「古都」
松雪泰子主演他。呉服屋に生きる千重子(松雪泰子二役)と北山杉に生きる苗子(松雪泰子二役)。生き分かれになった姉妹のそれぞれの娘が大人になった時、新たな物語が動き出す―舞台は京都とパリ。時は生き別れになった双子の姉妹、千重子と苗子が最後に会って別れてから20数年後。それぞれに娘が生まれ、すっかり大人の女性になった二人は、新たな葛藤を抱えていた。千重子は代々続く呉服店を娘の舞(橋本愛)に継がせるつもりだったが、舞から思わぬ抵抗を受ける。北山杉で林業を営む苗子は絵画を志す娘の結衣(成海璃子)を快くパリに送り出したが、結衣が自分の才能に疑問を持ち始めていることに気付く。娘と同じ年の頃、千重子も苗子も人生の岐路に立ち、迷っていた。あの時の自分が下した決断に想いを馳せながら、二人は娘の未来のために何をしてやれるのかを問いかける─。この運命に生きる―川端康成の不朽の名作が現代版で映画化。
1点!!「古都」は未読です。あらすじは知ってます。オリジナル続編で原作を読んでいないので、最近疲れてるし、京都の空気や景色に癒されよう!くらいの気持ちで観に行きました。でもそんなにガッチリ景色は映されなくて(>_<)、たまにふわっと京都の北山杉やパリの桜なんかが映されて、将来に悩む若い二人が一歩を踏み出すまでをふわっと描きつつ、母親の過去の回想が入ったりして、全体的にアーティスティックな感じでフワフワしてました。そんなもんだから、クライマックスの良いシーンで眠気MAX!(爆)現状のプレッシャーに押し潰されそうになりながらも未来を決められない若者の話自体はよくある話ですからね(^_^;) 松雪さんじゃなくて、尾野真千子とかだったらもう少し感情を動かされたかも知れないです。千重子たちが暮らすお家やお店が、現代小物や家具がなかったら、もう本当に江戸時代みたいで、こんな過去と未来が共存する空間で、じっくり時間をかけてほんまもんで下味を染み込ませたご飯を毎日いただけるなんて、なんて贅沢で不思議な空間なのだろうと思いました。真太郎(葉山奨之)が通りで車の遠隔操作でドアを開けて乗り込むシーンがあるのですが、車が違和感バリバリで車だけタイムスリップしてきちゃったみたいでした(*゜Q゜*) 「京都の人間はほんまもんに囲まれて育ってるから、目口だけは肥えていて経験がないから大変。」とお祖父さんが言っていたのが印象的で、目口も経験も長い時間をかけなければ身にはつかないもので、それを次代に繋いでいくのは、気が遠くなるほどの歴史と人々の想いを感じました。会話の端々にある「西陣に行っても機織りの音が聞こえなくなった。」とか京都が大変な危機に直面していくのもヒシヒシと感じました。なので、文化教材としてはほんわかと成功、映画の面白さは日本を代表する名作「古都」の続編としては、予定調和なことしか起こらないので、いまいちと言ったところでしょうか( ̄~ ̄;)とりあえず「古都」は読んでみます。私は知識が圧倒的に足りないので、恥ずかしくなりました(>_<) 2016年公開。
「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」
コリン・ファース主演他。傷ひとつ残らないなら、真の友情とは言えない―ある日、編集者パーキンズ(コリン・ファース)の元に無名の作家トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)の原稿が持ち込まれる。彼の才能を見抜いたパーキンズは、感情のままに、際限なく文章を生み出すウルフを支え、処女作「天使よ故郷を見よ」をベストセラーに導く。そして更なる大作に取りかかるふたりは昼夜を問わず執筆に没頭。パーキンズは家庭を犠牲にし、ウルフの愛人アリーン(ニコール・キッドマン)はふたりの関係に嫉妬し胸を焦がす。やがて第二作は完成し、またも大ヒット。その一方で、ウルフはパーキンズ無しでは作品を書けないという悪評に怒り、二人の関係に暗雲が立ち込める。果たして、立場を超えて生まれた二人の友情の行く末は―?コリン・ファース×ジュード・ロウ、絶頂期を迎えた2人の名優が初共演!名作誕生の裏側に隠された、友情の絆を感動的に描いた実話。
8点!!冒頭から逸作の香りが・・・世界恐慌時代のアメリカかな?駅のガヤガヤした雰囲気や駅舎の荘厳でくたびれた佇まい、走り跳び乗る人々、私は生まれていない時代ですが、眼を閉じて音を聴くとタイムスリップしたようでした(*´∇`*) めっきりセクシーなオジサマになったコリン・ファースとジュード・ロウ好きには必見。コリン・ファースとジュード・ロウが諳じる名文の数々にウットリしていました(*´-`) ジュード・ロウの“L”の発音のセクシーなこと!( 〃^^〃) 二人とも朗読が上手で、寝る時に枕元で諳じて欲しいなぁと思ってしまいました(笑)それにしてもコリン・ファースとニコール・キッドマンは共演し過ぎではないですか?ジョニー・デップとヘレナ・ボナム=カーターみたいに見えてきました(^_^;) ジュード・ロウのずっとテンションを維持するお芝居は大変だったろうな。目元に真っ黒なクマを作ってヨレヨレなのに眼の中はどう猛な動物のようで、今までに観たことのないジュード・ロウでした。トマスは終始、不安定で、でも書くものは天才、何かを語るのに溢れんばかりの表現が頭を駆け巡って倒錯状態なのが、すごく伝わってきました。当初、トマス役はマイケル・ファスベンダーが演じる予定でしたけど、ジュード・ロウで正解だったと思います。奇才で扱いにくい中にある、とびきりチャーミングで人を惹き付ける感じがよく出ていました(*^¬^*) トマスは作家と編集者の関係を簡単に飛び越えてきてしまうタイプの作家で、パーキンズは二人の関係性を保つのが大変だったろうなと苦笑してしまいました(^_^;) 互いに大切な存在だと理解りながらも、仕事相手としての距離を保たなければと奮闘するパーキンズの姿は恋愛関係そのもので、アリーン(ニコール・キッドマン)がブチキレるのもよくわかりました(^_^;) 自分が生み出した作品を一文でも削られるのは、自分の子どもを貶されているのと同じくらい辛くて、編集者はいかにそれ以上のものを一緒に作り出せるか、作者は良き作品にするために突き進めるか、絶妙な相性の中で名作は生まれるのだなぁとビシビシ感じました。パーキンズが帽子を外すシーンは切なかったなぁ、余韻がすごく残ってます。特別、面白い展開になるわけではないですが、英米文学好きにはたまらない特別なビターチョコレートを一粒頂いたような作品です。最後まで二人の競演に惹き付けられました(*´∇`*) 2016年公開。
「アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナッツ」
ジャスティン・レイ主演他。ドジな青年ジョニー(ジャスティン・レイ)は、美人で優しいミシェル(カイラ・コンプトン)とともに、ロサンゼルスにあるパッとしないドーナツショップ「ダンディ・ドーナツ」で働いている。ある日、自称サイエンティストの叔父(マイケル・スワン)が人間を襲う遺伝子を厨房でばらまき、大量の殺人ドーナツを生み出してしまう。人間に食べられてたドーナツたちは、群れをなして逆襲を開始する。事態に気づいたジョニーとミシェルは、ドーナツ店の客たちに群れをなして襲いかかるキラー・ドーナツたちを退治するべく立ち上がるが・・・。人喰いドーナツたちが襲い掛かる!あの迷作「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」にオマージュを捧げたコメディ・ホラー快作!
1点!!私の1時間半を返して!(笑)2時間強に感じるくらいのくだらなさでした(^^;)しかもDVDに日本語吹替がなかったです。B級映画だとそういうことがあるんですね(>_<)まず、ドーナツがキラーになるまでが長い!!意味のない若者のダラダラした会話のやりとりが永遠かと思うくらい続くので(きっと、この田舎町では毎日こうやってやり過ごしているのねと思いました。)、映画を観るというよりは英語の勉強がてらにという頭にシフトチェンジしました(爆)キラードーナツは可愛いです(笑)トマトはベチャって潰れるだけで可愛くないけれど、ドーナツはコロコロ転がったりピョンピョン跳ねたり可愛いです。全然怖くないし、シモ系のグロシーンはありますが、ホラー系のグロさはほとんどなかったです。フライヤーからチョコレートやコーティングされた状態でドーナツが出てくる謎(笑)適当に作り過ぎだろってところは全部無視出来る方じゃないと色々気になって仕方ないと思います。主人公のジョニーとミシェルを演じた俳優さんたちが可愛かったです。普通にもう少し良い作品に出れそうな感じですが、ハリウッドは無数に俳優がいるから難しいのかな。アメリカ人ってすごいバカなこと考えるなぁと感心してしまいましたが、日本でもこういうの作ればいいのに(でもお笑いの人がやるのは嫌。)。ドタバタしただけで何も解決してない感じでしたが、B級映画は起承転結がなくてもいいのでしょうか?一応流れは作ってほしいなと思ってしまいました。お母さんが後ろ向きだと完全に若者の格好なので正面を向いた時に思ったよりオバサンでちょっとホラーでした。2016年公開。
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
エディ・レッドメイン主演他。今度の魔法はもっとすごい!主人公は魅力いっぱいの魔法使いニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)。魔法使いとしては優秀なのに、おっちょこちょい。人間よりも魔法動物をこよなく愛する変わり者。魔法動物学者として世界中を旅する彼の手には、いつも愛用のトランクがある。ニュートのトランクの中に入っているのはなんと―たくさんの魔法動物たち!それらをうっかり逃がしてしまったことでニューヨークの人間の街は大パニックに!しかも、ノー・マジ(普通の人間)が魔法使いの存在に気づきはじめ、人間界と魔法界は一触即発の極めて危険な状態に・・・。持てる魔法のすべてを使い、仲間と共にニュートは人間界と魔法界を救えるのか?「ハリー・ポッター」シリーズ新章!まだ誰も見たことがない魔法をつれて“ファンタビ”の冬がやって来る!
8点!!2D字幕版、3D吹替版両方での鑑賞です。今年一番観たかった映画。3Dはバランスが良くて、ずっと飛び出したりすごい描写があるわけではないのですが、油断していると飛んでくるみたいな感じが良くて、3Dで観る価値がある作品だと思いました。でも全体的に暗いシーンが多いので鮮やかな美しさを期待してると違うかも知れません。冒頭、エディが一言発した瞬間に今まで彼が演じたどの役とも声の感じから変えているのがわかり、それでテンションが一気に上がりました(*^▽^*) 一緒に観た人は「泣けた。」と言っていましたが、私は特に泣ける場面はなかったです。ニュートがバリバリ古風なイギリス衣装を着ているのとNYが世界恐慌後で薄暗いので、アメリカ感が殆ど感じられず、残念でした。ここで「ハリー・ポッター」シリーズとの違いを感じられると思っていたので(>_<) ニュートはおっちょこちょいってレベルを超えていません?(汗)現代なら、間違いなく注意力欠陥障害なのだと思います(ローリングはそういう登場人物を描くことが多いですし。)そして、エディは変な動きをするのがサマになる不思議な俳優さんです。ゴールドスタイン姉妹は姉ティナ(キャサリン・ウォーターストン)が地味で真面目で、妹クイニー(アリソン・スドル)が絶世の美女で要領も良いという姉妹の典型スタイルで、これから二人が喧嘩するところとか観られるのかしら?と楽しみになりました(*^^*) 引く手あまたのクイニーがジェイコブ(ダン・フォグラー)に惹かれた理由を、もう少し分かりやすく見せて欲しかったです(心の中は見えませんしね。)逃げ出した魔法動物たちは大して大暴れはしていなくて、ニュートが案内してくれる動物園のツアーに参加している気分でした。クライマックスのアクションシーンも暗いので観にくく、誰がどう動こうとしているのかわかりにくかったのも残念でした(>_<) 展開も大人向けで子どもだと意味がつかめないだろう部分も多かったです。(それはそれで大人なので良いのですが。)有名どころの役者さんがバンバン出ているので、死んだように見せたキャラクターもまた登場するのでは?と含みを持たせられていて良いです。これっきりじゃあまりに贅沢な使い方(@_@) 美青年のエズラ・ミラーが髪型だけであれだけ冴えなくなるのは驚きでした。また出てくるのかな?ローリングは5作まで考えてると言っていましたが、間延びして「ハリー・ポッター」の時のようにリタイアする人が出ないように、中身の濃い続編を作って欲しいです(*^^*) 次作へ期待♪2016年公開。
「無伴奏」
成海璃子主演他。こんなに好きだったのに―あなたは誰を愛しているの?1969年、反戦運動や全共闘運動が起きていた激闘の時代。高校3年生の野間響子(成海璃子)は、親友と制服廃止闘争委員会を結成し、革命を訴えながらも、実はさして強い想いがあるわけではなく、学園闘争の真似をしているだけの自分に嫌気がさしていた。そんなある日、響子は偶然入ったバロック喫茶「無伴奏」で、フランクだがどこか捉えどころのない大学生・渉(池松壮亮)と、渉の親友・祐之介(斎藤工)、祐之介の恋人・エマ(遠藤新菜)の3人に出会う。いつしか渉に惹かれていく響子。初めてのキス、初めてのセックス。“革命”以上に刺激的な恋の魔力に響子が囚われていたある日、思いもよらない衝撃的な事件が起こる―。直木賞作家・小池真理子の藩自叙伝的同名小説を映画化。秘密の恋に揺れ動く男女の切なく耽美なラブストーリー。
6点!!正直、斎藤工は苦手です。成海璃子ちゃんもブランク明けで最近伸び悩んでいますし、小池真理子も進んで読む作家ではないので、池松くん目当てで観ました。最初はやはり、全員が60年代終わり特有の自意識過剰な話し方をしている中で、池松くんだけが台詞にリアルティと人間味をこめていて、他のキャスト陣はそういうのが感じられなくて、ああこういう雰囲気映画で最後までいくのかなと思ってしまいましたが、後半の斎藤さんと成海璃子ちゃんの追い上げが凄かった!!∑q|゚Д゚|p 斎藤さんは異質さと激しい嫉妬オーラが凄くて、あんな表情が出来る俳優だとは思わなかったです。成海璃子ちゃんは、最近、彼女のドラマも観ているのですが、やはり彼女は映画の人です。演技が特別上手いわけではないのですが、スクリーンに存在しているだけで映画が成り立っています。ある映画監督さんは俳優はそれで十分だとおっしゃっていましたが、まさにそれで、台詞が少なくても気持ちの変化を佇まいだけで表わしていて、伸び悩んでいるなんて見当違いでした(>_<) 池松くんはラブシーンの手慣れてきた感ハンパなかったです(笑)でも、ここのところ、斜に構えた若者役が続いていたので、あれほど取り乱し、そこにきちんと感情を乗せていて、こういう演技も完璧にこなすんだとますます見逃せない俳優だと思いました。素晴らしいです(^^)池松くんにしか期待していなかったので、まさに掘り出し物な作品でした。バロック喫茶や劇中に流れるクラシックも、見事に登場人物たちの心情を表し、作品を昇華させています。「愛がなくては革命なんて起こせない」というキャッチコピーなのですが、自分の体の中に蠢く熱情の全てを初恋に捧げた響子も、一度は諦めた恋から逃れられずに苦しむ渉や祐之介の愛も、いつも全力で苦しくて、でもやめる方法なんてわからないという「恋と愛」はいつの時代も不変なのだなぁとこちらまで苦しくなりました。60年代終わりについては詳しくないのですが、響子たちが履いているミニスカート。あんなに短いのが普通だったのでしょうか?特に強い思いがあるわけでないのに学生運動に参加して、お世話になっている先生や社会を罵倒し、自分が庇護されている立場にいる学生であることを誰も顧みなかったのでしょうか?学生でいるのが抑圧されていると感じるならば、迷惑かけていないで、学校辞めればいいのにと思ってしまいました。ラストの響子の「渉さん」という台詞と重なるパッヘルベルのカノンの素晴らしさ!!思わず涙が零れそうでした。2016年公開。
「ソムニア ―悪夢の少年―」
ジェイソン・トレンブレイ主演他。愛する幼い息子ショーンを失った妻ジェシー(ケイト・ボスワーズ)と夫マーク(トーマス・ジェーン)は、悲しみを乗り越えようと、8歳の少年コーディ(ジェイソン・トレンブレイ)を養子に迎えることに。しかし、コーディはなぜか眠りにつかず、蝶の図鑑を読んで夜を過ごすのだった。ある晩、夫婦がリビングにいると、美しい蝶の群れが出現。さらに別の晩には、死んだはずのショーンまで目の前に現れる。 息子を抱きしめるジェシーだったが、すぐに息子の姿は消えてしまうのだった。そんななか、コーディが夫婦に告げるーー「ごめんなさい。僕の夢なんだ」。ジェシーは、ショーンと会いたいがために、コーディを眠らせようとするが、ある晩、悪夢のような出来事が起こる。『ルーム』の演技で世界中の涙を誘った天才子役ジェイコブ・トレンブレイが、自らの特殊な能力に苦しめられる少年を熱演。幻想的な世界観でまさに悪夢のような恐怖へと観る者を誘う、戦慄のファンタジック・ホラー。
4点!!配給元が倒産したりで結局日本に入ってこなかった作品。「ROOM」のジェイソン・トレンブレイくんの夢がホラーで、一緒に暮らしている人を皆食べていっちゃうお話です。ホラー苦手ですが、トレンブレイくんを観たいのと綺麗と怖いの半々っぽいのでイケるかなと思って観ました。基本、夢の話であとは静かに夜に潜むシーンばかりなので、静かで動きも少なく眠たくなってしまいました。自分の能力から周りを守ろうとカフェイン剤を摂取してまで起きていようとする8歳のコーディ(>_<)もうこれ自体が自分を痛めつけてる感満載で、自身で児童虐待してる的な可哀想さがハンパなかったです(>_<)トレンブレイくんは将来は格好良くなるかわからないですけど、小さく呟くように話す声まで可愛くてキューンと射抜かれてしまいました。義母役のケイト・ボスワーズがレイチェル・マクアダムスにそっくりで、いつ大型作品でブレイクしてもおかしくない感じの女優さんでした。結局、コーディを想う愛があのような形になったわけですが、幼い頃の記憶を正しく留めておくのは相当難儀なことなのだなぁと仕方ないのですが、何とも言えない気持ちになりました。あと、あの年齢くらいまでの子どもなら心理士が催眠コントロールである程度夢のコントロールができるのでは?と思ってしまいました(^^;)放置されてて、コーディも周りも取返しのつかないことになってます(>_<)これからコーディが成長して逆に夢をコントロールできるようになってしまうのも、また怖いなぁと思いました。精神世界の話って曖昧な感じで終わるものが多く、本作もそうでしたが、もう少し解明を期待してしまいました。2016年日本未公開作品。
「アズミ・ハルコは行方不明」
蒼井優主演他。安曇春子(アズミハルコ)(蒼井優)・・・とある地方都市に住む28歳独身、恋人なし。実家で両親、祖母と共に暮らしている。母親は祖母の介護にストレスを感じており、実家は決して居心地のいいものではない。その上、会社に行けば社長と専務に「女は若いうちに結婚するべきだ」とセクハラまがいの言葉を浴びせられ、鬱屈とした日々を過ごしている。少しずつ自分の年齢と暮らしに焦りを感じ始めていた矢先、とある晩を境に失踪、消息不明に。突如街中に拡散される、行方不明になった女<アズミハルコ>のグラフィティアート。夜な夜な現れては無差別で男たちをボコボコにし、嵐の様に去っていく謎の女子高生集団。うらぶれた地方都市で起こる2つの「事件」は、アズミハルコの失踪をきっかけに交錯し、思いもよらない結末へと疾走していく。これはアズミハルコの企みなのか。ハルコが消えた本当の理由とは・・・。“アラサー、ハタチ、女子高生”3世代の女子たちのリアルな輪郭がなぞられる、最高にポップでリアルな青春ガールズムービー!
5点!!初めから3つのストーリー(メインは2つ)と複雑に交錯する時間軸がパッパッと切り替わりながら、飛ばしています。その中で面白そうな伏線を次々張っていくので、これちゃんと回収出来るのか?してくれよ~?(>_<)と、どんどん膨らんでいく期待にブレーキをかけながら観ていました。蒼井優の久々のガッチリ主演作。彼女のステテコ履いてホームセンターに行くオッサンっぽさと、「じゃあ、私と付き合ってよ!・・・ばかじゃないよ。」と女の子に切り替わるギャップが可愛過ぎて、射抜かれました(*゜Q゜*) もう一人のヒロインを演じた高畑充希は、舞台出身なので、朝ドラなどの長いクールだと「もういいよ。」となってしまいますが、映画では、持ち前の発声の良さと一瞬で観客を惹きつける演技でしっかり魅了してくれています。アイナのハンパないウザさと純粋さの絶妙なバランス加減は、流石です(*^^*) 他にも太賀、落合モトキ、石崎ひゅーい、加瀬亮と単館ウケの良さそうなキャスティングで、久々に安心して「映画」を観た気がします(*^¬^*) ラストは曖昧なまま終わるのかな?と思っていましたが、ストンと着地してくれて、それまでが濃かったので、そのアッサリさも○でした。私は高校から地元を抜けてしまったのでわかりませんでしたが、地元の共学の同級生ってあんな感じなのかなぁ、なんか密度狭過ぎ濃過ぎで私には無理だなぁと思いました(だから抜けたんですけど。)あと、男の最低さ加減がリアルでした。この世界には男と女が半分ずつしかいないから、男がどんなに駄目でも、ペアになったり関わったりしながら生きていかなければならなくて、だからこそ女は強く生きるのだ!みたいな女子パワーを10、20、30代からガシッと感じられる作品です。2016年公開。
「ディーパンの闘い」
アントニーターサン・ジェスターサン主演他。内戦下のスリランカを逃れ、フランスに入国するため、赤の他人の女と少女とともに“家族"を装う元兵士ディーパン(アントニーターサン・ジェスターサン)。辛うじて難民審査を通り抜けた3人は、パリ郊外の集合団地の一室に腰を落ち着け、ディーパンは団地の管理人の職を手にする。日の差すうちは外で家族を装い、ひとつ屋根の下では他人に戻る日々。彼らがささやかな幸せに手を伸ばした矢先、新たな暴力が襲いかかる。戦いを捨てたディーパンだったが、愛のため、家族のために闘いの階段を昇ってゆく─。第68回カンヌ国際映画祭パルムドール〈最高賞〉を受賞した偽装家族から真の家族の絆を生み出さんとする個の闘いをパワフル且つ、スタイリッシュに描き、人種、宗教、移民問題に揺れる欧州の“今"を鮮やかに取り込んだ傑作人間ドラマ。
3点!!パルムドールって感じです。私、パルムドールの作品ほぼ眠たくなっちゃうんです、スタイリッシュというよりクラシック音楽みたいな。2時間なのに3時間強に感じます。今回は寝ませんでしたが、パルムドールだなぁっていう。ディーパンは国を出る時に覚悟を決めてる感じがちゃんとあって、めっちゃいい男なのに、連れとして選んだ女が全然覚悟決めてなくて、そりゃ辛い長旅と慣れない生活でキツイだろうけど、ずっとふくれっ面で「私も働かなくちゃいけないの!?」とかキレてて、スリランカの女性って皆こんな強気なの?と勘違いしそうになってしまいました(>_<)それもこれも私が無知過ぎるからで、スリランカの現状も移民大国と言われているフランスで移民とフランス人たちがどういう風に交流しているかも、移民が暮らすエリアみたいなのがあるのか?など(ディーパンたちはチンピラと売人だらけの団地です)知らないことだらけだったので、ディーパンたち同様、知らない言葉のところはわからない言語のまま、知らない景色はぼんやりとしたまま観ている感じでした。移民の人たちは移民先の国で一生暮らしていく覚悟で逃げてくるのかな?それとも、またどこかへ行かなければならないことも考えて、腰は落ち着けない感じなのかな?とか色々考えてしまいました。お金の単位の違いも言葉も何もかもわからないで近所で発砲があっても聞ける人もいなくて、しまいに「同志!」とか言って、テロリストみたいな人たちが訪ねてくるし、物凄いストレス下に置かれているということだけはわかりました(>_<)それでも、ディーパンが連れてきた女!親戚がいるのに無理やり引き離してきた子どもは最後まで一緒にいてあげる覚悟がなく、捨てるつもりだなんて酷いです。ディーパンも「見捨てるのか?」と言っているくらいなので、お国柄とかでなく、人間の問題なのだと思います。他人に構っていたら生きていけない環境だったのだろうけど、自分が巻き込んだ子どもくらいは見る人間性は失わないで欲しいなって言ったら戯言だって言われちゃうのかな・・・と落ち込みました(>_<)2016年公開。
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
福士蒼汰、小松菜奈主演他。たった30日恋するためにぼくたちは出会ったー京都の美大に通う20歳の大学生・南山高寿(福士蒼汰)は、いつものように大学まで向かう電車の中で出会った女性・福寿愛美(小松菜奈)を一目見た瞬間、恋に落ちた。勇気を振り絞って声をかけ、「また会える?」と約束を取り付けようとした高寿だったが、それを聞いた彼女はなぜか、突然涙してしまうー。彼女のこの時の涙の理由を知る由もない高寿だったが、2人は意気投合し、その後、すぐに交際をスタート。初めてのデート、初めて手を繋ぎ、初めて名前で呼び合う。そんな初めてのことがあるたびに泣く愛美のことを少し不思議に思いながらも、より愛美への愛情を深めていく高寿。そんな二人の関係は、誰もがうらやむ程に順調で、すべてがうまくいくものだと信じていた・・・しかし初めてキスをした日、高寿は、愛美から想像もしなかった大きな秘密を明かされる・・・。そして、二人の運命は“すれ違い”始める―“奇跡”の恋を描いたミリオンセラー「ぼく明日」が映画化!この冬、恋をする全ての人に贈るファンタジック・ラブストーリー。
5点!!原作は読む度に号泣してしまうくらい大好きです。なのに、三木監督~!(`Δ´)原作のSFとエモーショナルな部分「愛美の髪」「宝ヶ池」「午前0時の調整」「30日ルール」の描写をフルカットするなんてあり得ない!(怒)あと、高寿と愛美の35歳の最後のシーンは全部描かないと!唯一、back numberの書き下ろし主題歌「ハッピーエンド」だけが愛美の心情を見事に綴っていて泣けたので、もう(back numberの)清水さんに撮って欲しかったくらいです(爆)福士くんの暢気さと純粋さは高寿にぴったりなのですが、彼がいくら泣いたり感情を吐露しても、こちらに響いてこないんですよね(´;ω;`) ずっとこのままだとキツいなぁと思います(>_<) 小松菜奈ちゃんは、愛美の「完璧」を演じているのもあって、まぢ天使!光の射し込み方によって、彼女はとびきり美少女に見えるので、不思議な魅力がある女優さんです(*^O^*) 愛美の感情の出し加減が絶妙で素晴らしかったので、演出を上手くして欲しかったです(´>ω<`) 高寿と愛美が運命を大切に刻んでいく姿を観て、私も大切な人たちとの一瞬一瞬の日々は、もう二度とない一度きりの時間なのだから、悔いのないように今ある幸せを噛みしめて生きようと思いました。高寿と上山と電話シーンが微笑ましくて、高寿と愛美の京都デートのさらさ西陣や鴨川デルタにある飛び石のシーンが素敵でした(*^¬^*) 高寿が言う通り、完璧なカップルでした。そうだ、京都行こうと電車に飛び乗りたくなりました(笑) 2016年公開。
「ライオット・クラブ」
サム・クラフリン主演他。美しく気高く腐った男たち―英国の名門オックスフォード大学―数百年の歴史を持つ秘密の会員制クラブ、“ライオット・クラブ”。このクラブでh、2万人いる学生の中から選ばれた10人の超エリートたちが輝かしい未来を約束される。現役会員たちに見初められ、非常識で下劣な入会儀式を突破し、晴れて会員となった新入生のアリステア(サム・クラフリン)とマイルズ(マックス・アイアンズ)。上流階級の頂点の仲間入りを果たし、浮かれていた2人だったが、権力と金に支配されたクラブにとって、それはお遊びの一つに過ぎなかった。熾烈で陰湿な争いを繰り広げるメンバーたち。そして彼らの伝統である隠逸な晩餐会が幕を開けるとき、美しく腐った男たちの狂った欲望が“暴走”する―それは選ばれた10人しか味わえない下劣で気高く、華麗で腐った世界。英国イケメン若手俳優陣×「17歳の肖像」女性監督ロネ・シェルフィグが描く、スキャンダラスな衝撃作。
3点!!現英国首相デイヴィッド・キャメロンや英国外相ボリス・ジョンソンがかつて所属していたことでも知られているBurlingdon Clubをモデルにしたお話。誇張だと思いたい・・・こんな人たちで国が廻っている世界に住みたくないです(>_<)人じゃなくてもう猿ぢゃん(>_<)お金がありすぎて自由過ぎると結局猿に戻っちゃうのかな?ここで汚職の仕方とか学んでいくのかな?と思ってしまいました。ライオット・クラブのメンバーにはサム・クラフリンをはじめ、マックス・アイアンズ、ダグラス・ブース、サム・リードと今は3~4番手くらいで5年後くらいが楽しみなイケメン俳優がズラリと出演しています。クラフリン目当てで観たのですが、マックス・アイアンズが良かったです。でもちっともウットリは出来ないです。そこそこのイケメンだと内面から美しい役じゃないと全然格好良くないということがわかりました。予告編の彼らの美しさは本編では皆無です。日本の有名大学の事件もそうですが、頭脳、お金、名声と色々なカードを持っていても、使い方がわからない子どもにはあげたらいけないのだなぁと思いました。それに事件が起きるまでのただの乱痴気騒ぎが長くて中だるみし過ぎ。ハメの外し方も知らないのか面白くないので、「21オーバー」「ネイバーズ」とかの方がよっぽど観ていられます。あと、偏見かも知れないですけど、イギリスはどこかで自分が一番というプライドの高さがあるから、こういう子どもたちがいて、彼らが政治をするようになっても許されてるのだと思います。暴走に加わらなくても怯えて見ているだけとか、パワーがない一人の人間になった時、何も出来ないんだなってひとつの国を見ているようでした。彼らが大人になった時に立派なことを成し遂げたとしても、過去にやってしまったことは一生消えない汚点となって残るでしょう。日本人の「能ある鷹は爪を隠す」的な謙虚な美徳が根付いている人種で良かったとちょっとだけ思ってしまいました。2016年公開。
「海賊とよばれた男」
岡田准一主演他。大正~昭和の激動の時代に、一人の青年・国岡鐡造(岡田准一)が石油販売業を志し、彼のもとに集まった仲間たちと共に、「国岡商店」を興す。鐡造の型破りな行動力と、それを支える仲間たちの絆を武器に、国岡商店は快進撃を続けるが、彼らの前には、日本の石油のすべてを牛耳る実力者・鳥川(國村隼)を筆頭に、終戦後の日本を支配するGHQ、そして世界の大手石油会社など、様々な難関が待ち構えていた。絶体絶命の状況下、鐡造と国岡商店の男たちは最強の敵に立ち向かう。果たして国岡商店の運命は?そして、鐡造はなぜ“海賊”と呼ばれたのか?実話を基にした壮大なドラマが幕を開ける!激動の時代を生きた“海賊”たちの絆に感動必至!日本映画界が放つ、この冬必見の超大作!
6点!!百田さんは好きですが、難しそうだったので原作は未読で映画で観ました。出光の創始者・出光佐三がモデルのお話です。出光さんについて書かれた「出光佐三の日本人にかえれ」によると出光は「出勤簿がない」「残業代を社員が受け取らない(今はちゃんと受け取ってます)」「労働組合がない」など、かなり人間を信頼するという気風で成り立っている会社の模様。理解は出来ましたがやはりお仕事ムービーでした(笑)冒頭からフルCGの戦闘シーンや後半の黒木華の登用など、山崎さんもだいぶジョーカー技を繰り出す方だなぁと思います(^_^;) 戦闘シーンなんか、映像が綺麗すぎて逆に未来みたいになってましたし(爆)皆さんの老けメイクも気合い入りまくりで誰だかわからない方もいました(*゜Q゜*) 国岡さんは皆の遠回りルールを無視して真っ直ぐルートを突っ走る方で、「そのルールに意味はあるのか?」と問う敬遠されながらも憧れられるような方でした。戦争には負けても仕事では負けない!という強い意志を持った国岡さんのような方たちが、戦後の日本を急速に復興・経済成長させたのだと、よく理解りました(*^¬^*) 何度窮地に追い込まれても不死鳥のように蘇る国岡商店の姿に、同世代の方々が上映開始五分から号泣してらっしゃいました。あとは、「ALWAYS 三丁目~」の人たちが出過ぎかなぁ。染谷くんは何気にカメレオンなので何度観てもきちんと違う演技をしていて大丈夫なのですが、吉岡さんと堤さん出しちゃうとなー(^_^;) 小林さんとか日本映画界を支える名バイプレイヤーが勢揃いなのは胸が熱くなりました(ポイント違う?(笑))実際とは脚色が凄そうですが、それも含めて改めて百田さんの幅の広さに驚かされました。2016年公開。
「ピートと秘密の友達」
オークス・フェグリー主演他。ある事情から6年間森に棲んでいた少年・ピート(オークス・フェグリー)。親友は大きな不思議な生き物のエリオット。ところがある日、エリオットが街の人に捕らえられそうになってしまいます。ピートはエリオットと交わした<3つの約束>①名前をつけてあげること②不思議な力を隠すこと③絶対に守りぬくこと、を守り抜くことができるのでしょうか?幻のディズニー・ファンタジーを“映像テクノロジー”と言う現代の魔法で蘇らせた究極のファンタジー・アドベンチャー。この冬、ディズニーが贈る感動と言う名の<最高のプレゼント>!
8点!!良かったです(*^¬^*) 映像の緻密さこそピクサーには劣るものの、物語の力強さと登場人物の心の変化を丁寧に描き、観客に共感を呼び起こさせる力は、ディズニー・アニメーションの原点ここにあり!でした(*^▽^*) いきなりや無理めの展開がひとつもなく、ピートがグレース(ブライス・ダラス・ハワード)たちに“家族”を見出だしていく心の変化や、エリオットとの関係性、二人の決断がとても自然で、ずっと感情を乗せたまま楽しめました(*^¬^*) ナタリー(オオーナ・ローレンス)が小声で「頑張れ!」と祈るように呟いていたシーンが、彼女の人間性が表れていて素敵でした。橋でのシーンはわかってはいましたが、それでも、グレースたちの行動と気持ちに、ピートの信じる力に涙しました。オープニングとエンドロールの木彫りの物語を観ると、ピートと出会う前とその後のエリオットの物語が解るのも良かったです。物語の絵本を捲っているような安心と感動が甦る作品です(*^¬^*) 2016年公開。
「ディストラクション・ベイビーズ」
柳楽優弥主演他。欲望と狂気に染まれー“恐るべき子供たち”に居場所はあるのか?松山の裏路地、強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、打ちのめされても食らいつく芦原泰良(柳楽優弥)。彼に興味をもった高校生の北原裕也(菅田将暉)が「おもしろいことしようや」と声をかける。通行人をターゲットに無差別に暴行を加え、車を強奪したふたりは、乗り合わせていたキャバクラ嬢・那奈(小松菜奈)を拉致し、市外へと向かう。その頃、泰良の弟・将太(村上虹郎)は、自分をおいて消えた兄を探しに市内へとやってきていたー。新鋭・真利子哲也のもとに若き俳優たちが集結!観る者に得も言われぬ新たな感情を呼び覚ます青春映画が誕生!
4点!!アンチヒーロー・バトルトワイアルみたいな感じかな?と思っていたのですが、アンチヒーローなのは柳楽くんと小松菜奈ちゃんだけでした。柳楽くんが役柄で放つ近寄ったらヤバイ奴
オーラは凄い。それだけで100分ちょい魅せ切っていると言っても良いです。ただ、柳楽くんと菅田くんのこういう役柄は今までにもあって、上手いのはわかっているので、菅田くんと池松くんをチェンジしたら面白かったかなと思いました。小松菜奈ちゃんはこういう顔は天使、性格は悪魔みたいな役だといつも以上に光りますね。ボロボロになればなるほど、存在感が増していました。出番は少ないですが、村上淳さんの息子さんの村上虹郎くんが目を引く雰囲気を持つ子で、これから問題を起こさずに伸びてくれればいいなぁと思いました。狂気に魅せられたけどやっぱりビビっちゃう青年と、感覚が麻痺して狂気を孕んでいく少女のストーリーがメインで進んでいきます。基本、狂犬に茶々入れようとした奴や悪い奴がヤラれているのでそれは良いのですが、やっぱり何の罪もない女性が殴られるシーンは胸糞悪いだけでした。菅田くんの演じた裕也が糞過ぎて吐き気すら覚えましたが、いますよね、こういう奴(>_<) 真利子哲也監督の「NINIFUNI」も本作もどうしてこんなに役者さんが出たがって評価されているのかまだわかりませんでしたが(だってこれだけのキャストがいたらそれなりにすごいもの観れちゃうでしょう?)、これから頭の端っこら辺でチェックしておこうと思います。村上虹郎くんは要チェックです。2016年公開。
「この世界の片隅に」
声:のん主演他。1944年(昭和19)年2月。18歳のすず(声:のん)は、突然の縁談で軍港の街・呉へとお嫁に行くことになる。新しい家族には、夫・周作(声:細谷佳正)、そして周作の両親や義姉・径子、姪・晴美。配給物資がだんだん減っていく中でも、すずは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。1945年(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの艦載機による空襲にさらされ、すずが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。そして、昭和20年の夏がやってくる―。原作:こうの史代×監督・片淵須直で贈る日本中の想いが結集した100年先も伝えたい、珠玉のアニメーション映画。
5点!!方言もそうですが、用語や漢字も含めて完全に大人向けでした。画の柔らかさとのん演じるすずの柔らかな雰囲気が、戦時中という非日常の中の日常や感情を、自分に置き換える助けを果たしていて、良かったです(*^¬^*) でも、さすがの幼少期の声は尺も長くて、のんだと不自然だったので、変えても良かったかなと感じました。毎日、自分や周囲の生死を心配して、時には大切な人の生死に大きく関わることになってしまう事もある中で、すずのように場を和ます存在に、どれだけ周囲は助けられただろうと思いました。勿論、周作の先見の明もありで、義家族にも恵まれていたのは確かで、そんな彼らを見れば見るほど、そうでなかった人たちを想像せざる得ませんでした。呉は軍艦の町なので、真っ先に狙われると今では考えますが、当時の人たちは「呉にお嫁に行く」ということに関して、どう考えていたのだろう?と思いました。軍艦があるから守ってもらえるから安心?軍艦があるから真っ先に戦闘になるから危険?私はこういう作品は泣けなくて、涙も出ないほど絶句してしまいます。実際はそれでも毎日は続いていくので、ワンワン泣くのでしょうが、どんな状況下でも人と人なのだなと思わせてくれ、そんなかけがえのない人たちだからこそ、絶対に壊してはいけないし、守らなければならないと感じさせてくれる作品でした。2016年公開。
「土竜の唄 香港狂騒曲」
生田斗真主演他。脚本・宮藤官九郎×監督・三池崇史×主演・生田斗真で贈る興行収入20億円突破の大ヒット作「土竜の唄」が帰って来ました!潜入捜査官、通称“モグラ”として巨大な暴力団組織に潜入した菊川玲二(生田斗真)。彼に与えられた新たな仕事、それは組長の娘・迦蓮(本田翼)のボディーガード!しかし、大事なお嬢様が極悪非道のチャイニーズ・マフィア“仙骨竜”にさらわれてしまいます!まさかの展開にかつてない危機が次々と玲二を襲う!日本の潜入捜査官、ナメんなよ!香港上等バッチ来―――い!前作以上の豪華キャストで贈る、スリルあり、アクションあり、ラブあり、お色気あり、ルール無用、予測不能な超ハイテンションムービー!
6点!!クドカンのドラマは丁寧に小ネタを拾っていくので好きですが、映画は飛ばし過ぎてて何だかわからなくなることが多いので積極的には観ませんが、「土竜の唄」は前作が面白かったので観に行きました。本作はベテラン勢が物語の大部分を担っているので、皆きちんとキャラが立っていますし、その中を生田くんが転がっていくのが、良い具合にキラキラしていて、成功しているのだと思います(*^^*) しかし、本田翼はもう喋らせない方が良いなってくらい表情の作り方から何から何まで酷過ぎて、彼女のシーンがメインなのに、盛り下がり方ハンパないです( ´△`) 原作は読んでないのですが、続きが気になります!誰かが老けて困る話ではないので続き作ってほしいです♪ハジけて飛ばして突っ走っているので、これに切なさが加われば最強だと思います。パピヨン(堤真一)や純奈(仲里依紗)との関係が深くなるエピソードとか。パピヨンの前半のスーツが格好良くて、あれを着こなせる堤さんは凄いなと思いました(笑)何も考えず何も残らず(爆)お祭りみたいな作品です。2016年公開。
「HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス」
鈴木亮平主演他。パンティが消えるニュースが連日メディアを賑わせていたが、狂介(鈴木亮平)は相変わらず愛子(清水富美加)のパンティを被って悪を倒していた。複雑な想いを抱く愛子はパンティを返してもらうが、徐々に二人の心はすれ違い始める。気づかぬうちに愛子を傷つける狂介の事を、同級生の真琴正(柳楽優弥)が憎しみに満ちた目で見つめていた。愛子を失った上に世界中からパンティで消えるという未曽有の危機を迎えた変態仮面の前に、最強の敵が現れる。全てのパンティと一緒に変態仮面は消えるのか―努力・友情・勝利のヒーロー帰還!
3点!!マーベルを意識した全編で内容もダイナミックになっていれば良いのですが、柳楽くんの巨大メカもムロツヨシさんの巨大化も全然良い要素が生かされていなくて、見切り発車感が否めなかったです。柳楽くんなんて変態要素すらないし。安顕さんがまた出ると思わなかったので、そこだけテンション上がりました。ちゃんと面白いのが凄い(笑)枯れた体つきなのに妙に色気があるのが凄いです(笑)鈴木亮平が本作だと唯一普通の等身大の男の子の役なので(他だとでかかったり強かったり恐かったり)、あの困り顔はギャップで結構可愛いなぁと思いました。清水富美加ちゃんも本作だとフォーゼを彷彿させるヒロイン感&ロリ感満載で可愛くしてると可愛いのだなと思いました(^^;)続編だし、こういう作品だし、俳優も揃っているので、もっと遊ばせればいいのにと全然足りない欲求不満なままでした(>_<)2016年公開。
「日本で一番悪い奴ら」
綾野剛主演他。北海道警寮の新米刑事・諸星要一(綾野剛)は、叩き上げの刑事たちの前に右往左往する毎日をおくっていた。先輩の刑事・村井(ピエール瀧)から教えられた刑事として認められる唯一の方法―それは【点数】を稼ぐこと。あらゆる罪状が点数別に分類され、熾烈な点数稼ぎに勝利した者だけが組織に生き残る。そのためには裏社会に飛び込み、捜査に協力するS(=スパイ)を仲間にし、有利な情報を手に入れるべし。その教えに従った諸星は彼の元に集まった3人のSたちを巻き込んで、狂喜と波乱に満ちた刑事生活がはじまった。でっちあげ・やらせ逮捕・おとり捜査・拳銃購入・覚せい剤密輸―あらゆる悪事に手を汚した北海道警寮の刑事・諸星の行き着く先は―[日本史上、最大の不祥事]と呼ばれる実際の事件をモチーフに、日本一ワルな警察官と裏社会のワルたちのタッグが巻き起こす“ヤバすぎり事件”の幕が切って落とされる。日本警察史上最大の不祥事。いったい、奴らは何をしたのか!?
6点!!エピソードも含め、ほぼ実話みたいですね。諸星の横柄さんは、なんでしょうね・・・田舎から出てきた新米刑事が刑事ってだけで無敵感を味わえてしまったからでしょうか?映画の諸星(実在の稲葉)以外、誰も逮捕されていないって東京じゃありえないですよね。沖縄とか北海道とかやっぱり離島だと鉄壁の要塞とかルールみたいなのに覆い隠されてしまうのかな?と怖くなりました。あと東京と地方の警察が仲が悪い理由も垣間見えました(^^;)綾野剛はイッちゃってる役をやるとヤバイです。今回も麻薬打った時の顔とかどんどんキナ臭くなっていくのとか突き抜けてました。もう見た目だけで超臭そうなんです(爆)粋がった風な話し方も初めは違和感がありましたが、それが板についてきてしまう怖さ。勢いと実力の両方を兼ね備えている俳優さんだと思います(^^)野心や正義が強すぎる人は闇に取り込まれやすいといいますし、警察はそういう人たちの集まりだと思いますし、汚職とか中でズブズブなのも少し理解ってしまって、日本にいるのが嫌になる作品です(でも海外もマフィアとかいるけど)。男の話という感じで、男性キャストたちは結構印象に残る方ばかりだったのですが、諸星が絡む何人かの女性たちが皆同じに見えてしまったのは白石監督の敢えてなんですかね?白石監督の作品は社会や犯罪をスリリングに切り取ったものが多くて見やすいので好きです。2016年公開。
「ネイバーズ2」
ザック・エフロン主演他。マック(セス・ローゲン)とケリー(ローズ・バーン)は男子学生テディ(ザック・エフロン )との隣人トラブルも無事解決し、平穏な生活をおくっていた。そんなある日、空き家だった隣家にイケイケ女子大生シェルビー(クロエ・グレース・モレッツ)が引っ越してくる。シェルビーは、大勢の学生を呼んで毎晩パーティ三昧。そして自宅の周りでビキニ姿の女子大生軍団が日光浴を始める始末。マックは以前の天敵テディを味方につけ、女子大生シェルビーたち との仁義なき隣人戦争に挑む! ! ファミリーVS.エロエロパーリー女子大生!敵はクロエ・モレッツ! ! ご近所同士の壮絶バトルを描いたR指定コメディー。
3点!!前作はただのめちゃめちゃな攻防戦だったけど、今作はだいぶ整理され、きちんと流れが出来ていて面白かったです。オマージュも多くて、TED感が強くなっていました。クロエちゃんが可愛いだけかも知れないですけど。私的にはザック・エフロンとクロエ・モレッツのコンビは最強美男美女です!(*^^*)でもクロエちゃんから観たらザック・エフロンはオジサンなのか~(辛)大学生の内は無敵な気分でパリピになれても、卒業して逮捕歴があるテディは、定職に就けなくて悲惨になっていて、社会に出るってそういうことだよねと思いました。大人が「10代が市場を回してる」とか乗せ過ぎるからいけないんですけども。学生も問答無用で逮捕出来ればいいのに。(学校は治外法権的なとこがあるので)クロエ演じるシェルビーたちはテディたちほどぶっ飛んだ大学生ではなく、パリピ初心者なので、実はイイ子たちだというのが最初からわかっており、マック夫妻が大人なのに・・・という行動の方が目立ちます。それにシェルビーたちのソロリティが上手くいき過ぎていて、違和感。お洒落じゃないし、高校生の延長みたいなノリで、大学の注目の的になれるとは思えませんでした。ハイライトはやはりエアバッグかな(笑)なんで、あれが出来ると思うんだろう(笑)前作を超えるという意味ではもう少しぶっ飛んで欲しかったです。マック夫妻の娘・ステラが可愛かったです。彼女が無意味な戦いに巻き込まれなくて本当に良かったです(^^;)2016年公開。
「最高の花婿」
4人の娘たちの結婚相手は、みんな外国人!?毎日が異文化バトルの家族に、愛と平和は訪れるのか?フランスのロワール地方に暮らすヴェルヌイユ夫妻には、他人には相談できない悩みがあった。3人の娘たちが次々とアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚、様々な宗教儀式から食事のルールまで、異文化への驚きと気遣いに疲れ果てていた。そんな時、最後の希望だった末娘(エロディー・フォンタン)が、カトリック教徒の男性(ヌーム・ディアワラ)と婚約! しかし、大喜びの夫妻の前に現れたのはコートジボワール出身の黒人青年だった。しかも、フランス人嫌いの彼の父親(パスカル・ンゾンジ)が大反対。果たして、色とりどりの家族に愛と平和は訪れるのか─? 4人の娘たちの結婚相手は、みんな外国人!?フランスで5人に1人が観た2014年No.1国民的大ヒット感動作!
7点!!さぞ爆笑の嵐なのかと思いきや、そうでもなくてヒヤヒヤする会話劇を楽しむという感じで最後までダラダラなだれ込んでいきます。フランス人は辛辣なので、スレスレで笑えるのかも知れないですが、「酷い!」と思ってしまうものも結構あって、内部事情の深刻さも垣間見える作品です。会話自体はちゃんと聞いてればとても面白いので、ワントーンなフランス語が苦手でなければお勧めです。最初から幾つかフラグらしきものが立っているのですが、あまり回収されないので、肩透かしでした。三女が何かやらかす気配でしたが、そのままの状態を楽しむ的な(笑)大人たちのコントみたいな展開の連続なのに、三女や四女が悲しい顔になってるとちゃんと悲しくなれるのは、ヴェルヌイユ家の人々が“人としての基本”をきちんと押さえているからだと思います。「両親が自分たちのせいで離婚したと知ったら、子どもたちに説明出来ないから結婚は諦める」とか、自分たちさえ良いと思っている若者が多い現代でなかなかそういうしっかりした子はいないので、素敵だと思いました。あと4人娘が皆系統の違う美人揃い!あれじゃ、結婚させたくない気持ちわかるよ(^^;)日本人があそこに入ったらどうなるのかなとワクワクしてしまう映画でした。2016年公開。
「エクス・マキナ」
ドーナル・グリーソン主演他。人間か、人工知能か―検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマーとして働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。しかし、人里離れたその地に到着したケイレブを待っていたのは、美しい女性型ロボット“エヴァ”(アリシア・ヴィキャンデル)に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという、興味深くも不可思議な実験だった・・・。本年度アカデミー賞視覚効果賞受賞、脚本賞ノミネート作品。
4点!!「her」でスカヨハがAIの声を演じていましたが、アリシア・ヴィキャンベルの方がスキンヘッドで機械丸見えなのに数倍可愛いです。普通、お気に入りのスマホが壊れて新しい機種にそれまでのデータを全て移してもなお、前の物が良いという人はそんなにいないと思いますが、AIだとやっぱり違うのですかね。あんな無垢な顔でジッーと見られたら恋に落ちちゃう男性もいるでしょう(^^;)ケイレヴが性別の話をしていましたが、人間が女性でAIが男性で描かれていた場合、きっと皆の感想は違うものになるのではないかなぁと苦笑いでした。どちらにしても、ネイサンは人の感情もAIの予測も見誤ったというわけですね。頭が良過ぎる人は、皆が理性的な行動のみを取ると信じてしまうという定説は崩せないのでしょうか?(>_<)ケイレヴのキャラクター設定も謎で、大した会話もしていないのにエヴァに肩入れしちゃうし、自分も機械かも知れないと思うに至るまでの頭の良さがあるようなのに、それを示すような会話シーンなどがなく、計画に不備があった場合もことを一切考えていない。恋は盲目にもほどがあるでしょうと思いました。そして、AIのエヴァも「2001年宇宙の旅」のHALから進化していないという。キューブリックに先見の明があり過ぎたのかな?前半とても静かな作品で寝ちゃいそうになるので、アリシアが魅力的じゃなかったら観てなかったと思いました。2016年公開。
「更年奇的な彼女」
ジョウ・シュン主演他。大好きな人との結婚を夢見る女の子、チー・ジア(ジョウ・シュン)。大学の卒業式にウェディングドレスで出席し、同棲中の恋人にプロポ―ズをするが、彼からの返事は─「結婚は考えられない」公衆の面前で放たれた一言に、彼女の自信とプライドは見事に崩れ去り、トラウマを引きずりながら26歳になった彼女は、医者から早めの更年期だと診断されてしまう・・・。そんなある日、ホームレスに絡まれているところを、大学の中で”最も冴えない男”だった、ユアンに助けられる。「帰る場所がない・・・」というユアン(トン・ダーウェイ)と奇妙な同居生活をスタートさせることに。ユアンは懸命にチー・ジアの心から“最悪の経験”を忘れさせようと毎日奮闘するが、チー・ジアはなかなか彼を忘れられない。そんなある日、チー・ジアに、北京で働く“大好き”な彼から結婚式への招待状が届き・・・。ドタバタ三角関係の結末は意外な結末へ。チー・ジアにとって本当の幸せとは・・・。「猟奇的な彼女」「僕の彼女はサイボーグ」に続く彼女シリーズ3部作の完結編。爆笑と感動のラブストーリー。
2点!!3部作の最後がこれだなんて、がっかり過ぎる・・・前2作は面白ったのに!(>_<)なんか、もう突っ込むことすら面倒臭いけど、吹き替えを藤原紀香にしたのも完全にギャグ狙いですよね?(字幕で観ましたけど。)まず、チー・ジアの髪型が圧倒的におかしい。親友はめっちゃ可愛いのに。チー・ジア役のジョウ・シュンも髪型をちゃんとすれば武井咲に似た美人さんなのに、振られ過ぎて髪切り過ぎたという設定かな?(無理やりですが)あと、思ったよりどっぷり更年期。更年期過ぎて振られてからラストまで仕事すらしていないで、親友とユアンのお金にぶら下がっている状態のチー・ジア。ユアンは「チー・ジアは他人に優し過ぎる。」というけれど、優しいところを見せられないまま、ユアンの好意を丸無視した自己中っぷりが描かれているので、ドン引きです。他人の結婚式に成りすまして乗り込んで謝罪すらしないって有り得ない。ヒロインとして応援出来ないです。その他の奇行も更年期だからって笑って許せされることじゃないことばかり。ユアンは「思い勝ち」ですが、これから死ぬまでずっーーーとだよ?優しさって無償じゃないんだよ?枯渇するんだよ?って引き止めたくなってしまいました(爆)あと、クァク・ジェヨン監督の男の子って皆酷いキスの仕方しますよね?わざとだと思いますが、そこはロマンティックに決めてもいいんじゃないかなって思います。決めるところは決めないと冷めちゃいます。最後にもう一つ。すっごく申し訳ないのですが、中国の上海とかの会社とかデパートとか、中国語で高級そうに描かれているのですが、昨今の影響で全部偽物に見えてしまいました(爆)ごめんなさい。2016年公開。
「だれかの木琴」
常盤貴子主演。池松壮亮出演他。私の心にその指が、触れた。親海小夜子(常盤貴子)は、警備機器会社勤務の優しい夫の光太郎(勝村政信)と、可愛い中学生の娘かんな(木村美言)と3人暮らし。念願の一軒家に引っ越した小夜子は、近くで見つけた美容院で山田海斗(池松壮亮)と名乗る若い美容師に髪を切ってもらう。「「本日はご来店、ありがとうございました。」その日のうちに海斗からのお礼のメールが届き、小夜子は「今後ともよろしくお願いします」となにげなく返信するが、なにかが小夜子の中でざわめいたのだった。この<名前のない想い>を何と呼ぶ?好奇心、衝動、執着、恋、それとも欲望?閉塞した現代社会で孤独を癒すためにSNSに逃げ込む私たちと、癒す術を持たずに美容師の男にのめり込む主婦、そんな女の飢餓感を見つめる男の<想い>が重なり合っていく。やがて家族や周囲を巻き込み、2人の関係がたどり着いた思わぬ結末とは─?暴走していく<執着>は一線を越えていく心の隙間に入ってきた美容師に、どうしようもなく心が囚われていく―求め合い、ねじれてゆく男と女のサスペンス。
3点!!原作読んでます。原作はそれぞれの登場人物の心理描写がしっかり描かれているので面白いのですが、本作は小夜子の心理描写が描かれなさすぎるので、唐突なエロスと不気味さだけが際立っていました。常盤さんって不気味な演技が出来る女優さんだったんですね。それより、海斗の一人暮らしの若者特有の無根拠な「俺は大丈夫。」という危機感の無さが際立っていました。海斗の心掛けは素敵ですが、それじゃ刺されちゃうよ?と思いながら観てました(^^;)小夜子の心が傷付いていく様はもう少し強調して欲しかったです。多分、男性の方は「??」な感じで終わってしまうと思うので。でも、親海家みたいな夫婦は嫌だなぁ。表面だけ上手くいくことが大事で、傷ついている片鱗も無かったことにされて。それぞれが自分は正しいって思ってて。海斗の「知らず知らずのうちに俺は居るだけで人を傷つける人間になってしまったのか?」と自問出来るところに小夜子は惹かれたのかも知れませんね。若者の危機感の無さと家族の有り様の難しさと描いているのですが、すごく伝わりにくい作品でした。2016年公開。
「ふきげんな過去」
小泉今日子、二階堂ふみ主演他。たかが夏の冒険。いつも不機嫌そうな顔をして毎日が死ぬほど退屈でつまらない果子(二階堂ふみ)は、無為に日々を過ごしていた。ある夏の日の午後、果子たち家族の前に、18年前に死んだはずの伯母・未来子(小泉今日子)が、突然戻ってきて告げる。「あたし生きてたの。」未来子は爆弾事件を起こした前科持ちで、今は戸籍もなく何かに追われているらしい。自分が本当の母親だという未来子の出現によって、退屈していた果子は眩い生き生きとした世界を見てしまう。小泉今日子×二階堂ふみ×前田司郎。可笑しくも切ない、愛と孤独と成長の「ひと夏」の物語。
1点!!タイトル通り、ふみちゃんがずっと不機嫌。最初「脳男」の時の爆弾魔かってくらいの表情でした。(前振り?)出ている人が何気に高良健吾、板尾創路、黒川芽以と怪しくて濃い(笑)お母さんがミライで娘がカコ。未来子の性格から考えると「いらない過去だから置いてかれちゃったのかな。」と思っても仕方ないです。ひと夏ものって特に何も起きないちっぽけなことが多いですが、本作は会話劇が思わず笑ってしまうものが多く、やはり小泉今日子と二階堂ふみだとアイドル並みに画が華やかなので、それで乗り切ってしまっています。少しファンタジータッチだけど、果子の目からすると未来子が現れた以降はファンタジックに見えてたのかな。特に面白いものではないので、薦められないですが、ふみちゃんの動きがワチャワチャしてて可愛いので好きな方には是非。2016年公開。
「にがくてあまい」
川口春奈主演他。愛はすべての調味料。容姿端麗で野菜嫌いなキャリアウーマン・江田マキ(川口春奈)は、ある日イケメンの男子校美術教師・片山渚(林遣都)と出会い一方的に恋に落ちる。新しい出会いと同居相手を探していたマキは、渚の家にころがり込むことに。しかし、渚はなんとゲイのベジタリアンだった!それでも、渚の作る野菜たっぷりの料理に癒されていくマキ。マキが野菜嫌いの原因となった父親・豊(中野英雄)との確執。家族との過去を乗り越えられず苦しんでいる渚。それぞれが抱える問題を解決していくうちに、お互いが“大切な人“に変わっていく・・・。“食と愛”をテーマにしたベジタリアンフード・コミック「にがくてあまい」が、いよいよ実写映画化!野菜が苦手なオンナと、女が苦手なオトコの、オーガニック・ラブコメディ!
3点!!原作途中まで読んでます。ほっこり系漫画なのでわざわざ映画館で観ることないかなと思い、DVDで観て正解でした。100分弱の短い中で無理やり話を展開させようとするので、韓国ドラマかというくらい酔いつぶれて次の日に男と一緒、目が合った瞬間に恋に落ちる、野菜が苦手だったのに一瞬で覆るなど、漫画的展開のオンパレードでした。漫画だと美味しそうに見える野菜のレシピも台詞で全部台詞で説明するわけにはいかないので、とびきり美味しそうというわけじゃなかったのが致命的だったかも。林遣都と真剣佑の会話劇はエロくないのにエロくて、そっちの人じゃないのに鼻血出そうでした(爆)全身緑なのにキラキラしてる真剣佑、凄い(爆)ゲイとノーマル女子の話なので、どこまでいってもラブは見えませんが、クスリと笑える場面をテンポ良く織り込んでいて、出ている人皆美形なので、癒される映画です。2016年公開。
「ダーク・プレイス」
シャーリーズ・セロン主演他。生き残った少女―あの夜、彼女が見なかったものとは―28年前に起こった家族3人の殺害事件。犯人として逮捕されたのは、当時中学生だった長男(タイ・シェリダン)。逮捕の決め手になったのは、生き残った8歳の三女による目撃証言。 家族をすべて失い、心の傷が癒えないまま成長した、その三女リビー(シャーリーズ・セロン)は、28年後に事件と再び向き合うことになる。 あの夜、彼女は何を目にしたのか─兄のベン(コリー・ストール)は本当に家族を殺害したのか?リビーが真相に迫る現在と、28年前のドラマが絶妙にシンクロし、じわじわと明かされる人々のダーク・プレイス=心の闇。全編張りつめた空気のなか、悪魔崇拝や、リビーの行動を後押しする「殺人クラブ」という組織など、怪しいエレメントが絡み、観る者の目をクギづけにしていく。世界中を騒然とさせた「ゴーン・ガール」、その原作者による“衝撃の事件”が新たに映画化!
3点!!「アバウト・ア・ボーイ」のニコラス・ホルトやクロエ、ベネチアで新人賞を獲得したタイ・シェリダンと注目の子役&若手俳優が勢揃いしてます。主人公が魅力的でないのが致命的。シャーリーズ・セロンは疲れ果てた表情をしていたけれど、やはりモデル顔負けのスタイルと美貌で、働かなくてもそれで稼ごうと思えたら稼げたのではないかな?と思ってしまい、28年間も引きずって義援金だけで生きて行こうとする根性はやはりおかしいなと思いました。全編暗いのとボソボソ話す感じで進むので、子役出身の3人のキラキラ感に助けれてなかったら寝てたかな(>_<)それにしてもタイ・シェリダンくんが成長したらコリー・ストールになっている悲劇(爆)お母さんの保険金は結局どこへいったのだろう?と色々細かな謎が未解決なまま終わります。2016年公開。
「ハートビート」
キーナン・カンパ主演他。夢を叶える街、ニューヨーク。プロのバレエダンサーになる為に上京してきたルビー(キーナン・カンパ)は、ある日、生活の為に地下鉄で演奏するイギリス人バイオリニストのジョニー(ニコラス・ガリツィン)と出会う。二人は徐々に惹かれ合っていくが、自分が思い描くようなダンスが出来ないルビーは、ルームメイトのジャジー(ソノヤ・ミズノ)と共に、奨学金の資格剥奪のピンチに直面する。一方、ジョニーは大切なバイオリンを盗まれた上、グリーンカード詐欺に遭い、不法滞在で強制送還の危機に陥ってしまう。崖っぷちの二人は、ヒップホップダンスチーム“スイッチ・ステップス”を誘い、お互いの夢を叶える為、“弦楽器&ダンスコンクール”に出場することになるが・・・。高鳴る鼓動が奏で合い、二人の夢が踊り出す!ジャンルを超えた音楽とダンスが融合した、この夏、最もアツいエンタテインメント・ムービー!
10点!!スナック食べながら観ようと思ってたのに、ダンスもバイオリンも凄すぎて食べる暇がなかった!!*:`( ゚д゚ *) ニコラス・ガリツィンってバイオリニストというわけではないのですね。吹き替えなしに見えましたけど、地下鉄のヒップホップと融合させてソロで弾くシーンで「もっと観たい!」と思わせておいて、クライマックスで思う存分弾きまくって回収する流れが凄く良かったです(*´∀`人 ♪ キーナン・カンパはバレエ界のスカヨハ。海外ドラマだったらヒロインの友人ポジションのブロンド美人なのですが、キラキラしていて可愛いです。クライマックスのダンスシーンは圧巻。ここで、ルビーの「コンテンポラリーが苦手」というコンプレックスもきちんと回収していて気持ちが良いです(*^-^*) 主演の二人がキラキラし過ぎていて、特にニコラス・ガリツィンは、こんなに綺麗なイケメンでバイオリンも弾けてダンスも踊れて、逆に生きていくのが大変そうと思ってしまいました(笑)日本人ハーフのソノヤ・ミズノも等身大の役柄で小悪魔っぽくて可愛らしかったです♪皆ダンサーだけど、演技も癖がなくて爽やかですし、海外ドラマみたいなロマンティックな展開と盛り上がりが超好みでした。クラシックもヒップホップも苦手な私でもSoooo exciting!!で大盛り上がりになる青春映画です。2016年公開。
「レヴェナント:蘇えりし者」
レオナルド・ディカプリオ主演他。1823年、毛皮ハンターの一団はアメリカ西部の未開拓地を進んでいた。隊長のヘンリー(ドーナル・グリーソン)を先頭に、ガイド役のヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)とその息子のホーク(フォレスト・グッドラック)、そしてグラスに対して敵意を抱いているフィッツジェラルド(トム・ハーディ)たち一行だったが、ある時、先住民に襲撃され多くの犠牲者を出す事態に。生き残ったグラスたちは危険な川を避け、船を捨てて陸路で砦に戻ろうとするが、グラスは巨大な熊に襲われて瀕死の重傷を負ってしまう。隊長のヘンリーは余命わずかに見えるグラスを残して行くことを決断。息子のホーク、金に釣られて居残ることにしたフィッツジェラルド達にグラスの最期を看取るよう命じるが・・・。ディカプリオが悲願のアカデミー賞を受賞! 愛する息子を奪われた男の復讐をかけた闘いを実話を元に描く、大迫力サバイバル・アドベンチャー巨編。
4点!!2度寝落ちしながら何とか鑑賞しました。アメリカでは教科書に載っているくらい有名な実話だそうなので、そんなに長くない話なのかな?先住民に肩入れしている白人が息子を殺した白人に復讐をする、彼の行く手を阻む者は全くなしというシンプル過ぎる話を3時間近くに引き延ばしていて、アレハンドロ監督の自然光が超眠たいです。しかも、実話はグラスに殺された妻子もいなければ、フィッツジェラルドはわざと置き去りにしたわけでもなく、ライフルを奪っただけなので、後に和解してるっていう。アレハンドロ監督は意外とヒット性を盛り込むのが上手なのですね。映像の凄さとレオのアカデミー賞への執着と出演者たちの長過ぎた撮影で後には引き返せないという物凄いエネルギーだけはビシビシでした。レオは言うまでもなく凄かったですが、トム・ハーディとドーナル・グリーソンにも賞を上げても良いと思います。トムは出て来た瞬間から完璧なヒール役でしたし、ドーナル・グリーソンは失礼な話ですが、こういう演技が出来る俳優さんだとは思っていなかったです。目から鱗。真冬なのに熊に襲われたり、瀕死なのに崖から落ちて助かったり、裏切者を追走するのに一人で行っちゃう隊長さんとかツッコミどころも多く、アカデミーというよりはカンヌ寄りな作品のようの思えましたが(とにかく説明がない)、撮影キャスト&スタッフの執念だけで乗り切った魂の塊のようなある意味凄い作品です。2016年公開。
「オーバー・フェンス」
オダギリジョー、蒼井優主演他。家庭をかえりみなかった男・白岩(オダギリジョー)は、故郷の函館に離婚して戻り職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。日々の楽しみもなく、ただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。ある日、訓練校仲間の代島に連れていかれたキャバクラで鳥の動きを真似る風変わりな若いホステスと出会う。名前は聡(さとし)(蒼井優)。どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていく。遠い幻のように一瞬で過ぎ去ろうとする函館の夏、フェンスの先に彼らが見つけるのは愛か、希望か―。「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」に続く、佐藤泰志の映画化シリーズ最終章。これは今を生きるあなたの物語。
5点!!前二作と違い、夏の函館の空が水色で綺麗で、山下監督のユルさやクスッと笑ってしまう雰囲気が織り込まれており、暗すぎず良かったと思います。でも、1回寝落ちしちゃいました。佐藤泰志の原作は読んだことがないのですが、もしかしたら、作品自体が合わないのかな?でも、寝ちゃったけど、面白くないわけでもなかったので、どうなのだろう?主役の二人はお互いに出会って、時間が進んだように思ってるかも知れないですけど、白岩は自ら仕事を辞めて次の一歩に踏み出していたし、聡も男性と出会う度に共に歩めるかどうかを期待していたので、二人とも自分では気づかないうちに前へちゃんと進んでいて、それが「恋」という瞬発力によって加速したかのように思えただけだと思いました。鳥になって飛んでいきたい聡の過去には何があったのだろう?白岩の過去はしっかり描いているのに、聡には触れないので、彼女の強迫観念的な部分とか、どれくらいの何があったのだろう?と思わざる得ませんでした。聡の、頭に血が上って相手のことを一瞬嫌いになると体を拭きまくる癖はきっと、これから白岩と喧嘩してもしばらくは続くでしょう。トリッキーな彼女にありがちな自傷行為を「壊す側だ。」と言った白岩が守り、彼女にまた守られ、平凡な幸せを再び手に入れられたらいいなと思う、函館の夏空と街中を走る小さな電車のコントラストが素敵な作品でした。2016年公開。
「ロスト・エモーション」
ニコラス・ホルト主演他。ここは、感情の無い“ユートピア”―人類史上最大の世界戦争によって地球の陸地の99.6%が破壊された近未来。生き残った者たちは「人類を滅亡させる最たる原因は感情だ」と考え、人類が平和的に生き残れるよう遺伝子操作を施した感情のない人間の共同体<イコールズ>を作った。そこで暮らす全ての人間は管理され保健安全局の監視下に置かれ、愛情や欲望などの感情を“発症"してしまった者は「欠陥者」と見なされ、DENと呼ばれる隔離施設へ強制的に送られて安楽死させられる。自分のなかに感情が芽生え始めていることを自覚したサイラス(ニコラス・ホルト)は、医師の診察を受けていた。あるとき、職場の同僚であるニア(クリステン・スチュワート)もまた、自分と同じ感染者であることを知る。秘密を共有した二人は互いに惹かれ合い、かけがえのない存在となる。だが、共同体にいればやがてつかまってしまう。悩んだ末、二人は外の世界へ脱出することを決意するが・・・。巨匠リドリー・スコットが放つ新たなSF傑作!
6点!!製作総指揮がリドリー・スコットなのであって、監督はドレイク・ドレマスです。映画「今日、キミに会えたら」「あなたとのキスまでの距離」に続くドレマス3部作のラストです。本作がとてもエモーショナルな部分で繊細で面白かったので、他の二つも観てみたくなりました(^^)「愛がない世界」を描くことはすなわち「愛がないと生きられない世界」を描くことであって、すべてが矛盾していることから、人間性とか感情の有無について想像してみることが出来ました。サイラスを観てたら、愛する感情がなくても、その人の人間性は育った環境とか元々持っていたものが反映されて、善悪や意志の強さなどが変わってくるのかな?と感じました。共同体の規模がよくわからなくて、外に感情を持っている人間が暮らす島や他にも幾つかあるっぽいのですが、ドレマス監督が描きたいのはそこではないので、最後までサイラスとニアが目指す場所はユートピアなのか?そうでないのか?は描かれず、ひたすら[Love]についてなのが潔くて良い面もあり悪い面もあり・・・。外の世界の伏線みたいなのが幾つかあったので、回収するのかなって期待しちゃいました(>_<)しかし、感情を抑制された世界で最初に抱く感情はイライラとか絶望なのか・・・?風が気持ち良い、太陽が温かい、草木が綺麗だとかって人から教わらないとわからないものなのだろうか?(そうじゃないと思うんだけど・・・。)未来の「ロミオ&ジュリエット」みたいなストーリー展開でハラハラするし、純愛に胸がギュウってなるミニシアター良作です。2016年公開。
「ヒトラーの忘れもの」
ローラン・ムラ主演他。1945年5月、ナチス・ドイツによる5年間の占領から解放されたデンマーク。ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を撤去するため、捕虜のドイツ兵たちが駆り出された。駆り出された11名の少年兵は地雷を扱った経験がほとんどない。彼らを監督するデンマーク軍のラスムスン軍曹(ローラン・ムラ)は、全員があどけない少年であることに驚くが、初対面の彼らに容赦ない暴力と罵声を浴びせる。祖国への帰郷を夢見て過酷な任務に取り組み、一人また一人と命を落としていく少年兵たち。そんな様子を見て、ナチを激しく憎んでいたラスムスンも、彼らにその罪を償わせることに疑問を抱くようになる。やがてラスムスンは、任務をやり遂げて帰郷を願う少年たちの願いを叶えてやろうと胸に誓うようになるが、その先には思いがけない新たな苦難が待ち受け、ラスムスンは重大な決断を迫られるのだった・・・。第二次大戦直後のデンマーク。大人たちが残した理不尽な任務。少年たちが見つけるのは、憎しみか明日への希望か―ナチが埋めた200万個の地雷を撤去したのは、異国に置き去られたドイツの少年兵たちだった―2017年度アカデミー賞外国映画賞ノミネート作品。
10点!!「ハート・ロッカー」なんかより数倍観るのが辛いし、空気の張り詰め方が半端ないです。もう最初の爆発前から「あー最後まで観れないかも。」という呼吸をするタイミングがわからない緊迫感。15歳前後くらいかな?やりきれないです。「助けてお母さん」と泣き叫ぶ少年たちとそれでも泣かずに歯を食いしばり乗り越えようとする少年たちを見て、ラスムスンは正気に戻ったりまた引き戻されたりでしたが、実際は「間違ってる。」と思わなかったのかな。でも、じゃあ、ドイツが埋めた地雷は誰が撤去するの?と言われたらドイツの成人兵くらいしか答えが見つからないのですが、この撤去作業で21世紀まで残された地雷は、デンマークが自国で撤去作業をしているんですよね。戦争は後々まで被害が残るものだけど、核とか地雷とか明らかな形で復興不可になってしまうものだけでも使用禁止にして欲しいと切に願いました(>_<)空が凄く高い青い海と白い砂浜なのに、誰もいない。誰も空も海も見ていない。心が繋がりそうになっても敵と味方の間に広がる一線。国と人は繋がっているけれど、その足並みが大きくずれていくのも戦争なのだと思いました。二次大戦でドイツから子どもを守ろうとしたレジスタンスや国境請負人などはいましたが、ドイツの子を守ろうとしたラスムスンみたいな人はどれくらいいたのだろう?と戦後の知らない歴史を勉強し直したくなりました。2016年公開。
「風に濡れた女」
間宮夕貴、永岡佑主演他。ある昼下がり、アンティークの椅子を乗せたリヤカーをおき、湊にたたずむ男の目の前を、突然、若い女が自転車に乗ったまま海に突っ込んだ―濡れた肢体を惜しげもなくさらけ出す野性味溢れる魅力を放つ女は、男に「5000円でいいよ」と告げると、野良犬のように男にまとわりついてくる。この出会いをきっかけにして、過去から逃げるように山小屋で静かに暮らしていた男は、迫りくる女の欲望にどんどん巻き込まれていくはめに・・・。大自然の中で欲望の渦に飲まれていく、彼らの行きつく果ては?日活ロマン・ポルノ・リブート第1弾!本能むきだしでヒートアップする男と女のラブバトルを描くオフビート活劇!
1点!!主演の間宮夕貴が堂々たる演技が見事です。永岡祐も格好良い。けどそれだけ。ラブコメディーだと認識していますが、笑いが古いし、ハマらないしで、どんどん冷めていくのが止まらなかったです。ロマンポルノでラブシーン以外で熱を冷ましたら駄目だと思います。どうやら、私は日本人的な感覚があるらしく、恥じらいのないラブシーンは、全然エロく観えないので、真っ只中でも「早く終わらないかなー。」と思っていました。なので、演劇助手の女の子が一番良かったです。本作がロマンポルノ・リブートの第一弾でしたが、これがスターターだと後観たくなくなっちゃうんじゃないかな?他の作品は良いのもあったのに。あと、低予算が透けて見えすぎて安っぽいです。もっと、空気が張り詰めるようなラブバトルが観たかったのに、ドタバタするだけで、二人の空気感というのを築けていなかった気がします。劇場に行かなくて良かったって思うのはかなりレアですが、それに当てはまってしまいました(>_<)2016年公開。
「裏切りの街」
池松壮亮、寺島しのぶ主演他。人は、なんとなく人を裏切る―。同棲する彼女に小遣いをもらいながら怠慢な生活を続けるフリーターの菅原裕一(池松壮亮)と、穏やかな夫と専業主婦としての平穏な日々を送る智子(寺島しのぶ)。お互いのパートナーに対して特別な不満もない毎日。ただ何となく、はっきりとした目的もないまま出会い系サイトで偶然出会った二人は意味のない逢瀬を重ねる。季節が変わり、二人の関係もすっかり惰性となったある日、とある出来事をきっかけに日常が揺らぎはじめる。それでも「選択」することを避け、現実から逃げて逃げて、ただただ流れに身を任せる二人は、今日も中央線沿いの街の中をぐるぐとあてどなく彷徨う・・・。出会い系サイトで繋がったフリーターと主婦。何となく肉体関係を続ける二人。現実から逃げ続けた果てには何があるのか。三浦大輔が描く、決断しない大人の逃避行劇。
2点!!三浦大輔さんの脚本は好きなものと嫌いなものがはっきり分かれていて、「愛の渦」「何者」は好きで、「恋の渦」は嫌いです。本作は嫌いな方で面白くないからではなく、出ている人と会話劇が最低過ぎるんですよね。本作で池松くんが演じている菅原は池松くん史上最低を極めたと思います(`Δ´)良い人ぶって、後ろ向いて舌出して、全てを周囲のせいにして、選り好み出来る人間だと勘違いしている感じが、振り切った最低な人物なんかより最低です。智子は、あの自分の環境に満足しないで「王子様は別にいるはず」的な感覚を持っている女性は割といるのかも知れませんが、これだけ何も動かない話もつまらない、毎日欝々とした顔をしている女性に誰が惹かれるというのでしょう?稀に見る魅力ゼロなヒロイン。智子が菅原を「最低。つまらない。」と思わない理由もよくわかりませんでした。自分が最低な事をしているから相手は誰でもどうでも良かった的な感じでしょうか?二人の周囲も類友で最低が揃っていて、でも、智子の旦那さんなんかは最低を突き抜けていて怖いくらいなので、「あれ?最低なのか?大人なのか?」わからなくなるくらいなので、良いと思います。菅原の彼女はたぶん一番まともで、菅原の友人は最低です。あの幾度となく繰り返されていた「言いたい事あるんだよね?言ってよ。」という会話も、「いやいや、人に言わせないで自分から言いなよ!」って引きました。周りにいたら、こんな人たちに時間を使うのがもったいないから、最短で関わりを絶ちます。でも、ここまででないにしろ、不倫関係とかなら、決断しない大人たちというのは誰でも当てはまるのかなぁと思ってしまったりもしました。一生答えが出ないことってたくさんありますよね。それを置いて先に進めるかだとも思いますが。あとはポツドールの戯曲が元であまりアレンジされていないようで、脚本が古いです。今の若い子の家に留守番電話付きの固定電話はないし、メアドではなくLINEの交換になるだろうし、赤外線やフルフルで交換するだろうし、もしかして2000年代の脚本なのかな?と感じました。凄く嫌な後味なのですが、チクチク刺激してくる感じが、自分の中の最低な部分と少なからず繋がる部分があるのかもなぁと、嫌だなぁそんな人間にならないようにしようと思ってしまう作品でした。あ。でも池松くんの「あのすいませんすいません」のキスシーンは凄い技だな、何気に色気あるなと思いました(笑)2016年公開。
「At the terrace テラスにて」
石橋けい、平岩紙主演他。そこは東京郊外のとある屋敷のテラス。パーティーは終りかけ、残ったのは7人。豪邸の持ち主である専務(岩谷健司)とその妻(石橋けい)とイケメン息子(橋本淳)。透き通る様な色白の女性、はる子(平岩紙)。その夫であるグラフィックデザイナーの男。胃を切り取ったばかりの中年男。エリートだけど恐らく童貞の会社員。彼らの腹の中に、それぞれに帰れない理由があった。 男たちははる子の「白い腕」に魅せられ、まるで蛾のように群がって離れない。そして、そのはる子にメラメラと嫉妬の炎を燃やす専務婦人。笑い声がさざめき、無事に終わるはずだった富裕層たちのホームパーティーはそれぞれの胸に秘めた秘密・欲望・妄想によってあらぬ方向に展開する。果たして無事にパーティーは終わるのか、その結末や如何に・・・山内ケンジ監督が第59回岸田國士戯曲賞を受賞した自身の戯曲「トロワグロ」を完全映画化。100%テラスで起きる、浅ましくも可笑しい人間模様。 紳士淑女のみなさま、富裕層の生態を安全な場所からご覧ください。
10点!!かなりドツボにハマりしました!(*>▽<*) 同じ岸田國士戯曲賞を受賞したポツドール関連の作品は気まずさが勝ちますが、本作は、石橋ケイと平岩紙の飛ばしまくりのバトルの中に、突如ブチ込まれる笑いに吹き出しまくっていたら、序章の序章で(笑)皆、面白いし、あり得ない見た目と設定なのに、可笑しな説得力があって惹き込まれます。皆、芸達者過ぎ!(*゜▽゜*) 話し方を変えただけで笑えるのに、ちゃんと大人な世界観は保ててるし、「トロワグロ」とか「今治」ですら笑いの材料に(笑) あと、どうでも良くなった末の「トヨタさん」(笑) 石橋ケイと平岩紙を始めとした、普段は名脇役な役者さんたちですが、凄い役者さんなのだなと、拍手喝采でした(*^▽^*) 笑いの高みを極めた最高潮で終わるラストも最高です!斎藤さんは回収するための伏線だったんですね(笑)個人的には、太郎さん役の古屋隆太さんと専務の息子役の橋本淳さんが結構タイプだっただけに残念やら美味しいやら。ニヤニヤが止まりません!o(*>▽<*)o 2016年公開。
「ロスト・バケーション」
ブレイク・ライブリー主演他。岸はすぐそこ。しかし、たどり着くことはできない。亡き母が教えてくれた秘密のビーチ。そこはサーファーにとって最高の楽園。医学生のナンシー(ブレイク・ライブリー)は休暇を利用し、ついにそのビーチを訪れる。地形、波、風。全てが完璧だった。母に先立たれた父と幼い妹の世話、医師となる為の勉強漬けの日々から解放されるナンシー。そんな彼女の最高の休暇が一転、恐怖に支配される。一匹の巨大な人喰いサメが彼女に襲いかかった―。脚を負傷し、大量に出血しながらも、無我夢中で近くの岩場に泳ぎ着いたナンシーは、自分が絶望的状況に追い込まれたことを知る。極限の恐怖にさらされながらも、ナンシーは冷静に生き残るためのプランを練り始める。医学の知識を活かし着用していたラッシュガードを使い、止血。満潮までの時間を計算。サメの動きのパターンを解読・・・生存へのリミットが刻一刻と迫る中、彼女が選んだ究極の決断とは―?残された時間は100分。岸までの距離は200m。さぁ、どうする―。
6点!!ブレイク・ライブリーの美しさとセクシーさを堪能するための映画。サメに襲われるパニックものですが、プライベートビーチの自然と、美しく迫力のある大波をダイナミックに乗りこなすサーフシーンが気持ち良く、一気にリゾート気分に(*´∇`*) ライブリーがバスト&ヒップショットを惜しげもなく披露しており、さながら彼女のイメージビデオのようでした。とは言え、サメに襲われた傷を生々しく縫合するのは痛々しく、サメと戦うラストの展開は少し無理がありましたが、傷だらけでボロボロで怯えていても、それすらも戦う女は美しいと、ザ・アメリカン・ガールの華やかに終始魅了される作品です(*^¬^*) 2016年公開。
「超高速!参勤交代 リターンズ」
佐々木蔵之介主演他。江戸への参勤を達成した磐城国(現在の福島県いわき市)の湯長谷藩。ほっとしたのも束の間、そもそも参勤交代とは、江戸に行く<参勤>だけでなく、江戸から国元に帰る<交代>まで終えてこそ完結するもの。湯長谷藩の参勤交代はまだ終わっていなかった―。帰路についた藩主・内藤正醇(佐々木蔵之介)率いる一行。ところが道中、湯長谷藩で一揆が勃発、彼らは行きの倍の速さで帰るはめに。川で溺れ、お尋ね者になり、謎の刺客に襲われ、命からがら湯長谷藩にたどり着くが、すでに城は乗っ取られた後だった。この全ての黒幕は、湯長谷藩に打ち負かされ逆襲を企む老中・松平信祝(陣内孝則)。攻め入る1000人の幕府軍、対する湯長谷藩はたったの7人。果たして彼らは城を奪い返し、民を守ることができるのか?この大ピンチを切り抜ける“とんでもない”作戦とは―!?豪華キャスト再集結!パワーアップして帰ってきた痛快歴史エンターテイメント超大作!
4点!!前作の帰りのお話かと思いきや、参勤交代はパパッと終わらせてしまい、そこから藩士は江戸~湯長谷でバラバラになり、同時進行で話が進んでいく感じだったので、ながら見してたらよくわからなくなりました(^^;)でも、前作よりコント感増してるし、中堅バイプレイヤーズ感も増してるし、水戸黄門みたいな王道を突き進んでいくので、何というかおじさんたちのわちゃわちゃを楽しめるかどうか(^^;)もう少し上の世代だったらな、楽しめるんだけどな(爆)古田新太さんは新感線のイメージで桜吹雪とか出してくるのかと思ったらあっさり退場で物足りなかったです。あの、温泉で敵と味方が普通に会話してる感じが良かったです。ああいうのが実際あったら素敵だなと思いました。前作は期待値ゼロスタートで楽しめましたが、今作は好きな俳優さんが出ていないと中々きついかもです。2016年公開。
「A.I. love you」
森川葵主演他。私は、人工知能に恋をした。パティシエになる夢を持つ主人公・星野遥(森川葵)。老舗洋菓子店のアシスタント採用に応募するも不採用の連続。そんなある日、一通のスパムらしきメールが・・・「あなたはラッキーです!AI搭載通話型アプリ試用期間につき完全無料」夢を諦めかけてきた遥は、そのスパムらしきメールをなんとなく開いてしまう。そこには“あなたの夢、叶えます”の文字が。アプリを起動すると遥のスマートフォンから男性の声が・・・「こんにちは」この一言から始まる二人?の出会いが、遥の運命を変えることになるとは、その時の遥には知る由もなかった・・・遥はA.I.に「ラヴ」というコードネームを付け、その日からやりとりが始まる。パティシエになるためにも恋をするべきだという「ラヴ」の無茶な提案をきっかけに、遥は同僚のエリートシェフ・相田直斗(上杉柊平)を意識するようになり・・・。一方、遥は「ラヴ」に自分でもわからない感情を抱き始めるようになる。遥の夢を叶えるために尽くし続ける「ラヴ」。「ラヴ」のアドバイスによって急接近する遥と直斗。しかし、遥の中で徐々に膨れ上がっていく「ラヴ」への想い。三人?の行く末は?遥の夢と恋の結末とは?“人工知能との恋”ד全編スマートフォン撮影”=新感覚&新時代のラブロマンス!
3点!!以前「岩井俊二のMOVIEラボ」という番組で学生たちのスマホ撮影した短編を毎回幾つか公開していたのですが、今、スマホ撮影でも90分の映画でなんの問題もなく楽しめますね。森川葵ちゃんはモデルなので、アップでメイクしたりする近距離撮影にも耐えられますし。驚いたのが「ラヴ」が遥以外とも普通に会話しちゃってること(笑)いやいや、デートしてて、スマホとばかり話してたら普通、不機嫌になってもおかしくないけど、直斗心広過ぎでしょう(^^;)これまでもスマホAIとの恋愛映画は幾つか作られてきましたが、リア充じゃない人たちにとっては、AIとの恋愛の方がリアルになるのも理解出来ちゃいますね、ここまで会話力があればの話ですが。結局、「ラヴ」がどこから来たのか?誰だったのか?はファンタジーな世界になってしまっていましたが、何んとなくで良いので答えが欲しかったです。こういう映画にありがちな夢も恋も叶うみたいな話ではなく、そこが良かったと思っていたので。森川葵ちゃん好きなら観てみても良いかも。2016年公開。
「ロブスター」
コリン・ファレル主演他。ここでは45日以内にパートナーを見つけなければ、あなたは動物に変えられます―。“独身者”は、身柄を確保されホテルに送られる。そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられ、森に放たれる。そんな時代、独り身になったデヴィッド(コリン・ファレル)もホテルに送られ、パートナーを探すことになる。しかしそこには狂気の日常が潜んでいた。しばらくするとデヴィッドは“独身者”が暮らす森へと逃げ出す。そこで彼は恋に落ちるが、それは“独身者”たちのルールに反することだった―。コリン・ファレル×レイチェル・ワイズ×レア・セドゥ×ベン・ウィショーで贈る第68回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作。
7点!!真実の愛なんてなくてもいい、信じないと、明け透けに思っているのに、カップルにならなければならないホテルでも、シングルでいなければならない森でも、愛に翻弄され続ける人間の姿を描いた悲しくて可笑しいシュールなお話です。レイチェル・ワイズがたどたどしく歩く姿シーンが滑稽なのに堪らなく悲しくて、泣きそうになった余韻が残っています。愛を制限されたり強要されたりする世界だと、愛を見つけることに必死になり過ぎて、愛を育む心を忘れてしまうのかな?愛は互いに補い合うもの、認め合うものという認識がすっぽりなくなった世界観で、“同じ”でいることだけが愛の証明になるかのように必死な彼らを観て、愛は必要でも不必要でも人間でいる限り、死ぬ瞬間まで翻弄され続けるのだなと、それは温かなことのはずなのに絶望的な気持ちにさせられる不思議な作品でした。それなら、シンプルに気が合う、タイミングが合うことで誰に咎められることなく一緒にいられる動物になった方が良いのかもとさえ思ってしまいました。ロブスターにそれが可能かはわからないですけど(爆)鼻血が出やすいカップルも少し太った中年カップルも、相手に全部を委ねられない日々の中で心がヒリヒリしないのだろうか?デヴィッドは最後に鏡の中に、真実の愛を見つけたのか?それともフェイクを真実と信じる道を選ぶのか?何故か、足が折れたラプンツェルと視力を失った王子の話が頭に浮かんで、離れない紛れもない愛の問題作。2016年公開。
「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」
ヘレン・ミレン主演他。ナイロビ上空610kmを飛ぶ[空からの目]を使い、イギリス軍のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、国防省のベンソン中尉(アラン・リックマン)と協力して、英米合同軍事作戦を遠く離れたロンドンから指揮している。凶悪なテロリストたちが大規模な自爆テロを実行しようとしていることをつきとめ、アメリカ・ネバダ州の米軍基地にいるドローン・パイロットのスティーヴ(アーロン・ポール)に攻撃の指令を出すが、射程圏内に幼い少女がいることがわかる。キャサリンは、少女を犠牲にしてでもテロリスト殺害を優先しようとするが―。ドローン兵器を使った現代の戦争の世界。一人の少女を見殺しにするか、80人の命を危険にさらすか、彼らが出した答えは―。会議室から干渉する上層部と、指揮官キャサリンの熾烈な正義感。アカデミー賞スタッフ&キャストが描く、衝撃の軍事サスペンス。
8点!!ドローン戦争ものは「ドローン・オブ・ウォー」など3作くらい観てますが、一番面白かったです。大抵、動きがないから眠くなってしまうのですが、それもなくて。本作もギリギリまで会議室、プレハブの中の操縦席で話し合っているだけなのですが、軍事的、政治的、現場の協力者、テロ現場を知っている軍人、6年間ターゲットを追い続けた大佐など、様々な立場の見解、気持ちが交錯し合って、重厚感のある人間ドラマに仕上がっていました。でも、攻撃は殺人なんですよね。「攻撃しなければならない。」ではなく「殺人行為を犯さなければならない。」。責任を気にする部下に「あなたには何の責任もないから大丈夫。」とキャサリンが言うシーンがありますが、殺人を犯す人々は幾ら間接的であろうとも、その責任から逃れてはならないと思います。犯す側も恐らくパイロットなどは長い間トラウマになるでしょうし、戦争という行為は負の感情しか生まないということは嫌と言うほどわかるでしょうけど、それでも続けるんですよね・・・。もう、クライマックスは予想外のことが起こったりして「わあああ!!」ってなってしまいました(>_<)あんなにダイレクトに狙えるなら、もっと小型のミサイルないんですか?これまでのドローンものでは観たことのない小鳥型や虫型のものが出てきたりして、もうスパイ映画の世界ですよね。一貫してミサイルを撃ってはいけないと言っていた女性も違うかなと思いますが、撃つのも違うと思うし、永遠に解決しない、負の感情しか生まない「戦争」という行為は、何が何でも避けるべき行為ですよね。少女の救出をギリギリまで粘ったように粘るべきことです。重たいけど、とても考えさせられるので観て良かった作品です。2016年公開。
「X-MEN:アポカリプス」
ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー主演他。最期の敵は神。すべての始まりは、紀元前3600年前にさかのぼる。歴史上で最初のミュータント、アポカリプス(オスカー・アイザック)は、墜落した文明を滅ぼす、「神」として君臨していた。ミュータントの力を吸収することで最強となるが、裏切り者の手によって古代エジプトのピラミッドに封印される―。時は移り、1983年、その眠りは覚まされた。核兵器開発など人類の堕落を知ったアポカリプスは、マグニートー(マイケル・ファスベンダー)をはじめ4人のミュータント=“黙示録の四騎士”を召集し、世界を“浄化”しようとする。プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)やミスティーク(ジェニファー・ローレンス)が率いる若きX-MENは、彼らとの戦いを強いられるが、協力なテレパシーを手に入れたいアポカリプスが、プロフェッサーXまでも連れ去ってしまった・・・!最古最強の「神」アポカリプスを倒すためには、X-MEN全員のパワーを結集させなければならない。シリーズ集大成にふさわしい激戦の火蓋が、今切って落とされる!
7点!!アポカリプスがポッと出のサノスみたいな感じで、これならいくらでも“最凶”と名の付く敵が作れるという欠点以外は、アベンジャーズの始まりみたいで友情、恋愛、成長、過去、未来とこれまでの色々が交錯し合っていて面白かったです。眠かったけど寝ないで見終えました!(本シリーズの殆どを寝ている)X-MENシリーズは特殊メイクが凄いから、ニコラス・ホルトとか好きなのに、変身するとニコラス・ホルト感ゼロで悲しいです(;;)このファースト・ジェネレーションのキャラクターたちが好きなので、これで終わりは寂しいなぁと思ったら、ダーク・フェニックスでまた描かれるんですね。映画の中で10年以上経っている展開ですが、皆全然老けてないけど大丈夫なのでしょうか?ジェームズ・マカヴォイとマイケル・ファスベンダーがシリーズを増すごとにどんどん本領発揮してイケメンになっていくのに癒されます(*^^*)2016年公開。
「コインロッカーの女」
キム・ゴウン主演他。地下鉄のコインロッカーに捨てられた赤ん坊。コインロッカーのナンバーにちなみ、イリョン(キム・ゴウン)と名付けられ成長した彼女は、裏社会で“母さん”と呼ばれる女性(キム・ヘス)が経営する闇金融業を手伝うようになる。 そんな中、イリョンが父親が残した多額の借金を抱える青年ソッキョン(パク・ボゴム)の元へ取り立き、彼に惹かれ始めたことで運命の歯車が狂い始める・・・。韓国No.1ヒットを記録!仁川の暗黒街を舞台に血塗られた愛憎が渦巻く衝撃作。
4点!!10代の少女が主人公で淡い恋愛も入っているのに、超ハードボイルド!!ここまで救いなく落ち続ける作品も珍しいのではないでしょうか。あと、ここまで裏社会のみで展開されるストーリーも。キム・ゴウンも韓国のイケメンという感じで中性的な感じが女優さんには珍しいタイプです。韓国ではマフィア物の映画が多く作られているけど、こんなゴリゴリのが大量に作られてヒットするくらいマフィアって身近なのでしょうか。日本だとこの手の作品はアート性がないとインディーズになることが多いので。ソッキョンが割と序盤で殺されちゃうので、ええ~~ってなりますが、そこから最後まで飽きさせることなく、誰が誰だかわからなくなることなく、魅せてくれるのは素晴らしいです。超面白いかと言われれば、普通くらいなのですが・・・。キム・ゴウンの原石的魅力がクセになる作品です。2016年公開。
「セトウツミ」
池松壮亮、菅田将暉主演他。関西の男子高生、瀬戸(菅田将暉)と内海(池松壮亮)。いつもの放課後、いつもの河原、まったりゆったりしゃべるだけ・・・クスッと笑えて何だか、しんみり胸を打つ。河原で喋るだけの青春が、映画があってもええんちゃうか。いま最も“上手い”役者2人が、関西弁でとにかく「喋る」。
6点!!私は基本的に俳優さんがコントや芸人役をするのはすごくサムくて苦手なのですが、これは面白いです。1話10分くらいで区切られているけれど、内容は繋がっているので、次も次もと観ているうちに終わってしまいます。これを映画館で観たいかと言われると微妙ですが、池松くんと菅田くんコンビ以上の「セトウツミ」は作れないと思います。それくらい、間とか絶妙なシュールな笑いとかがツボにはまりました。まさにクスリ。池松くんは深刻な役かセクシーな役が多いので、こういう一人ドップラー効果とか神妙な顔とか、笑いの引き出しを持っているとは思わなかったです。難点を上げれば、二人とも地声が低いから物凄い音量を出さないと会話が聞こえない(^^;)特に内海は小さい声でつぶやくからもう「え?何?」って何度もなりました。そこはきちんと調整して欲しかったです。中条あやみちゃんはめっちゃ可愛かったけど、女子あるあるな行動が「うわぁ」ってなりました。それに対する低体温な内海の反応も偉いなぁと思いました。まったり小分けに観たい作品です。2016年公開。
「メモリーズ 追憶の剣」
イ・ビョンホン主演他。時代に翻弄され、愛する人と戦わざるをえない運命を背負った気高き剣士たち―高麗末期、3人の剣士ユベク(イ・ビョンホン)、ウォルソ(チョン・ドヨン)、プンチョンは世を変えるべく最強と謳われた3本の剣により反乱を起こそうとしていた。しかし、ユベクの裏切りによりプンチョンが命を落とし計画は失敗、ウォルソはプンチョンの子と共に姿を消した。18年後、ユベクは国内で最も権力のある男になっていた。ある日、武術大会でウォルソにそっくりな剣さばきの少女(キム・ゴウン)を見つけ後を追う。少女は一体何者なのか?3人の剣が再び揃うとき、真実が明かされる。韓国映画史上、最も壮大なスケールで描く愛と復讐のソード・アクション超大作。
6点!!酷評されているのを知っていて観たので、そこまで酷く感じず、普通に楽しめました。大まかなストーリーは良く出来ているのに、詳細が雑過ぎるところとか、ワイヤーアクションに頼らなくても良い場面でも多用過ぎて、逆に迫力を削いでしまっているとことか、過去に囚われてグダグダになっているキャラクターの覚悟の足りなさとか、欠点はたくさんありますが、古典だと思って観れば、それぞれのキャラクターと俳優の相性はバッチリでしたし、面白かったです。私はホンイ(キム・ゴウン)視点で観ました。ウォルソは死ぬことも殺すことも覚悟を決めることも何も出来ない上に、失い続ける屍のような人生に子どもを3人も巻き込んで共感性ゼロだし、ユル(ジュノ)は下剋上の流れはどうした?ってくらい、途中からどこかいってしまって終わるし、俳優の演技力頼りで何とか質をキープしている感は否めなかったです。キム・ゴウンは薄幸な役が多いですが、またかつてないほど不幸のオンパレードな役で(--;)でも笑うと純粋無垢さがパッと開いて可愛らしいんですよね。イ・ビョンホンとキム・ゴウンは体格差と体重差がかなりあるけれど、キム・ゴウンのアクションが軽く見えてしまうこともなかったですし、頑張ってたなと思いました。二人ともアクションが出来る俳優なのにワイヤーに体を先に引っ張られてしまっていて、そこは普通に走った方が速いし迫力出るのにというシーンが多かったのが致命的でした。最初の武術大会のノンワイヤーのホンイとユルのアクションが一番シンプルに見応えがありました。韓国映画の綿密なストーリーとどんでん返しを期待せずにアクションと俳優を楽しむくらいで観れば楽しめる作品です。2016年公開。
「スポットライト 世紀のスクープ」
マーク・ラファロ主演他。暗闇にひときわ輝く、希望の光―。2002年1月、米国の新聞「ボストン・グローブ」が、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による児童への性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。<スポットライト>という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を探り当てたのだろうか?アカデミー賞6部門ノミネート!ボストン・グローブ紙の<スポットライト>チームが巨大な権力を相手に正義を貫いた衝撃の実話!
3点!!無料だったので、つい観ちゃいましたが、予想通りというか予想以上にテンポ遅い、アドレナリン出ないです。淡々と進む上に、神父側の顔が最後まで見えないため(枢機卿だけはわかる)、話がぼやけるし、感情に訴えるわけでもない。ノンフィクションを観ていた方がよほど面白いですけど(>_<)アカデミー賞は実話系に偏りがちなので、このスクープを映像化したことへの賞なのかなと思いました。あと、ここまで暴いておきながら、バチカンまで追求しないところが、出来る出来ないは別として「神父個人を告発するのではなくならない」精神に反するのでは?と思いました。だってバチカンが大元なのは火を見るより明らかですし、記者だったらもっとそれに近い情報も掴んでいたと思いますし。こういう中途半端な正義だけで称賛浴びてる感じはあまり好きじゃないです。やらないよりは良いと思いますけど・・・。普通にニュースとして読めば良かった話でした。2016年公開。
「WE ARE YOUR FRIENDS ウィ・アー・ユア・フレンズ」
ザック・エフロン主演他。這い上がれるか―仲間か、恋か、夢か―自分の未来を掴み取れ。いつかは大金を稼いで地元を抜け出す―。23才、EDMシーンのスターになることを夢見るDJのコール(ザック・エフロン)。仲間達とクラブでのナイトライフを日々楽しみつつも、誰もが心のどこかで自分の将来に悩んでいた。そんなある日、コールは心に傷を負ったカリスマDJのジェームズと出会う。彼はコールを若かりし頃の自分に重ね合わせ、熱心に指導し始める。しかし、真剣に夢へと向かって走り始めたコールと仲間達の間には、いつしか歪みが生まれてしまう。ついに一大フェスへのチャンスを掴んだコールだったが、恩師ジェームズの恋人ソフィーへの抑えきれない想いにも苦しんでいた。仲間、恋、夢の間でもがき苦しむコールが、最後に掴み取る自分の未来とは―?あらゆる世代を熱くする青春映画の金字塔が誕生。
3点!!最後のフェスの曲だけで一気に映画のレベルが上がった(((lll゚д゚) あっつい夏に観たい1本。「最高の一曲だけでいい」ってこういうことか(笑)でも、これは映画だから、コールに才能があるならば、最初の方のDJシーンからアガル音楽をガンガンかけてって欲しかったです。アメリカは人生も地元次第という恐ろしい側面がありますよね。生まれた時から自分を取り巻くすべての人が、こういう人生観をしていたら、自力で浮上する方法も学べないですよね。せめて教育が無駄だなんて台詞が出てこない環境下ですべての子どもたちが育って欲しいと切に願いました。ラスト1曲までは、主人公の心と同じで友人も夢も恋もグダグダとしたチンピラ映画なのですが、コールのフェス出演が決まった辺りから少しずつ友人たちの環境も変わっていき、物語が加速し出すのが良いです。それまで無個性過ぎて、せっかく友人たちもイケメンなのに(特に帽子の彼)、誰が誰だか分らなかったです。対して、コールの夢を担う、ジェームズ役のウェス・ベントリーはイアン・サマーホルダーを細くした感じで、めっちゃイケメン(o´∪`o) もっと彼のドラマとか映画を観てみたくなりました。ソフィー役のエミリー・ラタコウスキーは日本人ウケしそうなモデル顔で、彼女のドラマも観てみたい。ずっと観ていられる可愛らしさです。観終わった後、ラストの1曲をエンドレスリピートするくらい良いので、それまでの物語ももっとドラマティックに作れば最高の夏映画になったのではないかと残念な作品です。2016年公開。
「知らない、ふたり」
レン(NU'EST)、青柳文子主演他。「好き」ってほんと、むずかしい。人との接点を避け生活している靴職人見習いの韓国人青年・レオン(レン)は、ある日の昼、公園のベンチに酔っぱらって寝ている女性・ソナ(韓英恵)に絡まれるが、何故か彼女のことが忘れられなかった。レオンと同じ店で働き、彼に思いを寄せる日本人女性・小風(青柳文子)。そしてソナの折れた靴を修理に出しに店に現れるサンス(ミンヒョン)。サンスはソナの彼氏・ジウ(JR)と共に日本語学校に通っていた。日本語学校の講師・加奈子(木南晴夏)は、車いすの生活をしている荒川(芹澤興人)という男と付き合っていたが、ジウは密かに加奈子に思いを寄せている。荒川が車いす生活になった事故に、レオンは少なからず関係していた。7人の男女のそれぞれの想いが少しずつ絡み合い、それぞれが一歩踏み出したときに物語は思わぬ方へ進み出す。お互いの想いを“知らない”7人の男女の恋が交錯する―新世代の恋愛映像作家・今泉力哉が描く、すれ違いの群像劇。
2点!!少し違和感のある繋がりかな。荒川が突然、靴屋を提案するのでなく、加奈子が靴屋のことをサンスかジウに聞いたという流れだったら綺麗だったと思います。そうでないと、荒川がレオンの靴屋と繋がるルートだけ、ただの偶然ということになってしまうので。ストーリーは、自分の狡さに甘え、自分にも他人にも甘え、さらには自己肯定してくれるだろう相手の答えを引き出そうとするキャラクターが半分以上を占めていて、イタくて観ていられないし、自分に甘いから他人にも雑なの?というような行動も多く、ツッコミどころ満載です。まったく正しくないのに正論ぶって突破しようとする小学生同士の恋愛を観させられているみたいでした。サンスは唯一、まともで、加奈子がセーフくらいかな。韓国人が絶対やらないであろう言動を韓国人にやらせているので、気持ち悪い違和感もハンパないです(>_<)韓国人3人も同じアイドルグループから引っ張ってきているので、判別不能。何とかできましたが、時系列が動いていたり、群像劇で、判別不能は致命的です。あと、白バックに白文字がシュール過ぎた。主題歌もその路線でいけばいいものを、アイドルの曲を使ってしまっているので、さらに混乱を極めていました。「好き」を難しくしているのも、自分を苦しめているのも自分という教訓映画なのかな?でも、実在する本作のような人たちは、本作を観たところで学ばないし、自分と照らし合わせないから意味ないような・・・(爆)2016年公開。
「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」
ソン・イジェン主演他。日本統治時代、大韓帝国の初代皇帝・高宗の娘として生まれた徳恵翁主(ソン・イジェン)は、日韓併合の推進と朝鮮皇室の消滅を図る政略に巻き込まれ、わずか13歳で日本へ留学させられてしまう。祖国に帰れる日だけを待ちわびながら月日は流れ、大人となった彼女の前に、幼馴染のキム・ジャンハン(パク・ヘイル)が立派な青年となり姿を現す。大日本帝国国家に従事する一方、密かに朝鮮独立運動に尽力していたジャンハンは、王朝復興のため徳恵と皇太子である兄王を上海へ亡命させようと計画する。信念に突き動かされた者たちは、激動の歴史の中で想像を絶する運命に身を投じていくが・・・。激動の人生を駆け抜けた大韓帝国最期の皇女、その衝撃の運命とは?
8点!!冒頭「一部事実とは異なります」と断りがありますが、この時代にあったバラバラなエピソードを全部徳恵の人生に絡ませて描いており、徳恵の人生はかなり悲劇的なことになっているので、日本人としては「そこは違うよ!」と言いたくなる部分もありましたが、フィクションとして観れば、かなりドラマティックで面白かったです。韓国側と日本側の主張が違う以上、史実だってどこかで歪められていると思いますし、どちらが正しいかは白黒つかないと思いますしね。ただの綺麗なお姉さん女優だと思っていたソン・イジェンがここまで気迫のこもった演技が出来るとは知らず、クライマックスは圧倒されました。圧倒的な純真さを保ったまま、あれだけ出来るのは凄いです。でも、決して反日映画ではなくて、不思議なことに「密偵」もなのですが、本作でも韓国人と対峙する敵も韓国人なんですよね。徳恵の気持ちとしては、祖国や親元から引き離され、戦時中は帰国も絶望的で国も家族も日本にいる祖国民の身の安全は保障されない中で、鬱状態になっていったのは、そりゃなるよねと。当時の精神病棟なんか入れられたら治るどころか悪化し廃人になるルート直行ですし(>_<)ソン・イジェンの圧倒的な神々しさとパク・ヘイルの名演に支えられている部分は多いですが、ポクスンと再会するところなどはやっぱり涙がこみ上げるものがありましたし、史実はどうであれ、徳恵という一人の女性の心情としては間違いでなく、こうだったのではないかと説得力のある作品でした。2016年公開。
「チリ33人 希望の軌跡」
アントニオ・バンデラス主演他。世界中が注目したあの鉱山落盤事故の知られざる真実の物語。俺たちは、必ず生きて帰る。地下700mに生き埋めになった33人の男たちが、69日後に奇跡的に生還したチリのサンホセ鉱山落盤事故。世界中のメディアが現地からリポートを届けたが、実は私たちが目撃したのは、壮大な救出劇のほんの片鱗に過ぎなかった。あれから5年、今も固い絆で結ばれている33人の全面協力のもと映画化が実現、驚くべき秘話の数々が明かされる!
6点!!観終わった後も「どうして全員生き残れたのだろう?」と首をかしげてしまうくらい壮絶な環境下でした。過酷な環境下でも協力し合い、チームワークを維持する山の男たちの精神力と人間力が尋常じゃないくらいハイレベルです。アメリカ人だったらとっくに殺し合いになってるし、日本人だったら誰かがリーダーでえばり出してグループに分かれちゃうだろうなと思いながら観ていました。ジュリエット・ビノシュはよく海外の作品に出たがるけど、スペイン風メイクをしてもチリ人には見えないし、少しストーリーの妨げになっていたので、今回は違うかなと感じました。ナオミ・スコットも台詞ほとんどなくて、どうして彼女を起用したのか、疑問に思いました。ゴルボルン大臣の涙に胸が熱くなりました。しかし、この事故で鉱山会社側が無罪で山の男たちには一切の保障なしって、どうしてそうなったのか?そちらも気になって仕方ありません。こういう閉じ込められ系映画にあるような輪になって一人ひとり過去を語りだすような描写もなく、最後まで緊張感を保ったまま興味深く楽しめる作品です。2016年公開。
「僕らの青春白書」
イ・ジョンソク、パク・ボヨン主演他。舞台は1982年の思清南道洪城の農業高校。不良女子高生のヨンスク(パク・ボヨン)はイケメンでプレイボーイのジュンギル(イ・ジョンソク)の事を幼い頃からずっと想い続けている。そんなヨンスクの事を好きなクァンシク(キム・ヨングァン)はジュンギルのことが気に入らず会うたびに暴行を働く。しかしジュンギルはソウルから転校してきたソヒ(イ・セヨン)に夢中でなんとか彼女の気をひこうと毎日猛アタック。果たして彼らの恋は実るのか?「サニー 永遠の仲間たち」「建築学概論」に続く激闘の1980年代を生きた若者たちの友情と功を描く青春ラブロマンス。
1点!!メイン4人のうち3人が知っている俳優さんだったので何となく鑑賞。80年代だと韓国どころか日本の流行りさえ知らないので、懐かしいなとかは何もなく。女の子のファッションは可愛くて、パク・ボヨンの制服のベルトとかオシャレだなぁと思いながら観てました。話はドラマの延長戦くらいの内容、いや韓国ドラマは作り込まれているので、ドラマより単純な感じで、これにお金を払うのはちょっと・・・という内容。可愛い系のパク・ボヨンが不良のトップというのが新鮮でした。幼馴染二人の関係性をもう少し掘り下げて欲しかったな。ジュンギルの心変わりの心情をもう少し見せて欲しかったです。2016年公開。
「ハリウッド・スキャンダル」
リリー・コリンズ主演他。1950年代のハリウッド。女優を夢見るマーラ(リリー・コリンズ)は、映画や新人の発掘に興味を持つ大富豪ハワード・ヒューズ(ウォーレン・ベイティ)のもとで彼に与えられた家に住み、女優としてのレッスンを受けていたが、ハワードには一度も会えないままだった。そんな中、マーラは彼女の運転手を務めるフランク(オールデン・エアエンライク)と恋に落ちてしまう・・・。オスカー監督ウォーレン・ベイティが贈る禁断のラブストーリー。
2点!!リリー・コリンズ目当て。リリー演じるマーラの登場シーンの素朴でキラキラした笑顔がとても可愛い。そこから運命に翻弄されていくわけだが、リリーは何故か、運命を受け入れる役柄が多い。作品の良し悪しに関わらず(爆)ハワード・ヒューズは実在の人物だが、このストーリーはフィクションのようだ。60年代ハリウッドの雰囲気は素敵だったけど、これが実話でないなら、映画化するほどかと言われれば疑問だ。実際、3度ほど寝落ちした。リリーとウォーレン・ベイティの演技は素敵だった。オールデン・エアエンライクは今一歩。・・・書くことがない(爆)2016年劇場未公開作品。