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ゆゆ勝手に映画評(2021)

yakuzatofamily

「ヤクザと家族 The Family」

綾野剛主演他。ただ、愛した。矛盾と不条理のこの世界で、全てを懸けて―。荒れた少年期に地元の親分から手を差し伸べられ、父子の契りを結んだ男・山本(綾野剛)。ヤクザの世界でのし上がる彼は、やがて愛する自分の<家族>とも出会う。ところが、暴対法の施行はヤクザのあり方を一変させ、因縁の敵との戦いの中、生き方を貫いていくことは一方でかけがえのないものを失うことになっていく。1999-2005-2019年、変わりゆく3つの時代の中で生きる男たちを【家族・ファミリー】の視点で描く心揺さぶるヒューマンストーリー。

10点!!ヤクザとかそうでないとか関係なく、彼らの周囲の人々も含めて、一人一人の人生が色濃く鮮明に描かれている作品。余白の時間さえも、名優たちが横顔ひとつでズシリと伝えてくる凄みを魅せています。1999年の賢治と柴咲の出会いから、年月は彼らに待ったなしでどんどん進み、暴対法により、彼らの絆や愛が壊れていく様をただ眺めていることしか出来ませんでした。柴咲親分と子分の関係性は、子が親を守っているつもりで、親に守られているんだなと強く感じました。風俗と同じで、ある種のセーフティネットになっていたのだなとも感じました(肯定しているわけではありません)。親友にさえ裏切られる賢治の人生だったけれど、残る人の中には大切な存在として心に生き続けるラストに、涙がとめどなく溢れ止まりませんでした(;_;)舘ひろしは最高にハードボイルドだし、綾野剛は格好良さと女性が思わず手を差し伸べたくなるほっとけなさがあるし、寺島しのぶや北村有起哉は気迫ビシビシだし、磯村勇斗ら若手も、これ以上ないくらい俳優としての良さが引き出されています。藤井道人監督作なので、きっと綿密な取材を基に作られているだろうし、こんなにもヤクザを人間臭く愛するしかない切なさで描けるのは、ただただ凄い。余韻がハンパなく、残された彼らの人生をもう少し観ていたかったです。濃密で骨太な「ヤクザの格好良さといえばこの映画!」と語り継がれる名作です。2021年公開。


「名も無き世界のエンドロール」

新田真剣祐、岩田剛典主演他。何よりも強い絆で結ばれた幼馴染のキダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣祐)。2人は10年もの歳月をかけて、表と裏それぞれの社会でのし上がり、住む世界の違うある女性に近づき、プロポーズをしようとしていた。だが、実はそれは、日本中を巻き込む“ある壮大な計画”だった―。ラスト20分の真実。この席の終わりに、あなたは心奪われる。「ストロベリーナイト」「累-かさね-」の佐藤祐市が贈る2021年最大の衝撃サスペンス・エンターテインメントが、ここに誕生!

3点!!原作未読です。‘空中分解’した世界に取り残されたキダはこれからどうするのだろう?エンドロールを終えた後、立ち上がり日常へ戻っていくことは出来たのだろうか?リサ(中村アン)はどうなったのだろうか?イヤミスというには、物語のスピード感も種明かしの鮮やかさもこちらが待ってあげなきゃいけない愚鈍さだし、衝撃も何も意外性が無さ過ぎます。佐藤監督の「キサラギ」で魅せた種明かしの爽快感が本作には全くない。リサに恨みがないならどうして拘束したのか?最期のサプライズは一人で実行しないと美しくない気がします・・・(-""-;) いじめで転校してきたヨッチ(山田杏奈)に担任のあの対応はない。ヨッチだけあだ名なので、どうしても本名が気になってしまうし、彼女の髪がオレンジなのも含めて、バックボーンをもう一歩突っ込んで描いた方が、彼ら3人に感情移入しやすかったと思います。ヨッチの髪も黒髪の方が、山田杏奈の守ってあげたいピュアさが出て良かったと思います(>_<) そんな突っ込みどころ満載な本作だけど、新田と岩田の演技力だけで、マコトの深い闇とキダの喪失感をちゃんと観客に伝えてきたのは流石。新田はどんな脚本でも心に震える演技が出来る稀少な俳優の一人なので、海外に拠点を移してしまうのは本当に残念です。結末をdTVに引っ張るのはナシかな。前日譚ならまだしも、映画なら映画として完結させなきゃダメです。原作は細やかに描かれているのかも知れませんが、原作やdTVが気になる!というところまで全然到達出来ていない不完全燃焼な作品です。2021年公開。


「哀愁しんでれら」

土屋太鳳主演他。児童相談所で働く小春(土屋太鳳)は、自転車屋を営む実家で父と妹と祖父と4人暮らし。母に捨てられた過去を抱えながらも、幸せでも不幸せでもない平凡な暮らしを送っていました。しかしある夜、怒涛の不幸に襲われ一晩ですべてを失ってしまいます。そんな彼女に手を差し伸べたのが、8歳の娘・ヒカリ(COCO)を男手ひとつで育てる開業医の大悟(田中圭)。優しく、裕福な大悟は、まさに王子様。「ただ幸せになりたい」と願う小春は、出会って間もない彼のプロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ駆け上がりました。シンデレラの物語ならここで“めでたしめでたし”。しかし小春の物語はそこでは終わりませんでした・・・。幸せ?不幸せ?価値観が乱高下する!禁断の“裏”おとぎ話サスペンス開幕。

7点!!TCPの前GP「嘘を愛する女」が肩透かしだったので、本作はどうだろう?と思いながら観に行ったのですが、言葉に表しにくい人間心理を突いた作品で中々、面白かったです(^^) 田中圭と土屋太鳳の2人も一緒にいるのが自然というか、相性の良さが出ていて観ていて安心感があります。泉澤家の3人は異常というわけではなく、それぞれが「ああ、いるよね」という範囲の歪さがあるだけで、その歪さを補い合うのが「家族」という共同体だけど、この3人は完璧を追い求めるあまりにそれが出来なかった。話し合うことをせず、結果以外評価せず、原因を外部に求め、それぞれの救難信号の受け止め方を曖昧にしてしまった。小春のように「私はこうはならない」と理想があるタイプは、そうでない現実にぶつかった時、脆く壊れやすい。だから耐えられない問題が起きた時、真正面から向き合う勇気が持てないのだ。大悟も表面的なモノしか見えていない人間だけど、ヒカリや小春を大切に思っているし、ヒカリなんて本当にごく普通の子どもなのに。社会的な立場のある男性の妻になった女性が、常識的な人だったのに一転、夫のおかしな世界に従い生きる心理が不可思議だったのですが、こういう心理状態なのかと納得しました。小春同様、元々、常識人だっただけに違和感は半端ないはずで、これは苦しいだろうなと思ってしまいました(>_<) 小春は2人の内の負のパワーが強過ぎて、転がり堕ちるのを止められなかったのだと思います。小春が境界線を超える瞬間がさりげなく表現されていたけれど、本当に小さなボタンの掛け違えを何度か重ねてしまっただけで、誰もが陥る危険性、もしくはもう片足を突っ込んでる可能性のある悲劇を描いているので、リアルな恐怖がありました。最後の展開はあくまで象徴というか、無理がありましたけど(^_^;) テーマカラーが青ではなく毒を孕んだ赤や紫で、泉澤家のシンデレラはヒカリで、小春は継母だと象徴しているかのようで面白かったです。やはり、大切な人が間違えた時、叱り、正しい方向へ一緒に歩むことが本当に相手を大事に思うことだし、結婚は「幸せになるため」にするものではなく、「幸せにするためにその何十倍もの苦難を共に乗り越えること」だと、あらためて思いましたし、世の婚活シンデレラガールに警告の意味をこめて薦めたくなる作品でした(笑)2021年公開。

「花束みたいな恋をした」

菅田将暉、有村架純主演他。何かがはじまる予感がして、心臓が鳴った―。東京・京王線の明大前で終電を逃したことから偶然出会った山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた。麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが・・・。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた<恋する月日のすべて>を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。バイト、同棲、就活。いつでも二人で一緒にいた20代のぜんぶが、ずっと楽しかった。猛スピードで加速する恋の忘れられない<最高の5年間>を描く、不滅のラブストーリー。

8点!!別れも含めて相手に感謝出来る恋愛というのは、とても貴重なことだと思う。テレビドラマで名脚本家と言われていても映画だと目も当てられないことになる方もいますが、坂元裕二さんは大丈夫でした。二人の恋愛の機微を追体験しているかのように一緒にドキドキしたり辛くて泣けてきたりするのは流石。良いことも悪いことも含めて普遍的な恋愛の醍醐味が二時間にギュギュッと詰まっている良作です(*^¬^*) 坂元作品に出てくるのは皆、面倒臭いなと思われてしまいがちなキャラクターが多いけれど、それらの台詞は、実は皆思っているけど口に出すか出さないかの違いなだけで、でもその小さな差が重要だったりして、共感を得ているのだと思います。恋愛あるあるもふんだんだし。麦と絹のように長い年月、誰かと付き合って別れた経験がないので、年月分はわからない部分がありますが、別れるということは、その人と会える未来や伝えたいことを共有出来る可能性がほぼゼロになってしまう悲しさだと思います。逆に言えば、伝えたいと思うことがなくなってしまえば、恋愛という括りで一緒にいる意味はなくなってしまう。勿論、余裕は必要なのだけど、そういう気持ちは枯渇してしまうものだろうか?と思いながら観ていました。空気みたいな存在になった相手にアンテナを張り続けることは難しい。けれど、それを永く続けるための努力のヒントが詰まった恋愛・結婚のバイブルみたいな作品。あと、菅田くんは恋愛モノをあまりやらないけど、ラブシーンでのギアチェンジが素晴らしいので(「二重生活」とか)、もっと恋愛作品を観たいです。有村架純さんは一番好きな女優さんなので、本作は彼女の良さが堪能できて◎(*^¬^*) 菅田くんに引けをとらないくらい歌声も可愛い。オダギリジョーはあの立ち位置は彼以外いないものだろうか?とそろそろ苦笑いでした(^_^;) 2021年公開。

「アーヤと魔女」

声:平澤宏々路主演他。私のどこが、ダメですか?舞台は、1990年代のイギリス。主人公は10歳の少女、アーヤ(声:平澤宏々路)。赤ん坊の頃から孤児として育ったアーヤは、誰もが自分の思いどおりにしてくれる孤児院での生活がとても快適だった。ところがある日、突然やってきた変てこな二人組、派手な女と長身の男に引き取られることになってしまう。「あたしの名前はベラ・ヤーガ(寺島しのぶ)。魔女だよ。あんたをうちにつれてきたのは、手伝いがほしかったからだ」。そう名乗った女にアーヤは「じゃ、決まりね。おばさんが私に魔法を教えてくれるかわりに、私がおばさんの助手になったげる」と返す。しかし、ベラ・ヤーガはアーヤを助手としてこき使うばかり。いくら頼んでも、いくら仕事をがんばっても、一つも魔法を教えてくれない。魔女と一緒に暮らしている怪しげな男マンドレーク(声:豊川悦司)は、食事時しか顔をみせず、口癖は「私をわずらわせるな」。生まれて初めて“思いどおりにならない”壁にぶつかったアーヤだが「よおし、負けるもんか」と反撃を始める。彼女の特技は周囲の人を操って、自分の思いどおりにさせてしまうことだった。宮崎吾郎が描くジブリ初のフル3DCG作品。

3点!!本作が宮崎吾朗監督作であること、国内での劇場公開を予定していなかったこと、原作が未完であることを知っていて観たので、そんなに期待値を上げることもなく、楽しめました。CGがジブリお得意のアンティークな質感が丁寧な部分とのっぺりとして素材不明なくらい雑な部分がワンカットに収まってる違和感や映画としての盛り上がりがないまま終わるのとか、伏線の回収がないこととか、マイナス面は幾つもあるけど、アーヤがこれまでのジブリ作品にはいないタイプのキャラクターで、物語が進むにつれ魅力を増していくのは、高評価です。まぁ、駿パパの「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」、米林監督の「メアリと魔女の花」ときて、吾朗氏がこの内容の魔女でなんでイケると思ったのかは謎でした(爆)ジブリパーク用とかで作ったのかな?原作が未完なので、終わり方はかなり唐突です。皆「えっ?」ってなると思う(^^;) 続編を作るなら乗りかかった船で観るので、ちゃんと盛り上がれる後編を作ってほしいです。2021年公開。

「すばらしき世界」

役所広司主演他。この世界は生きづらく、あたたかい。下町の片隅で暮らす三上(役所広司)は、見た目は強面でカッと頭に血がのぼりやすいが、まっすぐで優しく、困っている人を放っておけない男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で過ごしてきた元殺人犯だった。社会のレールから外れながらも、何とかまっとうに生きようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田(太賀)と吉澤(長澤まさみ)が番組のネタにしようとすり寄ってくる。やがて三上の壮絶な過去と現在の姿を追ううちに、津乃田は思いもよらないものを目撃していく・・・。一度レールを外れても、懸命にやり直そうおとする実在の男をモデルに「社会」と「人間」の今をえぐる問題作。

8点!!西川美和監督の遠慮無く深く抉ってくる作風が好きです。本作は「あれ?いつもみたいにこないな」と思っていたら、本当に最後の最後でグサッと深い一刺しを食らいました。物事は悪い方へ転がる時も良い方へ転がる時も一気で、止めることは叶わず、人生は転落の連続です。この不条理な世界に適応するということは、心が砕けてしまうほどに苦しく、果たしてその価値があるのだろうか?と非常に重たい余韻を投げかけられました。三上正夫という元ヤクザで犯罪歴だらけの人物は、社会的にみたら、どうしようもないほどにキレやすく、手っ取り早い手段のみを取りたがり、その過程で人を傷つけても、自分の信念に反していなければ、反省すらしない。でも、そんな彼が、偏見の目で見ていた津乃田らの心を揺さぶり、涙を流させる。極妻(キムラ緑子)は彼を救いたいと必死になり、十年の時を経ても親身になってくれる女性(安田成美)だっている。最終的に三上は、三上を中心に囲めるほどの味方を得るのだ。そんな一筋の希望を必死で掴もうとしている彼が、目と耳を塞ぎ、正しいことを素通りしなければならない世界が、果たして正常といえるのだろうか?クライマックスの太賀の演技が素晴らしく涙を誘います。激しい雨風に必死に堪えるタンクトップは見事の一言。勿論、暴力に訴えるのは絶対に間違っているけれど、弱者を守ろうとする術を奪われ、黙るように黙殺される世の中も絶対に間違っている。そんな憤りをなかったことにしてはいけない、自分を守るように他者を守ることを諦めてはいけない、三上の生きざまにそんな根本的なことを忘れるなと言われているように感じました。やはり、西川作品は時間が経てば経つほど深く抉る余韻が凄まじいです。2021年公開。

「あのこは貴族」

門脇麦、水原希子主演他。同じ空の下、私たちは違う階層を生きている―。東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子(門脇麦)。20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされる。あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、ハンサムで良家の生まれである弁護士・幸一郎(高良健吾)と出会う。幸一郎の結婚が決まり、順風満帆に思えたのだが・・・。一方、東京で働く美紀(水原希子)は富山生まれ。猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。幸一郎と大学の同期であったことで、同じ都会に暮らしながら、別世界に生きる華子と出会うことになる。二人の人生が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく。監督・岨手由貴子×原作・山内マリコ。今、最も旬なキャスト、監督、原作者のアンサンブルが都会を舞台に織りなすシスターフッドムービー。

2点!!原作未読です。「いつでも別れられる自分でいたい」「地方も貴族も親の仕事をトレースしているだけ」「女の世界は階層で分かれていて、対立するように仕向けられている」など共感したり、いい得て妙だなという台詞は幾つかありましたが、その他は嫌にボンヤリした話だなぁと思いました。言いたいことがあって、何と言いたいのかわからないまま生きてきた華子の頭の中みたいな感じ。原作は細かな心情描写がされていそうな雰囲気でしたが、数年にわかる華子と美紀の山あり谷ありの感情の部分があまり描かれていないので、ダラダラしちゃってるけど、どこに着地させるのだろう?と思いながら観ていました。きっと、華子は幸一郎のことが本当に好きで、でも自分の夢や生き甲斐を持つ術を持たざるを良しとする世界や、そこから抜け出す勇気がない自分と決別したかったのだろうなと。幸一郎が‘遊びの女’と‘結婚する女’を周囲と同じく全く悪意なく分けているのも、自分の力で生きようとキラキラ輝いている美紀への憧れがあったのかも知れない。やってることは最低だし、それに気付いていないのも最低だけど(>_<)「別れられる自分」になれた華子と幸一郎は初めて互いへの気持ちのみで向き合い、何かが始まるのかも知れないなと思いました。でも、ぼんやりとよくある話から脱却出来ていないので、わざわざ映画で見せる出来ではないかな。2021年公開。2021年公開。

「ブレイブ ‐群青戦記‐」

新田真剣祐主演他。次の対戦相手、織田信長って、マジ?退屈な授業と、常勝を義務付けられた部活。“その日”は、彼らにとっていつもと同じ学校生活だった。自分に自信が持てない弓道部の西野蒼(新田真剣祐)は、部活にも力が入らず、幼なじみの瀬野遥(山崎紘菜)と松本考太(鈴木伸之)も、そんな蒼のことを気にかけていた。いつもと変わらない日々の中だったが、一本の雷が校庭に落ちて、彼らの日常が一変する。学校の外の見慣れた風景は、見渡す限りの野原となり、校内には刀を持った野武士が襲来して、生徒たちはパニックに!次々と生徒が倒れていく中、歴史オタクの蒼は、学校がまるごと戦国時代、かの有名な「桶狭間の戦い」直前までタイムスリップしてしまったことに気付く。果たして彼らは戦国時代を生き抜いて、平和な時代に戻ることができるのか!?いま、歴史上で決して語られることのなかった、銭田未聞の高校生アスリートVS戦国武将による戦いが始まる!

8点!!原作読んでます。原作の最大の見どころは、史実にない戦や有名武将との戦い、そして死が大量発生し、先が読めないところですが、本作はかなり改編して舞台を「桶狭間の戦い」直前に絞っています。中心にいる武将も織田信長、後の徳川家康、後の豊臣秀吉のみです。‘高校生千円’を唱っているならば、高校生はそんなに馬鹿じゃないし、これまで飽きるほど描かれた織田信長ではなく、違う武将を中心にした映画が観たいはず!桶狭間なのに今川義元出てこないし(爆)原作で激アツな各部活の全国記録保持者vs.有名武将とのほぼタイマンバトルも尺の関係で、vs.一武士に変更されているので、高校生の彼らがどのくらい強いのか比較することが出来ません(-""-;) 蒼の歴史オタクという強みも、蒼以外にあんなに細かい史実を説明出来る人物を用意したら、蒼を連れていかないと負けちゃうロジックが崩れてしまいます(>_<) でも、本質はギリギリ保てているのが不思議な作品で。「バトルロワイヤル」かっていうくらい人がバタバタ死ぬ中で、一生懸命仲間を守り、生きようとする高校生の姿が生き生きと描かれているし、それぞれのキャラも立っているので、彼らの死に様に胸が熱くなり、残された者の辛さがリアルに伝わってきて、スピード感と重量感もあります。でも、卓球部とボルダリング部は外して欲しくなかったな(笑)元康の遺言も必須だったと思います。エンドロール後の真剣佑の声が被せてるのかな?というくらい三浦春馬に似ていて驚きました。三浦春馬は最期に良い役だったなぁと(;-;) まず、スポーツ強豪校vs.戦+歴史の改変という企画勝ちだし、それを上手く二時間で盛り上げ、若手俳優陣も皆光る演技をしていて、バランスと完成度の高い作品です(*^¬^*) 2021年公開。

「砕け散るところを見せてあげる」

中川大志、石井杏奈主演他。愛には終わりがない。どこにでもいる高校生の濱田清澄(中川大志)は、“学年一の嫌われ者”と呼ばれて孤立していた一年生の蔵本玻瑠(石井杏奈)をいじめの手から救い出そうとする。清澄は玻瑠の愛らしさと心の美しさに気づき、玻瑠は清澄に感謝と憧れを抱き、二人は心の距離を縮めていく。だが、玻瑠には誰にも言えない秘密があり、玻瑠を守り抜こうとする清澄にも<恐るべき危険>が迫る―。竹宮ゆゆこのベストセラー小説をSABU監督が実写映画化した常識を覆す、衝撃の愛の物語。

5点!!原作未読です。公開初週、劇場2人だけでした(^_^;) いじめや虐待という自分の力が及ばない事象を得体の知れないUFOにたとえているのが、なるほどなぁと思いました。いつも頭上にあるけど自分にしか見えていなくて、撃ち落とそうとしたら出来るかも知れないけれど、周囲には頭がおかしい人と思われてしまう。揺るがない正義感を持ちながらもごく当たり前の高校生活を送っている清澄と、家庭と学校両者で壮絶な経験をしている玻璃はどちらも難易度の高いキャラクターですが、二人とも絶妙な匙加減で演じていました。特に石井杏奈はE-girlsのパフォーマーだけど、明るい役よりも「ソロモンの偽証」や本作のような陰キャラの時の方が断然光っていて素晴らしかったです(^^) 原作未読ですが、父親が鍵を握っているのが観る前から想像出来てしまったので、もう少し捻りがあっても良かったかな。でも、暗がりの堤さんは叫びそうになるくらい怖かったです。本作の登場人物たちは誰も、現実と地続きにいそうなのが怖いです。清澄が玻璃の名前を呼ぶことは本当に叶わなかったのだろうか?愛し隣にいるのに、その名を呼べないのはとてつもなく切ないです(;;) 人を救うのはやはり人なのだなと、暗闇の中に射し込む光の存在に胸を打たれる作品でした。2021年公開。

「るろうに剣心 最終章 The Final」

佐藤健主演他。未来はここから始まる―かつては“人斬り抜刀斎"として恐れられた緋村剣心(佐藤健)だが、新時代の幕開けとともに、逆刃刀を持ち穏やかな生活を送っていた。最狂の敵・志々雄真実(藤原竜也)が企てた日本転覆の計画を阻止するため、かつてない死闘を繰り広げた剣心達は、<神谷道場>で平和に暮らしていた。しかし、突然、最恐の敵・縁(新田真剣佑)によって東京中心部が攻撃され、
剣心とその仲間に危険が及んでくる。剣心は仲間とともに新時代への一歩を踏み出すことができるのか?これまでのるろ剣オールスターが集結し、剣心のため、新時代のため、最後の戦いへ挑む究極のクライマックス「The Final」。 さらに、戦いの理由は幕末へと遡り、剣心の頬に刻まれた〈十字傷の謎〉に迫る「The Beginning」へと続いていく。「The Final」で明かされる、剣心が斬殺した妻・巴(有村架純)の存在。 剣心はなぜ〈不殺の誓い〉を立てたのか?そして剣心はなぜ妻を斬殺しなければならなかったのか?「るろうに剣心」の始まりと終わりを描く、時空を超えた二つのアクション感動超大作が2021年GW、遂に幕を開ける!

6点!!冒頭から縁によるクライマックス級のアクションが展開され、「るろ剣」が帰ってきたと思いつつ、度肝を抜かれますw(*゜Q゜*)w 相変わらずアクションが速すぎて、もう俳優が誰かさえ判別不能( ̄□||||!! 珍しくスローモーションを使ってくれていたけれど、スローモーションが速すぎるんですよ(爆)剣心が薫の亡骸を見つけるところでbeginningに繋げるのかなと思っていたので、そこだけはPG12なシーンになっても良いから変えないで欲しかったし、必要な衝撃と絶望だったと思う。そこから立ち上がった剣心の言葉じゃないと縁には届かない。これが許せるかが本作の評価の分かれ目になりそうです。本当にオールスター戦で、原作にはないけどファンなら観てみたい夢の競演は嬉しいと複雑がごっちゃ混ぜな気分(^_^;) 有村架純の巴役はピッタリだなぁと思っていたけど、やはり綺麗にハマっていて、彼女が後半のメインになるならば観に行こうと思える後引く巴でした(*´∇`*) 窪田正孝が清里続投(というか当時の映像)で良かった~違う人になってたらどうしようかと思ってた(@_@) 署長の娘役を小野花梨が演じていて何気に嬉しい。彼女は伊藤沙莉のように売れると思うので。燕が永野芽郁じゃなかった(爆)真剣佑の縁は原作よりムキムキで一打のパワーが凄い(○_○) 原作をアップデートさせた縁を作り上げていて、ある意味、彼の日本でのキャリア史上、最高の演技だったと思います(*^¬^*) どの俳優さんのアクションも最高だったけれど(江口さんも牙突ビョーンじゃなかったから○)、あと4回くらい観ないと誰がどんな動きしてるのか楽しみ足りないです。伊勢谷友介の蒼紫はやはり最高で、そういう演技が出来る俳優さんには時間がかかってもカムバックして欲しいと思いました。Finalで綺麗にまとめちゃいましたが、ここからどうbeginningに繋げるのだろうか?早く続きが観たいというテンションにはならなかったのですが・・・。本作もストーリーはあってないようなもので、途中ダレているシーンがあったし、ファンなら観るだろう的な思惑を感じてしまうところはよくも悪くも大友監督作品。でも、アクションはスクリーンの端から端まで見逃せないものばかりなので、劇場で観るべき作品です。2021年公開。

「明日への地図を探して」

カイル・アレン、キャスリン・ニュートン主演他。同じ1日を繰り返している青年マーク(カイル・アレン)は、その理由も抜け出す方法もわからず、永遠と続く平凡な日常に飽き飽きしていた。そんなある日、見慣れた風景の中に見知らぬ同年代の女の子を発見する。声を掛けてみると、その女の子マーガレット(キャスリン・ニュートン)もマークと同じくタイムループにはまっていることが判明。初めて話題を共有できる相手を見つけて喜ぶマークは、街で起こる小さな“奇跡”を彼女と一緒に集め始めるが・・・。果たして二人は、同じ日が繰り返される理由を見つけ、タイムループから抜け出すことができるのか?

3点!!評判が良かったので鑑賞したのですが、まさに日常。日常の光景を他人が気付かないくらいの変化でダラダラと過ごす二人を特に変わり映えしない演出でダラダラと追っています。誰かと殺す殺されそうになっていないタイムループものってあまり観たことなかったかも。コロナ禍のステイホームで何も進まない何もできない今だからこそ、若者に響いたのかなと思います。今、私たちはステイホームで何もできないもどかしさや不自由さを感じているけれど、一日どんなことも出来てどんな場所へも行けても(ただし1日で行けるところ)、不自由は感じるものだったな、そういえばと思い出しました(^^;) だから人間はきっとこれが1年でも10年でも繰り返しの日々だった場合、不自由を感じるのだろう。映像や音楽にこれといった見どころがないし、ふわっとした話に落ち着いちゃってるので、私はあまりオススメはできないです。2021年日本未公開作品。

 

 

「ダンシング・クイーンズ」

モリー・ナトリー主演他。スウェーデンの小さな島で生まれ育ったディラン(モリー・ナトリー)は、幼い頃から踊ることが大好きで、あだ名は“島のダンシング・クイーン”。配達の仕事をしながら、島の子どもたちにダンスも教えていた。ディランは約1年半前に最愛の母を亡くし悲しみにくれていたが、祖母は前を向いてダンサーの夢を追いかけるよう後押しする。祖母に励まされたディランは、ダンス・カンパニーのオーディションを受けるため、船に乗って街へと向かう。しかしオーディション会場であるはずの大劇場に到着してから日付を間違えていたことに気付き、愕然とする。大劇場に居合わせた女性は、ショックを受けているディランを見かねて「ディスコダンスが学べる場所がある」とアドバイス。女性に勧められてディランがたどり着いたのは、とあるドラァグクラブだった。ディランはしばらくの間、ドラァグクラブの清掃員として働くことになる。しかし、ディランの才能が振付師ビクトルの目に留まったことで彼女の運命が大きく動き始める。悲しみを乗り越える力が優しさ100%のハッピームービー。

7点!!観る前は日本語予告も公式HPもなく、世界展開する気があるのか?と疑問符が浮かびましたが、これは面白い!スウェーデンの小さな島とノリの良い音楽としなやかに踊る主人公がバランスよくマッチしていて、MVを観ているように心地良いスタート。ドラァグクラブのメンバーも廃業寸前だけど、ワチャワチャいがみ合っている感じではなく、振付師のビクトルはエズラ・ミラー似の顔もダンスも最高なイケメンだし、ディーバのトミーもディランを受け入れる器がお父さんみたいな安心感があって、魅力的です(*^^*) 何より「新しいものを~」と言いながらもちゃんとクラブの歩んできた歴史や古株の意見に耳を傾け、皆で最高のものを!という温故知新な精神が素敵で、観ていて笑顔になれます(^^) ドラァグクイーンの迫力あるダンスもディランとビクトルが踊るモダンダンスもどちらも見ごたえがあるし、使わている音楽も往年のナンバーからKAYTRANADA「Vex Oh」まで良曲揃いでサントラ欲しい!!って思いました♪大型映画ではないので、ダンスシーンも圧巻という感じではないけれど、その分、しなやかさと情感で魅せていて引けを取らないし、スウェーデンの自然と人と音楽とドラァグのバランスが素晴らしい、掘り出し物な作品です。2021年日本未公開・NETFLIX作品。

「スペース・スウィーパーズ」

ソン・ジュンギ主演他。2092年、地球は蝕まれてしまい、宇宙衛星軌道上に人類の新しい巣であるUTSが作られた。 国家の代わりに企業が統治する世界で、宇宙ゴミを拾ってカネを稼ぐ洗浄船「スペース・スウィーパーズ」が、ある日、事故宇宙船を回収する。 その中に隠されていたのは、大量破壊兵器として知られている人型ロボット「ドロシー」(パク・イェリン)を見つけるが、おカネになることなら何でもするパイロットのテホ(ソン・ジュンギ)。 過去に宇宙海賊団を率いたチャン船長(キム・テリ)。ギャングの頭だったが今は運転士になったタイガー・パク(チン・ソンギュ)。一生叶えたい夢を持つロボットのバブズ(ユ・ヘジン)。 彼ら「スペース・スウィーパーズ」の船員たちは、「ドロシー」を巨額のカネで売る計画を立てることになる。 果たして、この無茶な計画は成功するのか!?韓国ウェブコミック発SFアドベンチャー。

2点!!キム・テリ目当て。韓国版GOGかなぁと思って観たらそのまんまでした。SFは苦手だけどコメディータッチだからイケるかと思って観ましたが、え?何?誰?どこ?状態が最後まで続きました。しかも2時間超えてるから疲れたー(>_<)本当、NETFLIX作品を観ると監督が必要だと思っても切る編集って大事だと痛感します。まず、本当に誰が今何をしようとしてどこにいるのかがわからない。SF全部に言えることだけど世界観のトリセツがないから徐々にわかっていく感じだともう最後まで全然乗れない。何を仕掛けてどうなったのかがわからないから、全然ハラハラできない。主人公のテホも軍人だった頃から始まってすべて自業自得で起こるべくして起こっていることなので、全然同情したり共感できない。あとは若手俳優で固めてたけど、皆、過去がある役なので、表情だけで語れるペ・ドゥナクラスの実力派じゃないと全然伝わってこないです。これは続編があるのでしょうか?実はGOGも1作目は全然楽しめなかったので(むしろ寝た)、2作目で人物関係がわかって観れば話も広がるし面白いのかな?とか考えながら観てました。あとは、本当にアドベンチャーに特化した感じだったので、韓国のてんこ盛りを期待してると肩透かしを食らいます。個人的に日本のSFは山崎貴の「宇宙戦艦ヤマト」」で止まっていると思うので、山崎さんがこれだけの予算を貰ったら超えられそうだけどなぁと思ってしまいました(爆)2021年日本未公開・NETFLIX作品。

「ファーストラヴ」

北川景子主演他。なぜ、彼女は父を殺したのか?触れてはいけない、閉じ込めた愛の記憶。川沿いを血まみれで歩く女子大生・聖山環菜(芳根京子)が逮捕された。殺されたのは彼女の父親。「動機はそちらで見つけてください。」彼女の挑発的な言葉が世間を騒がせていた。事件を取材する公認心理師の真壁由紀(北川景子)は、自分の過去を知る弁護士(中村倫也)とともに彼女との面会を重ねる。揺れる供述。歪んでいく真実。そして、重なる自分―なぜ、彼女は父を殺さなければならなかったのか?ファーストラヴに隠された事件の真相にあなたの愛の記憶も揺らぎ出す。島本理生の直木賞受賞ベストセラーサスペンス、衝撃の完全映画化。

10点!!原作読んでます。島本理生は一番好きな作家だけど、原作を読んだ時「これは一般層に伝わるのかな?」と思ったし、堤幸彦監督は「イニシエーション・ラブ」の見せすぎ大失態があるから不安でしたが、原作を見事にアップデートさせています(^^) 言葉にしにくい、他人に伝わりにくい感情を絶妙に映像化していて、視線で人を殺せるんだと思ったし、がんじがらめに囚えることすら可能なのだと見せつけられました。「そんなことで?」「逃げればよくない?」と言わせない圧倒さがありました。俳優陣もそれぞれ良くて、芳根京子は相変わらず、窓ガラスがあって良かったと思う程、突出した名演だったし、窪塚洋介は普通の喋り方出来るんだという新境地(演技面も(笑))だったし、北川さんも中村さんも木村佳乃もヒリヒリ痛む心の傷が見えるようだったし、北川さん演じる由紀が我聞(窪塚洋介)の絵を見て救われる瞬間は、泣きたくなるほど素晴らしかったです。誰しもが加害者になりうる事象を描いているので、多くの人に観てほしいし、言葉にしにくいものだからこそ、その正体を自身の中で突き詰めてほしい。傷つきモヤモヤしてきた過去の自分の心が浄化される“救い”の名作です。2021年公開。

「太陽は動かない」

藤原竜也主演他。心臓に爆弾。リミットは24時間。ミッション失敗は―爆死。24時間ごとに秘密組織:AN通信へ定期連絡しなければ、爆死する爆弾を埋め込まれた、冷静沈着な鷹野(藤原竜也)と相棒の田岡(竹内涼真)。精鋭エージェントコンビに課せられた、過去最大にして最悪のミッション。キーワードは、全人類の未来を決める次世代エネルギー。その極秘情報をめぐり、世界各国のエージェントたちが争奪に動き出し、命がけの頭脳戦が始まる!そんな中、ふたりの心臓の起爆装置が発動!刻々と迫り来るカウントダウン。時間がない!襲いくる数々の困難を乗り越え、彼らは明日の太陽を見られるのか!?24時間ごとに死の危険が迫る極限のノンストップ・サスペンス!

1点!!ドラマ版は未見です。最初のアクションシーンがハイライト。あとは最後までグダグダ。何やってるのか、誰がどう動こうとしているのか、過去エピソードのどう繋がるのか?全部わからないし、そのエピソードこのタイミングで出す必要?という間の悪さが続いて、いつもの羽住監督のシンプルに突き進んでいく感じや熱さが皆無でした(>_<) 原作読んでないけど吉田修一なので、確実にもっと練り込まれたストーリーと伏線の張られ方してますよね?ハン・ヒョジュも含めて俳優陣の無駄遣い感も半端ない。動ける竹内涼真のアクションの比率、超低いし。タイムリミットが迫っていく焦りや謎に近づいているドキドキ感も皆無。もう本当にあとちょっとで爆発という時になってやっと「ああタイムリミットなのね」と気付く感じ。シンプルに酷い出来。2021年公開。

「デュアル・ラブ」

アドリアンナ・フレビツカ主演他。教師を務める一方で、父親が作った借金を返済するためにクラウディアの名でモデルとしても働いているモニカ(アドリアンナ・フレビツカ)。モデルの仕事で広告の撮影現場に向かった彼女は、愛人でもある上司の命令で現場に駆り出されたジャーナリストのエンツォ(マテウシュ・バナシュク)と出会う。撮影現場で思わぬ事態が発生し、それが原因で犬猿の仲になる二人。しかし、どこかミステリアスな雰囲気を醸すモニカにエンツォは惹(ひ)かれていく。女たらしで有名なジャーナリストが、教師とモデルの2つの顔を持つミステリアスな女性に恋したことをきっかけに、自らの生き方を見つめ直すラブコメディー。

3点!!まぁまぁの評価だったので鑑賞したけど、どこにでもある意外性ゼロのラブストーリーでした。エンツォもジャーナリストと紹介がありましたが、ずっとモデルしかしていないのでジャーナリスト感皆無。二人とも美男美女でモニカはモデルの顔も教師の顔もどちらも綺麗だったので、内容がなくても最後まで観られたかな。でも、2つの顔がバレるかバレないかのハラハラドキドキもないし、お父さんが借金した理由や校長が手のひら返しの対応をとってもまったく気まずそうじゃないところとか、伏線回収がなってないし、登場人物が多いわりに人間模様はドライに描き過ぎだと感じました(>_<)ファッションビルとかで流しておくには良いけど、映画としてがっちり観るのには面白いよーとはオススメできないかな。2021年日本未公開・NETFLIX作品。

「あの頃。」

松坂桃李主演他。“推し”に出会って、“仲間”ができた。大学院受験に失敗し、彼女なし、お金なし、地獄のようなバンド活動もうまくいかず、どん底の生活を送っていた劔(つるぎ)(松坂桃李)。ある日、松浦亜弥の「?桃色片思い?」のMVを見たことをきっかけに、劔は一気にハロー!プロジェクトのアイドルたちにドハマリし、ヲタ活にのめり込んでいく。藤本美貴の魅力を熱く語るケチでプライドが高いコズミン(仲野太賀)をはじめとした個性的なオタク仲間と出会い、学園祭でのハロプロの啓蒙活動やトークイベント、また「恋愛研究会」というバンドを結成しライブ活動を行うなど、くだらなくも愛おしい青春の日々を謳歌する。しかし時は流れ、仲間たちはハロプロとおなじくらい大切なものを見つけて次第に離れ離れになり・・・。“ハロプロ”にすべてをささげた男たちの笑いと涙の日々を描いた青春エンターテインメント。

8点!!何か言葉にいい表せない良さがある作品でした。幅広く共有しないタイプの自分だけの青春の1ページみたいな。人に見せたくないんだけど大切みたいな。ハロプロファンってハロプロ全体を推すのか !('O'*)  劔の髪型がバンドマンからハロプロ支部に現れるタイミングでいきなりダサくなっていて、その間に何があった!?と思いました(笑)ハロプロって支部があるのかーとかオタクの人たちは普段、推しの話以外は何話してるんだろう?とか、あややのあの握手会のシステムだったら犯罪も起こりにくくていいなとか、新発見や疑問が一気に解決された感じです(^^;) 逆にあややなんかはちょうど自分の学生時代とカブるからわかるかな?と思ったのに、ハロプロの誰の曲か全然わからないっていう(あれ?)。支部の人たちのセーフティーラインを軽々と超えてやったらいけない事をやってしまい、それを笑って許容することを強いる環境は良くないし、自分たちのラインはどんどん広がってるから楽しいからも知れないけど、それがオタク文化や何かに深くハマることが犬猿される理由のひとつになってると感じました。構図が最高だな~と思うシーンがあったのと、松坂さんはどんな汚れ役を演じてもどこか崩れきらない清潔感があるので、本作の主人公にはピッタリで、太賀のラストの名演はもう全部持っていくくらいの涙演で流石だなぁと思いました(^^) あと以前、今泉監督がTwitterで「おススメの俳優」を聞いていたことがあって、その際に「木口健太さん」とリプライしたのですが、ちょい役で出てて、今泉監督のこじらせた恋愛映画でメインやって欲しいなぁと思いました(笑)ハロプロ全然知らなくてもオタクじゃなくても、青春の温かさや痛さや切なさに涙が出そうになる作品です。2021年公開。

「美に魅せられて」

タープシー・パンヌ主演他。夫(ヴィクラント・マシー)を殺害した容疑で取り調べを受けるひとりの妻(タープシー・パンヌ)。自らの多難な結婚生活について語り始めるが、その口から出る言葉は事件の真相を曖昧にするばかりで・・・。愛と謎の深みにハマるボリウッド・クライム・サスペンス。

6点!!ただのシンプルな三角関係の悲劇的顛末なのに、2時間じっくり魅せて超大作仕立てにしちゃうのは流石ボリウッド。欠けた人間同士の可愛らしい愛の始まりのラブコメ→ドロドロ→サスペンスと緩やかに、しかし確実に物語が転落し続け、最後は命懸けの愛にホロリとさせられちゃいました(;;) 真面目な人の愛は狂気と紙一重だから、色々な意味で大切にしないとヤバイです(汗)ヒロイン役のタープシー・パンヌがインドの美人女優というよりは可愛いポジションな感じでラニのどこか憎めない可愛らしさで物語を引っ張っていたと思います。夫リシュ役のヴィクラント・マシーもとても田舎町の人とは思えないスラッとしたイケメンで、ボリウッドイケメンな悪役と違った魅力があり素敵でした。お姑さんが自殺未遂の件りからもう可愛くて、ラニと言い争っているのも微笑ましく観てしまいました(^^)不倫の本当の終わりって相手が死ぬこと以外ないってよく聞きますが、それがされた側もそうかも知れなくて、それどころか、された側は相手が死んでも忘れられないのかも知れないなぁとリシュを見ていて思いました。夫婦の絆と欲望、不倫、再構築について色々と学ぶところが多い作品で、しかと心に刻んでおこうと思いました(爆)2021年日本未公開・NETFLIX作品。


「ブラック・ウィドウ」

スカーレット・ヨハンソン主演他。何も信じるな―過去、家族、自分さえも。“私にはまだ、やり残したことがある・・・”物語の舞台は、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の2年前―アベンジャーズとして活躍してきたヒーローには、葛藤、それぞれが背負う過去があった。アベンジャーズとして守るべきもの、闘うべき理由があった。ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)には?彼女には、家族があった。しかしそれは組織に用意された“偽りの家族”。暗殺者という過去を背負いながらも、アベンジャーズとして活躍する中で出会った“本当の家族”とも呼ぶべき仲間。彼女の過去が明らかになった時、ブラック・ウィドウが抱えるすべての謎も明かされる。孤独な暗殺者は、なぜアベンジャーズになったのか。彼女が下した“最後”の決断、その理由が、ここに。

7点!!「レッド・ファミリー」(キム・ギドク)じゃないか(・o・;)これまでのMCUでのブラック・ウィドウのシーンが走馬灯で蘇る、且つ、これまで小出しにされてきた彼女の背景をしっかり記憶した状態で観ないと入り込みにくいマーベル通向けだけど、ストーリー自体はシンプルでした。本作を「エンドゲーム」の後、フェース4の最初に配置したMCUは流石です。最もセンチメンタルな状態で作品に臨めるし、必ず「エンドゲーム」だけでなく、これまでのMCUシリーズを見直したくなります。序盤のエレーナ(フローレンス・ピュー)と話すナターシャの表情が辛そうで、その表情だけで彼女が歩んだいばらの道が伝わってくるようでした。レイチェル・ワイズは彼女が画面に出ているだけで映画の深みがぐっと増す好きな女優さんで、フローレンス・ピューも日本人受けの良さそうなファニーフェイスで可愛いし、キャラも妹タイプで可愛かったので、2代目ホークアイのヘイリー・スタインフェルドとの共演が楽しみです(^^) アクションもこれまでのMCUシリーズに比べると派手ではないですが、人間ができる最高レベルの戦いが魅力的な家族によって行われているので、面白かったです。ただ、全部ナターシャ一家の計算ずくというか、誰かの命が失われそうなハラハラするシーンがないのはマイナス点かな。ロシアスパイものは、人間関係がややこしいので子どもは置いてけぼりになってしまいますが、マーベルファンなら外せない作品です☆ 2021年公開。


「ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画」

アクシャイ・クマール主演他。再起をかけた男と女性科学者たちの愛出会いと努力が歴史を変えた!2010年、インドの宇宙事業の命運をかけたロケットの打上げが失敗に終わり、プロジェクト責任者のタラ(ヴィディヤ・バラン)とラケーシュ(アクシャイ・クマール)は誰もが実現不可能と考える火星探査プロジェクトという「閑職」に異動させられる。主婦でもあるタラは家庭料理など家事から閃いたアイデアで、小さなロケットでも探査機を火星に送る方法を思いつき、低予算ながらプロジェクトが始動する。しかし、花形の月探査プロジェクトに比べれば陰の存在であるプロジェクトにチームとして集められたスタッフは、トップクラスとは言えない、経験の浅い、いわば二軍の寄せ集め。はじめはバラバラのチームだったが、女性たちの節約アイデアで、わずかな予算でも火星打上げを成功に導くため、チームは結束し奮闘する。そして、2013年、彼らのアイデアと努力が詰まった火星探査機「マンガルヤーン」が火星へと打上げられた。「パッドマン」の主演・スタッフが再結集!アジア初の火星探査機打上げを成功させた奇跡の実話。

6点!!科学とか理系に疎すぎるので、なんで月に使ったシャトルを自爆させたのにまた使えるの?とかプラスチック、宇宙ゴミになるから使えなくない?とか専門用語に??ってなったりで、感動ポイントをスルーしてしまった気がします。歌とダンスがないのとそれぞれを少しずつフューチャーした結果、全体としての勢いに欠けていて単調に感じました。でも、サクセスストーリーでインド映画のクオリティでは余裕で合格点な出来ですし、知っている俳優さんが5人くらい出ていたので(笑)、観やすかったです。最終的にインドだからできた火星探査機でしたが、最初からアメリカの技術を借りるのはダメ、自国で考えないとというのは、素人からみたら合理性に欠けるので、なんでダメなの?コスパ大事じゃないの?と思ってしまいました。2021年公開。

「騙し絵の牙」

大泉洋主演他。バカか救世主か。大手出版社「薫風社」に激震走る!かねてからの出版不況に加わり創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、お荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)は、無理難題を押し付けられ廃刊のピンチに立たされる・・・。速水は、新人編集者・高野(松岡茉優)と共に、イケメン作家、大御所作家、人気モデルを軽妙なトークで口説きながら、ライバル誌、同僚、会社上層部など次々と現れるクセモノたちとスリリングな攻防を繰り広げていく。嘘、裏切り、リーク、告発―クセモノたちの陰謀が渦巻く中、速水の生き残りをかけた“大逆転”の奇策とは!?ウソを見破り、ウラを暴け。騙し合いバトル、開幕!

6点!!全体的にごちゃごちゃっとさせたまま出してきたなぁという印象。2時間ないのに体感はそれ以上で何度も時計を見てしまう感じ。紙本の行方を気にしている人には面白いし結末が気になるストーリー展開だけど、世の中の大半の紙本に関心がない人たちにはつまらない映画だと思います。次世代に残したいのは「面白い」ものか「価値のあるもの」か。「面白い」ものは大半がなくなっても困らないけど、「価値のあるもの」はなくなると困る人たちが必ずいると信じています。その価値に気づいた高野の価値特化戦略は、今はそれが売りになる時代だし、ある程度は成功すると思います。逆に「面白い」だけのコンテンツに高い価値を見出す人はそんなに多くない。原作未読ですが、この内容を紙本で出すことが面白いし、劇中で描かれている最悪の結末は、読者の期待を騙し裏切ることに成功していると思います。小説で読んだら面白そうなのに映画にしたらなんでこんなにごちゃごちゃしちゃったのかな。「桐島~」もそうですが、最初から丁寧に描かれている人物が多すぎるんですよね。テーマも「騙し合い」なので、気にしなければならない軸が多すぎて入り込みにくいのだと感じました。あと、文芸部の描き方がすごく古臭い。でも原作者が取材して書いてるので、未だにあんな感じなのかな?電波や充電が必要な媒体はどこでも読めるわけではないので、個人的に紙本がなくなるととても困る人ですが、そりゃ生き残れないよとも同時に思ってしまいました(>_<)もっと面白く描いてさらに出版業界を激震させて欲しかったです(^^;) 2021年公開。


「カラミティ」

伝説の女性ガンマン、カラミティ・ジェーンことマーサ・ジェーン・キャナリーの子供時代の物語。12歳の少女は、家族のために髪を切り、ジーンズをはいた。マーサは家族とともに大規模な幌馬車隊で西に向けて旅を続けていました。旅の途中、父親が暴れ馬で負傷し、マーサが家長として幼い兄弟を含め、家族を守らなければならない立場になってしまいます。普通の少女であったマーサは、乗馬も、馬車の運転も経験がありません。そんなマーサは、少女であるがゆえの制約に苛立ち、家族を守り、世話するために少年の服を着て、少年のように振る舞うことを決心します。女性は女性らしくという時代にあって、マーサの生き方は、古い慣習を大事にする旅団の面々と軋轢を生みます。更には、野獣に襲われているところを助けてくれたサムソン少尉を旅団に引き合わせたことで、マーサは大きなトラブルに巻き込まれていきます。そして・・・。「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」のスタッフが集結。平原の女王カラミティ・ジェーン誕生の物語。2020年アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ受賞作品。

3点!!「トイ・ストーリー」のジェーンのモデルになったともいわれているカラミティ・ジェーンの幼少期のお話です。アヌシーでグランプリを獲るほどの作品かといわれれば疑問ですが、一人の少女がありのままに生きることをコミュニティで認められるまでの成長期としては、まとまり良く仕上がっています。でも、隊を離れてから戻るまでのお話なので短編で観たい内容ではあったかな。アメリカ西部開拓時代が舞台なのにバリバリ、フランス語なのが違和感ハンパなかったけど、星空や草木、山々が北欧の柔らかいタッチで目に優しい色合いなのが素敵でした。主人公はハードボイルドなのでミスマッチだったけど(^^;) ジェーンの表情が暗いことが多くて、もっと感情を吐露したり怒ったり笑ったりがあった方が12歳の冒険記として同世代の共感を得られると思います。あとは、結果的に成長記にはなったけど、ジェーンの行動は行き当たりばったりで何の勝算もない危なっかしいことの連続なので、ひやひやしたり「それはダメだろ」という行動も多くて、何だか子どもの一日を盗み見ているような気分に。アヌシー国際映画祭の歴代グランプリは「夜明けを告げるルーの唄」「平成狸合戦ぽんぽこ」など猛者揃いなので、これか?うーん??という感じです。2021年公開。

「まともじゃないのは君も一緒」

成田凌、清原果耶主演他。普通な恋愛って、なに?普通に結婚したいけど、世の“普通”と大きくズレてる<普通が分からない男>大野(成田凌)。恋愛初心者のくせにSNSなどで得た情報で“普通”に溶け込む<普通を知ったかぶる女>香住(清原果耶)。大野が何も知らないことをいいことに、言いたい放題、やりたい放題の香住。「女の人と付き合えるようになる練習」と言って、自分の恋敵に大野を接近させることで、物語は、おかしな方向へと進んでいく。前田弘二監督が贈る世の中の<普通>に馴染めない、おかしな二人の物語。

5点!!前田監督の尖った感じを期待してて、主役ふたりの毒がどんどん出てくる展開かと思いきや、ほんわかイイ話にまとまっちゃってて、毒どこいった~?と消化不良。香住はしったかぶり女という設定だったけど、女子高生だと斜に構えてるのとか大人ぶるのとか普通だし、自分の気持ちの変化は素直に認める子で、普通に可愛らしい女の子でした。でも、私も普通っていっちゃってるけど、相手と討論になる時に「普通」「常識」とか使う人は嫌いだな。自分の「普通」が世でまかり通っている常識だと勘違いしていて、それが良いか悪いかも判断せずに思考止めちゃっている人が多い気がします。コロナ禍でそれを思い知って、そういう人たちとはいくら話し合っても使っている言語が違うくらいわかり合えない。他者理解を「普通」で押し込めちゃっている感じがします(嫌)大野みたいに「普通」になろうなろうと頑張っていて、それでも自分の中で譲れないもの、好きなものがはっきりしている人は素敵だけど、一緒に暮らすとウンザリするんだろうなぁ(^^;) 喧嘩を繰り返す時に結局それが別れる原因になりそう(爆)小泉孝太郎さんの役が一番ヤバイ奴で、彼がやっているので政治家にしか見えなかった(笑)18歳で手出して良い基準が学校に通っているかいないかって、そこだけ尖ってて笑えました。10代の子に観て考えてもらいたい作品です。2021年公開。

「BLUE ブルー」

松山ケンイチ主演他。くそったれな青春。誰よりもボクシングを愛する瓜田(松山ケンイチ)は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小田(東出昌大)は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳(木村文乃)とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川が手に入れた。それでも瓜田はひたむきに努力し、夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始める―。平凡と非凡、憧れと嫉妬、友情と恋。挑み続ける姿が観る者の胸を熱くする吉田恵輔監督が描く青春映画の傑作。

5点!!すごくハードボイルドな男の世界の話なのだけど、瓜田の目線が柔らかくて温かいお話になっていました。いつもの吉田監督のエグさは控えめ。でも、ボクシングジムってあんなに性格悪い人いっぱいいるのかな?それを男の世界だとかまぁまぁとなだめるのは違う気がします。強ければ性格悪くても許されるとか絶対違うと思う。瓜田の酸いも甘いも経験した好々爺みたいな目線が良かったのですが、試合直前の表情からもギラギラした闘争心を感じられなくて、だから負け続きなのかなぁと思いました。運動神経よりも精神的なセンスの問題ということになるのかな?ボクシングはルールも分からないくらいなのでわかりませんけど。対して、千佳目線での小田の良さが全然伝わってこなくて、瓜田の気持ちも汲んでの姿勢は素敵だなと思いましたが、他にもないとあれは付き合っていけない・・・(爆)ちょうど良いわかりやすさでボクシングに挑む人々の光と影を描いている作品だと思いました。𠮷田監督はどんな女優さんも可愛く撮るので、そこも期待してたのですが、木村文乃はいつも通り、特に可愛さ増しがなくて残念でした。瓜田と二人で包帯巻いてるシーンのドキッとする感じがもう少し欲しかったです。2021年公開。

「シンデレラ」


カミラ・カベロ主演他。父を失い、意地悪な継母や義姉と暮らすエラ(カミラ・カベロ)はいつか一流のドレスの仕立て屋になり、自らの店を構えることを夢見ている。ある日、次期国王として期待を背負い、定められた人生を窮屈に感じていた王子(ニコラス・ガリツィン)は偶然街で見かけたエラに一目惚れ。舞踏会で王子と心を通わせたエラが選ぶのは、王子との幸せな未来か?仕立て屋になる夢か?“真実の愛”を描く「シンデレラ」の世界観に自らの手で夢も人生も切り開いていくヒロインを据え大胆アレンジ。とびきりハッピーなミュージカルと明日の勇気を貰える新たな“シンデレラ・ストーリー”。

9点!!最高!冒頭、歌い始めた瞬間にディズニー超えた!と思ったくらい、楽曲セレクトとアレンジのセンスが光りまくってます。秒でリズム取りたくなってウズウズしちゃいました(^^) エラ役のカミラ・カベロ、全然女優出来るなっていうくらいめっちゃ可愛かったです。歌もイディナ・メンゼルのパワーボイスとは違う良さがあり、伸びやかでキラキラした歌声にヤラれます。めっちゃ可愛い!!!本作は「ピッチ・パーフェクト」のケイ・キャノンが監督なのですが、仕上がり度が全然違う!(爆)「ピッチ~」の時のようなダラダラさや内輪な笑いがないし、凝ったストーリーではないけれど、メッセージ性もしっかりしているし、知っている楽曲ばかりなので何度でも観れちゃいます(^^) これは劇場公開して音響の良い大きなスクリーンで観たかったなぁ。多くの方たちに観てもらうべき作品なのに勿体なさすぎます(>_<) ニコラス・ガリツィンは「ハートビート」の時の髪型の方がイケメンだけど、ラグビーと楽器だけじゃなくて歌まで歌えるのか!w(・〇・)w 今のところ、作品選びが上手いなと注目しています。大人から続く悪習や縛りを断ち切れというメッセージ性は大人になってしまった自分にとって耳に痛いものがありましたし、考えさせられました。サントラ、エンドレスになりそうです♪ 2021年日本未公開・amazonprime独占配信作品。


「グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告」

ロバート・デ・ニーロ主演他。妻を亡くしたエド(ロバート・デ・ニーロ)は娘夫婦と暮らすことになり、孫ピーター(オークス・フェグリー)の部屋を借りることに。最初は同居を喜んでいたピーターだが自分の部屋から屋根裏に追いやられることを知ると激怒し、エドに宣戦布告状を送りつける。ピーターの過激すぎるイタズラの数々にエドも悪友ジェリー(クリストファー・ウォーケン)の悪知恵を借り、報復を開始!家族と近所を巻き込んだ大騒動へと発展していく―。果たして、勝つのはどっちだ!?部屋とプライドをかけた笑撃の戦争が今、始まる!!観客絶賛&抱腹絶倒の2021年最強コメディが遂に日本上陸!!

5点!!ロバート・デ・ニーロなので割と派手にやるかと期待していたのですが、リアルにありそうなレベルのおじいちゃんvs孫でした。でも中1で宣戦布告する孫は幼い過ぎるような。おじいちゃんの年齢を無視した戦いを仕掛けているし、おじいちゃんとその仲間たちも足腰が打たれ強すぎてびっくりです(笑)一回、派手に尻餅ついたら老後はアウトな年齢だと思うけど・・・。家族ももっと派手に巻き込まれて(妹は可哀想)、警察とか巻き込んだ事態に発展するのかと思ってたので肩透かしです。やはり誰かの犠牲の上に成り立つ介護は絶対に上手くいかなくて、本作ではお母さんが言い出しっぺなので部屋を譲るのはお母さんの部屋か別に増築すべきだったのだと思います。子どもだからってもう自分の世界が出来上がっている年齢なのにいきなり居場所を取り上げるのは親のエゴだし横暴だと感じました。ユマ・サーマンがそんなちょっと自己中ママだったので、顔変わりすぎで怖く感じました。あんなママが追いかけてきたら「殺される!」と思って姉彼氏が全力で逃げるのも納得(爆)2021年公開。

「くれなずめ」

成田凌主演他。ある日突然、友人が死んだ。僕らはそれを認めなかった。忘れてやる、思い出にするくらいなら―。優柔不断だが心優しい吉尾(成田凌)、劇団を主宰する欽一(高良健吾)と役者の明石(若葉竜也)、既婚者となったソース(浜野謙太)、会社員で後輩気質の大成(藤原季節)、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ(目次立樹)、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した!満を持して用意した余興はかつて文化祭で披露した赤フンダンス。赤いフンドシ一丁で踊る。恥ずかしい。でも新郎新婦のために一世一代のダンスを踊ってみせよう!!そして迎えた披露宴。・・・終わった・・・だだスベリで終わった。こんな気持ちのまま、二次会までは3時間。長い、長すぎる。そして誰からともなく、学生時代に思いをはせる。でも思い出すのは、しょーもないことばかり。「それにしても吉尾、お前ほんとかに変わってねーよな。なんでそんなに変わらねーんだ?まいっか、どうでも。」そう、彼らは認めなかった、ある日突然、友人が死んだことを―。泣きたいのに笑えて、笑いたいのに泣ける。これは、結婚式の披露宴と二次会の間に起こる奇跡の物語。

3点!!何この個性派俳優バラエティパック(笑)1人もタイプの人がいない・・・っていうか高校生じゃなさすぎる。城田優がトドメだった(爆)オチを知った状態で観るので、そこからどれだけボルテージを上げていけるかがカギですが、演出のダサさと舞台感がハマらず、全然泣けませんでした。笑いも内輪ノリなので笑えないし・・・本当に二次会の悪ノリしてる二次会の出し物を見ている気分(^^;) でも、彼らの立場をリアルに想像すると泣けないし乗り越えられないし、ずっと力が入らない感じになるだろうなぁと想像しました。やはり、「さようなら」は去られる側に必要な儀式でそこでちゃんと気持ちを置いてこれないと、もう二度とその機会はこないから永遠に引きずるようになることもあるわけで・・・今の時代に身につまされるなぁと思いました。でも松居大悟監督の「君が君で君だ」が最高だったので、そのくらいのテンションを期待しちゃって「アフロ田中」が返ってきちゃった感じの肩透かし感でした。彼の良作にある“何だかよくわからないけどスゲー化学反応”が起きてなかった。2021年公開。

「ピーターラビット2 バーナバスの誘惑」

声:ジェームズ・コーデン主演他。湖水地方なんか、ウンザリだ!ピーター(声:ジェームズ・コーデン)が大都会で出会ったのは、“モフワル200%”なバーナバス(レニー・ジェームズ)だった―。湖水地方の優しい画家のビア(ローズ・バーン)と暮らす“モフカワ”ウサギのピーター。3年前に隣に引っ越してきた動物嫌いのマグレガー(ドーナル・グリーソン)は、ピーターのお父さんをパイにして食べた因縁の一族のひとり。ビアをめぐるピーターとマグレガーの全面抗争も終息し、大好きなビアと大嫌いなマグレガーが遂に結婚。皆で仲良く暮らすはずが父親気取りのマグレガーにピーターは「イタズラするな!」「大人しくしてろ!」と叱られる毎日。そんな生活にもうウンザリのピーターは・・・。世界中で大ヒット!“モフカワ”映画待望の続編。

4点!!前作の完成度の高さからみたら、ただ可愛いだけの続編に成り下がってしまっていました(>_<) 本シリーズでのドーナル・グリーソンの可愛さは相変わらず可愛いですが、足りない・・・バーナバスにシーンを取られているせいでドーナル・グリーソンが足りない(爆)キャラクター同士の感情面のやりとりが少なくて、それが物語を表面的なものにしてしまっている気がしました。普通シリーズ2作目はキャラクターを遊ばせられるので面白くなることが多いですが、キャラの成長がブレに見えてしまうくらい浅い展開が勿体ないし残念な作品です。2021年公開。

「ミナリ」

スティーヴン・ユァン主演他。農業の成功を夢見て韓国からアメリカ、アーカンソー州にやってきた一家。ところが―。1980年代、農業で成功することを夢見る韓国系移民のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、アメリカはアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカ(ハン・イェリ)は、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アン(ノエル・ケイト・チョー)と好奇心旺盛な弟のデビッド(アラン・キム)は、新しい土地に希望を見つけていく。まもなく毒舌で破天荒な祖母(ユン・ユジョン)も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる―。ある家族がもたらす<特別な熱狂>が世間の<観客賞>席巻!新たなる家族映画のマスターピース!人生は続き、明日は必ず来ることの貴さを伝えてくれる、今こそ求めていた希望の物語。

3点!!えっと、これはハッピーエンドなのか?おばあちゃん、ショックでここから一気にボケ進流れだよね?(汗)この夫婦のパターンだとジェイコブが大当たりしない限り、介護離婚になる流れだよね?(汗)そして、ここの子どもたちはいつ学校に行ってるのだろう?日々生きていくのが大変だっていう話なのに生活感ゼロ過ぎて驚きました。セリか~じゃあ、生活に困りそうなことを始めようってなったらそこら辺の土に七草植えておけばいいんだなという点は勉強になりました(爆)奥さんがマジ江口のりこ。てっきりポールが何かやらかす系だと思ったら違った。大火の傍に車止めちゃうとか全体的に危なっかしい家族のお話でした。2021年公開。

「クルエラ」

エマ・ストーン主演他。白黒つけるのは、私。ファッションデザイナーを夢見て、愛犬と2人の泥棒と共同生活をおくるエステラ(エマ・ストーン)。そんな中、カリスマデザイナーのバロネス(エマ・トンプソン)と出会い、彼女は夢の実現へ近づくが、ある大事件をきっかけに人生が一変。抑え込んでいた本能が目覚め、悪女クルエラへと変貌してしまう。パンク・ムーブメントが吹き荒れる70年代のロンドンで、デザイナーを夢見る少女は、なぜ邪悪なヴィランに変貌したのか?ディズニー史上最も悪名高きヴィラン“クルエラ”の誕生秘話が、衝撃の<パンクロック・エンターテインメント>として過激かつスタイリッシュに明かされる!

4点!!うーん、大人向け?70年代ロンドンのファッションは煌びやかで目を飽きさせないけれど、クルエラはディズニーヴィランの中でも唯一?現実世界の話なので、ファンタジー描写がない分、うだうだ悩んでいる時間や攻防戦の繰り返しが長くて、結構しんどかったです。一流のデザイナーはバロネスみたいな人多そうだなとそこもリアルでした(^^;) エマ・ストーンの演技は上手いのだけど、いつもわざとらしさを感じてしまって感情移入出来たためしがありません(>_<) アーティ(ジョン・マクリー)が素敵なサイドキャラクターで彼とジョン(マーク・ストロング)だけ「101」に登場しなかったので、どうなるのか気になります。「101」のロジャーとアニータも最後まで気付かなかったけど、ロジャーはお金ないのに子犬なんて贈られて困るんじゃ・・・とクルエラが贈った意図がわからず、スッキリしませんでした。人間は一度、その人の前で出してしまった本性は完全に引っ込めることは出来なくなるだよなぁとか、色んな意味でリアルなディズニーらしくない人間模様のお話でした。2021年公開。

「ナイトブック」

ウィンズロウ・フェグリー主演他。怖い話が大好きなアレックス(ウィンズロウ・フェグリー)は、ある日悪い魔女(クリステン・リッター)のアパートに閉じ込められてしまう。彼は魔女に毎晩怖い話を聞かせることで生き抜く道を探しつつ、自分と同じように捕らわれの身となっていたヤスミン(リディア・ジュエット)と力を合わせ、魔女のアパートから脱出する方法を見つけ出そうとする。捕らわれの少女と力を合わせ、アレックスの脱出作戦が始まる!J.A.ホワイトの児童書を原作に描くファンタジーホラー。


10点!!CMの感じだと子ども向けホラーの印象ですが、そこはサム・ライミらゴア&グロ大好き集団のゴースト・ハウス・ピクチャーズが作っただけあって小学校低学年以下は号泣レベルの攻めた子どもも楽しめる冒険ものです(^^;) 古典的な怖がらせ方が多いのですが、いちいち悪趣味な怖さがあって(笑)、上手いなぁと思わせる演出が素晴らしいです。「ヘンゼルとグレーテル」に設定似てるなと思わせるのも見事なトリックになっていて、伏線の散りばめ方もその中に隠されている正統派の成長物語も、内容がしっかりしていて隙がないです。また、アレックス役のウィンズロウ・フェグリーくんが保護欲くすぐりまくりで可愛くて!彼が現実世界で受けた傷は子ども時代あるあるなのですが、「そうだった。すごく悲しいんだよね、これ」と子ども心を思い出せてもらいました。魔女が毒舌編集者ばりにアレックスの物語を批評して、それに対してアレックスが必死で対抗するのも、常識に囚われた大人vs自由な創造力を持つ子どもという構成になっていて、大人になって失くしてしまった大事なものを思い出させてくれる素敵な作品です。ゴテゴテ&グログロだけど(^^;) 2021年日本未公開・Netflix公開作品。

「世界で一番しあわせな食堂」

アンナ=マイヤ・トゥオッコ、チュー・パック・ホング主演他。人生が温まる料理はいかがですか。フィンランド北部の小さな村にある食堂へ、上海から料理人チェン(チュー・パック・ホング)とその息子がやって来た。恩人を探していると言うが、知る人は誰もいない。食堂を経営するシルカ(アンナ=マイヤ・トゥオッコ)は、チェンが食堂を手伝う代わりに、恩人探しに協力することとなる。恩人探しが思うように進まない一方で、チェンが作る料理は評判となり食堂は大盛況。次第にシルカ、そして常連客とも親しくなっていくチェンだったが、観光ビザの期限が迫り、帰国する日が近づいてくる。<世界幸福度ランキング第1位>フィンランドから届いた、すべての人へ贈る“ほかほか”ストーリー。

7点!!フィンランドの田舎町(トナカイとか普通に歩いてる)の自然やゆったりとした時間と上品な中国の薬膳料理に癒されて、心穏やかになれる作品。チェンがいわゆる中国人のマイナスイメージをすべてなくしたMr.料理人のプライドを持っている方なので、それがフィンランドの冷たい朝の空気と合っていて、現地の人たちにも受け入れられたのだと感じました。礼儀正しく真っ当に生きている人には世界は優しい。薬膳料理いいなぁ。薬膳のすべての料理には意味があるという考え方が好き。今は外食出来ないので余計にプロの方が作った滋養たっぷりのスープで体を整えたいなぁと切に感じました。うん、近所にあったら間違いなく通う(笑)でも、ビザが切れてるのを知っていて滞在するという感覚は日本人にはないものなので、切れるってわかってるなら先に動かないとと思ってしまう。。。シルカのお店、音楽まで中国の音楽になってるじゃんとか、ご近所さんが薬屋さん感覚で来ちゃうところとか、高級店のシェフだったチェンが値段気にしないでどんどん材料買っちゃうところとかツッコミながら観るのが丁度よいです(^^)あー美味しくて体に良いもので自分で作らなくて良いものが食べたい!(笑)2021年公開。

「るろうに剣心 最終章 The Beginning」

佐藤健主演他。「The Final」で明かされる、剣心が斬殺した妻・巴(有村架純)の存在。剣心はなぜ<不殺の誓い>を立てたのか?そしてなぜ妻を斬殺しなければならなかったのか?未来はここから始まる―究極のクライマックス。アクション感動超大作、二部作後編。

6点!!大友ブルーは劇場のスクリーンじゃないと暗くて観にくい(>_<) Finalが原作キャラ崩壊を起こしていて、Beginningは最もキャラの情感的描写が重要なエピソードなので心配していましたが、おおむね原作通りの静かで美しい描写が際立っていて良かったです。このエピソードを撮りたいために~と言っていただけあって、剣心と巴のラストシーンは完璧でした。ただ、原作をなぞっているだけとも言えるので、原作を知らない方やアクションを期待する層は寝ちゃうかも。巴は原作ファンから完璧を期待されるキャラクターだったので、有村さんも作り込んでいましたが、作り込み過ぎて漫画的になってしまったというか、完璧なのだけど、もう少し俳優の味をだせる自由度を持たせても良かったと思います。Finalでも思いましたが、漫画を実写にすると縁(新田真剣佑)のシスコンキャラのヤバさが凄くて、今回は巴に落とされた剣心のデレ度がヤバくて、こんなにスヤスヤ寝るようになっちゃう!?とちょっと引いちゃうくらいでした(^^;)巴には人を篭絡させる魅力があるのだなぁと(爆)あと、Finalで宗次郎(神木隆之介)を登場させるなら、ラストに志々雄サプライズ欲しかったです。新井赤空(中村達也)はナイスサプライズだったけど、武田観柳斎とか不自然なサプライズは無理やり織り込まなくていいです。あと、斎藤一の最後の「これで終わりだと思うなよ」の後の台詞が重要なのに!なぜ、負け犬の遠吠えみたいな感じで終わらせた!?(涙)大友監督は原作押さえているようで押さえてなかったりするから観終わるまでハラハラドキドキなんですよね(悪い意味で)。剣心と沖田(村上虹郎)との対峙シーンは「御法度」のラストシーンぽくてオマージュなのかはわからないけど、ほう~となりました。原作の位置づけもそうですが、スピンオフとして捉えれば良作だと思います。2021年公開。

「SEOBOK ソボク」

コン・ユ、パク・ボゴム主演他。君か、世界か―。余命宣告を受けた元情報局エージェント、ギホン(コン・ユ)。死を目前にし明日の生を渇望する彼に、国家の極秘プロジェクトで誕生した人類発のクローン・ソボク(パク・ボゴム)を護衛する任務が舞い込む。だが、任務早々に襲撃を受け、なんとか逃げ抜くもギホンとソボクは2人だけになってしまう。危機的な状況の中、2人は衝突を繰り返すも、徐々に心を通わせていく。しかし、人類の救いにも、災いにもなり得るソボクを手に入れようと、闇の組織の追跡は更に激しくなっていく。人類に永遠の命をもたらすクローン・ソボク。彼を奪い合う争いの中、唯一人として接し守り続ける男がいた。互いのために宿命にあらがう2人の運命とは?永遠の命を巡る壮絶な戦いを描く、SFエンターテインメント。

2点!!初ボゴム。徐福伝説をモチーフにした作品かと思いきや、そんなに徐福関係ない(爆)「君か、世界か―」みたいな情緒的な展開にもならなかったし、「建築学概論」のイ・ヨンジュ監督作だったので期待してたんだけどなぁ。結末があれじゃ、ソボクのいう「生きる意味」も何もないじゃんと深みのないストーリーにもがっかりです。ギホンの過去の伏線からのラストだと「死や恐怖から逃げるな」ということでしょうか。たとえ、永遠の命が手に入ったとしても事故や天災などで死んでしまうのなら、永遠ではないので今と変わらないし、鬱病患者が凄いことになると思ってしまう(爆)韓国映画お得意のどんでん返しも涙腺畳みかけもなく、なぜこんなに作り込まれていない状態で映画として出しちゃったのだろう?と疑問に思う作品でした。2021年公開。

「トムとジェリー」

クロエ・グレース・モレッツ主演他。大嫌いだけど、好き。ついにふたりが、私たちの世界にやってきた!ニューヨークの高級ホテルに引っ越したジェリーをトムが追いかけて大暴れ。ホテルで開かれるはずの「世界が注目するウェディングパーティー」を台無しに!汚名返上のために、まさかのタッグを組むことになったトムとジェリー。ホテルの新人スタッフのケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)が見守るなか、果たしてふたりは世界一素敵なウェディングパーティーを成功させることができるのか?命がけでケンカしてきたふたりが、今度は命がけで一緒に奇跡を起こす!

3点!!「トムとジェリー」自体観たことがなく、どちらがトムでジェリーだかわからない状態で鑑賞。大抵のネズミはアニメにしようが可愛いと思ったことはないですが、ジェリー可愛い♪ってなりました(^^) 話自体は意外性ゼロでしたが、ゾウやトラまで出てきて、それぞれがキャラ立ちしているので、「こういう話だったのか~」と楽しめました。クロエちゃんも相変わらず可愛かったけど、もう少し人間模様が深く描かれていた方が良かったと思います。2021年公開。

「ボクたちはみんな大人になれなかった」

森山未來主演他。あの時も、あの場所も、あの人も、すべてがいまも自分に繋がっている。1995年、ボクは彼女と出会い、生まれて初めて頑張りたいと思った。「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」。初めて出来た彼女の言葉に支えられがむしゃらに働いた日々。1999年、ノストラダムスの大予言に反して地球は滅亡せず、唯一の心の支えだった彼女はさよならも言わずに去っていった―。志した小説家にはなれず、ズルズルとテレビ業界の片隅で働き続けたボクにも、時間だけは等しく過ぎて行った。そして2020年。社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳のボクは、いくつかのほろ苦い再会をきっかけに、二度と戻らない“あの頃”を思い出す・・・。バブル崩壊後の90年代からコロナ禍の現在まで、時代を彩るカルチャーとともに、一番好きだった人の記憶が胸によみがえる。今もっとも共感を呼ぶベストセラー恋愛小説、待望の映画化!

1点!!元カノに友達申請しちゃうか~FBは過去が蘇るというけれど、そんなに土足で踏み込んでいい世界なのか・・・(怖)(なりたかった)大人に~という意味かな?結構イタい過去を美化し過ぎていて、今、コロナ禍でダメダメな友人とも再会できて、生きてて、なりたかった自分に固執する意味はわからないと思いました。「なりたかった大人になれたか?」なんて世界が青すぎる。まだ現在も未来も自分の手の中にあるのに。友人が先に進めるということは類友なので自分もその可能性があるということなのに。でも、恋愛モードの森山未來は色気があって、伊藤沙莉ちゃんも二人のラブシーンのドキドキした感じがすごく良くて、そこはエモかったです。時系列はかなりわかりにくいのと行き来する意味があまりないと感じました。キリンジの人(馬の骨)の「燃え殻」の曲の方がよっぽどノスタルジックでエモくて本編より良かったです(爆)2021年公開。

「トゥルーノース」

それでも、生きていく。絶望の淵で、人は「生きる意味」を見つけられるのか?1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族の物語。平壌で幸せに暮らすパク一家は、父の失踪後、家族全員が突如悪名高い政治強制収容所に送還されてしまう。苛酷な生存競争の中、主人公ヨハンは次第に純粋で優しい心を失い他者を欺く一方、母と妹は絶望の淵で「人は何故生きるのか」その意味を探求し始める。やがてヨハンの戦いは他の収監者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる。北朝鮮強制収容所。世界で最も過酷な場所で、希望を捨てずに生き抜こうとする者たち。在日コリアン4世の清水ハン栄治監督が10年の歳月をかけて作り上げ、世界の映画祭で絶賛された真実の物語。

10点!!観たかった作品。主人公は恐らく中流階級以上の家庭の子で、父や党の通訳をやっていたが、何も罪で収監されたのかわからないまま、父とは別の収容所に連行されてしまいます。刑務所とは違い、収容者住居にそれぞれ暮らし、強制労働をする毎日。この過程で嘆くしかない出来事が連発するのですが、実写で「アイゴー」といつもみたいに叫ばれるより、アニメの繊細な描写の方がストレートに心に響きました。欲を言えば、英語ではなく朝鮮語で観たかったです。英語を話している違和感に慣れるのに時間がかかりました。極限の中で人がどう変わってしまうか、変わらないでいることはできるのか、苦しみの中でも喜びを見つける人間の本能や美しさが詰まっている作品です。同時に、アニメだからここまで描けたという収容所の厳しい内情もてんこ盛りで、現在も変わらずに起きているであろうことが勉強になるし、ぜひ、お子さんと観ていただきたい、広めていただきたい作品です。2021年公開。

「EVERYBODY'S TALKING ABOUT JAMIE ジェイミー」

マックス・ハーウッド主演他。主人公は16歳の高校生ジェイミー・ニュー(マックス・ハーウッド)。彼には一つの夢があった。それはドラァグクイーンになること。そして高校のプロムに本来の“自分らしい”服装で参加すること。母親から真っ赤なヒールをプレゼントされたことをきっかけに夢に向かって強く突き進む思いを抱いたジェイミーだが、学校や周囲の保護者たちは猛反対。ジェイミーの夢を理解できない父との確執や周囲からの差別など、多くの困難を乗り越えながら、自分らしさを貫くジェイミーの姿に勇気と感動、そして幸せをもらえる、実話を基に作られたハッピーミュージカル!

9点!!ドヴァグものにありがちなドタバタ劇や驚くような展開やないのですが、その分、16歳の主人公の繊細さに丁寧に寄り添った温かな秀作。ジェイミーを演じたマックス・ハーウッドが新人とは思えない、新人だからこそ、手垢のついていない素直な演技で歌に感情を乗せるのが抜群に上手く、2曲目にしてもう泣きそうになってました。ミュージカルも最初は「アナせか」と同じで歌は最高だけどダンスはちょっとダサいのかな?と思っていましたが、中盤以降、もうアートといえるレベルのオシャレなダンスでイギリス特有のセンスを感じました。映画「プロム」もそうでしたが、古い慣習を守るためにリアルを生きている若者を拒絶するのは日本だけじゃないのだなぁと、大人が子どもを信じることの困難さを見せつけられた気がします。正しいことは子どもが一番わかっているということも実際にはあって、大人が並べた困難を手を取り合って乗り越えてようと常に前進し続けている子どもたちのたくましさと清さに温かな涙が溢れました。ひねりがあるわけじゃないので良い作品!としか言いようがないけれど、困難を前に迷った時、踏み出すきっかけになる1本だと思います。2021年公開。

「キャラクター」

菅田将暉主演他。もしも、売れない漫画家が殺人犯の顔を見てしまったら?しかも、その顔を“キャラクター”化して漫画を描いて売れてしまったとしたら??漫画家として売れることを夢見る主人公・山城圭吾(菅田将暉)。高い画力があるにも関わらず、お人好しすぎる性格ゆえにリアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。ある日、スケッチに出かけた山城は一家殺人事件とその犯人(Fukase)を目撃してしまう。事件の第一発見者となった山城は、警察の取り調べに対して「犯人の顔は見ていない」と嘘をつく。それどころか、自分だけが知っている犯人を基に殺人鬼の主人公“ダガー”を生み出し、サスペンス漫画「34(さんじゅうし)」を描き始める。山城に欠けていた本物の【悪】を描いた漫画は異例の大ヒット。山城は売れっ子漫画家となり、誰が見ても順風満帆の生活を手に入れた。しかし、まるで漫画「34」で描かれた物語を模したような、4人家族が次々と狙われる事件が続く。そんな中、山城の前に、再びあの男が姿を現す。「両角(もろずみ)って言います。先生が描いたもの、リアルに再現しておきましたから。」交わってしまった二人。山城を待ち受ける“結末”とは?描いてはいけない、主人公だった―。二人の共作、それは連続殺人事件。体感型ダークエンターテインメント誕生!

5点!!前半のスピード感が悪くて、これ2時間以内に収めらたのではないかなと思いました。丁寧に描きたい、これも入れたいを優先した結果、作品としての完成度が著しく下がったイメージ。キャスティングもどこかで観たような顔ぶればかりで新鮮味がなかったけれど、その中でFukaseさんだけが先の読めない、初めてとは思えない完成されたキャラクターを演じ切っていて、物語の良いスパイスとなっていました。事件ものって観客を圧倒するような追走劇か余韻が残るような登場人物の強い想いみたいなのが作品の良し悪しを決めることが多いですが、本作にはそのどちらもが欠けていて、山城の譲れない部分も両角の闇ももう少し深堀すれば良くなりそうなのに勿体なかったです。2021年公開。


「街の上で」

若葉竜也主演他。誰も見ることはないけど、確かにここに存在してる。下北沢の古着屋で働いている荒川青(若葉竜也)。青は基本的にひとりで行動している。たまにライブを見たり、行きつけの古着屋や飲み屋に行ったり。口数が多くもなく、少なくもなく。ただ生活圏は異常に狭いし、行動範囲も下北沢を出ない。事足りてしまうから。そんな青の日常生活に、ふと訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常、また、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描いた珠玉の群像劇。今泉力哉監督が、変容する“文化の街”下北沢を舞台に紡ぐ、古着屋と古本屋と自主映画と恋人と友達についての物語。

7点!!元下北っ子です。うわぁ~珉亭行きたい~おばちゃん元気かな?コロナ禍を乗り越えられたかな?どこもかしこも知ってる場所ばかりで、リアルにエモ過ぎました。てか、姪っ子誰!?(爆)皆気になっちゃうと思う(^^;) 今泉監督作は会話劇が後で上手くハマる時とハマらない時があって、今回はこの小さな世界観で絶妙な大きさで綺麗にハマって笑いました。冒頭の青とユキの会話で「こんな男やだよ」って思ってたのに最後の二人のやりとりで青の良さが出てて良かったです。でも、あるある会話の距離が近すぎる。あるあるどころか、ドンピシャな会話繰り出されて、もう観ている側の空気が超凍りました(怖)あるあると毒舌にぶった斬ってて斬られた側は再起不能です。あとは、若葉くんが鳥肌立つほど歌が上手くてびっくり。本当芸達者だなぁ。下北って本当に全部事足りてしまうんですよね。行くと安心できる街。この映画の登場人物たちも本当にそこにいそうでした。こんなご時世だから余計にすごく下北に行きたくなりました。2021年公開。

「ヒノマルソウル ~舞台裏の英雄たち~」

田中圭主演他。それは拍手も歓声もない戦い―選手でない彼らの大逆転劇が始まる。1998年長野オリンピック、スキージャンプ団体。悲願の金メダルを狙う日本代表チーム、その中心選手、原田雅彦(濱津隆之)のジャンプを特別な想いで見つめる男がいた。元日本代表・西方仁也(田中圭)だ。前回のオリンピック団体戦で、原田の失敗により惜しくも銀メダルに終わった西方は長野での雪辱を誓うが、願いは必ず、裏方であるテストジャンパーとなっていた。そして迎えた団体戦当日、日本は1本目のジャンプでまさかの4位にとどまり、2本目に逆転の望みをかけるが、猛吹雪により競技は中断。このまま終わればメダルを逃すという絶体絶命の危機に―。そんな中、運命を託されたのは、西方ら25名のテストジャンパーたちだった。様々な葛藤を乗り越え、彼らが挑んだ金メダルへの決死のジャンプ―。これは記録にも記憶にも残らない、舞台裏の英雄たちによる真実の物語。

10点!!元々オリンピックに興味がないし、コロナ禍のオリンピックなんて死ねと思ってますが(爆)、本作は劇場で観たかった1本で。長野オリンピックは「なんでこんなに吹雪いてるのに飛ぶの?0か100かみたいな賭けの人(原田さん)にするの?」と日本人の博打魂とか敗者からの復活精神に響くドラマがあるからかなぁと、子ども心におぼろげに思った記憶しかないのですが・・・。もう映画の冒頭から胸に苦しいのがつかえた感じがずっとあって、4年って長いけど、選手はこんなに悔しくてきつい想いを抱えていて、しかも追い打ちをかけられ続けて、それに打ち勝たなきゃいけないんだなと、濱津さんのハマりすぎる演技に涙が滲み続けました。いや、飯塚監督だからこのナイスキャスティングなのかも知れないけど、ちょっとリレハンメルのメンバーが皆寄せ過ぎてて笑っちゃうっていう(^^;) あとは、やはり女より男の嫉妬の方が長いし怖いなって。男性陣はそうであることを自覚して生きた方が良いと思います(余計なお世話)。それぞれのキャラクターや想いが強すぎず弱すぎず、田中さんや山田裕貴など微調整が効く上手い役者が揃っていて、小坂菜緒ちゃんもアイドルだと言われないとわからないくらい可愛くて上手くて、全体のバランスが良い作品でした。監督の泣かせるタイミングがまた上手い。もうないと見せかけてサラッと泣きを追加するっていう◎。エンドロールの田中さんと土屋太鳳さんの写真が何度も共演している二人の表情で和みました。オリンピックにもスポーツにもまったく興味ない私が感動出来たので、興味ある方は必見です!2021年公開。

「ライアー×ライアー」

森七菜、松村北斗主演他。義理の弟が恋したのは、JKのフリした私!?恋愛経験ゼロの地味系女子大生・湊(森七菜)は、両親の再婚で義理の弟になった同じ年の透(松村北斗)と同居中。超不愛想だけどイケメンで女癖の悪い透が原因で、2人の仲はギクシャクしていて、お互いに冷たい態度を取り合っている。ある日、親友・真樹(堀田真由)の頼みで高校の制服にギャルメイクで街に出た湊は、偶然にも透に遭遇してしまう・・・!湊はとっさに別人の“JK・みな”だとウソをつき、それを信じた透は“みな”に、まさかの猛アプローチをかけてきた!!すぐに正体を明かすつもりが、専用のスマホをプレゼントしたり、女関係を全部清算したり、ウソのように健気で一途な透の姿に、真実を言いづらくなった湊は、“みな”として透と付き合うことになってしまう。そんな時、大学のサークル交流会で再会した幼馴染の烏丸(小関裕太)にも告白されて!?ホントの私×義理の弟×ウソの私!?!<2人なのに三角関係>な新感覚ラブストーリー。

2点!!森七菜目当て。スクリーンを通した森七菜はテレビとは全然清涼感が違っていて、やはり彼女は映画の人だなぁと思いました。ストーリー的には何の意外性もないけれど、別れることになった二人の悲しみがちゃんと伝わってくるところとか、ツンデレ男子のデレ部分が多い破壊力ハンパないなとかそれなりに楽しめました。ただ、松村北斗の声が低すぎてDVDだと音量30にしても聴こえないっていう(爆)東京以外にも行ったりしてたので、絵的にはもう少しキュンキュンさせて欲しかったかな。2021年公開。


「ドント・ルック・アップ」

レオナルド・ディカプリオ主演他。落ちこぼれ気味の天文学者ランドール・ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)はある日、教え子の大学院生ケイト(ジェニファー・ローレンス)とともに、地球に衝突する恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせようと躍起になる。仲間の協力も得て、オーリアン大統領(メリル・ストリープ)とその息子で大統領補佐官のジェイソン(ジョナ・ヒル)と対面する機会を得たり、陽気な朝のテレビ番組「デイリー・リップ」に出演するなどして、熱心に危機を訴えてまわる2人。しかし人類への警告は至難の業で、空回りしてばかり。そのうちに事態は思わぬ方向へと転がっていき・・・。豪華キャスト競演による実話に基づくかもしれないブラック・コメディー。

7点!!太っちょレオ様とぱっつんが上過ぎるローレンスの画迫力に引き気味でスタートしましたが、2時間超えのNETFLIX発アメリカ映画の中では最も退屈しなかったです。他はお金だけかけて無駄に編集引き延ばしている作品が多すぎる。日本語で言うと「臭い物に蓋をする」かな。人間見たくないものは一瞬の「いいね」だけして終わりですからね。そこから広がる果てしない悲劇が自分のところまで届くとは思いもしないし、その結果が今なわけで風刺が効いてるなぁと思いました。なので、2時間強よくあるアメリカコメディーが展開されてても笑えないというか恐怖すら覚えます(爆)ケイト・ブランシェットは特殊メイクなのかと思った(爆)アリアナ・グランデは歌ってなくてもめっちゃ可愛いな。アリアナの劇中歌「Just Look Up」がめっちゃ良い曲になっちゃってて、検索したら普通にNETFLIXにアップされてたのでぜひ(笑)前半、レオたちがめっちゃモゴモゴと難しい話をしますが、何も考えずに観ても結構響くので、シニカルなものが好きな方はぜひ。人間の愚かさと愛おしさが詰まった作品(爆)2021年日本未公開・NETFLIX作品。


「ずっと独身でいるつもり?」

田中みな実主演他。仕事も、恋人も、満たされていないわけじゃない―。10年前に執筆したエッセイから一躍有名ライターとなった本田まみ(田中みな実)36歳、独身。自立した女性の幸せの価値を赤裸々に綴り、読者の支持を得たが、それに次ぐヒット作を書けずにいる。仕事にやりがいを感じながらも目下迷走中のまみは、自身の年齢に対して事あるごとに周囲から「ずっと独身でいるつもり?」と心配されている。一方、まみが出演する配信番組をきっかけに交錯する女性たち―まみの書いたエッセイを支えに自立した生き方を貫く由紀乃(市川実和子)、“なんちゃってイクメン”の夫への小さな不満を抱えながらインスタ主婦を続ける彩佳(徳永えり)、パパ活女子として生計を立てつつも、若さを失うことに怯える美穂(松村沙友理)。それぞれの異なる生きづらさを抱える4人が踏み出した小さな一歩とは?無傷では生きられない現代の女性へ贈る、これがリアルな<わたしたちの物語>。

1点!!田中みな実目当て。4人もの人生を描きながら特に面白い展開がひとつも起こらず終わる、映画にしなくても良い話。女性は生まれた瞬間からずっと削られ続け、上を目指せ上を目指せと死ぬ瞬間まで言い続けられますよっていう。それはそうだと思うし、それを男性が理解しておらず、女性同士でも隣の芝生は青く見えるだけなのにディスり合っちゃったりして不毛だなぁと思いますが、映画的な上げ下げがまったくないのはお金を取る作品としては考えられないです。映画ならではのスカッとする展開は欲しかったですね。2021年公開。

「ザ・スイッチ」

キャスリン・ニュートン、ヴィンス・ヴォーン主演他。史上最悪の連続殺人鬼⇔女子高生の入れ替わり。ミリー(キャスリン・ニュートン)は、片思い中の同級生にも認識されない地味な高校生。親友たちと普通の学校生活を送っていたが、ある13日の金曜日、連続殺人鬼“ブッチャー”(ヴィンス・ヴォーン)に襲われ謎の短剣で刺されてしまう。間一髪、命は取り留めたミリーだが、次の朝目覚めるとミリーとブッチャーの身体が入れ替わっていた。女子高生姿のブッチャーが虐殺計画を進めるなか、中年男姿のミリーは24時間以内に身体を取り戻さないと一生元の姿に戻れないことを知り・・・。「透明人間」「ハッピー・デス・デイ」のブラムハウスがおくる未体験ホラー。

2点!話題になっていたので期待して観ましたが、ごく平凡なスイッチ・ホラーで、タイムリミットががある焦りや高校での立ち位置の変化なども少なく、驚かされるような演出もなく・・・スイッチするまでに主人公のキャラクター描写長いなぁと思ってしまいました。楽しめ度でいったら、学校のお化け屋敷くらい。てゆうかミリーの日常の方がよっぽどホラーじゃん(学校の治安悪すぎ)。入れ替わりが何度も繰り返されたりしながらのチェイスがあればもっと面白かったような気がします。2021年公開。

「東京リベンジャーズ」

北村匠海主演他。これは俺の人生への、リベンジだ!!負け犬フリーター=タケミチ(北村匠海)の元恋人ヒナタ(今井美桜)が殺された。事件を知った翌日、タケミチは駅のホームから転落、目覚めた先はなんと10年前―負け犬人生を歩むきっかけとなった最悪の高校時代にタイムリープしてしまった。もう一度繰り返される、あの頃。最悪の過去でようやく見つけたヒナタを救う唯一の方法は、ヤクザも恐れる危険な組織“東京卍會”を消滅させること。熱い仲間たちとの出会いの中で、ヒナタを救うため、逃げ続けた人生を変えるため、タケミチは弱虫だった“過去”の人生にリベンジし、“今”を変えられるのか?超人気コミック、胸アツの実写化!仲間との絆。大切な人との未来。譲れないものを守るための男たちのリベンジが、今始まる。

2点!!原作は1巻までしか読んでませんが概要は把握しており、「絶対2時間で収まらないでしょ」と思っていたら案の定、めっちゃすっ飛ばしてました。めっちゃすっ飛ばすと何度もループしては絶望しループするの苦労や達成感が極薄になってしまうのと豪華キャストを揃えてはいますが、続編やらないなら、普段メインを張れるくらいの俳優たちが台詞ほぼなしという扱いになっていて、イケメンの無駄遣い感が半端なかったです。それに2010年の渋谷にタケミチみたいな人たちがいたら仮装かと思っちゃう(爆)ヒナタは今田美桜史上最も可愛いと言っていいくらい可愛かったです(^^) それに過去を変えたら現在も変わるはずなのにタケミチの現在が変わりましたよという表現が全くなく(髪型、服装同じ)、それはかなり違和感がありました。他のキャラクターも卍會もどうなったのだろう?豪華キャストばかり話題になっていて、中身が伴っていない感じで残念。原作読んでいる人にはダイジェストになってしまっていると思いますし、読んでいない人が感動できるほどキャラクター造形が深くないので、もうどこの誰に向けて作ったものなのかわからない作品です。2021年公開。

「白頭山大噴火」

イ・ビョンホン、ハ・ジョンウ主演他。世界90か国が激震!半島が、崩壊する。北朝鮮と中国の国境にそびえる火山・白頭山で観測史上最大の噴火が発生!マグニチュード7.8の地震は遠く離れたソウルをも直撃し、ビルは倒壊し、漢江は荒れ陸橋は崩壊。未曾有の事態に朝鮮半島は大パニックに陥る。史上最悪の災害を止めるため、政府は白頭山の地質分野の権威である大学教授カン(マ・ドンソク)に協力を要請。カンは半島を崩壊させるほどのさらなる大噴火が起こることを予測する。タイムリミットは75時間―韓国軍爆発物処理班の大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)は部隊を率いて、北朝鮮へ潜入し火山の鎮静化を図る秘密作戦を実行に移す。そのためにはまず作戦成功のカギを握る北朝鮮・人民武力部の工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)を見つけ出し、次の大規模噴火を何としても食い止めなければならない。果たして彼らは、朝鮮半島の崩壊を阻止することが出来るのか!?、観客動員820万人超えの大ヒットを記録!世界90ヵ国以上で絶賛されたタイムリミット・ディザスターアクション・エンターテインメント!

7点!!2021年では一番観たかった作品。古き良きハリウッドバディ映画の雰囲気漂うM:I×ボンバーマンみたいな映画でした。結構、ご都合主義で南北バディが進む道に全部欲しいものが落ちている展開に苦笑いでした(^^;) 白頭山が爆発したら中国もヤバイだろうに、あんなことしていて良いのでしょうか?(>_<) ハ・ジョンウとスジはやっぱり夫婦には見えなくて(苦笑)、誰も殴らないマブリーにもモヤモヤ、ちょっとしか出てないチョン・ドヨンのどす黒い迫力にビビりました。想定を超えるような迫力や驚きはなかったけれど、それでもやはり映画館の大画面で観たかったなぁと序盤で思いましたし、映画の良さをすべて詰め込んだお祭り的作品です。2021年公開。

「イン・ザ・ハイツ」

アンソニー・ラモス、コーリー・ホーキンズ主演他。主演他。ワシントン・ハイツ―祖国を遠く離れた人々の暮らすその街はいつも、歌とダンスであふれている!夏の夜に起こった大提言をきっかけに、仕事や進学、恋につまづきながら夢に踏み出そうとする4人の若者の運命が大きく動き出す。トニー賞4冠、グラミー賞受賞の傑作ブロードウェイ・ミュージカル、映画化!NYの片隅―つまづきながら夢を追う、4人の<希望>の物語。

2点!!「クレイジー・リッチ」の監督かぁという嫌な予感が的中。主人公がウジウジ型のKYキャラで全然応援できないし、4人それぞれの悩みとその解決手段もフワッとしていて、ミュージカルは良かったけど、入り込むきっかけを失ったまま終わってしまいました。停電の夜に皆に影響を与える事件が起こるのですが、それが4人をどう変えたのか?というメンタル面を掘り下げずに歌って叫んでばかりだったので、舞台ならOKだけど映画は繊細な描写が要求されるから、典型的な失敗例だと感じました。ラテンのリズムとかき氷、蒸し暑い夜、水しぶきなど、夏に観たらテンション上がりそうではありましたが・・・。それぞれを浅く描き過ぎててとっ散らかった結果、何も残らない作品でした。2021年公開。


「空白」

古田新太、松坂桃李主演他。空っぽの世界に、光はあるか。はじまりは、娘の万引き未遂だった―。ある日突然、まだ中学生の少女(伊東蒼)が死んでしまった。スーパーで万引きしようとしたところを店長(松坂桃李)に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれたというのだ。娘のことなど無関心だった少女の父親(古田新太)は、せめて彼女の無実を証明しようと、店長を激しく追及するうちに、その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく。現代の「罪」と「偽り」そして「赦し」を映し出す、吉田恵輔監督オリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンス。

6点!!悪い人はいない、悪い状況があるだけだ。コントロール不可な自分の半身(子ども)がいる親という存在は弱い。その半身を失ってしまったら当然真っ直ぐ立っていられない。どのキャラクターの気持ちも痛いほど理解ったし、人と向き合うことでしか生まれない救いもあるのだと思いました。加害者側とされる青柳や事故車の運転手はどこまでも誠実な人物として描かれ、そんな彼らが弁明の機会も与えられず責められ続けても逃げずに憔悴していく姿に人ひとりの命の重さや影響を感じざる得なかったです。古田新太と寺島しのぶを吉田恵輔がぶつけるとか、どんだけ強いアクがくるのかと構えてたけど、いつもよりエグくなくて少し肩透かしでした。あと藤原季節の話し方が紙兎ロペだった(笑)今の世の中でメディア報道の偏った加熱ぶりは糾弾されるべきだと思うので、もう少し強いボールでも良かったように感じました。全体的にテーマはキツイものだけど、目線は温かくて、辛い状況の中でも人を信じてみたくなる作品でした。2021年公開。
 


「PASSING 白い黒人」

テッサ・トンプソン、ルース・ネッガ主演他。1920年代、ニューヨークのハーレム地区で医師の夫や子どもたちと暮らす裕福な黒人女性アイリーン(テッサ・トンプソン)は、故郷の友人クレア(ルース・ネッガ)と偶然再会する。肌の白いクレアは自分が黒人であることを隠して白人男性と結婚していた。そんなクレアの登場により、平穏だったアイリーンの日常にさざ波が立ちはじめる。

5点!!すごく複雑な心理描写のお話。観る前はてっきりクレアがアイリーンを毛嫌いするのかと思ってたけど、逆で。アイリーンには、クレアに対し、自らのアイデンティティをあっさり捨て白人夫と黒人を差別する会話を堂々と繰り広げる理解不能な恐怖感や軽蔑があり、同時にアイリーン自身もパッシングして白人の中に溶け込むなど、人種を使い分けていることが序盤でわかります。クレアも完璧に白人にパッシングし、幸福かと思いきや、やはりアイデンティティが違う人々や過去を話せないことでの苦しさを感じており、自らが捨ててしまった過去に引き寄せられていきます。どちらが悪いとかではなく、それは当たり前のことで、その当たり前の感情を持った二人が対立構造になってしまう世界自体がおかしいと感じました。人に迷惑をかけないならパッシングしても問題ないし、倫理観がなくても、そんなの自分が良ければ誰に責められることでもない。まぁ、昔からそんなに気の合う二人ではなかったっぽいですが(^^;) この手の問題はいまだに全く解決されておらず(事実、ハリウッドでは中途半端な色の俳優は仕事を取りにくい)、脈々と悲しみが続いています。アイデンティティなんて人種以前に家庭ごとに全員違うのだし、人種なんて線引きしたの誰なんだーと怒れる作品です。2021年日本未公開・NETFLIX作品。


「OLD オールド」

ガエル・ガルシア・ベルナル主演他。その美しいビーチから、誰も逃れることはできない・・・。休暇で人里離れた美しいビーチを訪れた複数の家族。美しいひと時を過ごしていた矢先、ひとりの母親が突然姿を消した息子を探している―「私の息子を見かけませんでしたか?」「ママ、僕はここにいるよ!」―母親が息子の姿に気付かないのも無理はなかった。なんと6歳だった息子は、少し目を離した隙に少年から青年へと急成長を遂げていたのだ。一体このビーチで何が起こっているのか?海岸に打ち上げられた女性の死体、次々に意識を失う人々、砂浜に残された謎のメッセージ。不可思議な出来事に彼らは、やがて自らが急速に老いていく事に気付く・・・。果たして、極限状態に追い込まれた彼らの運命は?M・ナイト・シャマランが放つ、謎解きタイムスリラー。

 

10点!!シャマラン作品は真実は?正体は?と散々煽った挙句、モヤッとした結末に落ち着くことが多く苦手ですが、本作は起承転結と原因、結末がはっきりとコンパクトに描かれていて、とても面白かったです。元々、シャマラン監督は不可解な現象に対する人間たちの反応を描くので、現象自体はモヤッと曖昧に終わることが多いですが、映画という限られた時間で一生を色濃く描いているのが見事にハマっていて、案内する運転手もシャマランさんだし、上手いなぁと感心しました(^^) 人は長く考える時間があるから憎しみや嫉妬、失望し合ってしまうものだけれど、早く老いることですべてのマイナスな感情を忘れ最後に残るのが相手を慈しむ気持ちなのだとしたら、それはそれで愛おしく美しい姿だなと涙が出そうになりました。子どもだった彼らが成長すると、6歳ではありえない知識と責任感が急速に身についているのは都合の良い展開だったけど、それ以外はビーチも綺麗だし、話もスピーディで面白いし、エンドロールの波の音も心地良いし、最上級のB級飛び越えて、もう全然A級、大型スクリーンで楽しめる作品でした。限りある時間を大切にしなければと心にグッと刺さりました(;_;) 2021年公開。
 

「キネマの神様」]

沢田研二、菅田将暉主演他。あの人を愛したから、その神様に出会えました。ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは「映画」―。行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田将暉)は、助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、時代を代表する名監督やスター女優の園子(北川景子)、また撮影所近くで働く食堂の娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年。あの日の「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める。これは“映画の神様”を信じ続けた男とその家族に起こる奇跡の物語。

2点!!話としてはよくあるダメ親父からの脱却感動ストーリーなのですが、山田作品はどうも山田節に呑まれる俳優吞まれない俳優が気になってしまい集中出来ない!!それくらい呑まれる俳優は山田節といえば聞こえがいいけど学芸会になってしまっているし、逆に過去パートを演じた若手陣は呑まれる人が殆どいなくて、純粋にキラキラした青春を演じていて良かったです。皆上手かったけど、特に北川景子がどんどん上手くなっていくなぁと素晴らしかったです。あとは寺島しのぶと片桐はいりの圧!(笑)以下、ツッコミパレード。全体的に現実を理解していない家族だし、監督だなぁと。仕事クビになったらテアトルの年会費なんて払える余裕ないし、コロナ禍設定なのに救急車来るの?お見舞い入れちゃうの?緊急事態宣言前なのに退院後の弱った体で映画館に行くの?映画館で一人だからってマスク外すの、息してる限り止めて。そこで死んだらコロナかと思って他の観客真っ青になるし、映画の神様に殺されたって流れが成立しちゃうけど、それでいいの?自宅のロケーション、墓近すぎだけど、どうしてそこにしたの?と頭の中がえ?え?の連続でした。時流を取り入れたくてコロナを無理やり入れたせいで生じた不自然さの穴埋めが全然出来ないのなら、入れない方が潔かったと思います。不自然な演出も故・大林宣彦くらい有無を言わせない勢いがあればいいんですけど、結構ゆるゆるなのが山田作品なんですよね。今作に限っては私情が映画を台無しにしていた・・・。でもまぁ、予想通りの結末に落ち着いたけど、授賞式シーンでちょっと感動出来たし、映画のキラキラした時代はVFXが良かったのもあっていいなぁと思いました。2021年公開。

「映画 太陽の子」

 

柳楽優弥、有村架純、三浦春馬主演他。僕らは、未来を作っていると思ってた―。1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽優弥)と研究員たちは、原子核爆弾の研究開発を進めていた。研究に没頭する日々の中、建物疎開で家を失った幼馴染の朝倉世津(有村架純)が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間の中で、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、運命の8月6日が訪れてしまう。日本中が絶望に打ちひしがれる中、それでも前を向く修が見出した新たな光とは―?“日本の原爆開発”を背景に、3人の若者の決意と揺れる想いを描いた300日の青春グラフィティ。

1点!!ドラマ版は未見ですが映画版は柳楽くん演じる修の研究室に比重を置き過ぎて、とても3人の青春グラフティとは言えない内容でした。テーマ的にも舞台的にも素材だけで面白い筈がドラマ性も皆無で重厚感という箱に入れただけ(>_<) そんな中、裕之がいきなり自殺未遂したり、突然のラブシーンがあったりするので、観てる側は彼らの気持ちの変化を想像で補うしかなく、かなり置いてけぼりでした。あとは科学者なのにノーガードで広島の街に降り立つかなぁとか、本人たちも危険だとわかっているみたいな描写もあったので疑問でした。重めのエンドクレジットなのに突如、福山雅治の極甘な歌声に切り替わるのも合っていなくて嫌でした。映画作品としても完成度、面白さなど度外視で世に出してしまった残念な作品です。2021年公開。

「夏への扉 ―キミのいる未来へ―」

山崎賢人主演他。1995年の僕と、2025年の僕で、絶対に、君を救う。すべては一緒に見たい未来のために―。将来を期待される科学者の高倉宗一郎(山崎賢人)は、亡き養父である松下の会社で研究に没頭していた。ずっと孤独だった宗一郎は、自分を慕ってくれる松下の娘・璃子(清原果耶)と愛猫ピートを、家族のように大切に思っていた。しかし、研究の完成を目前に控えながら、宗一郎は罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまう。目を覚ますと、そこは30年後の2025年の東京。宗一郎は、研究もピートも、すべてを失い、璃子が謎の死を遂げていたことを知る。愕然とする宗一郎だったが、人間そっくりなロボットの力を借り、未来を変えるために動き出す。璃子を絶対に救うという、信念とともに。時をかけるエンタテインメント。ロバート・A・ハインラインの名著「夏への扉」世界初の映画化。

8点!!原作は子どもの頃に読んだきりなので結構忘れていて、普通に楽しんでしまいました。失礼ながら三木監督作品で面白いと思ったのは本作が初めてです(爆)宗一郎が出会う人々が「未来から来た」という話に疑問を持たず、二つ返事で頷きノンストップで話が進むところと脇役の扱いが雑なところ以外は、綺麗にまとまっているし、先の読めない展開で別れを予期して胸がぎゅっとなったり、ワクワクする作品でした。藤木ピートはロボットなのに何故そんなおじさんにしたの?と思うけど、それ以外は良かったですし。並行世界がないという設定はSFが苦手なのでわからないけど、原作当時としてはそれも面白い設定のひとつだったのかなぁと感じました。恋模様もですが、ピートが可愛くてピートは生き延びられるのだろうか?というところで結構、涙腺刺激されてしまいました。良い終わり方で良かったです◎。2021年公開。


「ドライブ・マイ・カー」

西島秀俊主演他。この運命から、目を逸らさない―。俳優であり演出家である家福(西島秀俊)は、愛する妻の音(霧島れいか)妻と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう―。2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去を抱える寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と出会う。さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻(岡田将生)の姿をオーディションで見つけるが・・・。悲しみと“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福は、みさきと過ごすなかでそれまで目を背けてきたあることに気付かされていく。最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは―。観る者の魂を震わせる圧巻のラスト20分。誰しもの人生に寄り添う、新たなる傑作が誕生した。

4点!!村上春樹が苦手で個人的に観たい俳優もいなかったので躊躇していましたが、しっかり寝た日に鑑賞(爆)3時間近くあるけれど眠たくはならなかったです。でも先の展開も着地点も予想通りな村上春樹のMr.繊細がモヤモヤ悩み続ける、いつものやつでした。てか原作、短編なら2時間以内に収められなかったのかな?辛い現実を事実として受け入れたくない人たちが「しっかりと見つめて~」と言いながらも天国だの前世だの不確かなものに希望を託す宗教的な映画でもあり、人間臭い映画でもあるのかな。でも、みさきの闇の引き出し多すぎだし、家福や高槻みたいなMr.繊細は自分の側にいたら面倒くさいから嫌です。音の行動理由は誰にも説明は出来なくて、それがホラーに近く感じました。理解できないものは怖いですからね。でも、家福も高槻も自分のことばかりだけど、音は辛かっただろうなと想像は出来ました。自分じゃなくて音の気持ちになって泣いてあげてと思いました(爆)濱口監督はここ何年か賞レース狙っているなと感じていて、本作も業界あるあるや古典戯曲も織り込み、獲りにいっている印象ですが、村上春樹は好みが別れると思います。世界にはハルキストが多いみたいだから良いのかな。日本人は村上春樹はとりあえず読むけど、楽しめている人はどれだけいるの?と疑問に思います。とりあえず悩んでいる自分大好きな人は楽しめると思います(爆)2021年公開。

「いのちの停車場」

吉永小百合主演他。命ある時間は、なぜ同じではないのだろう?東京の救急救命センターで働いていた咲和子(吉永小百合)は、ある事件をきっかけに、故郷の金沢で「まほろば診療所」の在宅医師として再出発をする。様々な事情から在宅医療を選んだ患者と出会い、戸惑いながらも、まほろばのメンバーと共にいのちの一瞬の輝きに寄り添っていく。その時、最愛の父(西田敏行)が倒れてしまい・・・。“いのち”に正面から向き合い、生きる力を照らし出す、心揺さぶる感動のヒューマン医療巨編、誕生。

1点!!70代の大渋滞(爆)色んな意味で地味に大火傷しまくっている人たちを観ているだけでこっちもちょっと飛び火させられた気分になっちゃう映画。吉永小百合ありきで作ること自体もう時代錯誤で成立しないのを現場はいまだに理解していないのか?とがっくり。成島監督や平松さんが大火傷したこと観たことなかったので、何が悪かったのだろう?→吉永小百合ありき思考だろうという結論に落ち着いてしまいます。まず、吉永さんの父親役の田中泯さんが吉永さんと同学年。西田敏行なんかまさかの吉永さんより若い(爆)モンゴル屋さんも70代だし、これが老老介護という日本の実態なのだろうけど、いやいや「すげーばーちゃん来たなって思うよ絶対」と突っ込みながら観ていました。咲和子も野呂くん(松坂桃李)も色んな意味で医師のアウトライン土壇場で超えちゃう人たちだから医師には向いてないし。吉永小百合ありきが強すぎて色々なエピソードの扱いが凄い雑だし、10歳から会ってなくて顔も覚えてなくて3日間しか一緒にいなかった人にハグ求めるのも不自然だし「頭金用意してきました!」って頭金だけ!?ってなったし、クラウドファンディングとかしないのって思ったし、もうすごいゆるふわな世界に生きている人たちを遠目で眺めていました。普通の人が介護直面して初めて辛さわかったというのは良いのですが、救命救急医の管理職としてキャリアを全うしてきた咲和子はそれじゃダメだよと思わざる得なかったです。それに皆、通常運転だったけど、これでどうして日本アカデミー賞にいくつかノミネートされてるのか?全く持って意味不明。2021年公開。

「劇場版 ルパンの娘」

深田恭子主演他。代々泥棒一家“Lの一族”の娘として生まれた三雲華(深田恭子)は代々警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)と結婚し最愛の娘・杏を授かり、幸せな毎日を送っていた。そんなある日、華の父・尊(渡部篤郎)が華と和馬に新婚旅行をプレゼントする。親子水入らずでディーベンブルク王国観光を満喫していると、いないはずのLの一族が現れ、さらには杏が謎の集団にさらわれてしまう。すべてはLの一族絶滅のための罠だと知った華は一族と共に難攻不落の城へ杏を取り戻しにいくが、そこに謎の敵“JOKER”が立ちはだかる。そして、ついにその姿を現したもう一人のLの一族・三雲玲。一族を離れ死んだとされていた玲が再び華たちの前に現れた目的とは!?すべての真相には、決して盗み出せない家族の絆があった―。アクション、ラブストーリー、ミュージカル、SF、コメディ、ホームドラマ・・・あらゆるエンタメ要素を凝縮し、熱狂的信者を生んだ大人気ドラマがついに映画化!!“ロミオとジュリエット”の禁断の恋は、壮大なスケールで描かれる“家族の愛の物語”へ―!!泥棒一家“Lの一族”、最後のお仕事。


8点!!元々、ドラマを観ていて映画サイズのアクションスケールだと思っていたので映画で観たいと思っていました。最初のオープニングテロップが一瞬ってくらい速くて超ハイテンポ&中身詰め詰めな予感にツカミはバッチリ。予想通り、開始28分でクライマックスに突入したので笑ってしまいました(^^)タイムリーなパロディーが多くて色んなところから拾っているのや、ハイテンポなのに円城寺さんの歌はしっかり2曲入れてるところが面白くて笑ったけど、泣けるのとアクションはドラマの方が上かな。映画版でアクション殆どなかったキャラたちも全員アクション入れて欲しかったです。あと、深キョンがスクリーンだと厚化粧と太さに耐えきれてなかった(爆) 観月ありさとの厚化粧おばさん対決に見えなくもなかったので(爆)、もうちょっと柔らかいメイクにするとか痩せるとか何とかして欲しかったです。本作では麿赤兒の本業ダンスが見れたり、まだまだ新しいエンタメ要素詰め込める気がするので、末永いシリーズで観たいなぁ、好きだなぁと思います(^^)2021年公開。

「カオス・ウォーキング」

トム・ホランド主演他。西暦2257年、<ニュー・ワールド>。そこは、汚染した地球を旅立った人類がたどり着いた<新天地>のはずだった。だが、男たちは頭の中の考えや心の中の想いが、<ノイズ>としてさらけ出されるようになり、女は死に絶えてしまう。この星で生まれ、最も若い青年であるトッド(トム・ホランド)はたった一人の生存者となったヴァイオラ(デイジー・リドリー)と出会い、ひと目で恋に落ちる。ヴァイオラを捕まえて利用しようとする首長のブレンティス(マッツ・ミケルセン)から、彼女を守ると決意するトッド。二人の逃避行の先々で、この星の驚愕の秘密が明らかになっていく。人類が新天地を求めてたどり着いた星。そこでは―なぜ、男は頭の中がむき出しになるのか?なぜ、女は一人残らず死に絶えてしまったのか?豪華キャストが放つ、新感覚SFエンターテインメント!

2点!!原作未読です。どうやら本作は原作3部作の1作目らしいです。本作のラストは続くのか続かないのか、続編で描くべきものが何なのか?何を楽しみに待て良いのかわからない形でぼんやりと終わってしまっています。ノイズ、現象の理由、人間たちの過去と未来、とても面白いテーマを扱っているのに、逆にノイズがストーリーの邪魔をしていてマジで混沌としているし、どうやら私たちの疑問はいつまで経っても解明されなさそうだなと、序盤で物語離れしそうに。トッドとヴァイオラとの関係ももう少し交流がないと、彼らがどうしても助けたい、見捨てられない感情を抱くのに説得力が足りません。マンチーは悲しかった(;_;) よくあるディストピア系SFのオチを避けて、これからよくなる予感が全くないので、予想を大きく裏切る続編を期待します。2021年公開。

「妖怪大戦争 ガーディアンズ」

寺田心主演他。超絶バトルがデッカく始まる!突然現れた巨大な妖怪獣によって、世界に未曾有の危機が到来!世界の危機を救うべく、日本の妖怪たちは気弱な少年・渡辺ケイ(寺田心)に白羽の矢を立てた。妖怪たちによると、ケイは伝説の妖怪ハンター・渡辺絹の末裔で、伝説の武神を復活させる力があるという。突然のことに驚くケイだったが、謎の女剣士・狐面(杉咲花)の導きで、大冒険へと旅立っていく。果たしてケイは世界を救うことができるのか!?妖怪たちと共に世界を救え!最強の超ド派手妖怪ファンタジー。

1点!!期待ゼロだったけど、やはりつまらなかったです。心くん、演技下手になってて、弟役の子が主役で良くない?って序盤で思っちゃいましたし。妖怪獣というのもよくわからないし、ほとんどの妖怪たちは戦ってないから大戦争になってないし。ストーリーが成り立っていない。絹と狐面のエピソードももう少し深くないと感情入れようがないし、褒めるところゼロな作品でした。2021年公開。

「奥様は、取り扱い注意」

 

綾瀬はるか主演他。愛か、任務か―。元特殊工作員だった過去を持つ専業主婦・伊佐山菜美(綾瀬はるか)と、実は現役の公安警察であり菜美を監視する優しい夫・伊佐山勇輝(西島秀俊)の二人は、桜井久美と裕司に名前を変えて、小さな地方都市・珠海市で新しい生活を初めていた。実は半年前、ある出来事がきっかけで菜美は記憶喪失になっていたのだった。「過去なんて捨てて、あなたとの今を大事に生きていく」二人が新生活を送る珠海市は、新エネルギー源の発掘に活気づいていたが、美しい海を守ろうとする開発反対派と、市長(檀れい)をはじめとする推進派の争いが日に日に激化。実は新エネルギー源開発の裏で、ロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいることを突き止めた公安。「公安の協力者にならなければあの女を殺せ」信じるか、疑うか。逃がすか、拘束するか―。過去の因縁と国家に追われ、久美は大きな事件へと巻き込まれていく。果たして、史上最強の夫婦喧嘩の結末は?そして、二人の愛の行方は?最強奥様アクションエンターテインメント・・・取り扱い注意!

1/10点!!ドラマ版も途中でリタリアしたくらいなので期待していませんでしたが、まぁ、ありがちなストーリー、予想通りの展開、アクションも映画だからといってパワーアップすることなく、終了。しかも、1時間のドラマと違って2時間に引き延ばした中の最後だけ本格アクションみたいな構成なので、ドラマシリーズが好きな人でもウトウト確実。しかも起きてクライマックスになっていても何も困らないっていう(爆)主演が動ける二人なので、もっとパワーアップしたアクションを見せて欲しかったです。2021年公開。

「DUNE デューン 砂の惑星」

ティモシー・シャラメ主演他。全宇宙から命を狙われる、たった一人の青年、ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)。彼には未来を見る能力があった。宇宙帝国の皇帝からの命令で一族と共に<砂の惑星/デューン>へと移住するが、実はそれは罠だった!父を殺され、巨大なサントワームが襲い来るその星で、ポールは全宇宙の未来のために立ち上がるのだが・・・。「スター・ウォーズ」「風の谷のナウシカ」「アバター」数々の名作に多大なるインスピレーションを与えたと言われ、「ロード・オブ・ザ・リング」とも並び称される金字塔が遂に映画化。この世の全てのアドベンチャー体験を過去のものへと変える、未来型シネマエクスペリメントがここに誕生!

2点!!原作未読です。SF苦手だけどシャラメだしアカデミー賞ノミネートされてるし鑑賞。あらすじを読んでから観たので何とかついていけましたが、大きなアクションもないまま、完璧だと絶賛されているけれど原作読んでないからわからない世界観のみが展開される2時間をどう楽しめば良いのかわからなかったです。私がSFを苦手な理由は、よくありがちな人間関係が無駄に大きくした世界観の中で星やら異星人やらを投入しわかりずらくした上で展開されがちなところです。本作もまさにそれで、古典的な内容、しかも本当なら最初の30分以内に終わらせてほしい序章を2時間オーバーでダラダラと描き、スタートラインに立ったところで続編へって、本当にどう楽しんだらいいかわからない!!(爆)シャラメの王子っぷりは王子OF王子で心揺れる少年風なところも含め、完璧でしたけど。キャストが豪華なので何とか寝ないで観れたけど、続編しんどいなぁと思ってしまいます。ただ、この夢現な描写を原作ではどう描いているのかは気になりました。2021年公開。

「恋する寄生虫」

林遣都、小松菜奈主演他。その虫は「恋」に寄生する。極度の潔癖症で人と関わることができずに生きてきた青年・高坂賢吾(林遣都)。ある日、見知らぬ男から視線恐怖症で不登校の高校生・佐薙ひじり(小松菜奈)と友だちになって面倒をみてほしい、という奇妙な依頼を受ける。露悪的な態度をとる佐薙に壁易していた高坂だったが、それが自分の弱さを隠すためだと気づき共感を抱くようになる。世界の終わりを願っていたはずの孤独な2人はやがて惹かれ合い、恋に落ちていくが―。林遣都×小松菜奈ダブル主演で描く、切なくも美しい“恋×虫”ラブストーリー。

2点!!林遣都、小松菜奈、井浦新ってヴィジュアル最強じゃんって個人的に。でもストーリーはこの手によくあるフワフワした感じでもう少し追い詰められても良かった気がします。映像は水が流れ込んでくる描写とか面白かったし、引きこもりになるほどの潔癖症の人が見ている世界、視線恐怖症の人が見ている世界もわかりやすく描かれていて、病気を知らない人たちに観て欲しいなと思いました。でも、ダラダラ見る感じ。制服姿の小松菜奈が拝みたくなるくらい可愛いです(爆)2021年公開。

「先生、私の隣に座っていただけませんか?」

黒木華、柄本佑主演他。その不倫、ぜんぶ描く。結婚5年目の夏。夫が不倫をした。それはよくある夫婦の出来事、のはずだった・・・。漫画家・佐和子の新作漫画のテーマは・・・「不倫」。そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ、佐和子の担当編集者・千佳と不倫をしていた俊夫は、「もしかしたらバレたかもしれない!」と精神的に追い詰められていく。さらに物語は、佐和子と自動車教習所の若い先生との淡い恋へ急展開。この漫画は、完全な創作?ただの妄想?それとも俊夫の不貞に対する、佐和子流の復讐なのか!?恐怖と嫉妬に震える俊夫は、やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく・・・。ウソとホンネが交錯する、漫画家夫婦の心理戦、連載開始!


9点!!TSUTAYA CREATPR'S PROGRAMは毎年注目していて、本作はこれまで観た作品の中では断トツ面白かったです。サスペンス調の作品が多い気がするけど、この映画賞の傾向なのかな?もう佐和子と千佳が怖い怖い。もっと言えば佐和子母もなかなかのツワモノ。女怖っ!ってなります。これは普通の女優さんがやったら爽快な復讐劇になったのかも知れないけど、黒木華ちゃんがやるともうホラーに近いです。そんなホラーに近い「刺されるかも?」と思ってもおかしくない状況下にいるのに、まだごまかそうとしたり、ただ焦るだけの俊夫=男性が呑気だしバカだなぁと思います。でもそれが男はバカな方が良いってことなんでしょうけど(理論派だと殺し合いになるので)。佐和子と俊夫のそもそもの関係性は序盤で少し伏線張った方が良かった気がします。それにしてもこんな復讐劇を遂げる佐和子を新谷は相手出来るのだろうか?と先行きさえも怖いっていう。女性同士は共闘はできるけど、男性同士のように絆とか仲間とかは無理で信頼し合うってそりゃ出来ないよなと追い詰められた場面ひとつとっても男女差の面白さが絶妙な面白さを生んでいる作品です。2021年公開。

「護られなかった者たちへ」

佐藤健主演他。10年目の殺人―罪を犯してまで、護りたかったものとは。東日本大震災から10年目の仙台で、全身を縛られたまま放置され、“餓死”させられるという不可解な殺人事件が相次いで発生。被害者はいずれも、誰もが慕う人格者だった。捜査線上に浮かび上がったのは、別の事件で服役し、刑期を終え出所したばかりの利根(佐藤健)という男。刑事の笘篠(阿部寛)は、殺された2人の被害者から共通項を見つけ出し利根を追い詰めていくが、決定的な証拠がつかめないまま、第3の事件が起きようとしていた―。なぜ、このような無残な殺し方をしたのか?利根の過去に何があったのか?やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃的な真実が明らかになっていく。連続“餓死”殺人事件。不可解な事件の裏に隠された、切なすぎる真実―。日本映画最高峰のキャスト・スタッフが贈る、衝撃と感動のヒューマン・ミステリー。

7点!!役所の人間まじこれ観てくれ。でも観ても「はいはい、よくあることでしょ」で片づけられちゃうのかな。辛いのはあなた一人だけじゃない、私たちはあなたたちの為に精一杯やってるとか言われちゃうのかな。お金は大事だけど、お金だけじゃないんだよ。親身になってくれる人がいる、守らなければならない人がいる、それぞれにそれぞれのケースや想いがあるんだよ。善意というナイフで人は殺せるんだよ。時にはお金があったって言葉や状況で追い詰められて人生を諦めてしまうこともあるんだよ。生活保護の申請が受けるにしても受けないにしてもそれが人生を諦めるきっかけになってはいけないと本作や世の中をみて、強く感じました。「人間が人間らしく生きる最低限度の生活」、ものすごく難しいことなのだろうけど、その最低限度が自然災害によって歪められたら、最低限度で生き延びてきた人たちはどうすればいいんだよと思いました。そこは何があっても、たとえ出来ない期間があったとしても動かしてはいけないラインだと思います。日本は自己責任とか人が人を助ける分野において、とても鈍いと感じることが多々あります。その傷は傷を受けた人が亡くなっても次世代へ続いていき、治療しなければ化膿していくわけで。人の痛みを他人事にしないで変えられることから変えられる人間になりたいと本作を観てあらためて思いました。2021年公開。

「ひらいて」

山田杏奈主演他。たとえが好き。だけど彼には「秘密の恋人」がいた―。成績もよくて明るくて目立つタイプの愛(山田杏奈)は、同じクラスの“たとえ”(作間龍斗)にずっと片思いをしている。ひっそりとした佇まいで寡黙なタイプだけど、聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえの魅力は、愛だけが知っていた。そう思っていたある日、彼には「秘密の恋人」がいることを知る。それが病気がちで目立たない美雪(芋生悠)だとわかった時、いいようのない悔しさと張り裂けそうな想いが彼女を動かした。「もう、爆発しそう―」愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで・・・。これは、誰にも言えない、わたしたちのホント。芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を映画化。

7点!!山田杏奈ちゃん目当て。「夕立ダダダダダッ」も好き♪「21世紀の女の子」の首藤凛監督と聞いて「21世紀~」はどれも最悪だったな~とげんなりしながら観始めたのですが、綿矢りさの本が好きなのもあって、自己顕示欲と青春の成長痛が屈折しまくっていて好みでした(^^) 山田杏奈ちゃんがクラスの人気者で陽キャというのはイメージ違うと思いましたが、闇堕ちしていく視線とか後半の演技は流石でした。睨まれたい女優No.1(爆)この頃の初恋って恋焦がれているのか、相手の為に何かしてあげたいのか、恋模様を楽しみたいのか、はたまた本当に恋なのか?境界線がわからなくなるし、混乱しますよね。愛は一見、常軌を逸する言動で顔色ひとつ変えずに人の心をもてあそぶので怖!と思ってしまいますが、ちゃんと向き合ってじっくり同じ時間を過ごせば本当の瞬間もあるわけで、その核の部分をたとえと美雪がノックしていく関係が素敵だなと思いました。でも、高校時代の本気の恋はまじで受験や高校生活捨てるほど廃人になったりするので要注意です(笑)愛が大人になる前に美雪のような人に出会えて良かった。大人になって気付けてなくて痛い人、ゴロゴロいます(爆)自分の心と同じくらい人の心を大事に大事に接するのってやっぱり常には難しいけど、大切にしなきゃ大切にしてもらえないよなと若者に教えられました(爆)あと千羽鶴の桜の木が素敵で真似したいなぁと見とれました。2021年公開。

​「総理の夫」

中谷美紀、田中圭主演他。日本の未来、先取りしちゃった。世間知らずのお坊ちゃん=日和(田中圭)が一目惚れの末、結婚にまで漕ぎつけたのは、年上のパーフェクト美女=凛子(中谷美紀)。鳥好きが高じて鳥類研究所で嬉々として働く日和と、政治の世界に身を置き、多忙な日々を送る凛子は、凹凸夫婦ながら、仲良く順調な日々を送っていたはず…だった。だが、凛子が日本初の女性総理大臣に就任し、日和は日本初の"ファーストジェントルマン"にかつぎあげられる!前途多難な"総理の夫"の行方は!?ある日突然、愛する妻が総理大臣になっちゃった!?2021年秋、ニッポンの歴史が動く。

 

2点!!特に目新しいことは何も起きない、テンポが良いわけでも会話が面白いわけでもない。こんな平凡な話をどうして映画化しようと思ったのか謎だが、一定のクオリティまで上げていることは評価出来ます。でも、総理大臣になった女性が育休取れないで辞任って、それ凛子の公約的にも絶対やっちゃ駄目なやつ(爆)妊娠休暇も育休も総理代理もバンバン使って前進する姿しか見たくなかったので、日本終わってるなと思いました。この展開が終わってると思わず作ってしまう制作陣も終わってる。後退を前進と呼ばず、本当に前進だけしてても幸せになれる国であって欲しいです。2021年公開。

「彼女が好きなものは」

山田杏奈、神尾楓珠主演他。【ゲイ】と【腐女子】から「私」と「あなた」へ。分かり合えない2人が見つけた「好き」の形。高校生の安藤純(神尾楓珠)は自分がゲイであることを隠している。ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同士の恋愛をテーマにした、いわゆるBLマンガを購入しているところに遭遇。BL好きを隠している紗枝から「誰にも言わないで」と口止めされ、そこから2人は急接近。しばらくして、純は紗枝から告白される。「自分も“ふつう”に女性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。一縷の望みをかけ、純は紗枝の告白を受け入れ、付き合うことになったのだが・・・。世間にはびこる“ふつう”という価値観と自分らしさとの狭間で葛藤する純と、その苦悩を知らずに恋をする紗枝の姿を通して、人と人が分かり合うことの困難とその先にある希望を描いた珠玉の物語。

6点!!原作、ドラマ版は未見です。映画版なので純と紗枝の惹かれ合っていく過程が足りないかなと感じましたが、神尾くんの病院での芝居と山田杏奈の壇上での芝居が神懸っていて、二人の十代ゆえの真剣さが伝わってきました。生まれた時から皆が普通に手に入れていて、自分も欲しいものが手に入る可能性すら1mmもないって、乗り越えるまでは物凄い絶望するだろうし、悩みます。そういう悩みに限って人生かかってるからおいそれと気軽に相談出来る悩みじゃなかったりするし・・・。十代だからこそ真正面から向き合い真正面から苦しむことに逃げていない作品だと思います。あとは、学校のクラスという単位で自分の性対象を大っぴらに話し合うことに凄い違和感と気持ち悪さを感じました。日本、何してくれてるんだよってゆう。自分の性は言いたかったら言えばいいけど、それで人を不快にさせるなら違うと思うし、言いたくなかったら勿論言う必要ないわけで。それを特に親しいわけでもないクラスで話さなきゃいけないってもう気持ち悪すぎる、無理。好きな体位を一人ずつ発表するくらい気持ち悪いです。紗枝の神様が腐女子説は、生殖活動故の愛の苦しみは魅力的だけど、生殖活動以外の愛もあった方がもっと素敵と神様が思ったんじゃないかな。愛って苦しいものだけど、禁断の果実だなーとあらためて思ったり。2021年公開。

「鳩の撃退法」

藤原竜也主演他。この男が書いた小説は、現実になる。<富山でドライバーとして働く男・津田が【ニセ札】を偶然手にしたことで、裏社会のドン・倉田(豊川悦司)に命を狙われる話>を、自身の最新作として執筆しようとしている【元】直木賞作家の津田伸一(藤原竜也)。彼の話は嘘?本当?担当編集者の鳥飼なほみ(土屋太鳳)は、彼の新作が本当にフィクションなのか【検証】する。津田の話から次々と明らかになる驚愕の【事実】。【ニセ札】はなぜ津田の元に舞い込んだのか?津田が作家として描きたかった【物語の結末】とは?その結末を決めるのは、あなた―。天才作家<津田伸一>が仕掛ける、<エンター転メント>119分、すべてを疑え。

6点!!藤原くんの映画ってストーリー的に凝ってるな面白いなと思ってもそれだけで、感情が動かないんですよね。今回もそのパターンで。エモーショナルな男の話で風間さんがそれはもう目で語る演技で魅せてるのに全体的にドライで。話がサクサク競歩くらいの速さで進んでいくのは気持ち良かったし観やすかったけど、それだけかな。心が動くエッセンスを入れれば完璧だといつも思うので勿体ないです。出演者だけやたら豪華。それも観やすい要因のひとつかな。2021年公開。

 

 

「サマーフィルムにのって」

伊藤万理華主演他。私たちの青春は、傑作だ。時代劇オタクの女子高生監督が主役に抜擢したのはタイムトラベラー!?勝新を敬愛する高校3年生のハダシ(伊藤万理華)。キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。そんなる日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったいな凛太郎(金子大地)。すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へのほのかな恋心を抱き始めるが、彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった―。映画作りに夢中になった高校最後の夏。恋×友情×時代劇×SF×青春映画の新星!

8点!!まず、自主映画の世界までキラキラ恋愛映画になっているという現代の衝撃∑(゚д゚lll) 金子大地の台詞一発目でこれもう絶対面白くなるじゃんという確信。途中少しダレるし、キラキラ要素も入っているけど、タイムトラベラーはタートルネックとか小ネタにニヤつきながら、最後どうなるんだろう?というワクワクが劇中のワクワクと重なって良い!若さと青春が胸アツでアイドル主演とは思えないアナログ感がたまりません。未来の映画が1分しかなくても、現状、世界最長映画が720時間なのだから2時間なんて余裕でしょう(^^) 劇中映画は映画としては崩壊しているけれど、驚きのラストに呆気にとられた後、じわじわと余韻がきて、泣きそうになりました。映画愛と未来への希望に溢れている、出会えて良かった作品です。映画祭で話題になったのも納得。これはオススメです♪2021年公開。

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「うみべの女の子」

石川瑠華、青木柚主演他。何も知らなかった自分にはもう戻れない。海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅(石川瑠華)は、憧れの先輩に手ひどく振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた同級生・磯辺(青木柚)と関係を持ってしまう。初めは興味本位だったが、何度も身体を重ねるうちに、小梅は、徐々に磯辺への想いを募らせる。一方、磯辺は、その関係を断ち切ろうとする。2人の気持ちはすれ違ったまま、磯辺は過去の出来事への贖罪から、ある行動に出ることとなる・・・。思春期繊細で残酷な「恋」と「性」。海辺に暮らす少女と少年のもどかしくも切ない青春譚。浅野にいおの傑作「うみべの女の子」衝撃の実写化。

7点!!原作未読です。今、ナチュラルエロい&重たいを演じさせたら石川瑠華の右に出る女優さんはいないかも知れない。彼女自身が常に気になる存在としてスクリーンに存在するので、たとえストーリーがあまり面白くなくても彼女の魅力さえ出ていればずっと観ていられると思ってしまいました。浅野にいお作品は苦手だけど、本作はストーリーも雰囲気もとても良くて、海の音も音楽も全部良い。いわゆる典型的なセフレの末路だけど、セフレでも好きになっちゃったら切ないんです!しかも、本作の小梅と磯辺は「セフレだからね」と割り切れるほど大人でもないし、恋愛経験値もない。将来的には暗黒史として残るかも知れないけど、小梅も磯辺も、もっといえば鹿島(前田旺志郎)も表情も切なさいっぱいですっごく良かったです。あとは、田舎怖い。中学生ってナチュラルに女性に暴力とか振るえるの?(怖)田舎の性事情は都会よりもずっと進んでいて、それも結構怖いです。セフレにしかなってくれない奴なんか早く捨てて次いこーと言えるまで、小梅には恋愛経験値を積んでほしいです。2021年公開。

「地獄の花園」

永野芽郁主演他。地上最強のOLに成り上がれ!真面目に働き、日本の経済を支える日本のOLたち。花園のようにも見える華やかな彼女たちの職場では、実は裏で地獄のような派閥争いが行われている・・・。普通のOL生活を送る直子(永野芽郁)の職場に、ある日、一人のカリスマヤンキーOL・蘭(広瀬アリス)が中途採用されたことをきっかけに、全国のOL達から直子の会社は狙われることに。テッペンをかけた争いの中、果たして直子は平穏無事なOLライフを全うすることができるのか!?OL戦国時代、到来!空前絶後のOLバトルトワイヤル開幕!!

1点!!え。すごい深夜ドラマのノリを映画にしちゃった、しかも2時間あるキツイやつ・・・(爆)展開は二転三転していくのだけど、観客はそれを知らないから前半のアクションシーンをクライマックスくらいの規模で描いちゃってる上に、暗くてアクションが超観にくいし、蹴りの払い方とかが超雑だし、肝心の永野芽郁のアクションが最もゆったりっていう(汗)ストーリーは全体的にバカリズムの緩さがあるのだから、アクションシーンはメリハリつけて超カッコイイとか速いとか工夫しないと観ていられないのに、ちゃんとアクション映画のアクション監督つければいいのに(つけてたらゴメンナサイ)。永野芽郁ちゃん、めっちゃ弱そうです(爆)つい「るろうに剣心」繋がりで土屋太鳳と比べてしまいました。笑えるポイントも少ないです。OLだからお昼休みとアフターしか戦わないとか時間になったら戻るとか色々条件つければいいのに。バカリズム脚本ってダラダラペースに吞まれちゃって盛り上がり損ねちゃうんですよね。そこは映画向きではないかなと思います(ドラマも長いなと感じちゃうけど)。ちょっと「変態仮面」のノリも入ってました。2021年公開。

「ラストナイト・イン・ソーホー」

トマーシン・マッケンジー主演他。夢と恐怖が、シンクロする。魅惑的で恐ろしい、60年代ロンドンへようこそ。ファッションデザイナーを夢見るエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、ロンドンのデザイン学校に入学する。しかし同級生たちとの寮生活に馴染めず、ソーホー地区の片隅で、一人暮らしを始めることに。新居のアパートで眠りにつくと、夢の中で60年代のソーホーにいた。そこで歌手を夢見る魅惑的なサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)に出会うと、身体も感覚も彼女とシンクロしていく。夢の中での体験が現実にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズは、タイムリープを繰り返していく。だがある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。その日を境に現実で謎の亡霊が現れ始め、徐々に精神を蝕まれていくエロイーズ。そんな中、サンディを殺した殺人鬼が現実にも生きている可能性に気づき、エロイーズはたった一人で事件の真相を追いかけるのだが・・・。果たして、殺人鬼は一体誰なのか?そして亡霊の目的とは!?現実と過去、異なる時代の2人の女性。夢と恐怖がシンクロするタイムリープ・サイコ・ホラー!!

6点!!幽霊が見える体質の子に都会はキツイだろうなぁ(^^;) てか、ロンドンってそんなに人死んでるのか(驚)同じ都会でも東京とは全然違うんだね・・・。登場人物全員が怪しい人に見える構図で、種明かしはやっぱりか!と思うと同時に驚かせてもくれる感じで主人公ふたりも魅力的だし、勢いがあって面白い作品です。サム・クラフリンがカメオ出演くらいちょっとだけ出てます(^^;) でもエロイーズの体質で精神的にもそんなに強くなくて、過去とシンクロするのって怖くないのかな?私だったら恐怖でしかないけれど(何事も良い面ばかりではない)。東京の映画を東京に暮らす人が楽しめるように、ロンドンに詳しければ、もっと面白かっただろうなと街の映し方も凝っていて〇でした。2021年公開。

「燃えよ剣」

岡田准一主演他。時代を追うな。夢を追え。激動の幕末。開国か倒幕に揺れた動乱の時代。武州多摩の“バラガキ”だった土方(岡田准一)は、「武士になる」という熱い夢を無に同志らと共に京都へ向かい「新選組」を結成。池田屋事件、鳥羽・伏見、五稜郭の戦い・・・変革の世で剣を手に命を燃やした男たちの、信念と絆、藍と裏切り。圧倒的スケールで描き切る!史上最強の剣客集団「新選組」は、いかにして【伝説】となったのか―?新時代の幕開けに放つ歴史スペクタクル超大作!!

7点!!原作未読です。新選組については詳しくも殆ど知らないというわけでもないくらい。まず、年齢高っ!新選組は戦って亡くなる方が多いことから若者がメインのはずなのに江戸時代の平均寿命超えてる人ばっか(^^;) 沖田役の山田涼介は童顔だから良しとしても、あとおじいちゃんばっかじゃんっていう。これ、他の時代劇にもいえますが、演技経験の関係で難しいのはわかるけど、実年齢より高くてしかも役にハマってなかったりするとめっちゃ冷めるので止めてほしいことのひとつです。特に女優さん。柴咲コウは上手いし、お雪はフィクションの人物だから多少はあれですが、それでも時代劇の恋愛を表現するには年齢が高すぎるんです。それがノイズになって集中できない(涙)芹沢鴨役の伊藤英明の鈍く光った黒目はゾクゾクしてとても良かったです(^^) フィクションだけど知らない史実もあって、芹沢鴨が初代局長だったこととか、「へぇ~」と面白かったです。ただ、台詞の音量が小さすぎて、それなりに名前を知っておいた方が良さそうな人物が出てきても何言ってるのか誰なのか全然わからん!本作は現代劇じゃないので、登場人物も多いし早口の人物も多いしで、雰囲気では内容入ってこない(涙)全体としては土方に焦点を当てているせいか、三谷幸喜の「新選組」がワクワクする集団だとすれば、こちらはめっちゃ怖い関わり合いになりたくない集団という印象でした(爆)誰もが知っている史実をマイナーエピソードも交えて描いているので、長い上映時間も気にならず飽きずに楽しめる作品です。2021年公開。

「Arc アーク」

芳根京子主演他。私は世界に触れる。舞台はそう遠くない未来。17歳で人生に自由を求め、生まれたばかりの息子と別れて放浪生活を送っていたリナ(芳根京子)は19歳で師となるエマ(寺島しのぶ)と出会い、彼女の下で<ボディワークス>を作るという仕事に就く。それは最愛の存在を亡くした人々のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術する仕事であった。エマの弟・天音(岡田将生)はこの技術を発展させ、遂にストップエイジングによる「不老不死」を完成させる。リナはその施術を受けた世界初の女性となり、30歳の身体のまま永遠の人生を生きていくことになるが・・・。「愚行録」「はちみつと遠雷」の石川慶監督最新作。驚愕と不思議。今この時代を生きるために、【人生の軌跡=円弧(Arc)】に思いを馳せるエモーショナル・エンターテインメント。

6点!!永遠の命は去る方も残される方も悲しいものだと思う。もし、自分のペットに永遠の命を与えたとして、飼い主を見送り続ける人生は悲しいものだろう。逆もまた然りで、自分に永遠の命があったとしたら、大切な人たちと出会った瞬間に別れを思い、胸が張り裂けそうになるだろう。互いに限りある命ですら、そうなのに。互いに永遠の命があったとして、事故や戦争で突然失われてしまったなら、その喪失感は何百年経っても褪せないものとなるだろうし、人の心はそれに耐えうるほど強くはない。救いがなくなる可能性すらある。それに人は急かされていないとあっという間に怠惰になる生き物だし、人口増加問題や限りある資源問題はどうするのだろう?怠惰で溢れ返り、食べるものすらなくなった世界なんてホラー以外何者でもない。「不老不死」と「自ら死ぬことができる」はセットでなければならないし、それならばアリだと思う。時間をお金で奪い合う「TIME」という映画を思い出した。芳根京子の演技が相変わらず上手くて、他の役者さんも上手い人揃いで、ともすれば安っぽいファンタジーになりうる内容を地に足のついた、ちゃんと考えさせられる作品に仕上げていたのが〇でした。2021年公開。

「ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日」

ダニア・デ・ヴィラーズ主演他。世界はきっと変えられる。ライオンファームの経営のため家族と共にロンドンから南アフリカへ引っ越してきた少女ミア(ダニア・デ・ヴィラーズ)は、サバンナでの自分の居場所が見つけられずに過ごしていた。ミアが11歳のクリスマスの日、両親のファームにホワイトライオンの子供チャーリーが生まれる。初めは心を閉ざしていたミアだったが、共に成長していくうちに互いに特別な友情で結ばれていく。3年後、今までミアたちを見守ってきた両親だったが、大人になったライオンは危険だと、チャーリーを引き離そうとするのだった・・・。世界57か国で大ヒット!3年以上かけてCGなしで撮影された奇跡の友情物語。ひとつの家族の再生を通して映し出される南アフリカの現実とは―。

10点!!これは凄い映像だ。作中と同じく、主人公のミア一家の俳優陣はチャーリー役のホワイトライオンが子どもの頃から信頼関係を築いて撮影しているとはいえ、凄いシーンで溢れている。少女がライオンの下敷きになるとか後ろから飛びつかれるとか、ショッピングモールを歩いて抜けるとか(笑)「缶詰狩り」というのは初めて聞きました。生きる為ではなく遊ぶためにライオンを育て殺すゲームを本気でやる悪趣味なことをする人がいるということも、それがアフリカで一大産業として成り立っていることも、人間は酷く残虐な生き物だとあらためて衝撃を受けました。友情は絆は目に見えない。けれど、私たちはそれが確かに存在することを知っている。そして、我が子を信じることの難しさ、善と悪についても鋭く切り込んでおり、とても教養深い作品となっています。「子どもは正義か悪かだけで判断する」と非難する場面があるけれど、大人になってからも正しいか正しくないか、善か悪かの指標を失わずにいることはとても大事で、それを失ってしまうから戦争やいじめなど数々の問題が起こるのだと思います。まぁ、テロのようにある人にとっての正義と別の人にとっての正義が真逆のこともあるので、一概には言えませんが・・・。最近、動物ものに脆くなっているので、自分にとって唯一の心の支えとなった家族の命が危険に晒されたら?離れ離れになってしまうとしたら?とミアの心情にめちゃめちゃ共感してしまいました。胸がいっぱいになる素敵な映画です。2021年公開。

「そして、バトンは渡された」

 

永野芽郁主演他。2つの家族。親たちがついていた命がけの嘘と秘密とは?血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子(永野芽郁)は、わけあって料理上手な義理の父親、森宮さん(田中圭)と2人暮らし。今は卒業式に向けピアノの猛特訓中。将来のこと、恋のこと、友達のこと、うまくいかないことばかり・・・。一方、梨花(石原さとみ)は、何度も夫を替えながら自由奔放に生きている魔性の女。泣き虫な娘のみぃたん(稲垣来泉)に目いっぱい愛情を注いで暮らしているようだったが、ある日突然、愛娘を残して姿を消してしまった。そして、優子の元に届いた一通の手紙をきっかけに、まったく別々の物語が引き寄せられるように交差していく。「優子ちゃん、実はさ・・・。」森宮さんもまた優子に隠していた秘密があった。父は隠していたこととは?梨花はなぜ消えたのか?親たちがついた<命をかけた嘘><知ってはいけない秘密>とは?物語がクライマックスを迎え、タイトルの本当に意味を知ったとき、極上の驚きと最大の感動がとめどなく押し寄せる―。もう一度見て、もっと泣く―。

4点!!原作は読みにくいなというくらいの印象しか残ってなくて、映画の方が映像にしている分だけわかりやすかったです。でも、モヤッとムービーだなと(^^;)梨花は一見、優子のことを思っているようで実は自分の心を最優先に生きている女性で、愛情という名の束縛までいかないけれど、そういう違う何かで優子の心に居続けたし、永遠に居続けられるように仕向けた。互いに影響しあうといったら聞こえはいいけれど、日本の共依存気味な親子のスタイルをベースにしているなと思いました。だからモヤッと(>_<) でも愛情なのは確かで、家族だから“許す”ことのできる優しい人たちが集まってるなぁと。でも実際は梨花の先を見据えた人生設計通りには事が運ばないのが人生というもの(爆)あと、梨花を石原さとみが演じたことで良くも悪くもイメージが一辺倒になり過ぎてるなと感じました。2021年公開。

「明け方の若者たち」

北村匠海主演他。「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」その16文字から始まった、沼のような5年間。東京・明大前で開かれた学生最後の退屈な飲み会。そこで出会った<彼女>に、一瞬で恋をした。下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを始めた日、フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり・・・。世界が<彼女>で満たされる一方、で社会人になった<僕>は、“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされたいく。夜明けまで飲み明かした時間と親友と彼女だけが、救いだったあの頃。でも僕はわかっていた。いつか、この時間に終わりがくることを・・・。リアリティが胸に迫るカツセマサヒコ、鮮烈のデビュー作。

6点!!Twitter出身とかエモさ売りとか鑑賞する上で躊躇いになっていたけれど、後半の「え!!」という種明かしが効いていて、それまでの北村くんの感傷に浸った反応とかが一気に感情移入出来ちゃって、エモかったです(笑)エモいもどきは嫌いだけど、ちゃんとエモーショナル寄りのエモいはハマれば好き。決して自分のものにならならから、期間限定だから、いつまでも大好きでいられることってあると思う。そして、その恋が自分のものにならないまま、綺麗に別れてしまうと、その人が心の中でずっと1番のまま居座ってしまったりする。それこそ、何年も廃人級に引きずることもあると思う。これはこの手の経験がない人にはわからないと思う。単純に大学終わりから社会人始めだけだったら、素敵なマジックアワーだけど、これに本作の要素が加わると残酷で甘美なに変わってしまうなぁ(^^) 毎回、言うけど東京出身者以外がこういう東京エモい巡りな映画を楽しめるか疑問だけど、私は東京出身者なので思い出だだ被りな場所も多くて、あそこであんなことあったなーとか思い出に浸りながらエモってました(^^)2021年公開。

「ONODA 一万夜を越えて」

遠藤雄弥、津田寛治主演他。1974年、ある青年旅行者(仲野太賀)は、幻の日本人・小野田寛郎(遠藤雄弥/津田寛治)に会いにフィリピンに向かう。時を遡ること約30年前、秘密戦の特殊訓練を受けた小野田はフィリピン・ルバング島にて秘密戦にゲリラ戦を指揮するよう命令を受けジャングルに潜伏していた。小野田は上官の谷口(イッセー尾形)から言い渡された「君たちには、死ぬ権利はない」という言葉を胸に、ジャングルでの壮絶な日々に対峙していたのだった・・・。日本での終戦後もなお、秘密戦の任務を遂行するため、約30年間、フィリピン・ルパング島で見えない敵と戦い続けた小野田寛郎という男。彼は何を信じ、何と戦い、そしてどう生き抜いたのか。日本現代史に残る衝撃の史実より着想。家族の愛、友との誓い、そして生きる意味を突き付けられる物語。

5点!!ドラマは何度か観たことがありますが、本作はフランス映画で、映画で小野田さんが描かれるのは初めてなのだそうです。なぜ?ハードモード過ぎるのがずっと続く重たい映画だから?ドラマは子どもの頃に観たことがあるけれど「30年間終戦を知らなかった男性の軍人の帰還」という出来事自体がインパクトがあり過ぎて、小野田さん自身の人となりはいわゆる典型的な日本軍人としか描かれていなかった気がします。当時の日本に、秘密戦の特殊訓練兵なんてマーベルみたいな人たちがいたかはわからないけれど、小野田さんがチンピラ、ごろつきなどを集めた特殊兵という設定は初めましてで興味深かったです。太賀を見つめる津田さんの目つきがまさに武士のそれで、物言わずとも流石の名演だと思いました。小野田さんと仲間1人が勘違い論を展開していく様はカンヌでは笑いが起きたみたいですが、ハードモード過ぎて笑えない・・・。最後の仲間が殺されちゃった件りとか、気持ちを想像したらもう胸が潰れそうでした。太賀演じる旅行者に「野生のパンダと雪男と小野田さん」と同列に並べられているのは笑えました。小野田さんが戦地に赴くまでの件りがあるからこそ、これまで物語に深みが生まれているのだけれど、上官と歌の件りとか眠くなるのも事実で、上映時間も長いのでもう少しテンポよく描けたのではないかなと感じました。今の若い子は小野田さんの存在自体知らない可能性もあるので、知らないなら絶対に観た方が良い作品です。2021年公開。

「大コメ騒動」

井上真央主演他。もう我慢できん!!3人の子を持つ“おかか”であり米俵を浜へと担ぎ運ぶ女仲仕として働く松浦いと(井上真央)は、17歳で漁師の利夫(三浦貴大)のもとへ嫁いできた。小さな漁師町で暮らすおかかたちは、家事、育児、そしてそれぞれの仕事をしながら、夫のために毎日一升のコメを詰めた弁当を作り、漁へと送り出していた。ある日、高騰するコメの価格に頭を悩ませていたおかかたちは、リーダー的存在である清んさのおばば(室井滋)とともにコメの積み出し阻止を試みるも、失敗に終わる。その騒動は地元の新聞社により「細君海岸に喧嘩す」と報じられ、またそれを見た大阪の新聞社は陳情するおかかたちを“女一揆”として大きく書き立て、騒動は全国へと広まっていく。そしてある事故をきっかけに我慢の限界にきたおかかたちは、さらなる行動に出るが―。健保もない!年金もない!「毎日食べるお米もない!<超・格差社会>を変えた、102年前の史実「米騒動」に基づく“大痛快”エンタテインメント!

2点!!もう本木克英監督が終わった時代の人だなと思ってしまう映画。後半まで主人公がキャラ立ちしておらず、周りのおかかたちに埋もれてしまっているし、意思もはっきりと示さないから、ここで早々に脱落者が出てしまうと思う。後半になり、やっと静かに燃える魂的ないとの意思が表立ってくるけど、何度も観たことのある、あるあるな展開の連続だし、乗せるまでがもう遅すぎる。なるべく短い時間で観客を惹きつけなければならない今の世では前時代的すぎると感じたし、米米CLUBでトドメだった。もう、そういうシャレは団塊の世代にしか通じないと思う(爆)でも、教科書の一行で終わってしまう「米騒動」の本当のところはどうだったのか?というのを知れたのは興味深かったし、今の時代こそ、この怒りのパワーが必要なのに、どんどん耐える日本人が加速してるなと思ってしまいました。でも、ながら観でいい作品です。2021年公開。

「クリスマスとよばれた男の子」

ヘンリー・ローフル主演他。母を亡くし、父と森で貧しく暮らす少年ニコラス(ヘンリー・ローフル)は希望をもたらす贈り物を探しに北の地へ旅立った父の後を追い、伝説のエルフヘルムを探しに行くことに。旅の途中で出会ったトナカイのブリッツェンとペットのネズミとともに雪深い地を旅するうちに、ニコラスはついにエルフたちが暮らすエルフヘルムにたどり着くが―。サンタクロースの起源にまつわるマット・ヘイグ原作の児童文学を実写化したクリスマス・ファンタジー。

4点!!「サンタクロースになった少年」がリアル系なら、こちらはバリバリ定番のクリスマス・ファンタジー。子役や動物が皆可愛い&脇役がマギー・スミス、クリステン・ウィグ、サリー・ホーキンスなど豪華で、ストーリーもただ楽しいだけじゃない人間の複雑性も描いているので、定番だけど中々良い出来(^^)子ども向けではあるので、雪景色もキラキラしたイルミネーションもエルフヘルムの街並みも美しいので、大スクリーンで観たらもっとクリスマス気分を満喫出来たかな。ファミリーでどうぞ(^^)2021年公開。

「マーメイド・イン・パリ」

マリリン・リマ、ニコラ・デュボシェル主演他。夢のような、恋に落ちる―恋の都パリ。セーヌ川に浮かぶ老舗のバーで働くガスパール(ニコラ・デュボシェル)は、ある夜、傷を負い倒れていた人魚を見つける。ルラ(マリリン・リマ)と名乗る人魚は、美しい歌声で男性を虜にし、その命を奪っていた。ルラは、ガスパールの命も奪おうとするが、過去の失恋で、恋する感情を捨ててしまったガスパールには、その歌声が全く効かなかった。ルラを看病するガスパールの献身的な優しさに、ルラは次第に心惹かれていく。しかし、彼女は2日目の朝日が昇る前に海に帰らねば命を落としてしまうという。と同時に、ガスパールの体に異変が起こる。胸がギュッと締め付けられるように苦しいのだ。パリで出会ったふたりは、無事に恋を成就させることが出来るのか―?<恋を知らない人魚>と<恋を捨てた男>ふたりが奏でる心ときめくおとぎ語。

1点!!すごく昔のアンティークなフランスおとぎ話の原型をそのまま現代で上映したような感じ。なので、アンティークな色彩やフランス映画っぽいシニカルな笑いも少しあってウィットが効いているけれど、目新しさはゼロでよく日本の劇場公開までこぎつけたなという印象です。こういうフランス映画の男性役っていつもおじさんで全然格好良くないんですよね。フランス的にはあれでヒュー・ジャックマンレベルの美形なのかな?(爆)年齢的にもそのくらいくたびれてみえるおじさんが絶世の美女の若い人魚と恋に落ちるのでロマンティックさの中にも現実とか滑稽さが垣間見えてしまってイマイチ乗り切れなかったです。2021年公開。

「聖地X」

岡田将生主演他。世界にはまだ、行ってはならない場所がある。想像を絶する悪夢が始まる。小説家志望の輝夫(岡田将生)が、父親が遺した別荘にある韓国に渡り、悠々自適の引きこもりライフを満喫中。そこへ結婚生活に愛想をつかした妹の要(川口春奈)が転がり込んでくる。しかし、韓国の商店街で日本に残してきたはずの夫(薬丸翔)を見かける要。その後を追ってたどり着いたのは、巨大な木と不気味な井戸を要する和食店。無人のはずの店内から姿を現したのは、パスポートはおろか着の身着のまま、記憶さえもあやふやな滋だった。輝夫と要は別荘で滋を捉えるが、東京にいる上司の星野(真木よう子)に連絡すると、滋はいつも通り会社に出勤しているという。では輝夫と要が捕まえた滋のような男は一体誰なのか?日本人オーナー江口(緒形直人)いわく、店の建っている土地では、過去にも同じように奇妙な事件があったことがわかってくる。負の連鎖を断ち切るため、強力なムーダン(祈祷師)がお祓いを試みるも、太刀打ちできない。この地に宿るのは神か、それとも悪魔か?彼らはここで繰り返されてきた数々の惨劇から逃れ、増幅し続ける呪いから解放されることはできるのか!?想像を絶する悪夢が今はじまる―。劇団「イキウメ」の人気舞台を映画化。

10点!!全体はがっつりホラー色なのに登場人物たちの言動がワタワタとコメディタッチで、それがイキウメっぽい摩訶不思議な世界観を醸し出していて、観ていて飽きないし、どう転がるんだろう?と引き込まれた。「太陽」も良かったけれど、イキウメと入江悠監督の相性が良いし、バランス感覚が絶妙だと感じた。夫・滋を演じた薬丸夫妻の息子、薬丸翔がまだ無名に近かったのも、誰だかわからない気味の悪さが増して良かったと思う。皆が皆、呪いとかドッペルゲンガーとかに疑問も持たずに、登場人物内で最も説得力のなさそうな輝夫の仮説をあっさり信じちゃうのは、舞台だから信じないと進まないのはわかるけど、いやいや、誰も一時停止する人いないの?とツッコんでしまった(^^;) 「人は本当の意味で記憶を捨てられるか?」という何だかんだ人生の極論に挑んでいるところも好きだ。ドッペルゲンガーに出会うと精神崩壊しちゃう説や統合説も既存のセオリーを取り入れつつも、疑問に対し、きちんと新たな答えを見出していて見事でした。ホラーだと思って避けてる方(私)、全然怖くないし、見逃すにも惜しい奇作なので、一見の価値ありです☆2021年公開。

「RUN ラン」

サラ・ポールソン、キーラ・アレン主演他。母の愛からは逃れられない―溺愛する車椅子の娘に、毒母の狂気が暴走する―郊外の一軒家で暮らすクロエ(キーラ・アレン)は、生まれつき慢性の病気を患い、車椅子生活を余儀なくされている。しかし常に前向きで好奇心旺盛な彼女は、地元の大学進学を望み自立しようとしていた。そんなある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアン(サラ・ポールソン)に不信感を抱き始める。ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑のカプセル。クロエの懸命の調査により、それは決して人間が服用してはならない薬だった。なぜ最愛の娘に嘘をつき、危険な薬を飲ませるのか。そこには恐ろしい真実が隠されていた。ついにクロエは母親から逃げようと脱出を試みるが・・・。「search/サーチ」の監督・制作チームが放つサイコ・スリラー。

3点!!代理ミュンヒハウゼン系じゃないといいなぁと思いながら観始めたけど(もう飽きてる)、代理ミュンヒ系だった(><) でもその理由! 世間から隠したかったからなのか、体の弱い実子に見立てていたのか、答えがはっきりでないところが恐怖を煽ります。私はホラーを見慣れていないので、よくある手法の真夜中に暗い外から母親が見ているのに気付いた時、発狂しそうになりました(^^;) そして、雑なようで振り切ったラスト。そこまでクロエの激しい怒りを感じさせずにいきなりぶっこまれるので、COOL!と取るか、え・・・となるか。実話というわけではないけど、元ネタとなった事件はあるみたいです。「RUN」というタイトルからもっと疾走感ある逃走劇を想像していたのと、世間の評価ほどは面白くもないし、狂ってもおらず、中途半端な印象の作品です。2021年公開。

「男の優しさは全部下心なんですって」

辻千恵主演他。恋は人生、諸行無常。遊園地の跡地にできたショッピングモールに残る、数時間に一回動くメリーゴーランドの受付をする宇田みこ(辻千恵)は、受付時間外はゆるキャラくまの着ぐるみを着て、メリーゴーランドの前で風船を配る。100%目の前の人のことを信じるみこは、その度に全力の愛で迎え入れるが、総じて男達は最後にはみこの前から去っていってしまう。そんな彼女についたあだ名は“恋愛体質純情セカンド”。誰かには誰かがいて、みこは誰かの唯一になれずに、メリーゴーランドに一人、回り続ける日々だったが・・・。ポップで毒っ気のあるちょっと歪なラブストーリー。MOOSIC LAB 2019出品作。

9点!!MOOSIC LABは毎年注目している映画祭のひとつで、本作も観たいなと思っていたところでタイミングが合ったので鑑賞。始まってすぐに辻千恵ちゃんのトリコになる。童顔で動いてると可愛らしい。ストーリーも予想だにしない展開で映画ならではの素っ頓狂さなのだけどMOOSICに合ってるし、メリーゴーランドの世界観と上手く溶け込んでいて面白い。みこの選択肢にNOはないのか。普通なら飛び越えない垣根をフラフラと歩いて行ってしまう子で、流れに任せてるとこんなにも恋=濃い体験のオンパになるのかな(^^;) 半分MVみたいな作品も多いMOOSICの中で、まだなの?と音楽焦らしをさせて局所だけで流し最大効果を狙う、ストーリーも音楽の使い方ものむらなお監督のセンスが光る作品です。これで何で作品賞を獲らなかったのか不思議なくらい良い出来(辻千恵ちゃんが女優賞)。のむら監督の「からっぽ」も俄然観てみたくなりました。こういう系にちょいちょい出てる木口健太さんがまた出てたのが嬉しかったです(ファン)。2021年公開。

「欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい」
                                                                                         
架乃ゆら主演他。幼少より人が食べているものや大事にしているものに心奪われる奈々(架乃ゆら)は、就職した大企業でも上司と不倫の末に解雇となり実家に戻るが、アルバイト先のコンビニ店長の松山(守屋文雄)が既婚者と知った途端、好意を募らせる。他人のものばかりが欲しくなってしまう性癖に悩む女性を描く官能コメディ。

4点!!「愛がなんだ」「ビリーバーズ」で城定秀夫が気になっていたところ、脚本:首藤凛(「ひらいて」)、主演:架乃ゆらと知り、興味が湧いたので鑑賞。女性は何でも真似したがりとか、その人が持っているもののひとつ上のスペック(同じシリーズの新作とか)を狙うみたいな人結構います、実際。本作のラストから察するに、奈々は不倫をしている男性の情けなさが好きだったんじゃないのかな?あと自分だけに見せてくれている(と錯覚している)顔とか。だから、それを上回る情けなさを持つ店長に対しては、好意を持ち続けることが出来た。もしかしたら、自分以外を好きな人でさえあったらいいのかも知れませんが。希望的には前者の方が救いがある。でも、身近に同性としていたら避けたい女性なのは確か。男はバカだからね、自分に固執しないし要求もしないけど、なぜか離れていかない女性に対しては押してみたくなっちゃうものだから、奈々みたいな子が一番ヤバイ。現実の不倫問題はドロドロ殺伐したものだから、なんかほっこりとして結末に落ち着いて、短編としても観やすくて適度にエロくて(笑)良かったです。2021年公開。

「老後の資金がありません!」

天海祐希主演他。現代日本が抱えるお金の問題に普通の主婦が立ち向かう!!主婦・後藤篤子(天海祐希)は困っていた。家計は妻に任せきりの夫・章(松重豊)の給料と篤子のパートで稼いだお金をやりくりして、娘(新川優愛)と息子(瀬戸利樹)を育て上げた。節約をモットーに、老後の資金をコツコツと貯めてきたはずなのに・・・親の葬式に330万、子供の派手婚に300万!そんな中、夫が失職!と次々とお金の災難が襲い掛かる!なんとかしてやりくりするものの篤子の努力はむなしく出費はかさむばかり。いよいよ姑・芳乃(草笛光子)への仕送りさせ捻出できなくなった篤子は、義理の姉夫婦との話し合いの席で、芳乃を引き取ると口走ってしまう。しかし、元・老舗和菓子屋女将は、超がつくほどの浪費家だった・・・!貯金0円が目の前に迫る!絶体絶命の大ピンチ!果たして、Happy!な未来はやってくるのか?!痛快&最高のお金コメディ・エンターテインメントが誕生!!

9点!!一寸先は闇状態な私にとっては胃が痛くなる話かと思って避けてたけど、面白くて元気になれるお話だった(^^) 仏様って言えば皆黙ると思ってる日本人の魂につけこんでくる葬式屋いやだ~。草笛さんが思っている数倍飛ばしててお茶の吹き方とか突き抜けてて一発芸かと思った(笑)三谷さんの件り、途中で笑っちゃってるし。老後の資金がないという皆のあるある話から一般家庭以上の修羅場が展開されると思ってなかったので、結構笑ってました(私はあまり笑わないタイプ)。あとは、私は天海さんよりも下の世代だけど、草笛さん演じる芳乃さんの気持ちが切実にわかってしまい、涙。人の優しさとか有難さとか後悔とか、生きている間にそれを理解し、伝え合えることの奇跡とか。もう少し足掻いて生きてみようかと思える作品でした。なんだろう?自分が年取ったのかな?心が温かくなったし、素直に楽しんでしまった。若い世代の方たちにどう響くのか気になります。2021年公開。

「君は永遠にそいつらより若い」

佐久間由衣、奈緒主演他。私には、何かが決定的に欠けている―大学卒業を間近に控え、児童福祉職への就職も決まり、手持ぶさたな日々を送るホリガイ(佐久間由衣)は、身170cmを超える22歳、処女。変わり者とされているが、さほど自覚はない。バイトと学校と下宿を行き来するぐだぐだした日常を過ごしている。同じ大学に通う一つ年下のイノギ(奈緒)と知り合うが、過去に痛ましい経験を持つイノギとは、独特な関係を紡いでいく。そんな中、友人、ホミネ(笠松将)の死以降、ホリガイを取り巻く日常の裏に潜む「暴力」と「哀しみ」が顔を見せる・・・。芥川賞作家・津村記久子作品、初にして待望の映画化。

5点!!原作未読です。大学時代に誰かの死を経験する人は結構いると思う。そういう岐路に立たされる年代だと思う。自分や友人が蓋をしてきた闇を開けないと前に進めない現実にぶち当たるし、バイトでも就職でも働き出して世界の容赦ない厳しさにも晒される。それを経験してどういう人間になるか、はたまた潰れてしまうか、名前のつけにくいこの厳しさや葛藤と等身大に向き合う若者の姿がよく描けていると思う。原作だともっときめ細やかに書いているのだろうか?奈緒は不安定な役が上手いなと思う。コロナ禍で芸能人の自殺が十代にどれだけ影響を及ぼすか知り、そんなに!?と驚いたので、そういう色々な物事に影響され、伸びしろしかない彼らの柔軟さが羨ましいと思ってしまった。誰か大人の伸びしろの引き出し方教えてください(笑)2021年公開。

「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」

アリソン・ウィリアムズ主演他。愛の不時着ってどこの話!?友人の結婚式のため小型機でインド洋に浮かぶ南の孤島へ向かうことになったサラ(アリソン・ウィリアムズ)。タイミング悪く、偶然乗り合わせたのはかつての元カレで今は気まずい関係のジャクソン(アレクサンダー・ドレイマン)。内心穏やかでないものの、大人の余裕を演出しながら、目の前に広がる真っ青で美しい海と一面の快晴に心弾ませ、空の旅は始まった。ところが、離陸直後に突如パイロット(キース・デヴィッド)が心臓発作で急死。この設定、映画ならジャクソンが元空軍とか、元CIAとかで、色々あるけど奇跡的になんとか着陸させるんだろうけど、元カレ、生憎ただの人。ってことは、「色々あるけど結局バッドエンド」!?。2人が生き残るためにした究極の決断とは?

7点!!誰とだって墜落は避けたいということをうっかり忘れてしまうタイトル。普通にラブロマンスとパニックのバランスが良いデートにピッタリな作品で、こんな長くてセンスない邦題つけたの誰だよって思った。アリソン・ウィリアムズもアレクサンダー・ドレイマンも甘いマスクの美男美女で、別れ方も喧嘩別れじゃなく、元恋人がこんなに勇気と知恵と決断力があるとわかったら、普通に惚れ直すやつ。タイトルから予想される元恋人同士の罵り合いとかコメディ的な展開とか一切ない、実は二人ともまだ好き合ってますってスタートラインだし。でも「ロスバケ」同様、甘さはあるけれど、ずっとハラハラドキドキする展開で、本当に上がったり下がったり飛行機に乗ってるみたいで楽しかった(^^)一時期、3D映画が流行った時「キングコング3D」で墜落ヘリ3Dがあったけど、こんなイケメンが至近距離で一緒にパニックになってくれる3Dだったら普通に体感したい(笑)夏にサクッと観てスカッと劇場をあとにしたい作品です。2021年公開。

「少年の君」

チョウ・ドンユイ主演他。君が、俺の明日を変えてくれた。君が、私の明日を守ってくれた。進学校に通う成績優秀な高校3年生のチェン・ニェン(チョウ・ドンユイ)。全国統一大学入試を控え、殺伐とする校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜め卒業までの日々をやり過ごしていた。そんな中、同級生の女子生徒がクラスメイトのいじめを苦に校内で自殺してしまう。女に死体に無遠慮に向けられる生徒たちのスマホレンズ。その異様な光景に耐えられなくなったチェン・ニェンは、遺体にそっと自分の上着をかけた。しかし、そのことをきっかけに激しいいじめの矛先はチェン・ニェンへと向かうことに。彼女の学費のために犯罪スレスレの商売に手を出している母親以外に身寄りはなく、頼る者もいないチェン・ニェン。同級生たちの悪意が日増しに激しくなる中、下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、とっさの判断で彼シャオペイ(イー・ヤンチェンシー)を窮地から救う。辛く孤独な日々を送る優等生の少女と、ストリートに生きるしかなかった不良少年。二人の孤独な魂は、いつしか互いに引き合っていくのだが・・・。世界が絶賛!壮絶ないじめ、苛烈な受験戦争、ストリートチルドレンなど社会問題を描いたサスペンス・ラブストーリー。第93回アカデミー賞ノミネート作品。

5点!!実話ベースのお話みたいです。私はいじめをする人も目の前のいじめを見ないフリをする人(ただし、自分に被害が出る場合は別)も嫌いです。傍にいて欲しくない。どちらかというと正義感は強い方なのだと思う。学校って校内の大人たちに対処能力がないくせに治外法権過ぎるから、すべてのいじめ、物を隠す壊す、暴力、貶める発言をするなど、法律に乗っ取って、すべて裁くべきだと思います。アメリカで通学バスでいじめが起きていたことに対処しなかった運転手が逮捕されたことがあったけど、普通の世の中だと目の前の暴力を素通りしても逮捕はされないけど、守らなければならない子どもがいる世界においては、普通の法律より厳しく法整備をするべきだと思う。日本なんか、学校の見てみないフリのいじめが会社に入っても起きたり、特に地方都市だと死ぬまでずっと集落の中で続いたりするのは本当に異常。学校で許された経験があるから、会社でもOKだと思うバカが溢れかえる。でも、映画自体はアカデミーが好むタイプの作品とはいえ、割とコテコテで昔ながらの展開なので、ノミネートされたのは少し驚き。チョウ・ドンユウはover30だし、表情が大人だから、守ってあげたくなる高校生役は無理がある。そして、中国の制服って皆スタイル悪く見えちゃうなぁ可愛くないなぁと思いながら観ていました。国家全体で「お洒落なんかに勤しんでいる暇があるなら上を目指せ」と統制されているのかな?うーん、国家ぐるみ、大人たちが壮大な隠ぺい体質な国で、こんな風にきちんと対処してもらえるのかな?格好の餌にされただけなんじゃないかな?と疑ってしまいました(^^;) とりあえずその年の本国賞レースを総なめ、アカデミーにもノミネートされた作品なので興味ある方は観てみても良いかと(^^) 2021年公開。

「TOVE トーベ」

アルマ・ポウスティ主演他。大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ―スナフキン「ムーミン谷の夏まつり」より―第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家トーベ・ヤンソン(アルマ・ポウスティ)は自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて戦争が終わると、彼女は爆撃でほとんど廃墟と化したアトリエを借り、本業である絵画制作に打ち込んでいくのだが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送っていた。それでも、若き芸術家たちとの目まぐるしいパーティーや恋愛、様々な経験を経て、自由を渇望するトーベの強い思いはムーミンの物語とともに大きく膨らんでゆく。そんな中、彼女は舞台演出家のヴィヴィカ・バントラー(クリスタ・コソネン)と出会い激しい恋に落ちる。それはムーミンの物語、そしてトーベ自身の運命の歯車が大きく動き始めた瞬間だった。世界中で愛される“ムーミン”を生み出したアーティスト、トーベ・ヤンソン。彼女は、いかに自由を愛し生きたのか?トーベ・ヤンソンの半生と、知られざるムーミン誕生の舞台裏を描く情熱の物語。

4点!!キャラものの中でムーミンが一番好きです。高校生くらいになってもムーミンのアニメ観て学校遅刻してたくらい(爆)でもトーベ・ヤンソンのという名前は有名だから知っていても、人となりや人生は全く知らなかったので、興味深かったです。人生ハードモードな方だったのだなぁと。戦時中にある種の逃避で生まれたファンタジーは結構あるけれど、映画を観る限り「ムーミン」はそういうわけではなくて、戦後から物語が動き出すお話でした。ヴィヴィカはポリアモリーなのかな?ポリアモリーって周囲の人が苦しそう。わからないけど。フィンランドもフランスみたいに割と愛人OKな国なのかな?トーベを好きになる議員さん、結構好きなタイプでした(こっちにしとけばいいのにーって(笑))。ずっーと好きな人がいるのは幸せなことだけど、とても寂しいこと。孤独を愛せるようになりたいけど、そこに至るまでが苦しい。トーベを観ながらそんなことを思ってました。でも、全体的には超眠い。トーベが何歳なのか全くわからない風貌なのも眠いに拍車かけてたと思う。2021年公開。

「成れの果て」

萩原みのり主演他。姉が婚約したのは、絶対に許せない男だった。小夜(萩原みのり)が東京で生活していた。ある日、田舎で暮らす姉のあすみ(柊瑠美)から連絡があった。それは今度結婚するという内容の電話。「おめでとう。何て人?」あすみは言いにくそうに名前を言った。「布施野さん(木口健太)・・・」その名前を聞いて小夜は愕然とした。その男は8年前にある事件を起こしていた。怒りや苦しみはもういらない。わたしは幸せがほしい。登場人物が抱える苦悩、嫉妬、コンプレックス。交錯する負の感情はやがて渦を巻き、想像もつかない結末へと転がり出す。実力派キャストがぶつかり合う、極限の人間ドラマ。劇作家マキタカズオミが主宰する劇団・elePHANTMoonの舞台を実写映画化。

5点!!萩原みのりと木口健太目当て。あと劇団の映画化は面白いことが多いので期待したのですが、ここれ終わるの?という中途半端なラストだったかな。成れの果てはもっとその先にありそうなのに。あすみの本性の出し方がやばかった。そこで、これは加害者被害者の話ではなく姉妹の話だったんだなと気づくっていう。あと、地方独特の排除文化?臭いものには蓋を、臭いものが帰ってきたら皆で責めて追い出そう的な空気感が相変わらず酷いし、こういうところでは妥協した幸せしか得られないだろうなと感じた。家族の中で足の引っ張り合いをしてくる人がいるのは嫌だなぁ。ずっと悲しいだろうし、縁も切れないし。もうちょっとね、先まで見せて欲しかったです。2021年公開。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」

キャリー・マリガン主演他。私も彼女も“前途有望”なはずだった―30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜ごとバーで泥酔したフリをして、お持ち帰りオトコたちに裁きを下していた。ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。この偶然の再会こそが、キャシーに恋ごころを目覚めさせ、同時に地獄のような悪夢へと連れ戻すことになる・・・。旬でワイルド!甘いキャンディで包んだ猛毒が全身を駆け巡る、復讐エンターテインメント!第93回アカデミー賞脚本賞受賞・5部門ノミネート作品。

6点!!【ネタばれあり】でいきます。復讐は何も生まないし終わりがなく、残るのは悲しみだけ。次々と鉄槌を下していくキャシーの結末がそう物語っているようでした。ゲーム感覚で下していく復讐は相手も事故程度で収めてくれるかも知れないけれど、命がけの復讐は当然相手も本気になる。絶対に奪われたくないものを奪おうとしたせいで、キャシーは唯一、自分のものだと言える命すら失った(その他はもう壊れていたから)。キャシーの命を奪うという新たな罪はアルの人生を壊した。そして今度は、ニーナの大切な家族、キャシーの両親が彼女のしてきた復讐の中身を知り、悲しむことになるだろう。事後に残るのはただただ悲しみであって爽快感なんて全くない。だからこそ、キャシーは生き残って告発し、最後に笑う一人にならなければならなかった。動画をモノにした時点でその道は残されていたのに怒りを抑えられなかった。自分のことなんてどうでもいいから、相手を潰してやりたいという怒りはわからなくもない。私にも経験がある。引き留めるのはやはりそれ以上に大切な存在がいるかどうかで、キャシーにとってずっと心配だけど見守るしかなかった両親は、そうではなかったのか?それがとても悲しかったです。”学生時代のバカ”にも種類があって、どんなにバカをやっても人の道を外れたり、誰かを傷つけることはアウト。それを「若かった」と片づけてしまう人間は幾つになってもクズのままだ。そして、類友だからクズを一人引っ張ると後ろにわんさかクズがついてくるっていう(><) テンポ良くて観やすかったけど、マーゴット・ロビーが好みそうな下衆い話だし、毎晩、男性を引っかけるにはキャリー・マリガンは劣化し過ぎている(しかもあの化粧で?)。正直、良いと感じるものの文化の違いを感じざるを得なかったです(^^;) 2021年公開。

「私はいったい、何と闘っているのか」

安田顕主演他。脳内はいつだって戦場だ!伊澤春男(安田顕)、45歳。町の住民に愛されるスーパー“ウメヤ”の主任で、家では典型的なマイホームパパ。一見平凡で心優しく見えるが、その脳内は妄想が炸裂し、毎日が戦場と化しているのだった―!共感度120%!!“喜怒哀楽”ジェットコースター・ハートフル・コメディ。

1点!!ながら観。日常の悲喜こもごも系。平和な家庭の脳内を可視化したらこうなるだろうという戦場感皆無な春男の脳内。安顕さんだともっとオーバーなのくるかと思っちゃいました。てか、こんなにお店に貢献してて人当りもよくて、人当り良い故のミスなのに、誰も見送りに来ないとかありえる?意外とあり得るのかな。だとしたらこれは切ない。他は・・・良いお話だったけど、特にいうことなし(笑)2021年公開。

「モガディシュ 脱出までの14日間」

キム・ユンソク主演他。国か、命か。それは語ることを許されなかった14日間の真実―1999年、ソウル五輪で大成功を収め勢いづく韓国政府は国連への加盟を目指し、多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた。ソマリアの首都モガディシュで韓国大使を務めるハン(キム・ユンソク)は、現地政府の上層部に何かと取り入ろうとしている。一方、韓国より20年も早くアフリカ諸国との外交を始めていた北朝鮮のリム大使(ホ・ジュノ)も国連加盟のために奔走し、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていく。そんな中、ソマリアの現政権に不満を抱く反乱軍による内戦が激化。暴徒に大使館を追われた北朝鮮のリム大使は、絶対に相いれない韓国大使館に助けを求める決意をする。果たして、ハン大使は彼らを受け入れるのか、全員で生きて脱出することができるのか、そしてその方法は―?2021年度韓国映画No.1大ヒット!1991年、ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちの生死をかけた脱出を描く、実話に基づく衝撃の人間ドラマ。

 

9点!!撮影規模がバカでかい。現地キャストとか銃撃戦とかカーチェイスとかめちゃめちゃお金かかってる。観る前は北はどうして自分の友好国の大使館に逃げ込まなかったの?と思ったけど、行けなかったのね。でも、エジプト大使館に行けるなら行けたはず?車なし、子連れじゃ無理ってことか。韓国が作っているので、どうしても韓国寄りに描かれていて誇張表現も多いだろうけど、どこまでが本当なんだろう?と思ったけれど、後で調べてみたら、実話の方が映画みたいだった(凄)テ参事官(ク・ギョファン)が最後、完全に自分を盾にしたのが観返したらわかったし、大使同士が振り向けない背中で語る切なさがもう胸アツ過ぎた。カン外交官(チョ・インソン)は明らかに怪我するし、ドロドロになるとわかっている逃亡劇で上下白のスーツ着ちゃうの?超目立つけどまじですか?と突っ込んでしまった。白旗をイメージ?(汗)こんなに絆が芽生えたのに、実際、北朝鮮側も韓国と一緒に太極旗を振ったというエピソードもあるのに、それを生かせない、見せることも出来ないならもう南北統一なんて無理じゃんって思ってしまった。出来るのに意地を張り合っているだけに見えてしまう。実際は進んでるのかな?他にも南北が共闘した出来事って結構あるし、そのたびに絆が芽生えているので、早く南北統一出来ればいいなと感じた。内戦の怖さ、外交の難しさ、南北問題を迫力満点のエンタメに昇華させていて、どの世代にもオススメした逸作です(^^)2021年公開。

「ディア・エヴァン・ハンセン」

ベン・プラット主演他。思いやりでついた嘘。そして、たどりついた本当。エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいる。ある日、自分宛に届いた“Dear Evan Hansen”から始まる手紙を、図らずも同級生のコナー(コルトン・ライアン)に持ち去られてしまう。後日、校長から呼び出されたエヴァンは、コナーが自ら命を絶った事を知らされる。悲しみに暮れるコナーの両親は、手紙を見つけ息子とエヴァンが親友だったと思い込む。彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは思わず話を合わせてしまう。そして促されるままに語った“ありもしないコナーとの思い出”は人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がり、彼の人生が大きく動き出す。トニー賞・グラミー賞・エミー賞受賞。数々の賞に輝いた大ヒットミュージカルがついに日本上陸。

10点!!この音楽チームは本当に掴み方が上手いな。まぁ、「ラ・ラ・ランド」みたくツカミが最高で後は下がり続けるパターンもあるけれど、今回はずっと最高を更新し続けました。ベン・プラットが歌い出した途端、心が激しく揺さぶられて涙が出そうなのがずっと最後まで続きました。エヴァン役をブロードウェイキャストのベンのままでいったのは大正解だったと思う。どの曲も全部こみ上げっぱなしだから、なんでだろう?と考えたけど、どの曲にも苦しくて切実な想いが込められているからだと気づいた。一人じゃないってわかっていても、現実で誰か自分を見つけて、目の前を通り過ぎないでと。エヴァンのしたことは残酷だけど、ただの嘘が彼にとって彼自身の為に必須になっていくのが苦しくて苦しくて。ゾーイ(ケイトリン・デバー)にとっても、兄が亡くなっても彼を「怪物」と呼ぶほど傷つけられた傷は変わらずそこにあるのに、その気持ちや存在を蔑ろにされるやりきれなさもとても苦しかったです。確かに、怪物が消えても王国は嘆いたりしない。むしろ、万々歳ですよね。エヴァンが書いた“コナーからの手紙”にされちゃった手紙は、エヴァンの切なる願いそのもので、もう一人の自分ではなく、こう言ってくれる親友が欲しい願いしかなくて、誰にでもそういう瞬間や一面はあるはずだから、誰もが痛いほど解かる感情だと思いました。「どんなに無理だと感じても、今日は違う」。今日は違うと何とか進み続けるだけの希望や励まし、勇気が欲しい。私も今、強くそう思っているので、本作は私にとって生涯で忘れられない1本になりました。終わって速攻リピートです(笑)苦しいけど歌もストーリーも最高過ぎ。2021年公開。

「竜とそばかすの姫」

声:中村佳穂主演他。もう、ひとりじゃない。自然豊かな高知の村に住む17歳の女子高生・すず(声:中村佳穂)は、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加することに<U>では、「Az(アズ)」と呼ばれる自分の分身を作り、全く別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。数億のAsが集るベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」(声:佐藤健)と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探し。<U>の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAsたちは竜を執拗に追いかけ始める。<U>と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが―。現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。スタジオ地図が10周年を迎える2021年夏、想像を超えたアニメーション映画“未開の境地”へ、細田守最新作が、ついに辿り着く。

8点!!「美女と野獣」の原作がモチーフなんですね。細田守の粗削りなところ成長しないなぁ。これが1作目なら「すごい監督が出てきた」ってワクワクしてたと思うし、本作も安定した面白さはあるのだけど、ディティールの雑さとか物語が失速していってしまうところとか、それを力業で押し切ろうとして押し切れてないところとか、ずっと変わらないと「うーん」となってしまう・・・。冒頭のベルの歌唱シーンは圧巻だし、正直、アニメのライブシーンに魅了されたのなんて本作が初めてなので、公開前からの期待通りだったのだけど。中村佳穂さんが群を抜いて上手過ぎる。竜は川に取り残された子どもかお父さんかと思ったら、全然関わりない子だった(爆)SNSが知らない世界の子とリアルで繋がって、その人の人生を救うことがあるってことが言いたいのかと思ったけど、一般人がUの他のユーザーの助けも借りずにあんなに即座に場所特定出来ないよね。「サマーウォーズ」もそうだけど、その辺りの裏付けが雑過ぎて冷めてしまうので勿体ないです。私の中ではジブリ→皆好き、新海誠→ピュア一点特化が最強型、湯浅政明→力業だけど大人の心にちゃんと響く、細田守→すべての中間ラインで安定してるのが吉と出るか凶と出るか、という評価です(^^;) 今回はあれもこれも入れたい結果、中村佳穂以外推しがない結果になってるかなぁ。でも、ベルの歌唱シーンは素敵なのでそこだけリピします(笑)2021年公開。

「エターナルズ」

ジェンマ・チャン主演他。地球滅亡まで、あと7日。この地球には、永遠に老いることなく、人智を超えた力で7000年にもわたり宇宙的規模の“脅威”から人類を守り続けてきた者たちがいた。彼らの名は、エターナルズ―。「アベンジャーズ/エンドゲーム」のその後、最強ヒーローチームがいなくなった地球に再び、想像を絶する“脅威”が迫っていた。その時、数千年の時を経てエターナルズが人類の前に姿を現す。地球滅亡まで彼らに残された時間は、あと7日・・・。タイムリミットが迫る中、彼らは世界中に散らばった仲間たちと結集し、人類を守ることができるのか。そして、彼らを待ち受ける<衝撃の事実>とは・・・。アベンジャーズを超越する、新たな伝説が始まる。

10点!!もうひとつのアベンジャーズって感じで面白い!(^^) SFジャンルだから一人で観て理解出来るか不安だったけれど、SFよりエターナルズ内の狭い人間関係メインだったし、出演者の殆どがチャーミングという言葉が似合う俳優陣だったので、あっという間に虜に。アベンジャーズは単独作品を経て徐々に愛着が湧いていったけれど、1作目で殆どのキャラのファンになれるのって凄いことだと思います。ぶっちゃけ、マブリー目当てに観たのですが、皆良い♪アンジーはアクション自体かなり久々だったので、それだけでアガったし、マブリーとコンビとか嬉し過ぎた。マブリーもアジア系俳優だからどうせ台詞少ないんでしょって思ってたら、めっちゃ活躍してた。同マーベル作品での浅野さんとの違いを見せつけられた気がします。英語が流ちょうに話せるか話せないかで(マブリーはアメリカ人)、こんなにも役の重要性が変わってきてしまうんですよね。どうして忍者役がすべて韓国に回されてしまうのか、本作も含めて、日本の芸能事務所は学ぶべきだと思います。全ての事務所でなくても構わないけど、日本映画界の発展の為にも国際進出は必見なので、所属俳優にマルチな教育を施す体制を早急に整えるべき。話題が脱線しましたが、デイン(キット・ハリントン)もイカリス(リチャード・マッデン)もキンゴ(クメイル・ナンジアニ)もマッカリ(ローレン・リドロフ)も超タイプ。原作はセルシとブラック・ナイトことデインが付き合ってたけど、どうなるんだろう?どっちもタイプなのでどっちとくっついても萌える(笑)ローレン・リドロフ可愛いな~偵察部隊なのにクライマックス超強いし、惚れた。そして、○○〇の弟ってまぢかw エターナルズが再生可能な存在ならば、幻影としてではなく、2作目以降、マブリー本格復活して欲しいな~(切実。やっぱりマブリーが一番チャーミング♪)。最初から最後までアクションシーンはリピートしたいくらい見ごたえ抜群だし、マーベル作品で1作目から泣きそうになったのは初めてです。1作目上回るのが早くも難易度高くなっちゃってるけど、2作目楽しみ♪2021年公開。

「シャン・チー テン・リングスの伝説」

シム・リウ主演他。最強ゆえに戦うことを禁じた、新ヒーロー誕生。敵は、悪に染まった最凶の父。そのとき彼は、父から授かった力を解き放てるのか―アメリカ・サンフランシスコで平凡なホテルマンとして暮らすシャン・チー(シム・リウ)。彼には、かつて父(トニー・レオン)が率いる犯罪組織で最強の武術を身に付け、組織の後継者になる運命から逃げ出した秘密の過去があった。しかし、悪に染まった父が伝説の腕輪<テン・リングス>を操り世界を脅かす時、彼は宿命の敵となった父に立ち向かうことができるのか?決別した過去と再び向き合い、“本当の強さ”に目覚めていく―マーベル・スタジオの新たなヒーロー誕生を描いたドラマチック・アクション・エンターテインメントが始まる。

10点!!見た目好みのキャラクターが見事に一人もいないし(涙)、ストーリーもインディ・ジョーンズ×ブラックパンサー×ファンタビ×ドラゴンボール?みたいな感じでごちゃ混既視感ありまくりだったけれど、面白かったからそれでイイ!d('∀'*) 私はイケオジ好きなので愛に囚われたトニー・レオンの甘さと渋さのイイ塩梅に完全ノックアウト( /_ _)/  もうトニーが主役でいいのにって最初から魅了されまくりでした( *´`*) シム・リウは全然イケオジじゃない・・・てかオジサン顔だけど実は若いっていう。年齢重ねたら好みになったりするのかな?てか、朝っぱらからバスにあんな奴いたら困る、サノス後の世界、何でもあり過ぎてヤバイ。工事の足組みが竹ってマカオまぢか。妹は片桐はいりにしか見えないし、故郷の村は実はドクター・ストレンジの寺でしたってオチかと思った(^^;) まんま、かめはめ波放ってましたね(^^;) ターローってマルチバースの中なのか!ターローの不思議動物たちが皆可愛くて一気にファンタビ感が増してました。ヒロインにオークワフィナという異色の配役が作品にも強く影響していて、普通のヒーロー&ラブになっていないところが興味深かったです。この2人はこの先もはあまりはっきりとくっつかないで欲しい。この流れだとドクター・ストレンジがアイアンマンの立ち位置になるのかな?性格の気難しさが似てるし。原作コミック読んでないので、普通に毎回不満なく楽しんでますw 2021年公開。

「キングスマン ファースト・エージェント」


レイフ・ファインズ主演他。始まりも、超過激。世界大戦に隠された、最強スパイ組織の過激すぎる誕生秘話!表の顔は、高貴なる英国紳士。裏の顔は、世界最強のスパイ組織“キングスマン”。国家に属さないこの秘密結社の最初の任務は、世界大戦を終わらせることだった・・・!―1914年。世界大戦を密かに操る謎の狂団に、英国貴族のオックスフォード公(レイフ・ファインズ)と息子コンラッド(ハリス・ディキンソン)が立ち向かう。人類破滅へのタイムリミットが迫る中、彼らは仲間と共に戦争を止めることができるのか?歴史の裏に隠されたキングスマン誕生秘話を描く、超家族スパイ・アクションシリーズ待望の最新作。

7点!!今回は羊さんが終始可哀相・・・(^^;)「キングスマン」シリーズは毎回、面白い戦い方を披露してくれるが、本作ではラスプーチン(リス・エバンス)がロシア風というかバレエ風の昔の人形劇みたいな戦い方が面白くて吹き出してしまった(笑)英国紳士はパンツだし(笑)キングスマンの英国紳士って格好良いところは最高に格好良いのだけど、基本、泥試合で結構、無様な姿も見せてくれるところが好きです。泥試合といえば、一次大戦のイギリスとドイツも本当に泥沼だったんだよなと苦しい気持ちで観ていました。戦争で人が死んで納得出来る理由なんてどこ探したってないのに学ばず繰り返してる・・・そしてどうすれば止められるかもわからない(だって得してる秘密結社的な人たちが暗躍してるから)。レイフ・ファインズは毎作、カメレオンだけど、本作の中だけでも若く見えたり、年相応のおじいちゃんに見えたり、不思議な魅力を持つ名優だし、英国紳士させたらめっちゃカッコイイ(^^) あとアーロン・テイラー=ジョンソンも誰だかわからなかった~あと永遠の推しダニエル・ブリュールが出てた(ドイツ政治絡んでるとほぼ出てる)。PG12がついてるけど、これは歴史的背景や歴史上の人物を知らないお子さんが観てもサッパリだと思うので、そういう意味でも中学生以上向けな作品です。2021年公開。

「ミラベルと魔法だらけの家」

声:ステファニー・ベアトリス主演他。魔法の世界を救えるのは―魔法の使えない女の子。魔法の力に包まれた、不思議な家に暮らすマドリガル家。家族全員が家から与えられた“魔法の才能”を持つ中で、少女ミラベル(声:ステファニー・ベアトリス)だけは何の魔法も使えなかった・・・。ある日、彼女は家に大きな“亀裂”があることに気づく―。それは世界から魔法の力が失われていく前兆だった。残された希望は、魔法のギフトを持たないミラベルただひとり。なぜ、彼女だけ魔法が使えないのか?そして、魔法だらけの家に隠された驚くべき秘密とは・・・?ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編アニメーション60作目となる記念作に、「ズートピア」の監督と「モアナと伝説の海」の音楽というディズニー史上最強の豪華スタッフが集結した、全世界待望のミュージカル・ファンタジー。

10点!!字幕吹替鑑賞です。米アカデミー賞獲るだけのことある!ダークホースで見逃してました(><)自分と家族を信じる強さと家族を許す優しさでいっぱいの作品でした。家族の中だからこそ感じてしまう孤独や逆に一緒にいてくてるだけで励みになる力、自分と同じ苦しみを家族には感じさせたくないという親心、それぞれの苦しみや葛藤が見えて、ここまで泣きにシフトしているディズニーアニメは珍しいなと感じました。楽曲のレベルのそれぞれ相当高くて、何人もの掛け合いでの楽曲も完璧に決まっていて、本当に目の前でミュージカルを観ているようでした。楽しくてリズム刻んじゃう♪でも、大事な台詞ばかりなのに歌のテンポが速すぎて聞き逃すっていう(^^:) 特にミラベル三姉妹の歌のレベル(吹替鑑賞)と映像の美しさが圧倒的でした。確かに、見えざる者、持たざる者からしか見えない景色、世界、未来はあります。だからといって、持たなくて良かったか?と問われるとそのヴィジョンは持っていたいけれど、持てない苦しみは必ずあるから、私は持てるなら持ちたい。でも、ミラベルは魔法を持たない彼女にしか出来ないことで家族を救えた。ミラベルの望みは家族の役に立ちたい、自分にしか出来ないことが欲しいだったからハッピーエンドなのだと思います。私は持たざる苦しみをこれでもかというくらい経験しているから、決してそれでハッピーエンドとは思えないけれど・・・悲しいけどファンタジーと現実の違いなのかな?ミラベルには温かい家族がいた。その手に入りそうで入らない決定的な違い・・・。考えさせられました。なぜ、ディズニーがこの時代に、ミラベルという褐色で眼鏡の主人公(年齢不詳)でこのテーマにしたのかがとてもよく伝わってきて、素敵でした。2021年公開。


「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」

エミリー・ブラント主演他。もう音を立てずには生き残れない。息子・ボーと夫・リー(ジョン・クラシンスキー)を亡くしたエヴリン(エミリー・ブラント)は、燃えた家を後に、産まれたばかりの赤ん坊と2人の子供たちを連れ、新たな避難場所を探しに出発する。ノイズが溢れる外の世界へ踏み出し、謎の生存者エメット(キリアン・マーフィ)に遭遇したエヴリンらだが、離れた地には他の生き残った人々がいることを知る。エヴリンと子供たちは彼らを救おうとするが・・・。音を立てたら、超即死。新体感サバイバルホラー。

6点!!冒頭、DAY1でリーが出てきたので泣きそうになった。今作ではエヴリン、リーガン(ミリセント・シモンズ)、マーカス(ノア・ジュプ)がそれぞれ離れ離れになる中で、敵と戦うので、今誰がどうしてこうなってというのがわかりずらかったです。あと、どうしてもよく泣く赤ちゃんを抱えた状態で生き残れたのかが納得できない(^^;) とりあえず、最終的には島に籠るよね~ノア・ジュプどんどん格好良くなるなとか思いながら観てました。リーガンを襲った人々はなぜあのような風貌になっちゃったの?何があってあそこまで人間性を失ってしまったの?と描かれない部分が気になりました。希望が見えたところで終わりになったからこれで完結なのかな?特に感想はないけど、それなりに楽しめました。2021年公開。

 

 

「オオカミとライオン 奇跡のような絆の物語」

グレアム・グリーン主演他。祖父を亡くし、雄大な自然が残る故郷の小さな島に戻ったアルマ(グレアム・グリーン)は、オオカミの子とライオンの子に出会い、面倒を見ることに。アルマと2匹の間には特別な絆が生まれるが、野生生物保護局によって2匹は強制的に保護され、彼らの穏やかな暮らしは奪われてしまう。雄大な自然の中で描かれる種族を超えた絆の物語。

8点!!本作も「ミアとホワイトライオン」から着想を得て、CGなしで5年間かけて撮影しているんですよね。ストーリーは子ども向けでただただノーCGのライオンとオオカミ、ジャングルクルーズの世界のような小島の自然の美しさを堪能し、癒されるための作品です(私の中では)。本作は実話ではないけれど、本作に登場しているモーツァルト(オオカミ)とドリーマー(ライオン)は撮影後もカナダで仲良く暮らしているそうです。もう冒頭の子ライオンが親と離れ離れにさせられるところから胸が痛い~~(>_<)しかもサーカスの為の子ライオン略奪って!(最悪)アルマと2頭の出会いはファンタジーじゃないとあり得ない出会い方だったけれど(ディズニーアニメかと思った)、CGじゃない幼少期の2頭めちゃくちゃ可愛くてそこだけリピ(笑)可愛い~~癒される~~。しかもクライマックス、まんまとちょっと泣かされた。子ども向けの絵本の世界みたいな話ですが、動物虐待や逆に野生へ帰すための保護など色々な視点も垣間見れるので、親子でぜひ。あと癒されたい大人の方もぜひ(笑)2021年日本未公開作品。

「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」

トム・ハーディ主演他。最悪は塗りかえられる―外生命体シンビオートがジャーナリストのエディ(トム・ハーディ)に寄生し、エディの体内で共存しているヴェノム。ある日、連続殺人鬼クレタスが取材中のエディに噛みつき、その血液を体内に取り込む。エディの血液の中に生息していた地球外生命体シンビオートが、クレタスの体内で、その狂気に触れ、結合。おびただしい数の赤い触手が身体中を蝕み、増殖し、カーネイジ(ウディ・ハレルソン)が誕生する。その高い戦闘能力と残虐性で、収監されていた刑務所の受刑者や警官を無差別に虐殺していくカーネイジ。<大殺戮>が始まった。世に放たれたクレタスの目的は愛するシュリーク(ナオミ・ハリス)の奪還。シュリークは音波であらゆる物を破壊する「叫び声」を持っており、その共謀性から彼女も収監されていた。カーネイジとシュリーク、二つの狂気がいま一つになろうとしている―。全世界940億円を超える大ヒットを記録したシリーズ第二弾。

6点!!前作全然覚えてない・・・(汗)アン(ミシェル・ウィリアムズ)とダン(リード・スコット)って誰?職業なに?ダンの立場が良く分からないけれど、度量広すぎない?(^^;) ヴェノムますます可愛くなってる。傍にいて欲しくはないけれど。クレタスとシュリークも突然現れた超能力者としては背景が雑。ウディ・ハレルソンの存在感で何とかなっていた。3作目、スパイダーマン出てくるのかな?3作目を観たくなっての2作目鑑賞なので、早く3作目観たいです。2021年公開。

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